有価証券報告書-第73期(2025/02/01-2026/01/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年2月1日~2026年1月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、米国の通商政策の動向や円安の進行、物価上昇による消費者マインドの下振れ懸念など、依然として先行き不透明な状況が継続いたしました。
当社グループが属する業務用食品卸売業界におきましては、好調なインバウンド需要などを背景に、主要マーケットである外食市場は堅調に推移しましたが、物価上昇による消費者の節約志向の高まりや人手不足の深刻化、物流費をはじめとする諸経費の上昇などにより、予断を許さない状況が継続いたしました。
このような中、当社グループは中期経営計画(3カ年計画)「SHIFT-UP 2027」(期間:2025年1月期~2027年1月期)の2年目として、3つの重点施策である「新たな成長ステージへの変革」「サステナビリティ経営の推進」「企業認知度の向上と株主還元の継続」に沿った具体的な取り組みを継続して推進いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、前期に食品スーパー事業から撤退した影響がありましたが、国内を中心に外食産業向け業務用食品の販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)となりました。
営業利益は、増収による売上総利益の増加や食品スーパー事業の撤退による増益が、シンガポール子会社の売上総利益率の低下や既存事業の運賃及び荷造費の増加などを吸収し、78億53百万円(同4.8%増)となりました。経常利益は79億28百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(同2.0%増)となりました。なお、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新いたしました。
セグメント別の概況につきましては、次のとおりであります。
※2025年5月29日付「報告セグメントの変更に関するお知らせ」において公表の通り、前期に、事業ポートフォリオの見直しをしたことに伴い、当連結会計年度より、従来の報告セグメントから「食品スーパー事業」を抹消しております。
<ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門>当事業部門の主要マーケットである国内外食業界は、好調なインバウンド需要の下支えなどにより、市場環境は堅調に推移している一方で、食材コストの上昇や人手不足への対応は継続的な課題となっております。
このような中、当事業部門では、中期経営計画の取り組みテーマの一つである「エリア毎の市場環境に沿った事業展開へのシフト」を実行しつつ、既存得意先の深耕と新規得意先の開拓を進めました。
国内最大市場である首都圏でのシェア拡大を図るため、株式会社トーホーフードサービスでは2月に本格稼働した横浜支店 横浜DC(横浜市鶴見区)を活用し、営業活動を強化したほか、株式会社トーホー・北関東では周辺事業所を統合する形で3月に茨城西支店(茨城県下妻市)を開設いたしました。また、観光需要が活発なエリアへの対応として、株式会社トーホーフードサービスでは4月に京都支店(京都市東山区)を、11月に金沢支店(石川県金沢市)をそれぞれ新築移転し、株式会社トーホー沖縄では12月に宮古島営業所(沖縄県宮古島市)を開設いたしました。更に、本社所在地の神戸では自社焙煎「toho coffee」のブランド力を高めるべく、12月にtoho coffee shop 神戸元町(神戸市中央区)をオープンいたしました。
全国7会場で開催した総合展示商談会では、新商品やリニューアル商品を中心に味や品質、使い勝手にこだわったプライベートブランド商品や人手不足や食材コストの上昇といった外食業界の課題解決につながる提案を積極的に実施いたしました。
また、当期は商品力を更に強化すべく、9月に国産のチルド鶏肉を中心に生産、加工、販売を行う株式会社三協食鳥をグループ化いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は国内外食産業向け販売の堅調な推移や新規グループ会社の寄与などにより2,009億10百万円(前期比9.2%増)、営業利益はシンガポール子会社の売上総利益率の低下や運賃及び荷造費の増加などにより、58億10百万円(同6.7%減)となりました。
なお、新たな海外展開として、2026年2月にベトナムで食品卸売を営む「KOME88 JOINT STOCK COMPANY」の発行済株式の40.0%を取得(持分法適用関連会社化)いたしました。
<キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門>当事業部門につきましては、プロの食材の店「A-プライス」を中心に、主要顧客である中小飲食店に対し、毎日の仕入れへのサポート力を高めるべく、新商品やおすすめ・こだわり商品、メニュー提案といった情報提供の強化を図りました。季節ごとの販促企画を行い、旬の食材や新メニューの提案を強化したほか、差別化商品であるプライベートブランド商品については専任担当者を全店に配置し、試食販売を強化いたしました。また、新たな取り組みとして一部エリアで市場開拓専門の担当者を配置し、新規顧客開拓を強化したほか、店舗周辺の飲食店への利便性向上を図るべく、クイックコマースサービス(即時配達サービス)を65店舗に導入いたしました。
各地で開催する展示商談会につきましては9会場で実施し、地産地消や年末年始商材などの提案を行ったほか、小規模のエリアミニ提案会も実施し、提案機会の拡大を図りました。
一方、店舗につきましては、株式会社トーホーキャッシュアンドキャリーが1月にA-プライスぴおシティ桜木町店(横浜市中区)を出店するとともに、A-プライス4店舗(3月小倉北店、5月新金岡店、6月佐賀店、8月溝の口店)を改装、1店舗(5月練馬インター店)を閉店いたしました。また、株式会社トーホー沖縄は11月にA-プライス宮古島店(沖縄県宮古島市)を出店いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は456億44百万円(前期比1.7%増)、営業利益は諸経費の増加などにより15億43百万円(同9.6%減)となりました。
<フードソリューション事業部門>当事業部門につきましては、品質・衛生管理サービス、外食企業向け業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工など「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能の提案に引き続き注力いたしました。
外食産業の人手不足が深刻化する中、グループ各社の展示商談会に出展し、業務効率化や調理工程の省力化につながる提案を積極的に行うなどグループシナジーの更なる発揮に努めました。
なお、品質・衛生管理サービスを提供する株式会社トーホービジネスサービスでは、首都圏での活動を強化するため、5月に東京オフィスを開設いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は131億93百万円(前期比2.1%増)、営業利益は5億円(同25.4%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ81億33百万円増加し、964億54百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が19億75百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が35億84百万円、退職給付に係る資産が13億72百万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ47億10百万円増加し、619億11百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が29億76百万円、繰延税金負債が14億11百万円増加したことなどによるものであります。
なお、当連結会計年度末の借入金の総額は185億20百万円(前連結会計年度末185億4百万円)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ34億24百万円増加し、345億42百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益45億76百万円の計上及び配当金15億54百万円の支払いにより、利益剰余金が30億21百万円増加したことなどによるものであります。自己資本比率については純資産の増加により、35.7%と前連結会計年度末の34.8%に比べ0.9ポイント上昇いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、79億35百万円の収入(前連結会計年度は64億90百万円の収入)となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益による増加73億77百万円(前連結会計年度は71億89百万円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費24億87百万円(前連結会計年度は20億43百万円)、仕入債務の増加21億64百万円(前連結会計年度は8億63百万円)に対して、主な支出は売上債権の増加24億77百万円(前連結会計年度は2億64百万円の増加)、法人税等の支払額20億33百万円(前連結会計年度は15億78百万円の支払)などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億円の支出(前連結会計年度は21億60百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗の改装・移転に向けた固定資産の取得による支出26億9百万円(前連結会計年度は32億48百万円の支出)に対して、移転や統合に伴う土地等の固定資産の売却等による収入17億14百万円(前連結会計年度は10億81百万円の収入)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、54億84百万円の支出(前連結会計年度は46億34百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入83億円(前連結会計年度は65億円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出111億26百万円(前連結会計年度は94億23百万円の支出)、配当金の支払額15億51百万円(前連結会計年度は11億81百万円)などによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ20億40百万円増加し、111億50百万円となりました。
(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
② 販売の実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析
当連結会計年度はインバウンド需要の活況などを背景に国内外食産業への販売が堅調に推移しました。この結果、現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産などが増加し、資産合計は増加しました。一方で売上高の増加に伴い支払手形及び買掛金が増加したことにより、負債合計は増加いたしました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより純資産は増加し、自己資本比率は35.7%に上昇するなど、財政状態の改善が進みました。
個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)となりました。食品スーパー事業の完全撤退を進めるなどの減収要因がありましたが、国内外食産業への販売が堅調に推移したことに加え、新規M&Aによる寄与もあり全体では増収となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は499億80百万円(前期比1.9%増)となりました。食品スーパー事業からの撤退の影響がありましたが、新規M&Aを含む既存事業の増収に伴い売上総利益額は増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は78億53百万円(前期比4.8%増)となりました。新規M&Aを含む既存事業の増収に伴う売上総利益額の増加および食品スーパー事業からの撤退による増益が、シンガポール子会社における売上総利益率の低下に伴う売上総利益額の減少や既存事業における運賃及び荷造費等の経費の増加の影響を上回り、営業利益は増益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は79億28百万円(前期比3.0%増)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益も増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(前期比2.0%増)となりました。固定資産除却損等の増加はあるものの、固定資産売却益等の増加があり、創業来の最高益を前期に続き更新しました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて減価償却費などにより、営業キャッシュ・フローは79億35百万円となりました。投資キャッシュ・フローは店舗の出店・改装、横浜支店 横浜DCの稼働等に向けた設備投資の実施に伴い5億円の支出となりました。財務キャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済により54億84百万円の支出となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は111億50百万円となりました。
個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では拠点の新設・移転、ソフトウェア投資等27億80百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。
b.財務政策
当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金、資本市場からの調達により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。
当連結会計年度につきましては、長期借入金の圧縮が進んだ一方で、新規M&Aに伴う連結子会社の外部借入金の取り込み等により、借入金残高は185億20百万円(前期比15百万円増)となっております。
また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的成長と収益力の向上を通じて、企業価値を継続的に高めていくことを経営目標の一つとしております。具体的には事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「親会社株主に帰属する当期純利益」、また最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りを確保するという観点から「ROE」、さらに企業価値に対する市場からの評価を示す指標として「PBR」を中長期的な指標としております。
当連結会計年度における売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(前期比2.0%増)となったためROEは14.0%となりました。PBRにつきましては、1.2倍となりました。引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取り組んでまいります。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年2月1日~2026年1月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、米国の通商政策の動向や円安の進行、物価上昇による消費者マインドの下振れ懸念など、依然として先行き不透明な状況が継続いたしました。
当社グループが属する業務用食品卸売業界におきましては、好調なインバウンド需要などを背景に、主要マーケットである外食市場は堅調に推移しましたが、物価上昇による消費者の節約志向の高まりや人手不足の深刻化、物流費をはじめとする諸経費の上昇などにより、予断を許さない状況が継続いたしました。
このような中、当社グループは中期経営計画(3カ年計画)「SHIFT-UP 2027」(期間:2025年1月期~2027年1月期)の2年目として、3つの重点施策である「新たな成長ステージへの変革」「サステナビリティ経営の推進」「企業認知度の向上と株主還元の継続」に沿った具体的な取り組みを継続して推進いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、前期に食品スーパー事業から撤退した影響がありましたが、国内を中心に外食産業向け業務用食品の販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)となりました。
営業利益は、増収による売上総利益の増加や食品スーパー事業の撤退による増益が、シンガポール子会社の売上総利益率の低下や既存事業の運賃及び荷造費の増加などを吸収し、78億53百万円(同4.8%増)となりました。経常利益は79億28百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(同2.0%増)となりました。なお、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新いたしました。
セグメント別の概況につきましては、次のとおりであります。
| [売上高の内訳] | (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2024年2月1日 至 2025年1月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年2月1日 至 2026年1月31日) | 増減 | |
| ディストリビューター (業務用食品卸売)事業部門 | 184,037 | 200,910 | +16,873 |
| キャッシュアンドキャリー (業務用食品現金卸売)事業部門 | 44,860 | 45,644 | +784 |
| フードソリューション事業部門 | 12,917 | 13,193 | +276 |
| 食品スーパー事業部門 | 4,651 | - | △4,651 |
| 合計 | 246,465 | 259,747 | +13,283 |
| [営業利益又は営業損失(△)の内訳] | (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2024年2月1日 至 2025年1月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年2月1日 至 2026年1月31日) | 増減 | |
| ディストリビューター (業務用食品卸売)事業部門 | 6,224 | 5,810 | △414 |
| キャッシュアンドキャリー (業務用食品現金卸売)事業部門 | 1,707 | 1,543 | △164 |
| フードソリューション事業部門 | 399 | 500 | +101 |
| 食品スーパー事業部門 | △835 | - | +835 |
| 合計 | 7,496 | 7,853 | +357 |
※2025年5月29日付「報告セグメントの変更に関するお知らせ」において公表の通り、前期に、事業ポートフォリオの見直しをしたことに伴い、当連結会計年度より、従来の報告セグメントから「食品スーパー事業」を抹消しております。
<ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門>当事業部門の主要マーケットである国内外食業界は、好調なインバウンド需要の下支えなどにより、市場環境は堅調に推移している一方で、食材コストの上昇や人手不足への対応は継続的な課題となっております。
このような中、当事業部門では、中期経営計画の取り組みテーマの一つである「エリア毎の市場環境に沿った事業展開へのシフト」を実行しつつ、既存得意先の深耕と新規得意先の開拓を進めました。
国内最大市場である首都圏でのシェア拡大を図るため、株式会社トーホーフードサービスでは2月に本格稼働した横浜支店 横浜DC(横浜市鶴見区)を活用し、営業活動を強化したほか、株式会社トーホー・北関東では周辺事業所を統合する形で3月に茨城西支店(茨城県下妻市)を開設いたしました。また、観光需要が活発なエリアへの対応として、株式会社トーホーフードサービスでは4月に京都支店(京都市東山区)を、11月に金沢支店(石川県金沢市)をそれぞれ新築移転し、株式会社トーホー沖縄では12月に宮古島営業所(沖縄県宮古島市)を開設いたしました。更に、本社所在地の神戸では自社焙煎「toho coffee」のブランド力を高めるべく、12月にtoho coffee shop 神戸元町(神戸市中央区)をオープンいたしました。
全国7会場で開催した総合展示商談会では、新商品やリニューアル商品を中心に味や品質、使い勝手にこだわったプライベートブランド商品や人手不足や食材コストの上昇といった外食業界の課題解決につながる提案を積極的に実施いたしました。
また、当期は商品力を更に強化すべく、9月に国産のチルド鶏肉を中心に生産、加工、販売を行う株式会社三協食鳥をグループ化いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は国内外食産業向け販売の堅調な推移や新規グループ会社の寄与などにより2,009億10百万円(前期比9.2%増)、営業利益はシンガポール子会社の売上総利益率の低下や運賃及び荷造費の増加などにより、58億10百万円(同6.7%減)となりました。
なお、新たな海外展開として、2026年2月にベトナムで食品卸売を営む「KOME88 JOINT STOCK COMPANY」の発行済株式の40.0%を取得(持分法適用関連会社化)いたしました。
<キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門>当事業部門につきましては、プロの食材の店「A-プライス」を中心に、主要顧客である中小飲食店に対し、毎日の仕入れへのサポート力を高めるべく、新商品やおすすめ・こだわり商品、メニュー提案といった情報提供の強化を図りました。季節ごとの販促企画を行い、旬の食材や新メニューの提案を強化したほか、差別化商品であるプライベートブランド商品については専任担当者を全店に配置し、試食販売を強化いたしました。また、新たな取り組みとして一部エリアで市場開拓専門の担当者を配置し、新規顧客開拓を強化したほか、店舗周辺の飲食店への利便性向上を図るべく、クイックコマースサービス(即時配達サービス)を65店舗に導入いたしました。
各地で開催する展示商談会につきましては9会場で実施し、地産地消や年末年始商材などの提案を行ったほか、小規模のエリアミニ提案会も実施し、提案機会の拡大を図りました。
一方、店舗につきましては、株式会社トーホーキャッシュアンドキャリーが1月にA-プライスぴおシティ桜木町店(横浜市中区)を出店するとともに、A-プライス4店舗(3月小倉北店、5月新金岡店、6月佐賀店、8月溝の口店)を改装、1店舗(5月練馬インター店)を閉店いたしました。また、株式会社トーホー沖縄は11月にA-プライス宮古島店(沖縄県宮古島市)を出店いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は456億44百万円(前期比1.7%増)、営業利益は諸経費の増加などにより15億43百万円(同9.6%減)となりました。
<フードソリューション事業部門>当事業部門につきましては、品質・衛生管理サービス、外食企業向け業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工など「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能の提案に引き続き注力いたしました。
外食産業の人手不足が深刻化する中、グループ各社の展示商談会に出展し、業務効率化や調理工程の省力化につながる提案を積極的に行うなどグループシナジーの更なる発揮に努めました。
なお、品質・衛生管理サービスを提供する株式会社トーホービジネスサービスでは、首都圏での活動を強化するため、5月に東京オフィスを開設いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は131億93百万円(前期比2.1%増)、営業利益は5億円(同25.4%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ81億33百万円増加し、964億54百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が19億75百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が35億84百万円、退職給付に係る資産が13億72百万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ47億10百万円増加し、619億11百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が29億76百万円、繰延税金負債が14億11百万円増加したことなどによるものであります。
なお、当連結会計年度末の借入金の総額は185億20百万円(前連結会計年度末185億4百万円)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ34億24百万円増加し、345億42百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益45億76百万円の計上及び配当金15億54百万円の支払いにより、利益剰余金が30億21百万円増加したことなどによるものであります。自己資本比率については純資産の増加により、35.7%と前連結会計年度末の34.8%に比べ0.9ポイント上昇いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
| (金額表示:百万円) | |||
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,490 | 7,935 | 1,444 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,160 | △500 | 1,660 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △4,634 | △5,484 | △850 |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 9,109 | 11,150 | 2,040 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、79億35百万円の収入(前連結会計年度は64億90百万円の収入)となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益による増加73億77百万円(前連結会計年度は71億89百万円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費24億87百万円(前連結会計年度は20億43百万円)、仕入債務の増加21億64百万円(前連結会計年度は8億63百万円)に対して、主な支出は売上債権の増加24億77百万円(前連結会計年度は2億64百万円の増加)、法人税等の支払額20億33百万円(前連結会計年度は15億78百万円の支払)などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億円の支出(前連結会計年度は21億60百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗の改装・移転に向けた固定資産の取得による支出26億9百万円(前連結会計年度は32億48百万円の支出)に対して、移転や統合に伴う土地等の固定資産の売却等による収入17億14百万円(前連結会計年度は10億81百万円の収入)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、54億84百万円の支出(前連結会計年度は46億34百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入83億円(前連結会計年度は65億円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出111億26百万円(前連結会計年度は94億23百万円の支出)、配当金の支払額15億51百万円(前連結会計年度は11億81百万円)などによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ20億40百万円増加し、111億50百万円となりました。
(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年2月1日 至 2026年1月31日) | 前期比(%) |
| ディストリビューター事業(百万円) | 186,289 | 110.0 |
| キャッシュアンドキャリー事業(百万円) | 11,686 | 87.4 |
| フードソリューション事業(百万円) | 3,114 | 80.3 |
| 合計(百万円) | 201,089 | 106.0 |
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
② 販売の実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年2月1日 至 2026年1月31日) | 前期比(%) |
| ディストリビューター事業(百万円) | 200,910 | 109.2 |
| キャッシュアンドキャリー事業(百万円) | 45,644 | 101.7 |
| フードソリューション事業(百万円) | 13,193 | 102.1 |
| 合計(百万円) | 259,747 | 105.4 |
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析
当連結会計年度はインバウンド需要の活況などを背景に国内外食産業への販売が堅調に推移しました。この結果、現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産などが増加し、資産合計は増加しました。一方で売上高の増加に伴い支払手形及び買掛金が増加したことにより、負債合計は増加いたしました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより純資産は増加し、自己資本比率は35.7%に上昇するなど、財政状態の改善が進みました。
個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)となりました。食品スーパー事業の完全撤退を進めるなどの減収要因がありましたが、国内外食産業への販売が堅調に推移したことに加え、新規M&Aによる寄与もあり全体では増収となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は499億80百万円(前期比1.9%増)となりました。食品スーパー事業からの撤退の影響がありましたが、新規M&Aを含む既存事業の増収に伴い売上総利益額は増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は78億53百万円(前期比4.8%増)となりました。新規M&Aを含む既存事業の増収に伴う売上総利益額の増加および食品スーパー事業からの撤退による増益が、シンガポール子会社における売上総利益率の低下に伴う売上総利益額の減少や既存事業における運賃及び荷造費等の経費の増加の影響を上回り、営業利益は増益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は79億28百万円(前期比3.0%増)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益も増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(前期比2.0%増)となりました。固定資産除却損等の増加はあるものの、固定資産売却益等の増加があり、創業来の最高益を前期に続き更新しました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて減価償却費などにより、営業キャッシュ・フローは79億35百万円となりました。投資キャッシュ・フローは店舗の出店・改装、横浜支店 横浜DCの稼働等に向けた設備投資の実施に伴い5億円の支出となりました。財務キャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済により54億84百万円の支出となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は111億50百万円となりました。
個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では拠点の新設・移転、ソフトウェア投資等27億80百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。
b.財務政策
当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金、資本市場からの調達により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。
当連結会計年度につきましては、長期借入金の圧縮が進んだ一方で、新規M&Aに伴う連結子会社の外部借入金の取り込み等により、借入金残高は185億20百万円(前期比15百万円増)となっております。
また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的成長と収益力の向上を通じて、企業価値を継続的に高めていくことを経営目標の一つとしております。具体的には事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「親会社株主に帰属する当期純利益」、また最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りを確保するという観点から「ROE」、さらに企業価値に対する市場からの評価を示す指標として「PBR」を中長期的な指標としております。
当連結会計年度における売上高は2,597億47百万円(前期比5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億76百万円(前期比2.0%増)となったためROEは14.0%となりました。PBRにつきましては、1.2倍となりました。引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取り組んでまいります。