有価証券報告書-第68期(令和2年2月1日-令和3年1月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2020年2月1日から2021年1月31日まで)におけるわが国経済は、企業活動が制限され個人消費が著しく低迷するなど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた1年となりました。4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、経済活動が再開され「Go Toキャンペーン」などの需要喚起策により個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、11月以降は全国的に感染者数が急増し同宣言が再発出されるなど、新型コロナウイルス感染症の拡大は今なお終息の見通しが立っておらず、先行き不透明な状況が継続しております。
このような厳しい経営環境のなか、当社グループは第七次中期経営計画(3ヵ年計画)「IMPACT 2020」(2019年1月期(2018年度)~2021年1月期(2020年度))の最終年度として、さらなる企業価値の向上を図るべく、8つの重点施策に沿った具体的な取り組みを推進いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの主な販売先である外食産業の経営環境の悪化を招き、当社グループにおきましても業務用食品卸売事業を中心に厳しい事業運営を強いられました。
当社グループは、従業員やお客様の安心・安全を第一に考え、感染拡大防止策を徹底するとともに、収益構造改革による損益分岐点の引き下げやグループ各社間の連携を強化するなど様々な対策を講じ、このような厳しい状況に対処してまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は大きく、売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)、営業損失は減収に伴う売上総利益の減少により31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)、経常損失は20億63百万円(前期は15億18百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は35億91百万円(前期は4億74百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の概況については、次のとおりであります。
なお当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。これにより前連結会計年度につきましても変更後の区分により作成したものを記載しております。
詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
〈ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門〉
当事業部門では、新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、主な販売先である飲食店やホテル、テーマパークなどにおいてインバウンド消費が急激に減少したことに加え、緊急事態宣言に伴う広範囲における営業自粛・外出自粛要請などにより外食市場が急速に縮小いたしました。同宣言の解除後は、「Go Toキャンペーン」などの需要喚起策などにより個人消費が徐々に持ち直しましたが、11月以降は感染が急拡大し同宣言が再発出されるなど厳しい事業運営を強いられる結果となりました。
そうしたなか、当事業部門では2月に香港2社目となる業務用食品卸売会社Suitfit Company Limitedを連結子会社化いたしました。また国内では4月に連結子会社である㈱プレストサンケー商会(石川県金沢市)を㈱トーホーフードサービスが吸収合併し、着実に事業基盤を強化する一方で、3営業所(10月:㈱トーホーフードサービス 飯塚営業所(福岡県飯塚市)、12月:同 松江営業所(島根県松江市)、1月:㈱トーホー・北関東 柏営業所(千葉県柏市))を閉鎖するなど構造改革に取り組みました。
厳しい経営環境のもと、新規顧客の開拓を推し進めるとともに、社内会議・研修においてWeb会議システムを活用するなどコスト・コントロールや業務改革の推進にも注力いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は1,162億73百万円(前期比25.9%減)、営業損失は41億85百万円(前期は12億40百万円の営業利益)となりました。
〈キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門〉
当事業部門も新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けるなか、㈱トーホーキャッシュアンドキャリーが運営するプロの食材の店「A-プライス」において、主要顧客である中小飲食店に対して「北海道フェア」などの全店統一フェアを継続して実施するとともに、「toho coffee」などのプライベートブランド商品の販売も強化いたしました。また8月に府中市場店(東京都府中市)を出店するとともに、5店舗(2月:西神戸店(神戸市西区)、3月:小倉南店(北九州市小倉南区)、4月:丸亀店(香川県丸亀市)、10月:宮崎店(宮崎市)、11月:姫路店(兵庫県姫路市))を改装、1店舗(4月:下関店(山口県下関市))を移転するなど事業基盤を強化いたしました。一方で3店舗(1月:岡山南店(岡山市南区)、㈱トーホー・C&C静岡 ニッショク浜松和田店(浜松市南区)、同 こまつや沼津店(静岡県沼津市))を閉店いたしました。
また2月にワンストップ型キャッシュアンドキャリー「せんどば」の運営を㈱トーホーから㈱トーホーキャッシュアンドキャリーに移管いたしました。ノウハウの融合による事業力の強化を図ったことが奏功し、「せんどば」はコロナ禍でも増収を継続しております。
なお厳しい経営環境にある顧客を応援すべく、5月にスマートフォン専用「A-プライス」公式アプリ内において「あなたのまちの飲食店さん応援企画」を立ち上げ、顧客である飲食店の営業情報の発信を開始いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は390億19百万円(前期比4.0%減)、営業利益は売上総利益率の改善並びに販売促進費の削減などにより7億68百万円(同499.5%増)となりました。
〈食品スーパー事業部門〉
コロナ禍で巣ごもり需要が拡大する一方で、消費者の生活防衛意識の高まりや業界の垣根を越えた競争激化が継続いたしました。こうした状況のなか、㈱トーホーストアではコンセプトである「健康で安心な地域の冷蔵庫」「あなたの街の食品スーパー」「毎日のおかずを提供する店」を実践すべく、生鮮・惣菜の鮮度向上により一層注力するとともに、少量パック「ちょっとでええねん!」シリーズを強化するなど商品力の向上に努めました。また8月に、㈱淡路屋(神戸市東灘区)とオリジナル弁当を共同開発し、タベモノガタリ㈱(神戸市西区、屋号:八百屋のタケシタ)の新鮮野菜を販売開始するなど、地元企業との協業も推進いたしました。
事業基盤を強化するため、約2年ぶりとなる新店を1店舗(1月:阪神大石駅店(神戸市灘区))出店し、3店舗(6月:西長田店(神戸市長田区)、10月:平野祇園店(神戸市兵庫区)・ポーアイ店(神戸市中央区))を改装する一方で、1店舗(1月:小束山店(神戸市垂水区))を閉店いたしました。
一方で収益力の向上を図るべく、発注量の適正化などロス管理を徹底するとともに、コスト・コントロールにも継続して取り組みました。
以上の結果、当事業部門の売上高は188億32百万円(前期比4.4%減)、営業損失は売上総利益率の改善により1億35百万円(前期は3億44百万円の営業損失)と前期より改善いたしました。
〈フードソリューション事業部門〉
品質管理、業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工などの「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能について提案を強化するとともに、グループ内へのコスト・コントロール提案にも注力いたしました。
品質管理サービスを展開する㈱トーホービジネスサービスは、食品安全マネジメントシステム認証(「JFS‐A/B規格」(食品製造セクター))の監査会社として、当期は6社に対して適合証明書を発行いたしました。また10月には、飲食店向けの「JFS規格(フードサービス)セクターG」の監査会社としての認定も受けるなど、「外食ビジネスをトータルにサポートする」考えのもと、食品業界の安心・安全により一層貢献いたしました。
以上の結果、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、当事業部門の売上高は120億92百万円(前期比13.9%減)、営業利益は4億10百万円(同0.1%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(総資産)
当期末の総資産は前期末に比べ75億83百万円減少し、831億62百万円となりました。主に減少したのは、受取手形及び売掛金41億18百万円、たな卸資産19億32百万円であります。
(負債)
当期末の負債は前期末に比べ23億54百万円減少し、637億77百万円となりました。主に増加したのは、短期借入金21億77百万円、長期借入金18億68百万円であります。主に減少したのは、支払手形及び買掛金64億76百万円であります。なお、借入金の総額は339億31百万円(前期298億85百万円)となりました。
(純資産)
当期末の純資産は前期末に比べ52億29百万円減少し、193億84百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純損失による減少35億91百万円、連結子会社株式の追加取得による減少5億49百万円、非支配株主持分の減少2億16百万円、為替換算調整勘定の減少3億58百万円、配当金の支払2億68百万円(前期末1株当たり25円)によるものであります。自己資本比率については当期末22.6%と前連結会計年度末の26.2%に比べ3.6ポイント低下いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1億39百万円の収入(前期25億円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失による減少33億67百万円(前期16億72百万円の税金等調整前当期純利益)、仕入債務の減少65億24百万円(前期2億41百万円の増加)に対して、減価償却費22億27百万円(前期22億41百万円)、のれん償却費8億22百万円(前期7億89百万円)、売上債権の減少42億68百万円(前期1億53百万円の増加)、たな卸資産の減少20億50百万円(前期2億77百万円の増加)、減損損失6億46百万円(前期6百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億74百万円の支出(前期7億54百万円の支出)となりました。
これは主に、キャッシュアンドキャリー事業の店舗の新規出店・改装、食品スーパー事業の新規出店・改装など固定資産の取得による支出19億99百万円(前期18億82百万円の支出)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億78百万円(前期2億21百万円の支出)に対して、固定資産の売却等による収入5億11百万円(前期6億71百万円の収入)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、24億53百万円の収入(前期22億2百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入166億90百万円(前期105億50百万円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出129億43百万円(前期116億91百万円の支出)、配当金(前期末1株当たり25円)の支払による支出2億70百万円(前期5億38百万円の支出)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出8億49百万円、リース債務の返済による支出4億90百万円(前期4億93百万円の支出)によるものであります。
以上の結果、当期末の連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、49百万円増加し、68億39百万円となりました。
(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
② 販売の実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析
当連結会計年度は、売上高の減少に伴い売掛金及び買掛金が縮小した一方で、資金確保を優先して借入金が増加しました。また損失を計上したこと等による純資産の減少で、自己資本比率は22.6%にまで低下し、ネットDEレシオについても1.47まで上昇するなど財政状態に少なからず影響が及ぶこととなりました。
個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、当社グループの主要事業であるディストリビューター事業の販売先である外食産業等の経営悪化を招いたことが前期比減収の一番の要因となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は364億4百万円(前期比17.5%減)となりました。比較的売上総利益率が低めであるディストリビューター事業の構成比の低下とキャッシュアンドキャリー事業および食品スーパー事業で価値に見合った価格での販売を進めた結果、売上総利益率については前期の19.07%に比べ19.55%となりました。
(営業損失)
当連結会計年度の営業損失は31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)となりました。損益分岐点を下げるための徹底したコスト・コントロールと収益構造改革に取り組みましたが、減収による売上総利益の減少が大きく影響しました。
(経常損失)
当連結会計年度の経常損失は20億63百万円(前期は15億18百万円の経常利益)となりました。雇用調整助成金他の計上により営業外収支が10億78百万円(前期は85百万円)と改善しました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は35億91百万円(前期は4億74百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。特別損益の主なものは、特別損失として、減損損失6億46百万円、固定資産除却損2億37百万円、投資有価証券評価損1億78百万円、店舗閉鎖損失1億79百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失52百万円を計上いたしました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、売上の減少に伴う大きな増減があるなかで、税金等調整前当期純損失の計上による減少が大きく影響しましたが、減価償却費等により営業キャッシュ・フローはプラスとなりました。一方で、成長戦略に基づく新規出店・改装等の固定資産の取得および子会社株式の取得を行ったため、投資キャッシュ・フローはマイナスとなりました。これらに対し、借入金の増加によりキャッシュを確保した結果、財務キャッシュ・フローは大きく増加しました。
個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では店舗の新規出店・改装等22億27百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。
b.財務政策
当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を踏まえて長期借入金の調達を増加させた結果、借入金残高は339億31百万円(前期比40億46百万円増)となっております。
また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「営業利益」、最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りが確保されているかという観点から「ROE」を中長期的な指標として位置付けております。
当連結会計年度における売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)、営業損失が31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)となり親会社株主に帰属する当期純利益も純損失となったためROEはマイナスとなりましたが、引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取組んでまいります。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2020年2月1日から2021年1月31日まで)におけるわが国経済は、企業活動が制限され個人消費が著しく低迷するなど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた1年となりました。4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、経済活動が再開され「Go Toキャンペーン」などの需要喚起策により個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、11月以降は全国的に感染者数が急増し同宣言が再発出されるなど、新型コロナウイルス感染症の拡大は今なお終息の見通しが立っておらず、先行き不透明な状況が継続しております。
このような厳しい経営環境のなか、当社グループは第七次中期経営計画(3ヵ年計画)「IMPACT 2020」(2019年1月期(2018年度)~2021年1月期(2020年度))の最終年度として、さらなる企業価値の向上を図るべく、8つの重点施策に沿った具体的な取り組みを推進いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの主な販売先である外食産業の経営環境の悪化を招き、当社グループにおきましても業務用食品卸売事業を中心に厳しい事業運営を強いられました。
当社グループは、従業員やお客様の安心・安全を第一に考え、感染拡大防止策を徹底するとともに、収益構造改革による損益分岐点の引き下げやグループ各社間の連携を強化するなど様々な対策を講じ、このような厳しい状況に対処してまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は大きく、売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)、営業損失は減収に伴う売上総利益の減少により31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)、経常損失は20億63百万円(前期は15億18百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は35億91百万円(前期は4億74百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の概況については、次のとおりであります。
なお当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。これにより前連結会計年度につきましても変更後の区分により作成したものを記載しております。
詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
〈ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門〉
当事業部門では、新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、主な販売先である飲食店やホテル、テーマパークなどにおいてインバウンド消費が急激に減少したことに加え、緊急事態宣言に伴う広範囲における営業自粛・外出自粛要請などにより外食市場が急速に縮小いたしました。同宣言の解除後は、「Go Toキャンペーン」などの需要喚起策などにより個人消費が徐々に持ち直しましたが、11月以降は感染が急拡大し同宣言が再発出されるなど厳しい事業運営を強いられる結果となりました。
そうしたなか、当事業部門では2月に香港2社目となる業務用食品卸売会社Suitfit Company Limitedを連結子会社化いたしました。また国内では4月に連結子会社である㈱プレストサンケー商会(石川県金沢市)を㈱トーホーフードサービスが吸収合併し、着実に事業基盤を強化する一方で、3営業所(10月:㈱トーホーフードサービス 飯塚営業所(福岡県飯塚市)、12月:同 松江営業所(島根県松江市)、1月:㈱トーホー・北関東 柏営業所(千葉県柏市))を閉鎖するなど構造改革に取り組みました。
厳しい経営環境のもと、新規顧客の開拓を推し進めるとともに、社内会議・研修においてWeb会議システムを活用するなどコスト・コントロールや業務改革の推進にも注力いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は1,162億73百万円(前期比25.9%減)、営業損失は41億85百万円(前期は12億40百万円の営業利益)となりました。
〈キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門〉
当事業部門も新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けるなか、㈱トーホーキャッシュアンドキャリーが運営するプロの食材の店「A-プライス」において、主要顧客である中小飲食店に対して「北海道フェア」などの全店統一フェアを継続して実施するとともに、「toho coffee」などのプライベートブランド商品の販売も強化いたしました。また8月に府中市場店(東京都府中市)を出店するとともに、5店舗(2月:西神戸店(神戸市西区)、3月:小倉南店(北九州市小倉南区)、4月:丸亀店(香川県丸亀市)、10月:宮崎店(宮崎市)、11月:姫路店(兵庫県姫路市))を改装、1店舗(4月:下関店(山口県下関市))を移転するなど事業基盤を強化いたしました。一方で3店舗(1月:岡山南店(岡山市南区)、㈱トーホー・C&C静岡 ニッショク浜松和田店(浜松市南区)、同 こまつや沼津店(静岡県沼津市))を閉店いたしました。
また2月にワンストップ型キャッシュアンドキャリー「せんどば」の運営を㈱トーホーから㈱トーホーキャッシュアンドキャリーに移管いたしました。ノウハウの融合による事業力の強化を図ったことが奏功し、「せんどば」はコロナ禍でも増収を継続しております。
なお厳しい経営環境にある顧客を応援すべく、5月にスマートフォン専用「A-プライス」公式アプリ内において「あなたのまちの飲食店さん応援企画」を立ち上げ、顧客である飲食店の営業情報の発信を開始いたしました。
以上の結果、当事業部門の売上高は390億19百万円(前期比4.0%減)、営業利益は売上総利益率の改善並びに販売促進費の削減などにより7億68百万円(同499.5%増)となりました。
〈食品スーパー事業部門〉
コロナ禍で巣ごもり需要が拡大する一方で、消費者の生活防衛意識の高まりや業界の垣根を越えた競争激化が継続いたしました。こうした状況のなか、㈱トーホーストアではコンセプトである「健康で安心な地域の冷蔵庫」「あなたの街の食品スーパー」「毎日のおかずを提供する店」を実践すべく、生鮮・惣菜の鮮度向上により一層注力するとともに、少量パック「ちょっとでええねん!」シリーズを強化するなど商品力の向上に努めました。また8月に、㈱淡路屋(神戸市東灘区)とオリジナル弁当を共同開発し、タベモノガタリ㈱(神戸市西区、屋号:八百屋のタケシタ)の新鮮野菜を販売開始するなど、地元企業との協業も推進いたしました。
事業基盤を強化するため、約2年ぶりとなる新店を1店舗(1月:阪神大石駅店(神戸市灘区))出店し、3店舗(6月:西長田店(神戸市長田区)、10月:平野祇園店(神戸市兵庫区)・ポーアイ店(神戸市中央区))を改装する一方で、1店舗(1月:小束山店(神戸市垂水区))を閉店いたしました。
一方で収益力の向上を図るべく、発注量の適正化などロス管理を徹底するとともに、コスト・コントロールにも継続して取り組みました。
以上の結果、当事業部門の売上高は188億32百万円(前期比4.4%減)、営業損失は売上総利益率の改善により1億35百万円(前期は3億44百万円の営業損失)と前期より改善いたしました。
〈フードソリューション事業部門〉
品質管理、業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工などの「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能について提案を強化するとともに、グループ内へのコスト・コントロール提案にも注力いたしました。
品質管理サービスを展開する㈱トーホービジネスサービスは、食品安全マネジメントシステム認証(「JFS‐A/B規格」(食品製造セクター))の監査会社として、当期は6社に対して適合証明書を発行いたしました。また10月には、飲食店向けの「JFS規格(フードサービス)セクターG」の監査会社としての認定も受けるなど、「外食ビジネスをトータルにサポートする」考えのもと、食品業界の安心・安全により一層貢献いたしました。
以上の結果、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、当事業部門の売上高は120億92百万円(前期比13.9%減)、営業利益は4億10百万円(同0.1%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(総資産)
当期末の総資産は前期末に比べ75億83百万円減少し、831億62百万円となりました。主に減少したのは、受取手形及び売掛金41億18百万円、たな卸資産19億32百万円であります。
(負債)
当期末の負債は前期末に比べ23億54百万円減少し、637億77百万円となりました。主に増加したのは、短期借入金21億77百万円、長期借入金18億68百万円であります。主に減少したのは、支払手形及び買掛金64億76百万円であります。なお、借入金の総額は339億31百万円(前期298億85百万円)となりました。
(純資産)
当期末の純資産は前期末に比べ52億29百万円減少し、193億84百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純損失による減少35億91百万円、連結子会社株式の追加取得による減少5億49百万円、非支配株主持分の減少2億16百万円、為替換算調整勘定の減少3億58百万円、配当金の支払2億68百万円(前期末1株当たり25円)によるものであります。自己資本比率については当期末22.6%と前連結会計年度末の26.2%に比べ3.6ポイント低下いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1億39百万円の収入(前期25億円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失による減少33億67百万円(前期16億72百万円の税金等調整前当期純利益)、仕入債務の減少65億24百万円(前期2億41百万円の増加)に対して、減価償却費22億27百万円(前期22億41百万円)、のれん償却費8億22百万円(前期7億89百万円)、売上債権の減少42億68百万円(前期1億53百万円の増加)、たな卸資産の減少20億50百万円(前期2億77百万円の増加)、減損損失6億46百万円(前期6百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億74百万円の支出(前期7億54百万円の支出)となりました。
これは主に、キャッシュアンドキャリー事業の店舗の新規出店・改装、食品スーパー事業の新規出店・改装など固定資産の取得による支出19億99百万円(前期18億82百万円の支出)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億78百万円(前期2億21百万円の支出)に対して、固定資産の売却等による収入5億11百万円(前期6億71百万円の収入)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、24億53百万円の収入(前期22億2百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入166億90百万円(前期105億50百万円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出129億43百万円(前期116億91百万円の支出)、配当金(前期末1株当たり25円)の支払による支出2億70百万円(前期5億38百万円の支出)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出8億49百万円、リース債務の返済による支出4億90百万円(前期4億93百万円の支出)によるものであります。
以上の結果、当期末の連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、49百万円増加し、68億39百万円となりました。
(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年2月1日 至 2021年1月31日) | 前期比(%) |
| ディストリビューター事業(百万円) | 112,687 | 75.7 |
| キャッシュアンドキャリー事業(百万円) | 10,474 | 91.2 |
| 食品スーパー事業(百万円) | 13,009 | 92.7 |
| フードソリューション事業(百万円) | 2,756 | 77.2 |
| 合計(百万円) | 138,927 | 78.1 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
② 販売の実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年2月1日 至 2021年1月31日) | 前期比(%) |
| ディストリビューター事業(百万円) | 116,273 | 74.1 |
| キャッシュアンドキャリー事業(百万円) | 39,019 | 96.0 |
| 食品スーパー事業(百万円) | 18,832 | 95.6 |
| フードソリューション事業(百万円) | 12,092 | 86.1 |
| 合計(百万円) | 186,217 | 80.5 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析
当連結会計年度は、売上高の減少に伴い売掛金及び買掛金が縮小した一方で、資金確保を優先して借入金が増加しました。また損失を計上したこと等による純資産の減少で、自己資本比率は22.6%にまで低下し、ネットDEレシオについても1.47まで上昇するなど財政状態に少なからず影響が及ぶこととなりました。
個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、当社グループの主要事業であるディストリビューター事業の販売先である外食産業等の経営悪化を招いたことが前期比減収の一番の要因となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は364億4百万円(前期比17.5%減)となりました。比較的売上総利益率が低めであるディストリビューター事業の構成比の低下とキャッシュアンドキャリー事業および食品スーパー事業で価値に見合った価格での販売を進めた結果、売上総利益率については前期の19.07%に比べ19.55%となりました。
(営業損失)
当連結会計年度の営業損失は31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)となりました。損益分岐点を下げるための徹底したコスト・コントロールと収益構造改革に取り組みましたが、減収による売上総利益の減少が大きく影響しました。
(経常損失)
当連結会計年度の経常損失は20億63百万円(前期は15億18百万円の経常利益)となりました。雇用調整助成金他の計上により営業外収支が10億78百万円(前期は85百万円)と改善しました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は35億91百万円(前期は4億74百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。特別損益の主なものは、特別損失として、減損損失6億46百万円、固定資産除却損2億37百万円、投資有価証券評価損1億78百万円、店舗閉鎖損失1億79百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失52百万円を計上いたしました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、売上の減少に伴う大きな増減があるなかで、税金等調整前当期純損失の計上による減少が大きく影響しましたが、減価償却費等により営業キャッシュ・フローはプラスとなりました。一方で、成長戦略に基づく新規出店・改装等の固定資産の取得および子会社株式の取得を行ったため、投資キャッシュ・フローはマイナスとなりました。これらに対し、借入金の増加によりキャッシュを確保した結果、財務キャッシュ・フローは大きく増加しました。
個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では店舗の新規出店・改装等22億27百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。
b.財務政策
当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を踏まえて長期借入金の調達を増加させた結果、借入金残高は339億31百万円(前期比40億46百万円増)となっております。
また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「営業利益」、最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りが確保されているかという観点から「ROE」を中長期的な指標として位置付けております。
当連結会計年度における売上高は1,862億17百万円(前期比19.5%減)、営業損失が31億41百万円(前期は14億33百万円の営業利益)となり親会社株主に帰属する当期純利益も純損失となったためROEはマイナスとなりましたが、引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取組んでまいります。