訂正有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針等
a.経営理念
一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。
一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの場としよう。
b.経営方針
当社は1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市に㈱長野中央魚市場を設立し、水産物の卸売事業を開始しました。以来、「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう」の経営理念に基づき、豊かな食生活を支えるべく、美味しさと安全・安心をお届けすることを社会的使命に事業を推進しております。
創業時に制定した屋号の「
」の丸は日本を表し、そこに一の字が大書されているのは「日本一」になりたいという願望が込められています。「長野県のマルイチ」から「日本の中のマルイチ」への脱皮は、創業時から語り継いできた当社の普遍的な経営方針でもあります。
c.事業展開方針
当社グループは、長野県を中心とする甲信越及び北関東を含む首都圏、中京圏を主な販売エリアとして、水産物をはじめ畜産物、デイリー食品、冷凍食品、一般食品、菓子、業務用商品などの食品をフルラインで取り扱う総合食品卸売事業を展開しています。お客様にとって価値ある食品とサービスの提供を通じ、地域社会において、ゆたかな食と生活文化を創造することを目指し、事業活動を進めております。主力販売エリアである甲信越地域では地域密着の強みを活かした提案営業活動によりマーケットの深耕化を進め、首都圏・中京圏エリアでは生鮮流通網の拡大による事業エリアの拡大を進めております。
(2) 経営環境及び中期経営計画
a.経営環境
(環境分析)
わが国経済の動向は、新型コロナウイルス感染症の拡大による国内外経済の下振れリスクや金融市場の変動等の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が強まることが予想されます。当社グループが属する食品流通業界におきましては、従来からの消費者の節約志向や業種・業態を超えた競争の激化に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大以前と収束以後では、産地サイドと消費サイドの双方が様々な面で大きく変化することが予想され、これらの変化に対して柔軟で迅速な対応が重要となり、ライフラインとしての強い食品流通が要求されると考えられます。
当社グループのコアビジネスであります水産事業を取り巻く環境では、生産及び調達面において、従来より世界的な水産物生産(天然及び養殖)が頭打ちとなる一方で、世界的な人口増加等による水産タンパク質への需要が増大する中で日本市場の相対的地位の低下もあり、水産物の安定的な調達は大きな課題となっております。販売面では、成熟消費社会・高齢化社会が急速に進み、生活者のライフスタイルや年齢・家族構成の変化による食へのニーズの多様化、リアル店舗からネット販売へのシフト等が進行していました。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大によりネットショッピングが生活に欠かせないインフラとして社会に浸透するなど、これらの変化の中で特にリアル店舗からネット販売へのシフト等が加速され、デジタルへの対応力が重要となることが予想されます。

(環境変化への対応)
当社グループは、生鮮品を基軸としたフルライン食品卸売事業を進化させることで持続的成長を目指しており、特に従来までの卸売業の枠を飛び越えた「メーカー型卸」機能による事業領域の拡大へ戦略的に取り組んでおります。メーカー型卸とはメーカー的な機能(原料調達、商品開発、品質管理等)を保有する卸売業のことで、産地や生産者との強固な関係を背景とする原材料等の安定した調達力を基盤に、協力メーカーと協業しながら、商品企画から販売に至る全ての段階へ関与することで商品に高い付加価値を生み出します。具体例としましては、「海の匠ぶり」をはじめとする養殖魚、当社が調達した素材を原料とする水産缶詰や揚げ物などの水産加工品、信州ブランドの「りんご和牛信州牛」「信州白樺若牛」「信州米豚」などの畜産物、長野県産原材料を使用した加工食品や菓子等があります。また、拡大するEC市場への対応を進めており、2020年2月に当社ホームページにて「信州ミートマーケット」を立ち上げ、信州発のブランド畜産物の販売を開始しました。
環境変化に対応する為の上記以外の施策として、市場得意先政策、物流政策、グループ経営の3点を重点施策に掲げて推進しております。市場得意先政策につきましては、消費市場の変化を見据えて総合食品卸売業の強みを活かした顧客政策を推進し、販売エリアの拡大と既存拠点の深耕による売上拡大を図ってまいります。物流政策につきましては、物流コストの増大という課題に対し、コスト低減に向けて効率と品質を両立する物流機能を再構築してまいります。グループ経営の推進につきましては、グループシナジーの最大化に向けた「長野モデル(長野商圏における最適食品流通)」の実現に向け、水産市場の枠を超え、畜産品、加工食品も含めた新たなフルライン流通機能の構築を推進してまいります。
b.中期経営計画
①中期経営計画「変革2019」
このような事業環境のなか、当社グループでは、2017年に、更なる成長と企業価値の向上を目指して、2019年度を目標年度とする中期経営計画「変革2019~日本の中のマルイチを目指して~」を策定し、資源の有効利用を重視しながら価値ある商品を全国に供給するメーカー型卸機能の推進と、地域のお客様から選ばれる問屋機能のさらなる強化を進め、今後の事業拡大に必要な経営人材の育成と、一人ひとりがそれぞれの持ち場で活躍し、組織力が最大限に発揮されている企業の実現に取り組んでまいりました。
(「変革2019」の目指す姿)
(「変革2019」の基本方針)

②中期経営計画「創造2022」
また、当該中期経営計画の最終年度である当連結会計年度において、2022年度を目標年度とする新中期経営計画「創造2022」を策定し、「人の成長を以て変革を成し遂げ、更なる飛躍のための創造を推進する」を基本方針に掲げました。計画立案に際しては、当社グループの強みを発揮できる「産地との強固な関係、原料からの差別化」「素材から惣菜へ」「メーカー型卸事業の推進」「中間流通コストの合理化」を大切にしたい考え方として示したうえで、これらの考え方を軸として、全社戦略及び各事業セグメントの具体的な施策を策定し、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上を目指してまいります。
(「創造2022」の全体像)
(大切にしたい考え方)
1.産地との強固な関係、原料からの差別化
・産地との強固な取引関係を背景とした差別化原料を調達、更なる産地の拡大
2.素材から惣菜へ
・消費ニーズの変化に対応、即食、簡便を実現する商品開発(デリカ以外にも、刺身、水産加工品等)
3.メーカー型卸事業の推進
・差別化された原料を用いて、協力メーカーとの協業によるオリジナル商品開発を全事業部で推進
・原料調達、商品開発、在庫管理、販売、それぞれの機能を磨き得意先様に提供
4.中間流通コストの合理化
・原価性コスト、物流コスト、当社内オペレーションコスト(事業構造改革)を始め、全ての流通段階のコストに関与する強みを活かす
(全社戦略)
中期経営計画を実現するための課題として、新中期経営計画「創造2022」では以下の2つを全社戦略に掲げております。
1.事業構造改革の完遂
・業務の標準化、効率化(Non-IT分野)と基幹システム刷新(IT分野)の両輪を全社で強力に推進
・水産物流通の標準化、効率化を図り、システムで対応(水産流通の合理化)
2.働き方改革
・事業構造改革で仕事の効率性を高め、ワーク・ライフ・バランスにより、創造的な仕事への更なるシフト
・新型コロナウイルス感染症の拡大対策を契機として、社員の健康を保護しつつ、ムダな業務を徹底的に見直し、既成概念に捉われない働き方を実現
また、当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も踏まえて、本書提出日現在において、以下のような全社として優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を認識しております。
1.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の強化
生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の構築を推進してまいります。
2.安定的な事業の継続
新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下においても安定した事業の継続を可能とするため、グループ共通の新型コロナウイルス対策ガイドラインの徹底やBCPの策定と実行を推進してまいります。
3.与信管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大により、広い範囲で資金ショートが予想される中、得意先をはじめとする取引先とは十分なコミュニケーション取りつつ、与信管理を徹底してまいります。
4.在庫管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う商品相場の急激な変動や需給状況の変化等、過剰在庫及び調達不足の原因となり得るリスクを想定した販売計画策定と商品調達を行うことによる在庫コントロールを徹底してまいります。
セグメントごとの具体的な課題及び施策は以下のとおりです。
(水産事業)
水産事業を取り巻く環境は、調達面では国内天然魚の水揚げ量減少傾向が継続しており、販売面では新型コロナウイルス感染症の拡大により内食の機会が増加し、惣菜等の即食・簡便商品の需要が高まっております。
このような環境下、水産事業セグメントにおきましては、水産部門では産地から店頭までを一気通貫する水産サプライチェーンを束ねることで、生産者を支えながら水産業界における課題解決と水産流通の合理化の実現を目指してまいります。具体的には養殖魚関連事業の拡大など、さらなる川上へのシフトによる優位原料の調達体制構築と、素材から惣菜を具現化する加工・物流機能の構築や即食・簡便ニーズに対応した商品開発を推進してまいります。デイリー部門では既存の日配売場向け自社開発商品に加え、売場の垣根を越えた業際商品や外食向けの商品開発を進め、新規領域への販路拡大を進めてまいります。フードサービス部門では商品開発部を新設し、当社グループの原料調達力を活かした原料から差別化した惣菜マーケット向け商品開発を加速し、新型コロナウイルス感染症の影響による内食の拡大による惣菜等の需要拡大への対応をはじめ、様々な業種・業態へ販売してまいります。
(一般食品事業)
一般食品事業を取り巻く環境は、原材料や物流コスト等の上昇に伴う商品の値上げと、店頭での低価格競争の激化が継続することに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により内食需要が高まる中、従来以上に安定した商品供給をローコストで実現する機能が食品卸には求められております。
このような環境下、一般食品事業セグメントにおきましては、子会社信田缶詰㈱の製造機能と当社グループの水産原料の調達力を活かした事業部間連携による商品開発体制を強化し、高付加価値商品を基軸に販売拡大を目指します。また、基盤商圏であります長野県内でのさらなる競争力向上に向け、営業生産性の向上や業務集約を進めることで事業基盤のさらなるローコスト化を図ってまいります。
(畜産事業)
畜産事業を取り巻く環境は、食肉需要が堅調に伸長している中、2019年に発生したCSF(豚熱)による国産豚肉の調達及び販売面への影響や、新型コロナウイルス感染症の拡大により外食産業が影響を受ける中で高級和牛等の需要が減退するなど、生産者を販売面からサポートすることが課題となっております。
このような環境下、畜産事業セグメントにおきましては、県内生産者との取組み強化による国産牛の生産基盤安定化と国産豚の調達強化を図りながら長野県産ブランドの県外への販売拡大を推進いたします。また、国内鶏肉生産者との関係強化により商品調達力を高め、販売網の拡大を図ります。商品加工面では販売拡大に対応すべく流通加工機能の強化を図ってまいります。物流面では南関東・東海・中京エリアへの販売拡大に向けた物流基盤の整備を推進いたします。
(丸水長野県水グループ)
丸水長野県水グループを取り巻く環境は、長野県内における流通経路の多様化が進行し、県内市場へ参入する企業のボーダーレス化や、業態の垣根を超えた県外資本の参入など、競争環境が激化しております。
このような環境下、丸水長野県水グループセグメントにおきましては、水産事業では取組みメーカーとの連携による養殖魚の販売強化や丸水ブランドの商品開発、畜産事業では仕入から販売までの一貫生産体制の強みを活かした主要顧客との取組み強化、冷食事業では冷凍物流事業の拡大と、県内顧客を基軸とした事業拡大と業務用市場への販路拡大を進めてまいります。また、全ての事業分野においてグループシナジーを追求してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す 指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である営業利益及び経常利益を経営指標としており、売上高営業利益率及び売上高経常利益率の目標については1%以上の数値を目安としております。加えて新中期経営計画「創造2022」において、親会社株主に帰属する当期純利益及びROE(自己資本利益率)の定量目標を定めております。
(新中期経営計画「創造2022」の定量目標)
(単位:百万円)
※なお、定量目標につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が2020年9月を目途に収束することを前提としておりますが、収束時期の遅れにより目標年度における定量目標が変更となる可能性があります。
(1) 経営方針等
a.経営理念
一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。
一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの場としよう。
b.経営方針
当社は1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市に㈱長野中央魚市場を設立し、水産物の卸売事業を開始しました。以来、「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう」の経営理念に基づき、豊かな食生活を支えるべく、美味しさと安全・安心をお届けすることを社会的使命に事業を推進しております。
創業時に制定した屋号の「
」の丸は日本を表し、そこに一の字が大書されているのは「日本一」になりたいという願望が込められています。「長野県のマルイチ」から「日本の中のマルイチ」への脱皮は、創業時から語り継いできた当社の普遍的な経営方針でもあります。c.事業展開方針
当社グループは、長野県を中心とする甲信越及び北関東を含む首都圏、中京圏を主な販売エリアとして、水産物をはじめ畜産物、デイリー食品、冷凍食品、一般食品、菓子、業務用商品などの食品をフルラインで取り扱う総合食品卸売事業を展開しています。お客様にとって価値ある食品とサービスの提供を通じ、地域社会において、ゆたかな食と生活文化を創造することを目指し、事業活動を進めております。主力販売エリアである甲信越地域では地域密着の強みを活かした提案営業活動によりマーケットの深耕化を進め、首都圏・中京圏エリアでは生鮮流通網の拡大による事業エリアの拡大を進めております。
(2) 経営環境及び中期経営計画
a.経営環境
(環境分析)
わが国経済の動向は、新型コロナウイルス感染症の拡大による国内外経済の下振れリスクや金融市場の変動等の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が強まることが予想されます。当社グループが属する食品流通業界におきましては、従来からの消費者の節約志向や業種・業態を超えた競争の激化に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大以前と収束以後では、産地サイドと消費サイドの双方が様々な面で大きく変化することが予想され、これらの変化に対して柔軟で迅速な対応が重要となり、ライフラインとしての強い食品流通が要求されると考えられます。
当社グループのコアビジネスであります水産事業を取り巻く環境では、生産及び調達面において、従来より世界的な水産物生産(天然及び養殖)が頭打ちとなる一方で、世界的な人口増加等による水産タンパク質への需要が増大する中で日本市場の相対的地位の低下もあり、水産物の安定的な調達は大きな課題となっております。販売面では、成熟消費社会・高齢化社会が急速に進み、生活者のライフスタイルや年齢・家族構成の変化による食へのニーズの多様化、リアル店舗からネット販売へのシフト等が進行していました。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大によりネットショッピングが生活に欠かせないインフラとして社会に浸透するなど、これらの変化の中で特にリアル店舗からネット販売へのシフト等が加速され、デジタルへの対応力が重要となることが予想されます。

(環境変化への対応)
当社グループは、生鮮品を基軸としたフルライン食品卸売事業を進化させることで持続的成長を目指しており、特に従来までの卸売業の枠を飛び越えた「メーカー型卸」機能による事業領域の拡大へ戦略的に取り組んでおります。メーカー型卸とはメーカー的な機能(原料調達、商品開発、品質管理等)を保有する卸売業のことで、産地や生産者との強固な関係を背景とする原材料等の安定した調達力を基盤に、協力メーカーと協業しながら、商品企画から販売に至る全ての段階へ関与することで商品に高い付加価値を生み出します。具体例としましては、「海の匠ぶり」をはじめとする養殖魚、当社が調達した素材を原料とする水産缶詰や揚げ物などの水産加工品、信州ブランドの「りんご和牛信州牛」「信州白樺若牛」「信州米豚」などの畜産物、長野県産原材料を使用した加工食品や菓子等があります。また、拡大するEC市場への対応を進めており、2020年2月に当社ホームページにて「信州ミートマーケット」を立ち上げ、信州発のブランド畜産物の販売を開始しました。
環境変化に対応する為の上記以外の施策として、市場得意先政策、物流政策、グループ経営の3点を重点施策に掲げて推進しております。市場得意先政策につきましては、消費市場の変化を見据えて総合食品卸売業の強みを活かした顧客政策を推進し、販売エリアの拡大と既存拠点の深耕による売上拡大を図ってまいります。物流政策につきましては、物流コストの増大という課題に対し、コスト低減に向けて効率と品質を両立する物流機能を再構築してまいります。グループ経営の推進につきましては、グループシナジーの最大化に向けた「長野モデル(長野商圏における最適食品流通)」の実現に向け、水産市場の枠を超え、畜産品、加工食品も含めた新たなフルライン流通機能の構築を推進してまいります。
b.中期経営計画
①中期経営計画「変革2019」
このような事業環境のなか、当社グループでは、2017年に、更なる成長と企業価値の向上を目指して、2019年度を目標年度とする中期経営計画「変革2019~日本の中のマルイチを目指して~」を策定し、資源の有効利用を重視しながら価値ある商品を全国に供給するメーカー型卸機能の推進と、地域のお客様から選ばれる問屋機能のさらなる強化を進め、今後の事業拡大に必要な経営人材の育成と、一人ひとりがそれぞれの持ち場で活躍し、組織力が最大限に発揮されている企業の実現に取り組んでまいりました。
(「変革2019」の目指す姿)
(「変革2019」の基本方針)
②中期経営計画「創造2022」
また、当該中期経営計画の最終年度である当連結会計年度において、2022年度を目標年度とする新中期経営計画「創造2022」を策定し、「人の成長を以て変革を成し遂げ、更なる飛躍のための創造を推進する」を基本方針に掲げました。計画立案に際しては、当社グループの強みを発揮できる「産地との強固な関係、原料からの差別化」「素材から惣菜へ」「メーカー型卸事業の推進」「中間流通コストの合理化」を大切にしたい考え方として示したうえで、これらの考え方を軸として、全社戦略及び各事業セグメントの具体的な施策を策定し、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上を目指してまいります。
(「創造2022」の全体像)
(大切にしたい考え方)1.産地との強固な関係、原料からの差別化
・産地との強固な取引関係を背景とした差別化原料を調達、更なる産地の拡大
2.素材から惣菜へ
・消費ニーズの変化に対応、即食、簡便を実現する商品開発(デリカ以外にも、刺身、水産加工品等)
3.メーカー型卸事業の推進
・差別化された原料を用いて、協力メーカーとの協業によるオリジナル商品開発を全事業部で推進
・原料調達、商品開発、在庫管理、販売、それぞれの機能を磨き得意先様に提供
4.中間流通コストの合理化
・原価性コスト、物流コスト、当社内オペレーションコスト(事業構造改革)を始め、全ての流通段階のコストに関与する強みを活かす
(全社戦略)
中期経営計画を実現するための課題として、新中期経営計画「創造2022」では以下の2つを全社戦略に掲げております。
1.事業構造改革の完遂
・業務の標準化、効率化(Non-IT分野)と基幹システム刷新(IT分野)の両輪を全社で強力に推進
・水産物流通の標準化、効率化を図り、システムで対応(水産流通の合理化)
2.働き方改革
・事業構造改革で仕事の効率性を高め、ワーク・ライフ・バランスにより、創造的な仕事への更なるシフト
・新型コロナウイルス感染症の拡大対策を契機として、社員の健康を保護しつつ、ムダな業務を徹底的に見直し、既成概念に捉われない働き方を実現
また、当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も踏まえて、本書提出日現在において、以下のような全社として優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を認識しております。
1.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の強化
生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の構築を推進してまいります。
2.安定的な事業の継続
新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下においても安定した事業の継続を可能とするため、グループ共通の新型コロナウイルス対策ガイドラインの徹底やBCPの策定と実行を推進してまいります。
3.与信管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大により、広い範囲で資金ショートが予想される中、得意先をはじめとする取引先とは十分なコミュニケーション取りつつ、与信管理を徹底してまいります。
4.在庫管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う商品相場の急激な変動や需給状況の変化等、過剰在庫及び調達不足の原因となり得るリスクを想定した販売計画策定と商品調達を行うことによる在庫コントロールを徹底してまいります。
セグメントごとの具体的な課題及び施策は以下のとおりです。
(水産事業)
水産事業を取り巻く環境は、調達面では国内天然魚の水揚げ量減少傾向が継続しており、販売面では新型コロナウイルス感染症の拡大により内食の機会が増加し、惣菜等の即食・簡便商品の需要が高まっております。
このような環境下、水産事業セグメントにおきましては、水産部門では産地から店頭までを一気通貫する水産サプライチェーンを束ねることで、生産者を支えながら水産業界における課題解決と水産流通の合理化の実現を目指してまいります。具体的には養殖魚関連事業の拡大など、さらなる川上へのシフトによる優位原料の調達体制構築と、素材から惣菜を具現化する加工・物流機能の構築や即食・簡便ニーズに対応した商品開発を推進してまいります。デイリー部門では既存の日配売場向け自社開発商品に加え、売場の垣根を越えた業際商品や外食向けの商品開発を進め、新規領域への販路拡大を進めてまいります。フードサービス部門では商品開発部を新設し、当社グループの原料調達力を活かした原料から差別化した惣菜マーケット向け商品開発を加速し、新型コロナウイルス感染症の影響による内食の拡大による惣菜等の需要拡大への対応をはじめ、様々な業種・業態へ販売してまいります。
(一般食品事業)
一般食品事業を取り巻く環境は、原材料や物流コスト等の上昇に伴う商品の値上げと、店頭での低価格競争の激化が継続することに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により内食需要が高まる中、従来以上に安定した商品供給をローコストで実現する機能が食品卸には求められております。
このような環境下、一般食品事業セグメントにおきましては、子会社信田缶詰㈱の製造機能と当社グループの水産原料の調達力を活かした事業部間連携による商品開発体制を強化し、高付加価値商品を基軸に販売拡大を目指します。また、基盤商圏であります長野県内でのさらなる競争力向上に向け、営業生産性の向上や業務集約を進めることで事業基盤のさらなるローコスト化を図ってまいります。
(畜産事業)
畜産事業を取り巻く環境は、食肉需要が堅調に伸長している中、2019年に発生したCSF(豚熱)による国産豚肉の調達及び販売面への影響や、新型コロナウイルス感染症の拡大により外食産業が影響を受ける中で高級和牛等の需要が減退するなど、生産者を販売面からサポートすることが課題となっております。
このような環境下、畜産事業セグメントにおきましては、県内生産者との取組み強化による国産牛の生産基盤安定化と国産豚の調達強化を図りながら長野県産ブランドの県外への販売拡大を推進いたします。また、国内鶏肉生産者との関係強化により商品調達力を高め、販売網の拡大を図ります。商品加工面では販売拡大に対応すべく流通加工機能の強化を図ってまいります。物流面では南関東・東海・中京エリアへの販売拡大に向けた物流基盤の整備を推進いたします。
(丸水長野県水グループ)
丸水長野県水グループを取り巻く環境は、長野県内における流通経路の多様化が進行し、県内市場へ参入する企業のボーダーレス化や、業態の垣根を超えた県外資本の参入など、競争環境が激化しております。
このような環境下、丸水長野県水グループセグメントにおきましては、水産事業では取組みメーカーとの連携による養殖魚の販売強化や丸水ブランドの商品開発、畜産事業では仕入から販売までの一貫生産体制の強みを活かした主要顧客との取組み強化、冷食事業では冷凍物流事業の拡大と、県内顧客を基軸とした事業拡大と業務用市場への販路拡大を進めてまいります。また、全ての事業分野においてグループシナジーを追求してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す 指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である営業利益及び経常利益を経営指標としており、売上高営業利益率及び売上高経常利益率の目標については1%以上の数値を目安としております。加えて新中期経営計画「創造2022」において、親会社株主に帰属する当期純利益及びROE(自己資本利益率)の定量目標を定めております。
(新中期経営計画「創造2022」の定量目標)
(単位:百万円)
| 2020年3月期実績 | 2021年3月期予想 | 2023年3月期目標 | |
| 売上高 | 230,722 | 240,000 | 260,000~280,000 |
| 営業利益 | 1,880(0.8%) | 1,900(0.8%) | 営業利益率1.0%以上 |
| 経常利益 | 2,377(1.0%) | 2,400(1.0%) | 経常利益率1.0%以上 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,303(0.5%) | 1,500(0.6%) | 親会社株主に帰属する 当期純利益率0.8%以上 |
| ROE | 6.1% | 目標8.0%以上 | |
※なお、定量目標につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が2020年9月を目途に収束することを前提としておりますが、収束時期の遅れにより目標年度における定量目標が変更となる可能性があります。