訂正有価証券報告書-第72期(2021/04/01-2022/03/31)

【提出】
2023/04/07 10:59
【資料】
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【項目】
137項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針等
a.経営理念
一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。
一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの場としよう。
b.経営方針
当社は1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市に㈱長野中央魚市場を設立し、水産物の卸売事業を開始しました。以来、「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう」の経営理念に基づき、豊かな食生活を支えるべく、美味しさと安全・安心をお届けすることを社会的使命に事業を推進しております。
創業時に制定した屋号の「0102010_001.png」の丸は日本を表し、そこに一の字が大書されているのは「日本一」になりたいという願望が込められています。「長野県のマルイチ」から「日本の中のマルイチ」への脱皮は、創業時から語り継いできた当社の普遍的な経営方針でもあります。
c.事業展開方針
当社グループは、長野県を中心とする甲信越及び北関東を含む首都圏、中京圏を主な販売エリアとして、水産物をはじめ畜産物、デイリー食品、冷凍食品、一般食品、菓子、業務用商品などの食品をフルラインで取り扱う総合食品卸売事業を展開しています。お客様にとって価値ある食品とサービスの提供を通じ、地域社会において、ゆたかな食と生活文化を創造することを目指し、事業活動を進めております。主力販売エリアである甲信越地域では地域密着の強みを活かした提案営業活動によりマーケットの深耕化を進め、首都圏・中京圏エリアでは生鮮流通網の拡大による事業エリアの拡大を進めております。
(2) 経営環境及び中期経営計画
a.経営環境
(環境分析)
わが国経済の動向は、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明ながら社会活動が正常化に向かう動きが一部に見られるものの、ウクライナ情勢等の地政学リスクによる世界経済の見通しの悪化や、相次ぐエネルギー価格の高騰と急激な円安の進行による物価上昇など、先行き不透明な状況が継続することが予想されます。
当社グループが属する食品流通業界におきましては、長引くコロナ禍の影響により外食産業や宿泊施設等の業務筋は引き続き厳しい状況にあり、原材料価格や各種コストの上昇による食料品全般の値上げが相次ぎ、加えて雇用情勢の悪化と個人所得の伸び悩みによる消費者マインドの減退が懸念されるなど、今後も厳しい経営環境が続くものと思われます。
当社グループのコアビジネスであります水産事業を取り巻く環境では、生産及び調達面において世界的に水産物生産(天然及び養殖)が頭打ちとなる一方で、世界的な人口増加等による水産タンパク質への需要が増大する中で日本市場の相対的地位の低下もあり、水産物の安定的な調達は大きな課題となっております。販売面では、成熟消費社会・高齢化社会が急速に進み、生活者のライフスタイルや年齢・家族構成の変化による食へのニーズの多様化や、コロナ禍を経てネットショッピングが生活に欠かせないインフラとして社会に浸透するなどリアル店舗からネット販売へのシフトが進行しております。これらの変化の中でデジタルへの対応力が重要となることが予想されます。
また、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ(持続可能性)経営の推進や、SDGsへの取組みの必要性が世界的な共通課題として認識されており、企業としてリスクの減少のみならず収益機会にも繋がる重要な経営課題として積極的・能動的に取り組むようことが求められております。
0102010_002.png(環境変化への対応)
当社グループは、生鮮品を基軸としたフルライン食品卸売事業を進化させることで持続的成長を目指しており、特に従来までの卸売業の枠を飛び越えた「メーカー型卸」機能による事業領域の拡大へ戦略的に取り組んでおります。メーカー型卸とはメーカー的な機能(原料調達、商品開発、品質管理等)を保有する卸売業のことで、産地や生産者との強固な関係を背景とする原材料等の安定した調達力を基盤に、協力メーカーと協業しながら、商品企画から販売に至る全ての段階へ関与することで商品に高い付加価値を生み出します。具体例としましては、「海の匠ぶり」をはじめとする養殖魚、当社が調達した素材を原料とする水産缶詰や揚げ物などの水産加工品、信州ブランドの「りんご和牛信州牛」「信州白樺若牛」「信州米豚」などの畜産物、長野県産原材料を使用した加工食品や菓子等があります。また、拡大するEC市場への対応を進めており、当社ホームページにて「信州ミートマーケット」を立ち上げ、信州発のブランド畜産物の販売を行っております。
さらに、サステナビリティ経営を全社グループにて戦略的に推進すべく2022年4月に「SDGs推進委員会」を立ち上げました。環境問題等に対して中長期的な視点で先ずは基本方針と目標を定め、具現化に向けた施策を検討し、実行してまいります。具体的には、重点課題に食の安定供給とサプライチェーンの最適化や、人材育成と活用を掲げ、SDGsの17ゴールに照らしてパーパス(使命)を設定し、事業活動を通じてSDGsの取組みを推進してまいります。
b.中期経営計画
中期経営計画「創造2022」
このような事業環境のなか、当社グループでは2022年度を目標年度とする中期経営計画「創造2022」を策定し、「人の成長を以て変革を成し遂げ、更なる飛躍のための創造を推進する」を基本方針に掲げました。計画立案に際しては、当社グループの強みを発揮できる「産地との強固な関係、原料からの差別化」「素材から惣菜へ」「メーカー型卸事業の推進」「中間流通コストの合理化」を大切にしたい考え方として示したうえで、これらの考え方を軸として、全社戦略及び各事業セグメントの具体的な施策を策定し、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上を目指してまいります。
(「創造2022」の全体像)
0102010_003.png(大切にしたい考え方)
1.産地との強固な関係、原料からの差別化
・産地との強固な取引関係を背景とした差別化原料を調達、更なる産地の拡大
2.素材から惣菜へ
・消費ニーズの変化に対応、即食、簡便を実現する商品開発(デリカ以外にも、刺身、水産加工品等)
3.メーカー型卸事業の推進
・差別化された原料を用いて、協力メーカーとの協業によるオリジナル商品開発を全事業部で推進
・原料調達、商品開発、在庫管理、販売、それぞれの機能を磨き得意先様に提供
4.中間流通コストの合理化
・原価性コスト、物流コスト、当社内オペレーションコスト(事業構造改革)を始め、全ての流通段階のコストに関与する強みを活かす
(全社戦略)
中期経営計画を実現するための課題として、中期経営計画「創造2022」では以下の2つを全社戦略に掲げております。
1.事業構造改革の完遂
・業務の標準化、効率化(Non-IT分野)と基幹システム刷新(IT分野)の両輪を全社で強力に推進
・水産物流通の標準化、効率化を図り、システムで対応(水産流通の合理化)
2.働き方改革
・事業構造改革で仕事の効率性を高め、ワーク・ライフ・バランスにより、創造的な仕事への更なるシフト
・新型コロナウイルス感染症の拡大対策を契機として、社員の健康を保護しつつ、ムダな業務を徹底的に見直し、既成概念に捉われない働き方を実現
(2023年3月期の経営方針)
2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「創造2022」の達成に向けた経営方針としましては、刻々変化する流通環境に対してスピーディに対応すべく、中期経営計画の「大切にしたい考え方」に「顧客起点」を加えて再編し、戦略推進のベースとなる考え方として整理いたしました。この考え方に基づき、重点施策の5本柱として「物流」「長野モデル」「事業拡大戦略」「人材育成」「事業構造改革」を掲げ、グループ収益力の最大化に向けて諸施策を実行してまいります。
0102010_004.png
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も踏まえて、本書提出日現在において、以下のような全社として優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を認識しております。
1.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の強化
生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の構築を推進してまいります。
2.安定的な事業の継続
新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下においても安定した事業の継続を可能とするため、グループ共通の新型コロナウイルス対策ガイドラインの徹底やBCPの策定と実行を推進してまいります。
3.与信管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大により、広い範囲で資金ショートが予想される中、得意先をはじめとする取引先とは十分なコミュニケーション取りつつ、与信管理を徹底してまいります。
4.在庫管理の徹底
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う商品相場の急激な変動や需給状況の変化等、過剰在庫及び調達不足の原因となり得るリスクを想定した販売計画策定と商品調達を行うことによる在庫コントロールを徹底してまいります。
セグメントごとの具体的な課題及び施策は以下のとおりです。
(水産事業)
水産事業を取り巻く環境は、川上ではサンマやスルメイカ等の国内天然魚の水揚げ量が低迷しており、川下ではコロナ禍の中で内食需要は堅調に推移したものの業務筋への販売が引き続き苦戦しております。
このような環境下、水産事業セグメントにおきましては、水産部門においては特定の対象魚種に対し、川上から川下までの一気通貫の取組みを構築することで生産者を支えながら水産業界の課題解決と水産流通の合理化を引き続き目指してまいります。具体的にはフルアソート調達の拡大による天然魚調達強化や、グループ内での連携強化による国内養殖魚の安定調達体制の構築と、多様化する顧客ニーズに適した流通加工機能強化による販売チャネルの拡大と深耕化を推進いたします。デイリー部門では「価格」と「価値」を追求した自社開発商品と得意先との商品開発の更なる推進と、広域物流機能の強化による販売エリアの拡大を進めてまいります。
(一般食品事業)
一般食品事業を取り巻く環境は、原料価格の高騰等から商品の値上げが相次ぐ一方で、小売店頭では業態の垣根を越えた価格競争は激化し、加えて物流費等のコストが増加傾向にあり、持続的成長に向けた収益力の向上が課題となっております。
一般食品事業セグメントにおきましては、商品開発や販促提案等の得意先ニーズへの組織的対応力の強化と、長野県産原材料を使用した自社開発商品を基軸とする広域流通の拡大に向けた販売エリアと新規チャネルの開拓を進めます。また、物流センターの機能見直しによりコスト競争力ある事業基盤の構築に取り組みます。子会社信田缶詰㈱につきましては、収益構造の変化に対して柔軟且つ抜本的に対応しつつスピード感を持って業績の改善に取り組んでまいります。
(畜産事業)
畜産事業を取り巻く環境は、畜産物の需要は堅調に推移しておりますが、飼料価格の上昇により特に和牛相場が高値で推移し、輸入畜産物は世界的な需要増加の影響から高値傾向が継続しております。
畜産事業セグメントにおきましては、長野県産オリジナル交雑牛や代替肉商品など市場ニーズにフィットした新たな商品開発や流通加工機能の強化による付加価値化を推進し、商品力を高めることで売上拡大を目指します。収益力の向上に向けましては物流拠点の最適化やバックオフィス機能の一元化による中間コストの合理化を図ります。また、SDGs推進の一環としまして信州牛農場SQF認証取得による安心な商品流通網の構築に取組みます。
(丸水長野県水グループ)
丸水長野県水グループを取り巻く環境は、長野県内における流通経路の多様化が進行し、県内市場へ参入する企業のボーダーレス化や、業態の垣根を超えた県外資本の参入など、競争環境が激化しております。
このような環境下、丸水長野県水グループセグメントにおきましては、水産事業は産直提案や大手仕入先との安定した商品供給により長野県内の水産流通シェアの拡大を図り、畜産事業では主要顧客向けの精肉アウトパックの製造拡大を進め、冷凍食品事業では顧客ニーズに沿った商品開発と物流センター機能を生かした物流事業を推進してまいります。また、全ての事業分野においてグループシナジーを追求してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である営業利益及び経常利益を経営指標としており、売上高営業利益率及び売上高経常利益率の目標については1%以上の数値を目安としております。
(2023年3月期の定量目標)
(単位:百万円)
2022年3月期実績2023年3月期予想
売上高238,302242,000
営業利益1,777 (営業利益率0.8%)1,550 (営業利益率0.6%)
経常利益2,318 (経常利益率0.9%)2,000 (経常利益率0.8%)
親会社株主に帰属する
当期純利益
688 (親会社株主に帰属する
当期純利益率0.3%)
1,100 (親会社株主に帰属する
当期純利益率0.4%)

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