有価証券報告書-第69期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 15:01
【資料】
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【項目】
142項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
(経営理念)
一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。
一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの
場としよう。
(中長期で目指す姿)
当社グループは、10年後を見据えた長期構想を「『いただきますの笑顔』のために日本の食品流通を変革する 会社 ~機能でも、規模でも全国トップクラスを目指す~」と定めております。
(2)経営戦略等
当社グループは2019年度を目標年度とする中期経営計画「変革2019 ~日本の中のマルイチを目指して~」を 策定し、目指す姿として「価値ある食品流通機能の創造に向け、変化に挑戦し続けている全員活躍企業」を掲げております。
目指す姿の実現に向けまして、資源の有効利用を重視しながら価値ある商品を全国に供給するメーカー型卸機能の推進と、地域のお客様から選ばれる問屋機能のさらなる強化を進めております。また、今後の事業拡大に必要な経営人材の育成と、一人ひとりがそれぞれの持ち場で活躍し、組織力が最大限に発揮されている企業の実現に取り組んでおります。
<中期経営計画「変革2019 ~日本の中のマルイチを目指して~」の基本方針および事業戦略>(目指す姿)
「価値ある食品流通機能の創造に向け、変化に挑戦し続けている全員活躍企業」
1.価値ある食品流通機能
・資源の有効利用を重視しながら価値ある商品を全国に供給するメーカー型卸機能
・地域のお客様から選ばれる問屋機能
2.変化に挑戦/全員活躍企業
・飽くなき挑戦により、今後の事業拡大に必要な経営人材が育成されている
・一人ひとりがそれぞれの持ち場で活躍し、組織力が最大限に発揮されている
(基本戦略)
<成長戦略>①メーカー型卸事業の加速
・当社グループの原料調達力と末端到達力を梃子に好循環を生み出し、規模の拡大を目指します。
②業務提携事業の拡大
・提携先との協業による全国販売と、新規提携事業による調達力と販売力の強化に取り組みます。
<経営基盤の再整備>③経営品質向上のための標準業務の確立
・適切な役割分担、基本動作の徹底、タイムリーな見える化により経営品質の向上を図ります。
④全員活躍企業を実現する制度/働き方改革
・3年後の姿「変化に挑戦し続けている全員活躍企業」に向け、制度・風土改革に取り組みます。
<共通戦略>⑤グループ企業におけるシナジー創出
・各グループ企業が連携してシナジーを創出し、持続的成長を目指します。
(具体的な取組状況等)
中期経営計画「変革2019 ~日本の中のマルイチを目指して~」の最終年度であります令和2年3月期は、基本戦略の具現化と目標達成に向け、「成長戦略」「事業構造改革」「人の成長」をキーワードに戦略課題を推進してまいります。営業部門の重要戦略として「グループシナジー戦略」「重点得意先戦略」「全社物流戦略」を掲げ、それぞれに担当役員を置くことで着実に実行してまいります。事業構造改革につきましては基幹システムの刷新など経営基盤の再整備に引き続き取り組んでまいります。
水産事業セグメントにおきましては、水産部門では主要魚種であります国産天然魚、養殖魚、マグロ、鮭鱒を中心に、調達・販売機能のさらなる強化と業務提携先との協業を軸とした全国への販売体制構築を目指してまいります。デイリー部門では自社開発商品の販路拡大と主要取組み先向けの商品開発を基軸に販売エリアの拡大と物流基盤の強化を進めてまいります。フードサービス事業部では当社グループの原料調達力を活かした惣菜マーケット向け商品開発を推進し、様々な業種・業態へ販売してまいります。
一般食品事業セグメントにおきましては、当社の水産品の調達力を活かしたオリジナル商品の開発を強化し、付加価値のある自社商品を基軸に販路の拡大を目指します。また、調達・配荷物流体制の再構築による事業基盤の強化に取り組んでまいります。
畜産事業セグメントにおきましては、調達面では国産牛肉と国産豚肉の収益安定化と国産鶏肉の集荷強化、商品加工面では長野県内と首都圏の流通加工機能の強化、販売面では商品調達力と加工機能を活かした関東・東海・中京エリアへの販売拡大を目指します。
丸水長野県水グループセグメントにおきましては、水産事業では商物分離による営業力強化と惣菜・業務用マーケットへの販路拡大、畜産事業では主要顧客との取組み強化による安定した収益構造の構築、冷食事業では県内市販用冷食マーケットのシェア拡大を推進してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す 指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である経常利益を経営指標としており、売上高経常利益率については1%以上の数値を目安としております。
(4)当社グループの現状の認識について
当社グループを取り巻く環境は、国内景気は引き続き緩やかな回復が続くことが期待されるものの、本年10月に予定される消費税増税の影響から個人消費の大きな改善は期待できず、加えて海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が想定されます。食品流通業界におきましては、生活者の節約志向が続く中、業種・業態を越えた競争の激化や人件費の上昇や物流コストの増加など引き続き厳しい経営環境が続くと予想されます。
生産・調達面では、水産物の世界的な需要増加や水産資源の減少、畜産物における生産農家の減少などの問題に対し、安定的な商品調達ルートの確保が安全・安心な商品流通体制の整備とともに、引き続き最重要の経営課題となっております。
販売面では、高齢化の伸展や単身世帯および働く女性の増加といった社会構造の変化を背景に生活者の食に対するニーズは多様化・高度化しており、これらに応えてゆくための機能や付加価値提案力が求められております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①水産における市場外流通への対応と流通経路の短縮化への対応
②生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・
マネジメント)の構築
③小売店支援機能の強化による安定した販売営業基盤の確立
④リテールサポート、ロジスティクス、受発注システム等の卸機能の強化と効率化
⑤これらを推進するための人材育成とIT化
⑥継続した業務改善力