半期報告書-第114期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2019/12/09 16:00
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106項目
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、昨年来の米中貿易摩擦の影響による世界貿易の減速を受け輸出が低迷し、個人消費も実質所得の伸び悩みなどから消費増税前の駆け込み需要を含めても低い伸びに留まっています。設備投資は、製造業、非製造業とも堅調に推移しましたが、製造業では輸出の減少に伴い今後の減速も懸念されています。
このような状況下、当社グループは、卸売事業においては、販路の拡大、新商材及び高付加価値商品の開発、サプライチェーンの構築等に努め、順調に売上を伸ばすことができました。医薬事業では、米国、中南米、アジア地域向け輸出で「リバロ錠」が前年同期を下回ったものの、欧州・中東への原薬の輸出が順調に伸長しました。OTC医薬品・ヘルスケア品では、アジア・ASEAN地域において興和ブランドの浸透と市場の開拓を図り、バンテリンサポーターを中心に各国にて販売開始しております。国内における医療用医薬品では、自社創製の新薬である高脂血症治療剤「パルモディア錠」が長期処方解禁となり、全国の医療機関での採用が順調に進んでおります。OTC医薬品では新発売の「キューピーコーワゴールドドリンク」、「バンテリンコーワパットEX」が順調に推移し、前年同期を上回る結果となりました。
この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高2,032億4千6百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益6億3千9百万円(前年同期比12.2%減)、経常損失9千9百万円(前年同期は12億8千1百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する中間純利益4億7千1百万円(前年同期比56.1%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
a. 生活関連事業
釣具部門では、日本市場は長雨や猛暑等の影響で荷動きが鈍い状況が継続しましたが、米国市場では引き続き堅調に推移しました。輸出につきましては、為替の影響もあり苦戦しました。特に韓国向けは低迷しました。輸入では中国における環境規制の影響により新製品の投入が遅れ低調に推移しました。
ファッション雑貨部門では、履物関連でアパレル向け取引の拡大に注力し、雑貨部門においては新規商材の開拓に取り組みましたが、大きな成果に至っておりません。ECサイト等で自主企画商品を展開するなど、新たな商流の開拓を目指してまいります。
テキスタイル部門では、国内の百貨店やセレクトショップ等で店頭消化が落ち込みましたが、欧州や中国への日本製テキスタイル販売が好調に推移し、国内の落ち込みをカバーしました。今後も海外向けには付加価値の高い日本製テキスタイルを提案し、生地から製品までの一貫商売の強みを生かし差別化されたサプライチェーンを構築して、主たる販売先の確保を図ってまいります。
アパレル部門では、ゴールデンウィーク明けから店頭の動きが活発となりました。夏物商品は、台風の影響や天候不順により厳しい状況となりましたが、新規カテゴリー商品の開発や主要ブランドとの取り組みにより、収益拡大を図ることができました。
ユニフォーム部門では、売上が好調に推移しましたが、アパレル段階での在庫が増え始めており、在庫調整のため発注が抑えられつつあります。上半期の契約は前年同期比で減少しており、最終ユーザーへの直接販売も視野に展開してまいります。
キャラクター部門では、量販店向けリビング雑貨商品の販売不振により前年同期を下回りましたが、ホームセンターへの販売を進めつつ収益拡大を図ってまいります。ディズニー、サンリオキャラクター商品を強化するとともに、新たなキャラクター発掘にも努め幅広く展開してまいります。
小売部門では、㈱インコントロは、基幹ブランドである“Vivienne Westwood”において、春夏商品が好調に推移し増益となりました。秋冬シーズンからは「Vivienne Westwood RED LABEL」と「ANGLOMANIA」を一つのコレクションに統合し、新生「RED LABEL」としてスタートし、更なる拡大を図ってまいります。“franche lippée”ブランドを運営する㈱クリエイションは、インバウンド効果もあり、一部既存店は回復基調となりましたが、自社サイト販売が苦戦いたしました。今後は更に充実させ売上拡大を目指してまいります。“TENERITA”ブランドを運営するテネリータ㈱は、オーガニックコットン商品を中心に16店舗と自社サイト等で販売展開しております。主力商品であるオーガニックコットンのタオルに加え、ナイトウェア(パジャマ)が好調に推移し、引き続きルームウェアを含んだウェア類の浸透を図ってまいります。
以上の結果、生活関連事業の業績は、売上高210億2千9百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益3億7千6百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
b. 産業関連事業
機械部門では、国内製薬業界での設備投資が一巡し大型案件が減少しましたが、船舶関連でインド向け港湾用タグボートの販売や石炭運搬船(ケープ船)の保有・傭船が引き続き好調に推移いたしました。食品・化粧品分野へも注力するとともに、鋳物業界向け3DプリンターやDM/ネット通販業界向け包装システムなどの取扱も目指してまいります。また、インド市場での船舶関連取引を軸にLNG関連の事業展開も図ってまいります。
産業資材部門では、不溶性硫黄の輸出は低調でしたが、部門全体としては利益計上となりました。今後はベトナム製ガラス製品の販売や、特殊工法による建物解体時に使用する鉄骨の販売など、利益率の高い製品の取扱を増やすとともに、再生可能エネルギー発電事業への参画や特殊な液体ガラスコーティング木材の販売など、新規分野への進出を目指してまいります。
化学品部門では、炭酸リチウムの世界的な供給過多により価格低下と納入鈍化の影響を受けました。米国での製造業の景況感悪化、“Brexit”に伴う欧州での先行きの不透明感、米中貿易摩擦、中国からの原料供給不安等により、化学品・医薬品原料分野においても苦戦いたしました。これら一連の外部環境に対応するため、原料供給元の多角化、取扱製品の高付加価値化に留まらず、原料調達から最終製品の販売までを俯瞰した新たなビジネスモデルの構築、展開を早急に進めてまいります。
なお、連結対象の江守グループの業績は、米中貿易摩擦の影響を受けつつも堅調に推移しております。
以上の結果、産業関連事業の業績は、売上高930億5千4百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益24億9百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
c. 医薬事業
医療用医薬品部門では、高脂血症治療剤「パルモディア錠」が長期処方解禁となり、全国の医療機関での採用が順調に進んでおります。2型糖尿病治療剤「デベルザ錠」については、今後も市場の更なる拡大が予想されるため引き続き注力してまいります。同治療剤「スイニー錠」も大口先を中心に売上拡大に努めてまいります。また、緑内障・高眼圧症治療剤「グラナテック点眼液」につきましても、更なる売上拡大を目指してまいります。
OTC医薬品部門では、天候不順やインバウンド需要の落ち込みの影響を受け、ウナ類、キャベジン類が苦戦したものの、新発売した「キューピーコーワゴールドドリンク」、「バンテリンコーワパットEX」、主力商品であるバンテリン類、「キューピーコーワゴールドαプラス」、「ザ・ガードコーワ整腸錠」などが順調に推移しました。日用雑貨品では、バンテリンサポーターが引き続き好調に推移しております。また、昨年秋に新発売した「カンゾコーワ」も好調に推移しました。今後も引き続き、新製品の育成、基幹商品の実績伸長を図ってまいります。
海外展開では、主力の「リバロ錠」が米国、中南米で前年同期を下回ったものの、欧州・中東地域への原薬輸出が順調に伸長し、中国、韓国、タイ、インドネシアといったアジア地域で物量は増加しております。引き続き、アジア、欧州、中東・北アフリカ、中南米の未上市国における「リバロ錠」の申請、上市を進めるとともに、「リバロ錠」及び他製品に関するグローバルな展開に向け邁進してまいります。OTC医薬品・ヘルスケア品については、主要市場であるアジアにおいて興和ブランドの浸透を図っています。中国では子会社によるバンテリン類等医薬品の販促活動、ヘルスケア品の販売を行っています。韓国では、キャベジンとバンテリンサポーターを、台湾では、キャベジン、ウナ、バンテリンサポーターを子会社を通じ販売しております。また、香港では新たに高通気サポーターの販売を開始し、市場の開拓を行っています。その他、ASEAN地域においては、シンガポール・タイに続き、ベトナム・マレーシア市場を新たに開拓し、バンテリンサポーターを上市いたしました。
医療機器部門では、国内は大型眼底カメラ、レーザーフレアーメーター、自動視野計、ポータブルスリットランプの拡販に努めました。眼内レンズ「アバンシィ」は病院へのプロモーションを強化し前年同期を上回る売上となりました。海外では、新製品の眼底カメラの発売遅れにより前年同期の売上を下回りましたが、スリットランプや眼圧計、眼内レンズは前年同期を上回りました。
以上の結果、医薬事業の業績は、売上高693億2千万円(前年同期比1.4%増)、営業損失12億3百万円(前年同期は15億5千1百万円の営業損失)となりました。
d. 環境・省エネ事業
環境・省エネ事業では、LED照明分野は大手ドラッグストアを中心に販売・設置するとともに全国の病院への販路開拓も進めました。光学機器分野では米中貿易摩擦が長期化する中、中国での産業設備需要が鈍化しましたが、省人化を目的とした自動機器にマッチしたビジョンシステムの開発を進めております。
以上の結果、環境・省エネ事業の業績は、売上高37億9千7百万円(前年同期比24.4%減)、営業損失8千1百万円(前年同期は3億8千5百万円の営業損失)となりました。
e. 不動産事業
不動産事業では、賃貸分野におけるオフィス関連の空室率は低位水準が続いており、堅調に推移しています。また、賃料水準については、都心部で上昇基調が継続しておりますが、既存物件への波及効果は未だ限定的となっています。
以上の結果、不動産事業の業績は、売上高58億7千万円(前年同期比36.5%増)、営業利益12億4千2百万円(前年同期比22.4%減)となりました。
f. ホテル事業
ホテル事業では、宿泊部門は日韓貿易摩擦・香港情勢悪化等により、訪日外国人客数が減少し苦戦いたしました。宴会部門は一般宴会では大型催事を受注し堅調に推移しましたが、婚礼件数の減少及び披露宴の小規模化が進み減収となりました。レストラン部門は宿泊客の減員により集客を伸ばせず前年同期を下回りました。宿泊の価格水準を見直すとともに、更なる質の高いサービスと付加価値を提供してまいります。
以上の結果、ホテル事業の業績は、売上高64億5千2百万円(前年同期比7.0%減)、営業損失7億3千1百万円(前年同期は2億7千4百万円の営業損失)となりました。
g. 食品事業
食品事業では、食品原料、加工食品の取扱を広げることに注力してきました。「ベジリッチ」ブランドの葉物野菜については、「美白菜」、「美青菜」の上市により計8種類となりましたが、小売(スーパー、ドラッグストア)、外食への販売で苦戦が続いており、機能性を訴求ポイントとした付加価値の高い製品開発を急いでおります。また、米国ハワイでのアワビ養殖事業は、新たな事業計画をスタートいたしました。
以上の結果、食品事業の業績は、売上高24億6千6百万円、営業損失3億9千4百万円となりました。
h. その他の事業
保険代理店業及びリース事業では、グループ内取引を中心におおむね安定した収益を確保しております。
その他の事業の業績は、売上高は12億5千4百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益1千9百万円(前年同期は3百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前中間連結会計期間に比べ76億6百万円減少し、当中間連結会計期間末には700億5千9百万円(前年同期比9.8%減)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4億3千4百万円(前年同期は32億1千1百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、47億4千4百万円(前年同期比107.0%増)となりました。これは主に、固定資産取得による支出が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、103億6百万円(前年同期比69.1%減)となりました。これは主に、長期借入による収入が減少したこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当中間連結会計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比(%)
医薬事業 (百万円)55,09495.6
環境・省エネ事業 (百万円)2,44864.6
報告セグメント計 (百万円)57,54393.7
合計 (百万円)57,54393.7

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当中間連結会計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比(%)
生活関連事業 (百万円)21,02997.3
産業関連事業 (百万円)93,054109.2
医薬事業 (百万円)69,320101.4
環境・省エネ事業 (百万円)3,79775.6
不動産事業 (百万円)5,870136.5
ホテル事業 (百万円)6,45293.0
食品事業 (百万円)2,466-
報告セグメント計 (百万円)201,991102.1
その他 (百万円)1,254112.7
合計 (百万円)203,246102.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この中間連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用等に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは過去の実績や現在の状況に応じて合理的と考えられる方法によって行っておりますが、見積りには不確実性を伴うため実際の結果とは異なる場合があります。
②財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ17億2千5百万円減少し、5,017億4千3百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動資産は、受取手形及び売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ28億9千5百万円減少し、2,420億6百万円となりました。
固定資産は、リース資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ11億7千万円増加し、2,597億3千7百万円となりました。
また、当中間連結会計期間末の総負債は、前連結会計年度末に比べ21億4千7百万円増加し、3,836億9千4百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動負債は、短期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ142億8千5百万円増加し、2,518億9千8百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ121億3千8百万円減少し、1,317億9千6百万円となりました。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、△98億9千1百万円(前連結会計年度末は72億8千9百万円)であり、流動比率は96.1%(前連結会計年度末は103.1%)となっております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ38億7千2百万円減少し、1,180億4千9百万円となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるもので、自己資本比率は22.1%(前連結会計年度末は22.7%)となり、1株当たり純資産額は3,634円81銭(前連結会計年度末は3,748円34銭)となりました。
③経営成績の分析
当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,032億4千6百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費を650億4千5百万円(前年同期比1.6%減)計上しましたが、この内容は人件費が231億7千万円(前年同期比2.9%減)、販売費154億7千9百万円(前年同期比1.9%減)、諸経費263億9千5百万円(前年同期比0.2%減)であり、この結果、営業利益は6億3千9百万円(前年同期比12.2%減)となりました。
営業外収益は、受取配当金9億3千8百万円等により13億4千3百万円(前年同期比41.8%減)となりました。また営業外費用は、支払利息14億6千9百万円等により20億8千2百万円(前年同期比18.6%増)となりました。この結果、経常損失は9千9百万円(前年同期は12億8千1百万円の経常利益)となりました。
ここから、特別利益と特別損失を加減し、税金等調整前中間純損失は1億6百万円(前年同期は10億7千4百万円の税金等調整前中間純利益)となりました。
法人税等の税金費用△7億3千9百万円と非支配株主に帰属する中間純利益1億6千1百万円を控除した親会社株主に帰属する中間純利益は4億7千1百万円(前年同期比56.1%減)となりました。
なお、各セグメント別の内容については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要としての商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用と設備資金需要としての工場等における建物、機械装置等設備投資によるものであります。
また、当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。