半期報告書-第119期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇や円高回帰による企業収益への影響が懸念されたものの、実質賃金上昇などによる民間消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大、企業の設備投資の増加などにより堅調に推移いたしました。
このような状況下、当社グループは、「健康と環境」をテーマに、皆様の健康や幸福に寄り添う製品やサービスの提供、環境問題などの社会課題に対処したビジネスモデルの構築、実践に努めてまいりました。卸売事業では、生活関連事業において、素材から最終製品に亘り、より良いライフスタイルの実現に応える商品の提案に努め、産業関連事業では、グローバルなネットワークを積極的に活用して、将来を見据えた商材・サービスの提供を行ってまいりました。また、医薬事業においては、柔軟な発想と高度な技術をもとに、付加価値の高い、高品質な製品供給に注力いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高2,823億4千4百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益44億1百万円(前年同期比59.5%減)、経常利益14億4千3百万円(前年同期比89.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益8億6千8百万円(前年同期比91.1%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
a. 生活関連事業
釣具部門は、コロナ禍による需要拡大の反動が長引き、市況回復の見通しも不確実な状況が続いておりますが、引き続き愛好者の需要に応えられる商品の提供に努めてまいります。
アパレル部門は、原料費等の上昇による物価高の影響はあるものの、購買意欲の高い顧客層が選ぶブランドやインバウンド消費により、コロナ禍以前の活況を取り戻しています。また、長びく暑さから、夏物の売れ行きは、冷感や速乾などの機能性商品を中心に好調に推移しました。
ユニフォーム部門は、市場在庫に注意を要する状況が続いておりますが、そのような中、新たにリネン対応商品の販売に力を入れております。入院患者衣やクリーンルームウェアなどの需要に応え、今後、新たな商品として拡大に努めてまいります。
キャラクター部門では、均一ショップへの販売拡大に努め、既存のキャラクターライセンス商品の他、ノンキャラクター商品や取引先のPB商品にも力を入れてまいりました。また、取引先の店舗展開に合った多様なサプライチェーンの構築にも注力しております。
テキスタイル部門は、国内向けのユニフォーム用途やプリント用など定番アイテムを中心に好調に推移しました。また、環境配慮型素材を使用した商品の販売や新規素材の開発にも注力しております。海外向けに関しては、中東男性民族衣装用の素材販売や海外ラグジュアリーブランド向けのデニム販売が増加、さらには、日本ブランドのインナーダウンなども伸長しました。
㈱インコントロにおいて、主力ブランドである“Vivienne Westwood”ブランドは引き続き外国人向けにアクセサリーや革小物等のインポート雑貨品、ライセンス衣料品の販売が好調に推移しました。“STUDIO NICHOLSON”ブランドは、全国のセレクトショップへの販売から、実店舗、Eコマースへの直販にシフトしており、今後も新店舗出店を目指してまいります。また、“TENERITA”ブランドは、新規商材の開発に力に入れており、今後の販売拡大を推し進めているところです。
以上の結果、生活関連事業の業績は、売上高229億5千3百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益11億3千3百万円(前年同期比47.9%増)となりました。
b. 産業関連事業
環境インフラ部門は、石炭火力発電所におけるアンモニア混焼技術の共同検証のほか、太陽光発電にかかわるビジネスに取り組んでおります。引き続き、国内外の重要パートナーと協業し、多様なビジネス展開を推進してまいります。
環境資材部門は、建設業界の2024年問題、建設資材の高騰などの影響を受けたものの、ベトナム製ガラスやインド製タイル、解体用資材のレンタルビジネスや木製品の受注増加などにより、事業を拡大しております。
化学素材部門は、中国市場の低迷や価格競争の激化により不確実性が高まっている中、国内の医薬品原料販売は堅調に推移した一方で、工業用途や化粧品原料の販売は苦戦しました。各国経済の動向、地政学的リスクなどを注視し、安定的に付加価値の高い商材の供給を目指してまいります。
資源素材部門では、リチウム塩類と活性炭を扱っており、リチウム価格の下落や競争の激化により厳しい商況が続いておりますが、新規顧客への販売や顧客数の拡大を進めてまいりました。今後は、高付加価値商品の開発や新規調達先の拡大に取り組み、特定の商品や顧客への依存度を減らすことで、リスク分散を図ってまいります。
食品部門は、天候不良や原料高、人手不足など、食品業界を取り巻く環境が厳しい中、当部門も伸び悩む結果となりました。一方で、スペイン産輸入ワインの販売開始や、ベトナム国内に所在する子会社での新商品の開発・販売に向けた動きが進んでおります。
また、当事業では、環境負荷軽減に向けた商品の企画、開発を推進しており、農薬用ボトル、ランドリー袋、歯ブラシ、ヘアブラシなどの試作、評価を行っております。プラスチックに替わる素材として注目されているストーンシートは、今後の経済活動において重要な素材の一つとして認知されつつあります。
ケミカル事業、テキスタイル事業、エレクトロニクス事業の3つの専門領域で事業を展開する興和江守グループは、ケミカル事業では、取引先である国内の化学品メーカーや加工メーカーの業況が横ばいで推移する中、原料の輸入販売に注力したものの、為替変動の影響もあり苦戦しました。テキスタイル事業は、在庫過多などの影響により生産調整が必要な状況であり、業界の回復は来年度以降の見通しであります。エレクトロニクス事業は、生成AIの普及に伴うAIサーバの需要が増加しておりますが、米中貿易問題により、中国向け製品用部品の在庫滞留が懸念されます。各事業において、既存ユーザーの深耕や新規品の販売、新領域の開発に取り組むとともに、環境配慮型のビジネス構築を目指してまいります。
以上の結果、産業関連事業の業績は、売上高1,417億3千1百万円(前年同期比7.6%減)、営業利益41億4千万円(前年同期比31.2%減)となりました。
c. 医薬事業
医療用医薬品部門では、1日1回タイプの高脂血症治療剤「パルモディアXR錠」が、発売以降、堅調に推移しております。服薬のしやすさから、今後の伸長が期待されます。2型糖尿病治療薬の「デベルザ錠」は、血中半減期が短いという特徴を訴求し、競合品に対抗しています。眼科領域の「グラアルファ配合点眼液」は病院での採用が進んでいます。また、ドネペジル経皮吸収型製剤「アリドネパッチ」は、認知症の専門施設やハイポテンシャル医師を中心に情報提供活動を行い、採用と処方獲得に力を入れています。
OTC医薬品部門では、発売70周年を迎えたキューピーコーワシリーズの「キューピーコーワゴールドαプレミアム」や「キューピーコーワヒーリング錠」が売上を伸ばし、「キューピーコーワαチャージ」のアップル風味も貢献しました。また、「リザレックコーワfor Lady」の新発売により、リザレック類も伸長し、バンテリン類やコルゲンコーワIB類も好調を維持しております。この他、バンテリンコーワサポーターは堅調に推移していますが、ホッカイロ類は苦戦しました。今後は、コルゲン総合感冒薬類やコルゲンコーワ滋養チャージの育成、キャベジンコーワ類のリニューアル商品、バンテリンコーワ類やキューピーコーワ類などの売上増を目指し、販促の強化を行ってまいります。
医療機器部門では、前眼部検査機器SL-19シリーズの動物病院向け販売が順調で、ヒト向けにも積極的に取り組んでいます。自動視野計「コーワ AP-7700」や前房蛋白測定装置も販促活動を強化し、シェア拡大を目指しています。眼内レンズでは、3ピースモデルの需要が高まったことに加え、2024年1月発売のトーリック眼内レンズも順調に採用件数を伸ばしました。
海外展開におきましては、「リバロ錠」の米国内での独占販売期間終了により、後発品の販売が進み、処方箋枚数が減少しました。一方で、新製品の導入検討も進めており、アトピー性皮膚炎などに効果のある薬剤の共同販促契約を締結しました。OTC医薬品・ヘルスケア品では、アジア地域での浸透を図り、さらには欧州市場への新規参入も準備しています。眼科機器や眼内レンズ市場は、先進国を中心に高齢化の進展に伴い、市場は拡大傾向にあります。前眼部検査機器「SL-19」の販売は、欧米やアジアで動物病院向けの販売が増えています。
以上の結果、医薬事業の業績は、売上高788億7千6百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益41億2千2百万円(前年同期比44.4%減)となりました。
d. 環境・省エネ事業
産業用光学機器分野では、当社の特徴である耐環境ビジョン製品として、工作機械への組込用、粉塵や高温環境など、劣悪な条件下でも使用可能な光学ユニットの開発・製造・販売に取り組みました。さらにAI技術を組み込んだ光学検査機器など、さまざまなビジョン製品を展開しています。
コンシューマー光学機器分野では、高級スコープのプロミナーラインアップとして軽量コンパクトな口径55mmの新型スコープの販売を開始しました。
創エネ・省エネソリューションビジネス分野では、引き続きLED照明の販売、太陽光設備の設置販売、PPA(電力販売)やネット・ゼロ・エネルギー・ビルの提案などを通じ、電気・エネルギー価格の上昇や環境問題に対する解決策を提案しています。
以上の結果、環境・省エネ事業の業績は、売上高73億7千1百万円(前年同期比8.9%増)、営業損失2億8千6百万円(前年同期は3億2千7百万円の営業利益)となりました。
e. 不動産事業
不動産事業では、建設コストの高騰、販売経費の増加などによる影響で業績は伸び悩みましたが、保有資産の有効活用の企画、開発を進めております。賃貸市場では、市況が改善に進んでおり、小幅ながらも賃料相場は上昇し、空室率は低下傾向にあります。引き続き、状況の変化を注視し、グループ資産の有効活用に努めてまいります。
以上の結果、不動産事業の業績は、売上高69億5千4百万円(前年同期比53.4%増)、営業利益8億5千9百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
f. ホスピタリティ事業
国内ホテル事業は、人流回復と為替の動向が追い風となり大きな回復が見られたものの、人手不足や材料費等の上昇により、コロナ後の事業戦略が問われる形となりました。新たに展開している最高級ブランド「エスパシオ」の国内第一号施設「エスパシオ箱根迎賓館 麟鳳亀龍」は、2024年7月にオープンしました。また、ホテルナゴヤキャッスル跡地の「エスパシオナゴヤキャッスル」の開業準備も進んでおります。ワタベウェディング(株)が展開するリゾート挙式事業は、海外ウェディング市場の伸び悩みの影響を強く受けました。国内においても、沖縄などで競争が激化し売上が減少する中、フォトウェディングなど、事業の多様化にもチャレンジしました。
以上の結果、ホスピタリティ事業の業績は、売上高170億1千2百万円(前年同期比1.0%増)、営業損失37億3千7百万円(前年同期は27億2千万円の営業損失)となりました。
g. その他の事業
アグリ部門が展開するアワビ養殖事業は、観光養殖をメインにしたビジネススキームに切り替え、養殖場見学ツアー、養殖場隣接のバーベキュー場による集客に力を入れております。また、販売、流通体制の見直しも行い、事業全体の効率化を進めております。
保険代理店業及びリース事業では、グループ内取引を中心に販促に努め、安定した収益を確保しております。
その他の事業の業績は、売上高は74億4千4百万円(前年同期比13.5%増)、営業損失7億5千1百万円(前年同期は4億8千5百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前中間連結会計期間に比べ42億1千9百万円減少し、当中間連結会計期間末には803億1千9百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は76億9千9百万円(前年同期は58億3千7百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の増減額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は78億7千9百万円となり、前年同期と比べ97億8千2百万円減少しました。これは主に、固定資産の売却による収入が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は275億2百万円となり、前年同期と比べ70億5千1百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済による支出が増加したこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ90億3千9百万円減少し、6,920億3百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動資産は、売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ28億1千5百万円減少し、3,413億1百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ62億2千3百万円減少し、3,507億1百万円となりました。
また、当中間連結会計期間末の総負債は、前連結会計年度末に比べ35億3千9百万円減少し、4,973億9千1百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動負債は、支払手形及び買掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ208億1千9百万円減少し、2,977億8千万円となりました。
固定負債は、長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ172億8千万円増加し、1,996億1千1百万円となりました。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、435億2千1百万円(前連結会計年度末は255億1千8百万円)であり、流動比率は114.6%(前連結会計年度末は108.0%)となっております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ55億円減少し、1,946億1千1百万円となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるもので、自己資本比率は26.8%(前連結会計年度末は27.4%)となり、1株当たり純資産額は135,572円69銭(前連結会計年度末は140,034円24銭)となりました。
経営成績の分析
当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,823億4千4百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
また、販売費及び一般管理費を772億7千万円(前年同期比2.3%増)計上しましたが、この内容は人件費が295億2千6百万円(前年同期比3.1%増)、販売費189億2千5百万円(前年同期比18.1%増)、諸経費288億1千8百万円(前年同期比6.5%減)であり、この結果、営業利益は44億1百万円(前年同期比59.5%減)となりました。
営業外収益は、受取配当金7億1千3百万円等により15億1百万円(前年同期比72.2%減)となりました。また営業外費用は、支払利息31億4百万円等により44億5千9百万円(前年同期比43.2%増)となりました。この結果、経常利益は14億4千3百万円(前年同期比89.0%減)となりました。
ここから、特別利益と特別損失を加減し、税金等調整前中間純利益は41億7千2百万円(前年同期比67.1%減)となりました。
法人税等の税金費用22億9千5百万円と非支配株主に帰属する中間純利益10億9百万円を控除した親会社株主に帰属する中間純利益は8億6千8百万円(前年同期比91.1%減)となりました。
なお、各セグメント別の内容については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要としての商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用と設備資金需要としての工場等における建物、機械装置等設備投資によるものであります。
また、当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた方針
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇や円高回帰による企業収益への影響が懸念されたものの、実質賃金上昇などによる民間消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大、企業の設備投資の増加などにより堅調に推移いたしました。
このような状況下、当社グループは、「健康と環境」をテーマに、皆様の健康や幸福に寄り添う製品やサービスの提供、環境問題などの社会課題に対処したビジネスモデルの構築、実践に努めてまいりました。卸売事業では、生活関連事業において、素材から最終製品に亘り、より良いライフスタイルの実現に応える商品の提案に努め、産業関連事業では、グローバルなネットワークを積極的に活用して、将来を見据えた商材・サービスの提供を行ってまいりました。また、医薬事業においては、柔軟な発想と高度な技術をもとに、付加価値の高い、高品質な製品供給に注力いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高2,823億4千4百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益44億1百万円(前年同期比59.5%減)、経常利益14億4千3百万円(前年同期比89.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益8億6千8百万円(前年同期比91.1%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
a. 生活関連事業
釣具部門は、コロナ禍による需要拡大の反動が長引き、市況回復の見通しも不確実な状況が続いておりますが、引き続き愛好者の需要に応えられる商品の提供に努めてまいります。
アパレル部門は、原料費等の上昇による物価高の影響はあるものの、購買意欲の高い顧客層が選ぶブランドやインバウンド消費により、コロナ禍以前の活況を取り戻しています。また、長びく暑さから、夏物の売れ行きは、冷感や速乾などの機能性商品を中心に好調に推移しました。
ユニフォーム部門は、市場在庫に注意を要する状況が続いておりますが、そのような中、新たにリネン対応商品の販売に力を入れております。入院患者衣やクリーンルームウェアなどの需要に応え、今後、新たな商品として拡大に努めてまいります。
キャラクター部門では、均一ショップへの販売拡大に努め、既存のキャラクターライセンス商品の他、ノンキャラクター商品や取引先のPB商品にも力を入れてまいりました。また、取引先の店舗展開に合った多様なサプライチェーンの構築にも注力しております。
テキスタイル部門は、国内向けのユニフォーム用途やプリント用など定番アイテムを中心に好調に推移しました。また、環境配慮型素材を使用した商品の販売や新規素材の開発にも注力しております。海外向けに関しては、中東男性民族衣装用の素材販売や海外ラグジュアリーブランド向けのデニム販売が増加、さらには、日本ブランドのインナーダウンなども伸長しました。
㈱インコントロにおいて、主力ブランドである“Vivienne Westwood”ブランドは引き続き外国人向けにアクセサリーや革小物等のインポート雑貨品、ライセンス衣料品の販売が好調に推移しました。“STUDIO NICHOLSON”ブランドは、全国のセレクトショップへの販売から、実店舗、Eコマースへの直販にシフトしており、今後も新店舗出店を目指してまいります。また、“TENERITA”ブランドは、新規商材の開発に力に入れており、今後の販売拡大を推し進めているところです。
以上の結果、生活関連事業の業績は、売上高229億5千3百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益11億3千3百万円(前年同期比47.9%増)となりました。
b. 産業関連事業
環境インフラ部門は、石炭火力発電所におけるアンモニア混焼技術の共同検証のほか、太陽光発電にかかわるビジネスに取り組んでおります。引き続き、国内外の重要パートナーと協業し、多様なビジネス展開を推進してまいります。
環境資材部門は、建設業界の2024年問題、建設資材の高騰などの影響を受けたものの、ベトナム製ガラスやインド製タイル、解体用資材のレンタルビジネスや木製品の受注増加などにより、事業を拡大しております。
化学素材部門は、中国市場の低迷や価格競争の激化により不確実性が高まっている中、国内の医薬品原料販売は堅調に推移した一方で、工業用途や化粧品原料の販売は苦戦しました。各国経済の動向、地政学的リスクなどを注視し、安定的に付加価値の高い商材の供給を目指してまいります。
資源素材部門では、リチウム塩類と活性炭を扱っており、リチウム価格の下落や競争の激化により厳しい商況が続いておりますが、新規顧客への販売や顧客数の拡大を進めてまいりました。今後は、高付加価値商品の開発や新規調達先の拡大に取り組み、特定の商品や顧客への依存度を減らすことで、リスク分散を図ってまいります。
食品部門は、天候不良や原料高、人手不足など、食品業界を取り巻く環境が厳しい中、当部門も伸び悩む結果となりました。一方で、スペイン産輸入ワインの販売開始や、ベトナム国内に所在する子会社での新商品の開発・販売に向けた動きが進んでおります。
また、当事業では、環境負荷軽減に向けた商品の企画、開発を推進しており、農薬用ボトル、ランドリー袋、歯ブラシ、ヘアブラシなどの試作、評価を行っております。プラスチックに替わる素材として注目されているストーンシートは、今後の経済活動において重要な素材の一つとして認知されつつあります。
ケミカル事業、テキスタイル事業、エレクトロニクス事業の3つの専門領域で事業を展開する興和江守グループは、ケミカル事業では、取引先である国内の化学品メーカーや加工メーカーの業況が横ばいで推移する中、原料の輸入販売に注力したものの、為替変動の影響もあり苦戦しました。テキスタイル事業は、在庫過多などの影響により生産調整が必要な状況であり、業界の回復は来年度以降の見通しであります。エレクトロニクス事業は、生成AIの普及に伴うAIサーバの需要が増加しておりますが、米中貿易問題により、中国向け製品用部品の在庫滞留が懸念されます。各事業において、既存ユーザーの深耕や新規品の販売、新領域の開発に取り組むとともに、環境配慮型のビジネス構築を目指してまいります。
以上の結果、産業関連事業の業績は、売上高1,417億3千1百万円(前年同期比7.6%減)、営業利益41億4千万円(前年同期比31.2%減)となりました。
c. 医薬事業
医療用医薬品部門では、1日1回タイプの高脂血症治療剤「パルモディアXR錠」が、発売以降、堅調に推移しております。服薬のしやすさから、今後の伸長が期待されます。2型糖尿病治療薬の「デベルザ錠」は、血中半減期が短いという特徴を訴求し、競合品に対抗しています。眼科領域の「グラアルファ配合点眼液」は病院での採用が進んでいます。また、ドネペジル経皮吸収型製剤「アリドネパッチ」は、認知症の専門施設やハイポテンシャル医師を中心に情報提供活動を行い、採用と処方獲得に力を入れています。
OTC医薬品部門では、発売70周年を迎えたキューピーコーワシリーズの「キューピーコーワゴールドαプレミアム」や「キューピーコーワヒーリング錠」が売上を伸ばし、「キューピーコーワαチャージ」のアップル風味も貢献しました。また、「リザレックコーワfor Lady」の新発売により、リザレック類も伸長し、バンテリン類やコルゲンコーワIB類も好調を維持しております。この他、バンテリンコーワサポーターは堅調に推移していますが、ホッカイロ類は苦戦しました。今後は、コルゲン総合感冒薬類やコルゲンコーワ滋養チャージの育成、キャベジンコーワ類のリニューアル商品、バンテリンコーワ類やキューピーコーワ類などの売上増を目指し、販促の強化を行ってまいります。
医療機器部門では、前眼部検査機器SL-19シリーズの動物病院向け販売が順調で、ヒト向けにも積極的に取り組んでいます。自動視野計「コーワ AP-7700」や前房蛋白測定装置も販促活動を強化し、シェア拡大を目指しています。眼内レンズでは、3ピースモデルの需要が高まったことに加え、2024年1月発売のトーリック眼内レンズも順調に採用件数を伸ばしました。
海外展開におきましては、「リバロ錠」の米国内での独占販売期間終了により、後発品の販売が進み、処方箋枚数が減少しました。一方で、新製品の導入検討も進めており、アトピー性皮膚炎などに効果のある薬剤の共同販促契約を締結しました。OTC医薬品・ヘルスケア品では、アジア地域での浸透を図り、さらには欧州市場への新規参入も準備しています。眼科機器や眼内レンズ市場は、先進国を中心に高齢化の進展に伴い、市場は拡大傾向にあります。前眼部検査機器「SL-19」の販売は、欧米やアジアで動物病院向けの販売が増えています。
以上の結果、医薬事業の業績は、売上高788億7千6百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益41億2千2百万円(前年同期比44.4%減)となりました。
d. 環境・省エネ事業
産業用光学機器分野では、当社の特徴である耐環境ビジョン製品として、工作機械への組込用、粉塵や高温環境など、劣悪な条件下でも使用可能な光学ユニットの開発・製造・販売に取り組みました。さらにAI技術を組み込んだ光学検査機器など、さまざまなビジョン製品を展開しています。
コンシューマー光学機器分野では、高級スコープのプロミナーラインアップとして軽量コンパクトな口径55mmの新型スコープの販売を開始しました。
創エネ・省エネソリューションビジネス分野では、引き続きLED照明の販売、太陽光設備の設置販売、PPA(電力販売)やネット・ゼロ・エネルギー・ビルの提案などを通じ、電気・エネルギー価格の上昇や環境問題に対する解決策を提案しています。
以上の結果、環境・省エネ事業の業績は、売上高73億7千1百万円(前年同期比8.9%増)、営業損失2億8千6百万円(前年同期は3億2千7百万円の営業利益)となりました。
e. 不動産事業
不動産事業では、建設コストの高騰、販売経費の増加などによる影響で業績は伸び悩みましたが、保有資産の有効活用の企画、開発を進めております。賃貸市場では、市況が改善に進んでおり、小幅ながらも賃料相場は上昇し、空室率は低下傾向にあります。引き続き、状況の変化を注視し、グループ資産の有効活用に努めてまいります。
以上の結果、不動産事業の業績は、売上高69億5千4百万円(前年同期比53.4%増)、営業利益8億5千9百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
f. ホスピタリティ事業
国内ホテル事業は、人流回復と為替の動向が追い風となり大きな回復が見られたものの、人手不足や材料費等の上昇により、コロナ後の事業戦略が問われる形となりました。新たに展開している最高級ブランド「エスパシオ」の国内第一号施設「エスパシオ箱根迎賓館 麟鳳亀龍」は、2024年7月にオープンしました。また、ホテルナゴヤキャッスル跡地の「エスパシオナゴヤキャッスル」の開業準備も進んでおります。ワタベウェディング(株)が展開するリゾート挙式事業は、海外ウェディング市場の伸び悩みの影響を強く受けました。国内においても、沖縄などで競争が激化し売上が減少する中、フォトウェディングなど、事業の多様化にもチャレンジしました。
以上の結果、ホスピタリティ事業の業績は、売上高170億1千2百万円(前年同期比1.0%増)、営業損失37億3千7百万円(前年同期は27億2千万円の営業損失)となりました。
g. その他の事業
アグリ部門が展開するアワビ養殖事業は、観光養殖をメインにしたビジネススキームに切り替え、養殖場見学ツアー、養殖場隣接のバーベキュー場による集客に力を入れております。また、販売、流通体制の見直しも行い、事業全体の効率化を進めております。
保険代理店業及びリース事業では、グループ内取引を中心に販促に努め、安定した収益を確保しております。
その他の事業の業績は、売上高は74億4千4百万円(前年同期比13.5%増)、営業損失7億5千1百万円(前年同期は4億8千5百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前中間連結会計期間に比べ42億1千9百万円減少し、当中間連結会計期間末には803億1千9百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は76億9千9百万円(前年同期は58億3千7百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の増減額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は78億7千9百万円となり、前年同期と比べ97億8千2百万円減少しました。これは主に、固定資産の売却による収入が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は275億2百万円となり、前年同期と比べ70億5千1百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済による支出が増加したこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | 前年同期比(%) |
産業関連事業 (百万円) | 244 | - |
医薬事業 (百万円) | 78,320 | 99.6 |
環境・省エネ事業 (百万円) | 4,668 | 122.0 |
報告セグメント計 (百万円) | 83,234 | 100.9 |
その他の事業 (百万円) | 64 | 44.4 |
合計 (百万円) | 83,298 | 100.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | 前年同期比(%) |
生活関連事業 (百万円) | 22,953 | 102.6 |
産業関連事業 (百万円) | 141,731 | 92.4 |
医薬事業 (百万円) | 78,876 | 94.7 |
環境・省エネ事業 (百万円) | 7,371 | 108.9 |
不動産事業 (百万円) | 6,954 | 153.4 |
ホスピタリティ事業 (百万円) | 17,012 | 101.0 |
報告セグメント計 (百万円) | 274,900 | 95.7 |
その他の事業 (百万円) | 7,444 | 113.5 |
合計 (百万円) | 282,344 | 96.1 |
なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ90億3千9百万円減少し、6,920億3百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動資産は、売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ28億1千5百万円減少し、3,413億1百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ62億2千3百万円減少し、3,507億1百万円となりました。
また、当中間連結会計期間末の総負債は、前連結会計年度末に比べ35億3千9百万円減少し、4,973億9千1百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
流動負債は、支払手形及び買掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ208億1千9百万円減少し、2,977億8千万円となりました。
固定負債は、長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ172億8千万円増加し、1,996億1千1百万円となりました。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、435億2千1百万円(前連結会計年度末は255億1千8百万円)であり、流動比率は114.6%(前連結会計年度末は108.0%)となっております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ55億円減少し、1,946億1千1百万円となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるもので、自己資本比率は26.8%(前連結会計年度末は27.4%)となり、1株当たり純資産額は135,572円69銭(前連結会計年度末は140,034円24銭)となりました。
経営成績の分析
当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,823億4千4百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
また、販売費及び一般管理費を772億7千万円(前年同期比2.3%増)計上しましたが、この内容は人件費が295億2千6百万円(前年同期比3.1%増)、販売費189億2千5百万円(前年同期比18.1%増)、諸経費288億1千8百万円(前年同期比6.5%減)であり、この結果、営業利益は44億1百万円(前年同期比59.5%減)となりました。
営業外収益は、受取配当金7億1千3百万円等により15億1百万円(前年同期比72.2%減)となりました。また営業外費用は、支払利息31億4百万円等により44億5千9百万円(前年同期比43.2%増)となりました。この結果、経常利益は14億4千3百万円(前年同期比89.0%減)となりました。
ここから、特別利益と特別損失を加減し、税金等調整前中間純利益は41億7千2百万円(前年同期比67.1%減)となりました。
法人税等の税金費用22億9千5百万円と非支配株主に帰属する中間純利益10億9百万円を控除した親会社株主に帰属する中間純利益は8億6千8百万円(前年同期比91.1%減)となりました。
なお、各セグメント別の内容については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要としての商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用と設備資金需要としての工場等における建物、機械装置等設備投資によるものであります。
また、当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた方針
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。