有価証券報告書-第130期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/24 10:50
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144項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に移行したことにより、社会経済活動が正常化に向かうとともに、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復基調のうちに推移しました。百貨店業界におきましては、行動制限の緩和等による外出機会の増加などから消費マインドの回復がみられ、さらには円安効果と入国制限の終了を背景としたインバウンド需要の伸びが売上を押しあげるなど、全国百貨店売上高は大都市を中心に好調に推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは、「中期経営計画(2021-2024年度)」において長期ビジョンとして掲げた「くらしを豊かにするプラットフォーマー」を目指し、あべの・天王寺エリアの魅力最大化など4つの基本方針に基づく諸施策を強力に推進するとともに、各事業における収益力向上に懸命の努力を払いました。
この結果、当社グループの業績につきましては、売上高は113,506百万円(前期比5.2%増)、営業利益3,902百万円(同149.2%増)、経常利益は3,864百万円(同98.6%増)となりました。これに政策保有上場株式の売却益を特別利益に計上し、過年度消費税等及び固定資産除却損等を特別損失に計上し、法人税等を差し引きした結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,777百万円(同46.7%増)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>百貨店業におきましては、収益力及び集客力の強化に注力するとともに、企業価値向上にも努めてまいりました。まず、旗艦店であるあべのハルカス近鉄本店については、さらなる特選ブランドの強化を図るため、タワー館1階に「バーバリー」を導入するとともに、タワー館5階婦人服売場に、衣・食・住・サービスを集積させた売場である「スクランブルMD」の第三弾として、美容と健康に対する意識が高い「オトナ女子」をターゲットとした「美sion Terrace(ビジョンテラス)」を新設いたしました。また、収益力向上の一つとして強化しているフランチャイズ事業においては、ウイング館地下2階に、不二家との共同開発により誕生した洋菓子の新ブランド「Pekolicious(ペコリシャス)」の第一号店を導入するとともに、当社フランチャイズ事業では初となる本格的なレストラン事業として「ベビーフェイス スカイテラス あべのハルカス店」をタワー館14階レストランフロアに、さらには同フロア及び12階レストランフロアに西日本初出店となる「洋食屋 伊勢十」「TOKYO MERCATO(トウキョウメルカート)」を導入いたしました。また、2025年に開催される「大阪・関西万博」に向けた機運醸成を図るため、タワー館2階に、オフィシャルストアの第一号店を導入し、公式ライセンス商品を販売するほか、万博に関する様々な情報発信も行っております。さらには、ESG経営を推進するため、地域の事業者や生産者、行政、団体と結びつきをより深め、当社グループ沿線地域の活性化につながる新たな価値を創出する事業として、大阪府河南町でいちごの自社栽培をスタートさせ、昨年12月に「はるかすまいる」として販売を開始し、ご好評をいただいているほか、「地方創生」の一環として、ウイング館2階に高知県産品の販売や食・文化・観光の情報発信を行う期間限定アンテナショップ「まるごと高知 in あべのハルカス」を導入し、多くのお客様にご来店いただきました。
次に、地域中核店・郊外店においては、地域生活に「なくてはならない存在」を目指し、生活機能、商業機能、コミュニティ機能を融合した「タウンセンター化」への変革を推進するため、上層階へは専門店を導入するとともに、低中層階にはフランチャイズ運営売場を積極的に拡充するなど、さらなる収益構造改革を進めてまいりました。上本町店、橿原店においては、ハンズとの協業による「Plugs Market(プラグスマーケット)」を導入し、地域共創に取り組みました。
一方、越境EC事業につきましては、中国の景気動向に鑑み、本年2月末に撤退いたしました。撤退に伴い商品の評価や在高の見直し等を行いましたが、諸施策による来店客数の増加や外商売上が好調に推移した結果、売上高は92,480百万円(前期比3.4%増)、営業利益2,542百万円(同327.9%増)となりました。
<卸・小売業>卸・小売業におきましては、株式会社シュテルン近鉄において、輸入車販売が好調に推移したため、売上高は13,539百万円(前期比6.3%増)であったものの、株式会社ジャパンフーズクリエイトにおいて、サーモンの価格上昇等により減益となったため、営業利益327百万円(同26.6%減)となりました。
<内装業>内装業におきましては、株式会社近創で大口工事受注があったことにより、売上高は3,839百万円(前期比100.6%増)、営業利益は893百万円(同299.9%増)となりました。
<不動産業>不動産業におきましては、賃貸収入により、売上高は295百万円(前期比2.7%増)、営業利益223百万円(同7.6%増)となりました。
<その他事業>その他事業におきましては、売上高は3,351百万円(前期比2.5%減)、営業利益は108百万円(同38.1%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、減価償却による建物及び構築物の減少や繰延税金資産の減少などにより、前期末に比べ2,979百万円減少し115,364百万円となりました。
負債は、借入金の減少などにより、前期末に比べ5,710百万円減少し78,046百万円となりました。
純資産は、自己株式が増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前期末に比べ2,731百万円増加し37,317百万円となりました。この結果、自己資本比率は32.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ485百万円増加し3,728百万円となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、仕入債務の増加額は減少したものの、税金等調整前当期純利益の計上や退職給付信託の一部返還に加え、売上債権の増加額の減少などにより、10,170百万円の収入(前期 7,564百万円の収入)となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、政策保有上場株式の売却による収入はあったものの、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出などにより、2,194百万円の支出(前期 3,022百万円の支出)となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済による支出などにより7,490百万円の支出(前期 5,403百万円の支出)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年3月1日
至 2024年2月29日)
品名売上高(百万円)前年同期比(%)
百貨店業衣料品15,06696.0
身回品6,82499.9
家庭用品1,80192.7
食料品30,500102.7
食堂・喫茶739134.1
雑貨26,972105.8
サービス1,256115.2
その他9,396114.1
消去△78110.0
92,480103.4
卸・小売業食料品3,63397.3
自動車関連10,671109.1
消去△76597.5
13,539106.3
内装業内装6,404152.9
消去△2,564112.7
3,839200.6
不動産業賃貸352102.3
消去△57100.0
295102.7
その他事業運送4,18796.0
その他2,70493.5
消去△3,53992.8
3,35197.5
合計113,506105.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この作成にあたり、当連結会計年度末の資産及び負債並びに当連結会計年度に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
このうち、当連結会計年度において特に留意すべき要因については次のとおりであります。
・経営環境
b.経営成績の分析・検討内容
経営成績に重要な影響を与える要因を踏まえた当連結会計年度の経営成績の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、社会経済活動の正常化により消費マインドの回復がみられたことで、当社グループの売上高は113,506百万円(前期比5.2%増)、営業利益は3,902百万円(同149.2%増)となりました。
百貨店業では、収益構造及びコスト構造改革を推し進め、安定した利益を獲得できる体制づくりに注力し、さらに外商売上やインバウンド売上が好調に推移したことにより、百貨店業全体の売上高は92,480百万円(前期比3.4%増)となり、営業利益は2,542百万円(同327.9%増)となりました。
卸・小売業では、株式会社シュテルン近鉄で、フルモデルチェンジした新型「Cクラス」の販売効果が一巡したものの、車両単価の上昇により好調に推移しました。また、車点検等のアフターセールスに丁寧に取り組んだことで、部品売上や修理といったアフターサービスも堅調に推移しましたが、株式会社ジャパンフーズクリエイトでは、主力商品であるノルウェーサーモンの価格高騰により商品価格が高止まりし、主力販売先の量販店への卸売りが減少しましたため、卸・小売業全体の売上高は13,539百万円(前期比6.3%増)、営業利益は327百万円(同26.6%減)となりました。
内装業では、株式会社近創で、ホテルや商業施設などの内装工事及びサイン工事が好調に推移するとともに、コスト削減に努めた結果、内装業全体の売上高は3,839百万円(前期比100.6%増)、営業利益は893百万円(同299.9%増)となりました。
不動産業では、賃貸収入により、不動産業全体の売上高は295百万円(前期比2.7%増)、営業利益は223百万円(同7.6%増)となりました。
当社グループの経常利益は、前年の雇用調整助成金などが営業外収益から減少したものの、上記の要因により3,864百万円(前期比98.6%増)となりました。これに政策保有上場株式の売却益を特別利益に計上し、過年度消費税等及び固定資産除却損等を特別損失に計上し、法人税等を差し引きした結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,777百万円(同46.7%増)となりました。
c.経営判断のために採用している経営指標とその達成状況及びその理由
当社グループは、「中期経営計画(2021-2024年度)」に基づき、百貨店事業の収益力を強化しつつ、さらなる成長に向けての新たな収益の柱になる事業モデルの強化期間と位置付けて、様々な施策を実行してきました。
「中期経営計画(2021-2024年度)」において、当社グループは、「営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」、「ROE」、「ROA(営業利益ベース)」を重要な指標と位置付けております。
2022年2月期2023年2月期2024年2月期経営数値目標
(2025年2月期)
営業利益△13億円15億円39億円65億円
親会社株主に帰属する当期純利益△7億円18億円27億円40億円
自己資本当期純利益率(ROE)△2.3%5.6%7.7%10.0%以上
総資産営業利益率
(ROA)
△1.2%1.3%3.3%5.0%以上

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
主な内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入や営業費用などの運転資金に加え、店舗物件の改装や修繕などに伴う設備資金であります。
これらの資金需要に対応すべく、主に自己資金及び金融機関からの借入金により必要な資金を調達しております。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
2020年2月期2021年2月期2022年2月期2023年2月期2024年2月期
自己資本比率(%)29.827.327.929.232.3
時価ベースの自己資本比率
(%)
78.0108.085.480.382.3
キャッシュ・フロー対
借入金比率(年)
1.54.06.71.70.6
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
100.841.927.093.6150.1

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対借入金比率:借入金/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利息の支払額
※ 各指標の算出は、連結ベースの財務数値によっております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
なお、期末発行済株式数より控除する自己株式に、株式需給緩衝信託Ⓡが保有する当社株式443,300株が含まれております。

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