訂正有価証券報告書-第74期(2018/01/01-2018/12/31)

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2024/03/26 14:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が継続する中、緩やかな景気回復基調で推移いたしました。一方、海外経済においては、米中間の通商問題を始め、新興国の政治・経済に関する不確実性など、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。小売業界におきましては、賃金上昇ペースの鈍化や生活物価の上昇等の要因から、実質所得の伸びは力強さを欠いており、依然、消費者の生活防衛意識は高く、消費者の節約志向と価値観の多様化への対応、配送業界からの運賃値上げへの対応、さらには業態を超えた企業間競争激化など、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しいものと認識しております。
当連結会計年度の売上高は、通信販売事業において販売チャネル戦略・販促施策の見直し及びMD(マーチャンダイジング)改革等を進めてまいりましたが、複雑化した事業構造が足枷となり進捗に遅れが生じ、1,133億44百万円(前期比10.0%減)となりました。
利益面に関しましては、通信販売事業における在庫水準適正化を目的とした廃棄損計上、処分予定在庫の評価損計上及びバーゲン販売等により、売上総利益率は大幅に悪化し、営業損失は40億63百万円(前期は42億87百万円の営業損失)となりました。経常損失は42億77百万円(前期は42億6百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は、希望退職の実施に伴う特別退職金の計上等により60億27百万円(前期は110億90百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
[通信販売事業]
カタログ及びインターネットを中心とする通信販売事業の当連結会計年度の売上高は864億52百万円(前期比14.6%減)となりました。営業損失は56億33百万円(前期は57億7百万円の営業損失)となりました。
[ブライダル事業]
ハウスウエディングを中心とするブライダル事業の当連結会計年度の売上高は193億86百万円(前期比6.9%増)となりました。営業利益は10億4百万円(前期比4.3%増)となりました。
[法人事業]
法人向けの商品・サービスを提供する法人事業の当連結会計年度の売上高は51億61百万円(前期比6.8%増)となりました。営業利益は3億39百万円(前期比9.5%減)となりました。
[その他]
子育て支援事業と保険・クレジットなどを主とするサービス事業等を行うその他の事業は、2017年7月に化粧品の製造販売事業を行う株式会社ユイット・ラボラトリーズを子会社化したこともあり、当連結会計年度の売上高は23億43百万円(前期比33.7%増)となりました。営業利益は2億25百万円(前期比178.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は171億47百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億76百万円の減少となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、19億50百万円の支出(前期は19億52百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、たな卸資産の減少額67億78百万円、減価償却費18億7百万円であり、主なマイナス要因は、税金等調整前当期純損失60億16百万円、仕入債務の減少額35億88百万円、事業構造改革費用の支払額19億60百万円であります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、31億96百万円の収入(前期は3億97百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、有形固定資産の売却による収入25億27百万円、定期預金の払戻による収入22億26百万円であり、主なマイナス要因は、有形固定資産の取得による支出19億97百万円であります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、14億14百万円の支出(前期は11億48百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、株式の発行による収入69億75百万円であり、主なマイナス要因は、自己株式の取得による支出67億85百万円、長期借入金の返済による支出13億71百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため記載を省略しております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
通信販売事業46,090△18.8
ブライダル事業1,389△10.6
法人事業2291.9
報告セグメント計47,710△18.5
その他4819.0
合計47,758△18.5

(注)1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
通信販売事業86,452△14.6
ブライダル事業19,3866.9
法人事業5,1616.8
報告セグメント計111,001△10.7
その他2,34333.7
合計113,344△10.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.数量については、品目が多岐にわたるため、表示を省略しております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しており、経営成績又は財政状態に重要な影響を及ぼす見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる要因を考慮して行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在することから、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
a.売上高
売上高につきましては、1,133億44百万円(前期比10.0%減)となりました。売上高をセグメントごとに分析すると、通信販売事業は864億52百万円(前期比14.6%減)、ブライダル事業は193億86百万円(前期比6.9%増)、法人事業は51億61百万円(前期比6.8%増)、その他の事業は23億43百万円(前期比33.7%増)となりました。
b.売上原価
売上原価は650億19百万円となり、総額では前連結会計年度と比較して64億17百万円減少(前期比9.0%減)しましたが、在庫水準の適正化を目的とした廃棄損計上、バーゲン販売及び処分販売等の増加により売上原価率は前連結会計年度の56.7%から57.4%へ悪化いたしました。
c.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は523億88百万円となり、前連結会計年度と比較して64億60百万円減少(前期比11.0%減)となりました。
これは、カタログ頁数削減による制作費・印刷費の削減や、全般的なコスト見直しによる各費用の削減によるものであります。
d.営業損失
以上により、営業損失は40億63百万円(前期は42億87百万円の営業損失)となりました。
e.営業外損益及び経常損失
営業外収益は、債務勘定整理益2億71百万円(前期比41.6%増)、受取配当金60百万円(前期比30.9%減)及び受取利息29百万円(前期比10.0%増)等を計上したことにより、5億82百万円(前期比19.1%減)となりました。
営業外費用は、支払手数料5億18百万円(前期比63.9%増)及び支払利息1億45百万円(前期比6.5%減)等を計上したことにより、7億96百万円(前期比24.7%増)となりました。
以上により、経常損失は42億77百万円(前期は42億6百万円の経常損失)となりました。
f.特別損益、税金等調整前当期純損失及び親会社株主に帰属する当期純損失
特別利益は、投資有価証券売却益5億17百万円(前期は7億15百万円)及び補助金収入46百万円(前期は2億10百万円)等を計上したことにより、5億90百万円(前期比36.9%減)となりました。
特別損失は、減損損失4億89百万円(前期は54億73百万円)及び事業構造改革費用14億59百万円(前期は19億2百万円)等を計上したことにより、23億29百万円(前期比69.5%減)となりました。
以上により、税金等調整前当期純損失は60億16百万円(前期は税金等調整前当期純損失108億99百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は60億27百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失110億90百万円)となりました。
③ 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて144億91百万円減少し、759億49百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ84億47百万円減少し、404億6百万円となりました。これは、商品及び製品が68億28百万円、未収入金が11億6百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。また固定資産は、有形固定資産が19億53百万円、無形固定資産が2億42百万円、投資その他の資産が38億48百万円それぞれ減少したことにより前連結会計年度末に比べ60億44百万円減少し、355億42百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ12億96百万円減少し、287億70百万円となりました。これは、1年内償還予定の新株予約権付社債が43億40百万円増加した一方で、電子記録債務が27億74百万円、買掛金が12億86百万円、その他が3億70百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ65億円減少し、123億26百万円となりました。これは、新株予約権付社債が50億円、長期借入金が8億13百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ66億95百万円減少し、348億53百万円となりました。これは、利益剰余金が13億33百万円増加した一方で、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による取得の結果、自己株式が67億84百万円増加したことが主な要因であります。なお、2018年3月に実施したREVICパートナーズ株式会社が無限責任組合員として運営管理する地域中核企業活性化投資事業有限責任組合に対する第三者割当による優先株式の発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ35億円増加いたしましたが、2018年4月に会社法第447条第1項及び第448条第1項の規定に基づき資本金及び資本準備金の額をそれぞれ35億円減少し、その他資本剰余金に振り替えております。また、会社法第452条の規定に基づき実施いたしました欠損填補により、資本剰余金は70億71百万円減少し利益剰余金が同額増加しております。この結果、自己資本比率は45.8%となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入原価や運賃・販売促進費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は16,639百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,147百万円となっております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、通信販売事業における早期の業績回復及び安定化を実現するためには更なる抜本的な事業構造改革が必要と判断し、2018年12月期から2020年12月期までの3期を計画期間とする中期経営計画を見直し、2019年12月期から2021年12月期までの3期に変更いたしました。同計画において連結売上高920億円以上、連結営業利益40億円以上を最終期である2021年12月期に達成すべき数値目標として定めております。
通信販売事業における在庫縮減及び人件費適正化等の主要なコスト関連施策はすでに完了しており、2019年度にはその効果が発現する見込みとなっております。また、粗利率の改善を目的としたオペレーション改革も引き続き進めることにより収益基盤の強化を図ります。さらに、これらの事業構造改革に加え、再成長に向けた施策として、新たなマーケティング戦略による販売力強化を進めてまいります。これらの取組みを着実に実行することにより、強固な収益基盤の構築と再成長を実現し、目標営業利益の達成及び企業価値の向上を図ってまいります。
(参考)2018年12月期実績
・連結売上高 113,344百万円、連結営業損失 4,063百万円
⑥ 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
当社グループは「2 事業等のリスク(14)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載の継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に対処すべく、以下の対応策を実施しております。
早期の業績回復を実現するため、2019年度より始まり2021年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、通信販売事業を中心に事業構造改革を進めております。
この改善施策は、a.事業規模の適正化(商品型数の削減、在庫の縮減等)、b.オペレーション改革(生産リードタイムの短縮、正価販売割合の向上、余剰在庫の抑制、仕入先との協業強化等)、c.カタログ起点での集客モデル再構築(アナログ・デジタル連携型集客モデルの構築、媒体計画・配布方法の見直し、デジタルマーケ・Web接客の進化による接客品質の向上等)、d.組織・人員体制の見直し(組織の統廃合、希望退職の実施等)、e.コスト削減・資産処分(部門機能集約及び大阪本社の売却等)、f.グループ会社の再編(機能系子会社の集約等)
を含む抜本的なものであり、通信販売事業における在庫縮減及び人件費適正化等の一部の施策についてはすでに完了しており、2019年度にはその効果が発現する見込みとなっております。さらに、再成長に向けた施策として、新たなマーケティング戦略による販売力強化を進めてまいります。これらを確実に実行することにより、強固な収益基盤の構築と再成長を実現し、業績回復及び安定化に努めてまいります。