有価証券報告書-第50期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 9:36
【資料】
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【項目】
113項目

事業等のリスク

当社グループの中核的事業であるレストラン事業においては、外食における多業種多業態のチェーン展開を全国規模で行ってきましたが、今後の中期的なチェーン展開にあたっては多業種多業態から収益性の高い業態(うどん、そば)に集約する方針であります。
また、当社グループはレストラン事業を中核としつつ、食産業全般に事業領域を拡大するために積極的にM&A戦略をとっております。
そのために当社グループには外食産業にかかわる一般的なリスクに加えて当社固有の戦略に起因するリスクなど、リスク発生の可能性を充分認識しており、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
リスクの回避並びに不測の事態の発生に対応できる体制の整備に最大限の努力をしておりますが、万が一このようなリスクが顕在化した場合でも、その影響を最小限にとどめるべく、企業体力の充実、財務体質の向上に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループの出店方針について
当社グループは、店舗展開につきましては、既存の多業種多業態を収益性の高い業態(うどん、そば)に集約することによって経営の安定化を図ることを基本戦略としており、今後は新規出店を抑えて業績不振店舗を収益性の高い業態に変更していくと共に、経営委託や退店を積極的に行い経営効率の改善を目指しております。しかしながら、退店の増加により退店損失が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 競合の状況について
当社グループの属する外食産業におきましては、比較的参入障壁が低く新規参入が多いこと、また個人消費が低迷する中、マーケットが飽和、成熟段階に入っており、お客様のニーズの変化、多様化が進んでおります。また、企業間の低価格化・差別化が一層激しくなっており、厳しい競争にさらされています。
当社グループといたしましては、“真に価値あるものの提供”を店舗において実現し、低価格路線の業界競争に影響されることなく独自の店舗運営を行い、他社との差別化を図っております。そのため収益性の低い業態は収益性の高い業態に集約を行うことにより活性化を図っております。しかしながら、今後の更なる競争激化等が進行した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 法的規制等について
当社グループの店舗は、「食品衛生法」の規定に基づき、店舗毎に所轄の保健所より飲食店営業許可を取得しております。
当社グループでは、店舗及びケータリング工場の衛生管理を徹底させるため、衛生管理部による衛生検査を定期的に行っております。また、店舗及びケータリング工場の設備器具・食材の取扱い及び従業員の衛生管理につきましては、店舗運営管理マニュアル、衛生清掃マニュアルで細目にわたり規定しております。
上記のように、当社グループは積極的に衛生管理に取り組んでおりますが、店舗における飲食を理由とする食中毒や食品衛生に関するクレームの発生や、社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。
また当社グループで運輸事業を行っている水間鉄道株式会社においては、鉄道事業法・道路交通法などの法的規制を受けております。具体的には鉄道事業では国土交通大臣による事業経営の許可、上限運賃等の認可などが必要です。旅客自動車運送事業においても事業経営の許可などが必要であり、現在の規制に重要な変更があった場合には当社グループの経営に影響を与える可能性があります。
④ 差入保証金について
当社グループでは賃借による出店を基本としております。このため、賃貸借契約締結に際し、デベロッパー(賃貸人)に対し保証金等を差し入れるケースがほとんどであります。
当連結会計年度末における差入保証金の残高は63億27百万円で、連結総資産の18.9%を占めております。貸倒実績率及び個別にデベロッパー毎で債務超過等による場合は、貸倒引当金を計上しておりますが、デベロッパーの経営破綻等によって貸倒損失が発生した場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 災害などによる影響
当社グループのレストラン事業においては、低価格で良品質の商品提供を行うために、計画的仕入や国内外を問わない原材料産地の厳選を行っておりますが、産地における干ばつ等の影響による品薄や為替変動による原材料コストの上昇が生じた場合は、販売活動を確実に実行することができなくなるため、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また国内での大規模地震等の事象が発生した場合も当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人材の確保について
当社グループでは、今後の業容の拡大に伴い適切な人材の確保が必要であると考えております。そのため、新卒者の採用を積極的に行い人材の確保に努めるとともに、「人が育てば企業が育つ」の固い信念に基づいて、経営のあらゆる場面において“教育”を最重点課題として取り組んでおります。また、業績連動報酬制度の導入や年齢給を一切廃止し役職別賃金体系へ移行する等、モチベーションの向上と人材のレベルアップに努めております。しかしながら、今後、当社が必要とする人材の適時確保ができない場合、事業活動、将来の成長が阻害され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ M&Aについて
当社グループはレストラン事業を中核として、食産業全般に事業領域を拡大する中での事業拡大と企業価値増大を目指しており、この中長期的な目標を達成するための経営戦略上M&A(企業の買収、営業譲受、合弁企業の設立等)を重要な手段として位置づけております。
将来の収益力を最も重視するほか、シナジー効果が期待できる、スケールメリットを追求できる、グループの活性化につながる等、あくまでも長期的な事業活動、グループ成長戦略に資することを判断基準にしておりますので、短期的には当社グループの財政状態が悪化(株主資本比率の低下等)する可能性があります。
⑧ 財務制限条項
当社グループの資金調達は、自己資金及び借入金等で行っております。シンジケートローン契約及び所有権移転外ファイナンス・リース契約については財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し返還請求を受けた場合、契約上のすべての債務について期限の利益を失い、借入金元本及び利息を支払うこととなり、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。