有価証券報告書-第45期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 13:11
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142項目
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、雇用情勢が改善するなかでも賃金の伸びは鈍く、個人消費の本格的な回復にまでは至っておりません。また、通商問題など海外経済の不確実性により、先行き不透明な状況が続きました。
衣料品小売業界におきましては、自然災害の大きな影響や気温の影響を受けたことで、厳しい状況で推移いたしました。
このような環境の下、当社グループにおきましては前期に引き続き、「健康」をキーワードにした差別化戦略がお客様に支持されていることを受け、商品面でも「健康」をテーマにした商品開発に継続的に取り組んでまいりました。具体的には「ストレス対策スーツ」やファイテン株式会社と共同開発した「ファイテンシリーズ商品」、株式会社タニタとコラボレーションしたスーツ「i-Suit SUPPORTED BY TANITA(アイスーツ サポーテッド バイ タニタ)」などがお客様からご好評をいただき、売上に貢献いたしました。さらに、ワイシャツ部門における最大のヒット商品である完全ノーアイロンの「アイシャツ」の累計販売着数が380万枚を突破するなど、お客様の声を反映した商品が売上を底支えした結果となりました。
一方で、商品面だけでなく、従業員の働き方改革にも取り組んでまいりました。60歳以上の従業員がキャリアを活かして活躍できる新たなシニア就業支援制度「グランドキャリア制度」の導入や、転勤への不安軽減を実現した新制度「総合職地方限定コース」の導入、また、女性の積極的な採用、女性が働きやすい環境整備などへの取り組みが認められ、厚生労働省より「えるぼし」認定企業として認定されました。加えて、経済産業省主催の平成30年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」にアパレル小売企業で初めて選定されました。
さらに、当社グループが運営するブランド「はるやま」が、「JCSI(日本版顧客満足度指数)2018年度第4回調査」の「衣料品店業種 ビジネス・フォーマル部門」において「顧客満足」をはじめ、「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」「推奨意向」「ロイヤルティ」の計6項目すべての指標で1位を獲得いたしました。今後も、お客様によろこんでいただけるよう、邁進してまいります。
また、事業の選択と集中により経営効率を高め当社グループの企業価値向上に資すると判断し、株式会社テット・オムの全株式を譲渡したことに加えて、株式会社BASEのレディスカジュアル販売事業を譲渡することを決定いたしました。
店舗数に関しましては、グループ全体で34店舗を新規出店した一方で、33店舗を閉店したこと及び株式会社テット・オムの株式を譲渡に伴い57店舗減少したことにより、当連結会計年度末の総店舗数は474店舗となりました。
なお当社グループは衣料品販売事業以外に、広告代理業等を営んでおりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
また、当連結会計年度末の資産につきましては、主に現金及び預金が39億7千4百万円増加した一方で、商品が10億2千8百万円減少したことや、未収還付法人税等8億3千9百万円減少したことなどの理由により流動資産が13億9百万円増加いたしました。加えて新店の効率的な出店により有形固定資産が13億3千1百万円減少したことなどで固定資産が21億5千万円減少しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ8億4千万円減少し、610億5千1百万円となりました。
負債につきましては、借入金が4億6千9百万円増加した一方で、未払法人税等が3億6千3百万円減少したことなどの理由により、前連結会計年度末に比べ3億1千3百万円減少し、243億1千7百万円となりました。
純資産につきましては、2億5千2百万円の期末配当に加え、親会社株主に帰属する当期純損失が2億4千8百万円あったことなどから、367億3千3百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、主力業態の第4四半期の売上は堅調に推移したものの、上期の自然災害の大きな影響や気温の影響などを補填するには至らず、売上高555億5千4百万円(前年同期比2.7%減)と減収となりました。利益面は、経費の効率化などを積極的に行いましたが、営業利益18億2千9百万円(前年同期比24.0%減)、経常利益21億5千1百万円(前年同期比21.5%減)となりました。株式会社テット・オムの債権譲渡や株式会社BASEの事業譲渡に伴う特別損失を計上したものの、税金等調整前当期純利益では利益を確保できましたが、親会社株主に帰属する当期純損失は2億4千8百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益13億4千3百万円)の結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ39億8千4百万円増加し、115億4千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は47億5千万円(前年同期比177.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を2億4千2百万円計上したこと、減価償却費の計上が13億6千4百万円あったこと、減損損失の計上が6億4千9百万円計上したこと、債権譲渡損を5億2千6百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7億1千3百万円(前年同期比67.9%減)となりました。これは主に新規出店・既存店の改装等による有形固定資産の取得及び差入保証金の差入による支出が7億3千3百万円あった事に加え、関係会社貸付けによる支出が1億4千3百万円あった一方で、差入保証金の回収による収入が4億4千5百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5千2百万円(前年同期は11億5千6百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入による収入が38億円あった一方で、短期借入金の純減少額が18億円あったことに加え長期借入金の返済による支出が15億1千8百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が1億8千万円、配当金の支払額が2億5千2百万円あったことなどによるものであります。
③販売及び仕入の実績
a.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
重衣料24,934,59295.2
[スーツ・礼服・コート]
中衣料5,021,29195.3
[ジャケット・スラックス]
軽衣料24,566,03699.8
[ワイシャツ・ネクタイ・カジュアル・小物・その他]
補修加工賃収入1,032,726101.7
衣料品販売事業(千円)55,554,64797.3
合計(千円)55,554,64797.3

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
重衣料8,699,55794.2
[スーツ・礼服・コート]
中衣料2,282,11598.9
[ジャケット・スラックス]
軽衣料11,378,335103.8
[ワイシャツ・ネクタイ・カジュアル・小物・その他]
衣料品販売事業(千円)22,360,00899.4
合計(千円)22,360,00899.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、貸倒引当金の設定、ポイント引当金の設定については、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、主力業態の第4四半期の売上は堅調に推移したものの、上期の自然災害の大きな影響や気温の影響などを補填するには至らず、売上高555億5千4百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
営業利益・経常利益につきましては、広告宣伝や出店の効率化などを積極的に行いましたが、減収の補填には至らず、営業利益18億2千9百万円(前年同期比24.0%減)、経常利益21億5千1百万円(前年同期比21.5%減)となりました。売上高経常利益率は3.9%であり目標の10%には届いておりませんが、物流改善による売上総利益率の改善に加え、更なる広告宣伝や出店の効率化を推進することにより販管費を抑制し、経常利益率の向上に努めてまいります。
株式会社テット・オムの債権譲渡や株式会社BASEの事業譲渡に伴う特別損失を計上したものの、税金等調整前当期純利益では利益を確保できましたが、親会社株主に帰属する当期純損失は2億4千8百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益13億4千3百万円)の結果となりました。当連結会計年度に計上した多額の特別損失は、戦略的に事業整理をおこなったことで発生した一過性のものであり、次期以降は利益改善できる見込みとなっております。
当連結会計年度末の資産につきましては、主に現金及び預金が39億7千4百万円増加した一方で、商品が10億2千8百万円減少したことや、未収還付法人税等8億3千9百万円減少したことなどの理由により流動資産が13億9百万円増加いたしました。加えて新店の効率的な出店により有形固定資産が13億3千1百万円減少したことなどで固定資産が21億5千万円減少しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ8億4千万円減少し、610億5千1百万円となりました。
負債につきましては、借入金が4億6千9百万円増加した一方で、未払法人税等が3億6千3百万円減少したことなどの理由により、前連結会計年度末に比べ3億1千3百万円減少し、243億1千7百万円となりました。
純資産につきましては、2億5千2百万円の期末配当に加え、親会社株主に帰属する当期純損失が2億4千8百万円あったことなどから、367億3千3百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店に係る設備投資によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。