有価証券報告書-第47期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 14:08
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129項目
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年4月に1度目の緊急事態宣言が発出され、感染拡大防止のための休業要請やテレワークの促進等、経済活動が著しく制限された時期がありました。その後は収束の傾向にありましたが、年末年始にかけて感染第3波が広がり、再度緊急事態宣言が発出されるなど、先行き不透明な状態が続いております。
このような環境の下で、当社グループにおきましては、『健康』をキーワードとした事業展開を中心として差別化戦略を展開してまいりました。具体的には、ビジネスパーソンが健康・快適に働けるよう、『洗えるスーツ』やストレッチ性の高いセットアップスーツ等の機能性の高い商品を拡充してまいりました。また、当社グループのワイシャツ部門におけるヒット商品である完全ノーアイロンの『i-Shirt(アイシャツ)』が、テレワークにおいてもきちんと見えて、着心地も楽とご好評いただき、累計販売枚数600万枚を突破いたしました。
一方で、外出自粛が求められるなか、ご自宅からお買い物ができるオンラインショップの機能拡充に取り組み、物流体制の見直しにより納期を短縮し、さらに、店舗で商品を受け取りができるようにするなど、お客さま満足度と利便性を高めることにも努めてまいりました。さらに、オンラインショップサイトに、当社従業員のスタッフコーディネート写真を掲載し、お客さまにコーディネートのイメージを実感いただくことで、より安心してお買い物が出来るように注力してまいりました。
当社グループでは今後も、お客様のニーズに対応した商品開発や、便利にお買い物が出来る仕組みづくりなどを通して、顧客満足度の向上を目指してまいります。
店舗数に関しましては、グループ全体で3店舗新規出店した一方で、22店舗を閉店した結果、当連結会計年度末の総店舗数は445店舗となりました。
なお、当社グループは衣料品販売事業以外に広告代理業等を営んでおりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
当連結会計年度末の資産につきましては、主に未収入金が1億6千1百万円増加した一方で、商品が4億3千9百万円減少したことや現金及び預金が2億9千9百万円減少したこと等の理由により、流動資産が5億9千1百万円減少いたしました。効率的な設備投資や減価償却費により有形固定資産が21億4千5百万円減少した一方で、繰延税金資産が7億3千4百万円増加したことなどで固定資産は17億4千9百万円減少しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べて23億4千万円減少し、579億3千4百万円となりました。
負債につきましては、借入金が48億2千3百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が20億6千6百万円減少したことや、未払金が5億1千2百万円減少したこと等の理由により、前連結会計年度末に比べて28億2千9百万円増加し、263億7百万円となりました。純資産につきましては、2億5千2百万円の期末配当に加え、親会社株主に帰属する当期純損失が48億8千万円あったことなどから、前連結会計年度末に比べ51億7千万円減少し、316億2千6百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高382億2千万円(前年同期比24.4%減)となりました。利益面は、営業損失36億8千7百万円(前年同連結会計年度は営業利益3億7千6百万円)、経常損失30億1千7百万円(前年同連結会計年度は経常利益6億3千9百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失48億8千万円(前年同連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益4億2百万円)の結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億9千3百万円減少し、118億1千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は41億9千6百万円(前年同期は15億8千7百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失を54億6千6百万円計上したこと、仕入債務の減少額が20億6千6百万円あったこと、売上債権の増加額が1億5千3百万円あった一方で、減価償却費の計上が12億1千7百万円あったこと、減損損失の計上が19億2千9百万円あったこと、たな卸資産の減少額が4億1千1百万円あったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6億7千4百万円(前年同期比32.6%減)となりました。これは主に新規出店・既存店の改装等による有形固定資産の取得及び差入保証金の差入による支出が6億3千7百万円あったこと、投資有価証券の取得による支出が1億5百万円あった一方で、差入保証金の回収による収入が5億5千1百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は45億7千7百万円(前年同期は2千1百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入が64億6千万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が17億2千6百万円あったことに加え、配当金の支払額が2億5千3百万円あったことなどによるものであります。
③販売及び仕入の実績
a.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
重衣料16,645,01471.7
[スーツ・礼服・コート]
中衣料3,405,81475.4
[ジャケット・スラックス]
軽衣料17,298,88179.5
[ワイシャツ・ネクタイ・カジュアル・小物・その他]
補修加工賃収入870,97280.8
衣料品販売事業(千円)38,220,68375.6
合計(千円)38,220,68375.6

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
重衣料6,310,40875.6
[スーツ・礼服・コート]
中衣料1,699,39580.0
[ジャケット・スラックス]
軽衣料7,727,66876.4
[ワイシャツ・ネクタイ・カジュアル・小物・その他]
衣料品販売事業(千円)15,737,47276.4
合計(千円)15,737,47276.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「健康」をキーワードに事業を展開するなど他社との差別化戦略を行いましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって経済活動が著しく制限されたことなどで、売上高382億2千万円(前年同期比24.4%減)となりました。
営業利益・経常利益につきましては、人件費の効率化や広告宣伝費の見直しに加え、その他固定費等の経費削減に努めましたが、営業損失36億8千7百万円(前年同連結会計年度は営業利益3億7千6百万円)、経常損失30億1千7百万円(前年同連結会計年度は経常利益6億3千9百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失48億8千万円(前年同連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益4億2百万円)の結果となりました。上記の結果により売上高経常利益率は△7.9%であり目標の10%に届いておりませんが、物流改善による売上総利益率の改善に加え、広告宣伝や出店の効率化をさらに推進することにより販売費および一般管理費を抑制し、売上高経常利益率の向上に努めてまいります。
当連結会計年度末の資産につきましては、主に未収入金が1億6千1百万円増加した一方で、商品が4億3千9百万円減少したことや現金及び預金が2億9千9百万円減少したこと等の理由により、流動資産が5億9千1百万円減少いたしました。効率的な設備投資や減価償却費により有形固定資産が21億4千5百万円減少した一方で、繰延税金資産が7億3千4百万円増加したことなどで固定資産は17億4千9百万円減少しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べて23億4千万円減少し、579億3千4百万円となりました。
負債につきましては、借入金が48億2千3百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が20億6千6百万円減少したことや、未払金が5億1千2百万円減少したこと等の理由により、前連結会計年度末に比べて28億2千9百万円増加し、263億7百万円となりました。純資産につきましては、2億5千2百万円の期末配当に加え、親会社株主に帰属する当期純損失が48億8千万円あったことなどから、前連結会計年度末に比べ51億7千万円減少し、316億2千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は116億6百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は118億1千3百万円となっております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、採用する会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。