有価証券報告書-第55期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るい、政府による外出自粛要請や二度に亘る緊急事態宣言の発出、変異株(N501Y)の発生等、人の往来は著しく制限され、特に非製造業においては歴史的な危機的局面を包含する形で終えました。
当社が属するメモリアル市場は、高齢者が増加傾向にあるにもかかわらず、お墓事業における屋外墓地については、埋葬の選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しております。
一方、首都圏に永住される消費者が所有する故郷のお墓を引っ越しする需要は、緩やかに増加しております。
この流れに対応すべく当社は、消費者ニーズに寄り添った様々なお墓の形態を兼ね備えた霊園を開発すると共に、供養の全てを網羅し、価格においてもご満足いただける堂内陵墓の販売拡大に取り組んでおります。
しかしながら、当事業年度においては、コロナ禍による未曾有の危機感が消費者に蔓延し、来園者(見学者)数は、第2四半期会計期間に回復傾向が見られたものの激減しました。
葬祭事業においては、超高齢化を背景に葬儀の簡素化が顕著となる中、インターネット媒体を中心とした同業者間の価格競争により、施行単価が下落するという厳しい環境下にあります。
それに加え、当事業年度においては、コロナ禍により外出を極力控え感染予防を徹底する国民的動向からか、特に首都圏において死亡者数が例年に比べ減少していると共に、通夜式を自粛し告別式のみを執り行う密葬や直葬を選択するご葬家が増加しており、葬儀専門のポータルサイトとの連携を通じ受注拡大に努めたものの、前年同期に比べ施行件数は10%程度の減少、単価は15%程度下落しました。
当社は、このような厳しい環境を打開し更なる成長戦略を実現することを目的として、2020年9月18日開催の取締役会において、バリューアップ・ファンド投資事業有限責任組合(東京都港区)を割当先とする第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分、第1回新株予約権を発行することを決議しました。
第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分は2020年10月5日に払込が完了され、同日、第1回新株予約権を発行しております。
なお、本第三者割当により、バリューアップ・ファンド投資事業有限責任組合の議決権所有割合は54.82%となり、当社の主要株主、主要株主である筆頭株主及び親会社に異動が生じております。
また、機動的かつ安定的な中長期の財務基盤の強化を図ることを目的として、東京信用金庫、株式会社りそな銀行及び株式会社三井住友銀行をアレンジャーとしたシンジケートローン契約を2020年10月26日に締結し、2020年10月30日に実行しており、組成に伴うシンジケートローン手数料として1億4千万円を計上しました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高26億2千4百万円(前年同期比17.2%減)、営業利益1億9百万円(同36.2%減)、経常損失1億4千万円(前年同期は経常利益1億2百万円)、当期純損失は、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の取崩し等による法人税等調整額1億4千1百万円を計上し、2億9千2百万円(前年同期は当期純利益1億4千万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
お墓事業
a.屋外墓地
屋外墓地につきましては、高齢者の増加により成約件数は増加傾向にあるものの、埋葬に対する価値観の変化や選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しております。
それに対し、樹木墓や共有墓等の需要は急激に増加し、施工単価の下落がより顕著化している状況を踏まえ、募集販売を受託している既存霊園の増設や改造等、販売戦略の見直しを適宜行っております。
しかしながら、コロナ禍による来園者数の減少は否めず、成約率は上昇したものの、初の緊急事態宣言が発出された第1四半期会計期間の大幅な落ち込みを挽回するまでには至りませんでした。
売上高は、10億7千8百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
b.堂内陵墓
堂内陵墓につきましては、現在、第六号「赤坂一ツ木陵苑(東京都港区)」並びに第七号「大須陵苑(名古屋市中区)」の募集代行を行っております。
コロナ禍による外出自粛の影響や埋葬の選択肢の多様化等を踏まえ、広告戦略の見直しや徹底した感染防止対策等に努めたものの、屋外墓地と同様、第1四半期会計期間の落ち込みを挽回するまでには至りませんでした。
売上高は、2億3百万円(前年同期比30.7%減)となりました。
葬祭事業
葬祭事業につきましては、死亡者数が年々増加傾向にある中、当社は、春夏秋冬に発行する会報の配布やコロナ禍を踏まえ少人数に限定した終活セミナーの開催等、潜在顧客を受注に繋げる施策を継続的に行っております。
会員制の生花祭壇葬「愛彩花(あいさいか)」並びに家族葬、直葬施設を併設した「ラステル(ラストホテル)」は、「小規模でありながらも心のこもった葬儀」を望む現代の消費者から好評を得ております。
また、新たな取組みとして葬儀専門のポータルサイト等と連携し、潜在顧客以外の受注拡大に注力した結果、一定の件数を獲得しました。
しかしながら、上述にもあるように、コロナ禍における死亡者数の減少、密葬や直葬の受注増加による会葬者の減少は想定以上でありました。
売上高は、13億4千2百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、差入保証金の支出等の要因により一部相殺されたものの、株式の発行による収入が8億1百万円と増加したこと等により、前事業年度末に比べ9千8百万円増加し、当事業年度末には10億7千8百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1億2千8百万円(前年同期比48.8%減)となりました。
これは主に、営業収支による獲得2億1千9百万円、利息の支払8千5百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6億6千2百万円(前年同期は3億2千8百万円の獲得)となりました。
これは主に、差入保証金の純増による支出6億4千9百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、6億3千3百万円(前年同期は4億8千8百万円の使用)となりました。
これは主に、株式の発行による収入8億1百万円、短期借入金の純増による収入5億3千2百万円及び長期借入金の純減による支出5億1千8百万円等によるものであります。
③財政状態の状況
当事業年度における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における流動資産は、6百万円減少し、23億4千8百万円となりました。その主な要因は、未成工事支出金2千万円及び現金及び預金1千7百万円の増加、前払費用1千5百万円、原材料及び貯蔵品1千5百万円及び完成工事未収入金8百万円の減少等によるものであります。
当事業年度末における固定資産は、4億3千9百万円増加し、73億4千7百万円となりました。その主な要因は、差入保証金6億8千1百万円の増加、繰延税金資産1億4千6百万円の減少等によるものであります。
この結果、総資産は、97億3千5百万円となり、前事業年度に比べ4億7千1百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、2億5千6百万円減少し、21億7千9百万円となりました。その主な要因は、短期借入金5億3千2百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金6億1千8百万円及び1年内償還予定の社債1億9千4百万円の減少等によるものであります。
当事業年度末における固定負債は、4千8百万円増加し、36億3千2百万円となりました。その主な要因は、長期借入金2億4千9百万円の増加、社債1億1千万円、退職給付引当金7千4百万円及び役員退職慰労引当金7千2百万円の減少等によるものであります。
この結果、負債合計は、58億1千2百万円となり、前事業年度に比べ2億8百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、6億8千万円増加し、39億2千3百万円となりました。その主な要因は、資本金3億4千3百万円及び資本準備金3億4千3百万円の増加、利益剰余金3億2千7百万円及び自己株式3億1千2百万円の減少等によるものであります。
この結果、自己資本比率は40.2%(前事業年度末は35.0%)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.お墓事業(堂内陵墓)は、販売に関わる受取手数料等であります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
a.売上高
売上高は、前事業年度より5億4千4百万円減少し、26億2千4百万円(前年同期比17.2%減)となりました。
お墓事業(屋外墓地)においては、埋葬に対する価値観の変化や選択肢の多様化に伴う樹木墓や共有墓等の需要が急増している状況を踏まえ、募集販売を受託している既存霊園の改造等を適宜行ったものの、売上高は10億7千8百万円(前年同期比8.3%減)に留まりました。
高価格となる旧来の墓地墓石の購入層が年々減少の一途にあることやコロナ禍による来園者数の減少等を考えれば、及第点であったと認識しております。
お墓事業(堂内陵墓)は、コロナ禍による外出自粛の影響や埋葬の選択肢の多様化等も重なり、販売は計画どおりに推移しておりません。
広告戦略の見直しや徹底した感染防止対策に努めましたが来園者数の減少は否めず、売上高は2億3百万円(前年同期比30.7%減)となりました。
葬祭事業においては、コロナ禍により外出を極力控え感染予防を徹底する国民的動向からか、特に首都圏において死亡者数が例年に比べ減少していると共に、通夜式を自粛し告別式のみを執り行う密葬や直葬を選択するご葬家が増加しております。
前年同期に比べ施行件数は10%程度の減少、単価は15%程度下落し、売上高は13億4千2百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
b.売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費及び営業利益
売上原価は、前事業年度より2億2百万円減少し、7億9千8百万円(前年同期比20.2%減)となりました。
これは主に、営業部門における売上高の減少に伴う仕入高の減少等によるものであります。
売上総利益は、前事業年度より3億4千2百万円減少し、18億2千6百万円(前年同期比15.8%減)となりました。
これは主に、営業部門における売上高の減少等によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度より2億7千9百万円減少し、17億1千6百万円(前年同期比14.0%減)となりました。
これは主に、全社的に取り組んでいる売上高に見合った経費の見直し等であります。
この結果、営業利益は、前事業年度より6千2百万円減少し、1億9百万円(前年同期比36.2%減)となりました。
c.営業外損益及び経常損失
営業外損益は、前事業年度の6千8百万円の損失(純額)から、2億4千9百万円の損失(純額)となりました。
これは主に、機動的かつ安定的な中長期の財務基盤の強化を図ることを目的としたシンジケートローン契約の組成に伴う手数料1億4千万円の計上等によるものであります。
この結果、経常損失は、1億4千万円(前年同期は1億2百万円の経常利益)となりました。
d.特別損益
特別損益は、前事業年度の4千7百万円の利益(純額)から、0百万円の利益(純額)となりました。
これは主に、固定資産売却益0百万円の計上等によるものであります。
e.法人税等(法人税等調整額を含む。)
法人税等は、前事業年度の1千万円から、1億5千2百万円となりました。
これは主に、繰延税金資産の取崩し等による法人税等調整額1億4千1百万円の計上等によるものであります。
f.当期純損失
以上の結果、当期純損失は、2億9千2百万円(前年同期は当期純利益1億4千万円)となり、1株当たり当期純損失は33円64銭(前年同期は1株当たり当期純利益114円97銭)となりました。
g.検討内容
上述の財政状態及び経営成績の状況を認識及び分析し検討した結果、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える最大の要因は、葬祭事業における会葬者数並びにお墓事業における堂内陵墓の集客及び販売力にあります。
葬祭事業は、会葬者の増減が施行単価に直結します。
また、堂内陵墓は、募集代行業務の性質上、契約者からの入金があった時点で手数料売上を計上しているため、売上高が概ね損益に直結します。
当事業年度の結果を踏まえ、受注件数の増大を目的としたマーケティング戦略の抜本的な改革を行うと同時に、自動搬送式納骨堂のパイオニアとして、徹底的な差別化を図り、利益を追求する体制を再構築して参ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、分析・検討した結果、キャッシュ・フロー改善に向けての最重要課題は、堂内陵墓の販売拡大であるとの結論であります。
当社は、堂内陵墓の販売が順調に推移すれば、営業活動によるキャッシュ・フローの増加は勿論のこと、投資活動によるキャッシュ・フローにおける差入保証金の差入による支出が抑えられ、財務活動によるキャッシュ・フローにおける借入金の純減等にも繋がり、現金及び現金同等物の増加にも寄与することから、当課題に全力を傾注して参ります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び債務の返済に備えるため、資本の増強をはじめ、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入や社債の発行等を基本としております。
当事業年度は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて、主に営業収支による獲得2億1千9百万円等があり、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に株式の発行による収入8億1百万円等がありました。
これら営業及び財務活動により調達した資金は、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的且つ効率的に使用することに加え、有形固定資産や投資その他の資産の流動化を推し進め、財務体質の向上に繋げて参ります。
なお、当事業年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は48億4千1百万円となっております。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は10億7千8百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るい、政府による外出自粛要請や二度に亘る緊急事態宣言の発出、変異株(N501Y)の発生等、人の往来は著しく制限され、特に非製造業においては歴史的な危機的局面を包含する形で終えました。
当社が属するメモリアル市場は、高齢者が増加傾向にあるにもかかわらず、お墓事業における屋外墓地については、埋葬の選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しております。
一方、首都圏に永住される消費者が所有する故郷のお墓を引っ越しする需要は、緩やかに増加しております。
この流れに対応すべく当社は、消費者ニーズに寄り添った様々なお墓の形態を兼ね備えた霊園を開発すると共に、供養の全てを網羅し、価格においてもご満足いただける堂内陵墓の販売拡大に取り組んでおります。
しかしながら、当事業年度においては、コロナ禍による未曾有の危機感が消費者に蔓延し、来園者(見学者)数は、第2四半期会計期間に回復傾向が見られたものの激減しました。
葬祭事業においては、超高齢化を背景に葬儀の簡素化が顕著となる中、インターネット媒体を中心とした同業者間の価格競争により、施行単価が下落するという厳しい環境下にあります。
それに加え、当事業年度においては、コロナ禍により外出を極力控え感染予防を徹底する国民的動向からか、特に首都圏において死亡者数が例年に比べ減少していると共に、通夜式を自粛し告別式のみを執り行う密葬や直葬を選択するご葬家が増加しており、葬儀専門のポータルサイトとの連携を通じ受注拡大に努めたものの、前年同期に比べ施行件数は10%程度の減少、単価は15%程度下落しました。
当社は、このような厳しい環境を打開し更なる成長戦略を実現することを目的として、2020年9月18日開催の取締役会において、バリューアップ・ファンド投資事業有限責任組合(東京都港区)を割当先とする第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分、第1回新株予約権を発行することを決議しました。
第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分は2020年10月5日に払込が完了され、同日、第1回新株予約権を発行しております。
なお、本第三者割当により、バリューアップ・ファンド投資事業有限責任組合の議決権所有割合は54.82%となり、当社の主要株主、主要株主である筆頭株主及び親会社に異動が生じております。
また、機動的かつ安定的な中長期の財務基盤の強化を図ることを目的として、東京信用金庫、株式会社りそな銀行及び株式会社三井住友銀行をアレンジャーとしたシンジケートローン契約を2020年10月26日に締結し、2020年10月30日に実行しており、組成に伴うシンジケートローン手数料として1億4千万円を計上しました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高26億2千4百万円(前年同期比17.2%減)、営業利益1億9百万円(同36.2%減)、経常損失1億4千万円(前年同期は経常利益1億2百万円)、当期純損失は、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の取崩し等による法人税等調整額1億4千1百万円を計上し、2億9千2百万円(前年同期は当期純利益1億4千万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
お墓事業
a.屋外墓地
屋外墓地につきましては、高齢者の増加により成約件数は増加傾向にあるものの、埋葬に対する価値観の変化や選択肢の多様化に伴い、高価格となる旧来の墓地墓石の購入層は年々減少しております。
それに対し、樹木墓や共有墓等の需要は急激に増加し、施工単価の下落がより顕著化している状況を踏まえ、募集販売を受託している既存霊園の増設や改造等、販売戦略の見直しを適宜行っております。
しかしながら、コロナ禍による来園者数の減少は否めず、成約率は上昇したものの、初の緊急事態宣言が発出された第1四半期会計期間の大幅な落ち込みを挽回するまでには至りませんでした。
売上高は、10億7千8百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
b.堂内陵墓
堂内陵墓につきましては、現在、第六号「赤坂一ツ木陵苑(東京都港区)」並びに第七号「大須陵苑(名古屋市中区)」の募集代行を行っております。
コロナ禍による外出自粛の影響や埋葬の選択肢の多様化等を踏まえ、広告戦略の見直しや徹底した感染防止対策等に努めたものの、屋外墓地と同様、第1四半期会計期間の落ち込みを挽回するまでには至りませんでした。
売上高は、2億3百万円(前年同期比30.7%減)となりました。
葬祭事業
葬祭事業につきましては、死亡者数が年々増加傾向にある中、当社は、春夏秋冬に発行する会報の配布やコロナ禍を踏まえ少人数に限定した終活セミナーの開催等、潜在顧客を受注に繋げる施策を継続的に行っております。
会員制の生花祭壇葬「愛彩花(あいさいか)」並びに家族葬、直葬施設を併設した「ラステル(ラストホテル)」は、「小規模でありながらも心のこもった葬儀」を望む現代の消費者から好評を得ております。
また、新たな取組みとして葬儀専門のポータルサイト等と連携し、潜在顧客以外の受注拡大に注力した結果、一定の件数を獲得しました。
しかしながら、上述にもあるように、コロナ禍における死亡者数の減少、密葬や直葬の受注増加による会葬者の減少は想定以上でありました。
売上高は、13億4千2百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、差入保証金の支出等の要因により一部相殺されたものの、株式の発行による収入が8億1百万円と増加したこと等により、前事業年度末に比べ9千8百万円増加し、当事業年度末には10億7千8百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1億2千8百万円(前年同期比48.8%減)となりました。
これは主に、営業収支による獲得2億1千9百万円、利息の支払8千5百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6億6千2百万円(前年同期は3億2千8百万円の獲得)となりました。
これは主に、差入保証金の純増による支出6億4千9百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、6億3千3百万円(前年同期は4億8千8百万円の使用)となりました。
これは主に、株式の発行による収入8億1百万円、短期借入金の純増による収入5億3千2百万円及び長期借入金の純減による支出5億1千8百万円等によるものであります。
③財政状態の状況
当事業年度における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における流動資産は、6百万円減少し、23億4千8百万円となりました。その主な要因は、未成工事支出金2千万円及び現金及び預金1千7百万円の増加、前払費用1千5百万円、原材料及び貯蔵品1千5百万円及び完成工事未収入金8百万円の減少等によるものであります。
当事業年度末における固定資産は、4億3千9百万円増加し、73億4千7百万円となりました。その主な要因は、差入保証金6億8千1百万円の増加、繰延税金資産1億4千6百万円の減少等によるものであります。
この結果、総資産は、97億3千5百万円となり、前事業年度に比べ4億7千1百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、2億5千6百万円減少し、21億7千9百万円となりました。その主な要因は、短期借入金5億3千2百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金6億1千8百万円及び1年内償還予定の社債1億9千4百万円の減少等によるものであります。
当事業年度末における固定負債は、4千8百万円増加し、36億3千2百万円となりました。その主な要因は、長期借入金2億4千9百万円の増加、社債1億1千万円、退職給付引当金7千4百万円及び役員退職慰労引当金7千2百万円の減少等によるものであります。
この結果、負債合計は、58億1千2百万円となり、前事業年度に比べ2億8百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、6億8千万円増加し、39億2千3百万円となりました。その主な要因は、資本金3億4千3百万円及び資本準備金3億4千3百万円の増加、利益剰余金3億2千7百万円及び自己株式3億1千2百万円の減少等によるものであります。
この結果、自己資本比率は40.2%(前事業年度末は35.0%)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| お墓事業(屋外墓地)(千円) | 1,137,668 | 100.0 | |
| 葬祭事業(千円) | 1,342,630 | 79.0 | |
| 合計 | 2,480,298 | 87.4 | |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| お墓事業(屋外墓地) | 1,104,351 | 95.9 | 147,019 | 121.1 | |
| お墓事業(堂内陵墓) | 203,493 | 69.6 | 4,861 | 105.0 | |
| 葬祭事業 | 1,342,630 | 79.0 | - | - | |
| 合計 | 2,650,475 | 84.3 | 151,881 | 120.5 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| お墓事業(屋外墓地)(千円) | 1,078,709 | 91.7 | |
| お墓事業(堂内陵墓)(千円) | 203,260 | 69.3 | |
| 葬祭事業(千円) | 1,342,630 | 79.0 | |
| 合計 | 2,624,600 | 82.8 | |
(注)1.お墓事業(堂内陵墓)は、販売に関わる受取手数料等であります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 宗教法人興安寺 | 181,167 | 5.7 | 145,753 | 5.6 |
| 宗教法人威徳寺 | 109,510 | 3.5 | 55,327 | 2.1 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
a.売上高
売上高は、前事業年度より5億4千4百万円減少し、26億2千4百万円(前年同期比17.2%減)となりました。
お墓事業(屋外墓地)においては、埋葬に対する価値観の変化や選択肢の多様化に伴う樹木墓や共有墓等の需要が急増している状況を踏まえ、募集販売を受託している既存霊園の改造等を適宜行ったものの、売上高は10億7千8百万円(前年同期比8.3%減)に留まりました。
高価格となる旧来の墓地墓石の購入層が年々減少の一途にあることやコロナ禍による来園者数の減少等を考えれば、及第点であったと認識しております。
お墓事業(堂内陵墓)は、コロナ禍による外出自粛の影響や埋葬の選択肢の多様化等も重なり、販売は計画どおりに推移しておりません。
広告戦略の見直しや徹底した感染防止対策に努めましたが来園者数の減少は否めず、売上高は2億3百万円(前年同期比30.7%減)となりました。
葬祭事業においては、コロナ禍により外出を極力控え感染予防を徹底する国民的動向からか、特に首都圏において死亡者数が例年に比べ減少していると共に、通夜式を自粛し告別式のみを執り行う密葬や直葬を選択するご葬家が増加しております。
前年同期に比べ施行件数は10%程度の減少、単価は15%程度下落し、売上高は13億4千2百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
b.売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費及び営業利益
売上原価は、前事業年度より2億2百万円減少し、7億9千8百万円(前年同期比20.2%減)となりました。
これは主に、営業部門における売上高の減少に伴う仕入高の減少等によるものであります。
売上総利益は、前事業年度より3億4千2百万円減少し、18億2千6百万円(前年同期比15.8%減)となりました。
これは主に、営業部門における売上高の減少等によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度より2億7千9百万円減少し、17億1千6百万円(前年同期比14.0%減)となりました。
これは主に、全社的に取り組んでいる売上高に見合った経費の見直し等であります。
この結果、営業利益は、前事業年度より6千2百万円減少し、1億9百万円(前年同期比36.2%減)となりました。
c.営業外損益及び経常損失
営業外損益は、前事業年度の6千8百万円の損失(純額)から、2億4千9百万円の損失(純額)となりました。
これは主に、機動的かつ安定的な中長期の財務基盤の強化を図ることを目的としたシンジケートローン契約の組成に伴う手数料1億4千万円の計上等によるものであります。
この結果、経常損失は、1億4千万円(前年同期は1億2百万円の経常利益)となりました。
d.特別損益
特別損益は、前事業年度の4千7百万円の利益(純額)から、0百万円の利益(純額)となりました。
これは主に、固定資産売却益0百万円の計上等によるものであります。
e.法人税等(法人税等調整額を含む。)
法人税等は、前事業年度の1千万円から、1億5千2百万円となりました。
これは主に、繰延税金資産の取崩し等による法人税等調整額1億4千1百万円の計上等によるものであります。
f.当期純損失
以上の結果、当期純損失は、2億9千2百万円(前年同期は当期純利益1億4千万円)となり、1株当たり当期純損失は33円64銭(前年同期は1株当たり当期純利益114円97銭)となりました。
g.検討内容
上述の財政状態及び経営成績の状況を認識及び分析し検討した結果、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える最大の要因は、葬祭事業における会葬者数並びにお墓事業における堂内陵墓の集客及び販売力にあります。
葬祭事業は、会葬者の増減が施行単価に直結します。
また、堂内陵墓は、募集代行業務の性質上、契約者からの入金があった時点で手数料売上を計上しているため、売上高が概ね損益に直結します。
当事業年度の結果を踏まえ、受注件数の増大を目的としたマーケティング戦略の抜本的な改革を行うと同時に、自動搬送式納骨堂のパイオニアとして、徹底的な差別化を図り、利益を追求する体制を再構築して参ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、分析・検討した結果、キャッシュ・フロー改善に向けての最重要課題は、堂内陵墓の販売拡大であるとの結論であります。
当社は、堂内陵墓の販売が順調に推移すれば、営業活動によるキャッシュ・フローの増加は勿論のこと、投資活動によるキャッシュ・フローにおける差入保証金の差入による支出が抑えられ、財務活動によるキャッシュ・フローにおける借入金の純減等にも繋がり、現金及び現金同等物の増加にも寄与することから、当課題に全力を傾注して参ります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び債務の返済に備えるため、資本の増強をはじめ、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入や社債の発行等を基本としております。
当事業年度は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて、主に営業収支による獲得2億1千9百万円等があり、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に株式の発行による収入8億1百万円等がありました。
これら営業及び財務活動により調達した資金は、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的且つ効率的に使用することに加え、有形固定資産や投資その他の資産の流動化を推し進め、財務体質の向上に繋げて参ります。
なお、当事業年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は48億4千1百万円となっております。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は10億7千8百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。