半期報告書-第82期(2024/04/01-2024/09/30)

【提出】
2024/11/13 10:02
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(以下「当期」という。)の国内外の経済は、総じて底堅く推移しました。金融政策の正常化を図る日本銀行は、4月と6月の金融政策決定会合で利上げを見送りましたが、7月には利上げを実施しました。一方、インフレ率の鈍化傾向を踏まえ、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に4年半ぶりの利下げを実施しました。また、欧州中央銀行(ECB)も6月に利下げに転じ、9月にも追加利下げを実施しました。
株式市場では、日経平均株価は、海外投資家の日本株の買い越し転換や一段の円安の進行などを背景に、7月に42,426円まで上昇しました。しかし、日本銀行の利上げと米国雇用統計の悪化による米国大幅利下げ懸念に端を発した急激な円高進行を背景に、日経平均株価は8月5日に過去最大の下げ幅(△4,451円)を記録して31,458円まで下落しました。9月下旬にかけては持ち直しましたが、自由民主党の石破茂新総裁の政策に対する懸念で9月30日には前日比で約5%の急落となり、当期末の日経平均株価は3月末比で6.1%下落の37,919円となりました。
米国株式市場では、FRBの利下げと米国景気の軟着陸期待に支えられ、当期末のNYダウ平均株価は3月末比6.3%上昇の42,330ドルとなりました。
外国為替市場では、4月と5月に日本の財務省・日本銀行が円買い介入を実施しましたが、ドル円相場は7月初旬に約37年半ぶりとなる1ドル=162円まで円安が進みました。その後、再度の円買い介入やFRBの利下げ開始の見通し及び日本銀行の利上げにより円高に転じ、9月16日には1ドル=139円台まで円高が進行しました。当期末は1ドル=143.59円と一定の戻りを見せましたが、3月末との比較では7円73銭の大幅なドル安円高となりました。
債券市場では、日本の10年国債利回りは日本銀行による利上げ見通しから5月と7月に1.1%まで上昇しましたが、その後は利上げ時期の見通しが後退し当期末は0.855%となりました。また、米国10年国債利回りは、4月に4.737%まで上昇しましたが、インフレ率の低下と景気減速を回避するための利下げにより当期末は3.781%となりました。
こうした環境の中、当社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。
当期の業績につきましては、営業収益42億97百万円(前年同中間期比107.1%)、純営業収益42億62百万円(同107.0%)、営業利益16億60百万円(同107.2%)、経常利益18億50百万円(同89.4%)、親会社株主に帰属する中間純利益26億24百万円(同110.0%)となりました。
当期における収益等の内訳は以下のとおりであります。
① 受入手数料
「受入手数料」は、15億57百万円(前年同中間期比120.2%)となりました。受入手数料の内訳は以下のとおりであります。
(委託手数料)
株券委託手数料は、6億8百万円(同85.4%)を計上し、これに受益証券(上場投資信託)委託手数料を加えた「委託手数料」は、6億22百万円(同86.7%)となりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、6百万円(同86.4%)となりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券(投資信託)の取扱いの増加により、6億32百万円(同161.6%)となりました。
(その他の受入手数料)
主に受益証券(投資信託)の代行手数料からなる「その他の受入手数料」は、2億95百万円(同166.2%)となりました。
② トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、40百万円の損失(前年同中間期は20百万円の利益)、債券等トレーディング損益は、21億34百万円の利益(前年同中間期比101.8%)、為替のデリバティブ取引を中心としたその他のトレーディング損益は、1億54百万円の損失(前年同中間期は2億61百万円の損失)となりました。この結果、「トレーディング損益」は、19億39百万円の利益(前年同中間期比104.5%)となりました。
③ 金融収支
金融収益8億13百万円(前年同中間期比96.6%)から金融費用34百万円(同124.2%)を差し引いた「金融収支」は、7億78百万円(同95.7%)となりました。
④ 販売費・一般管理費
「販売費・一般管理費」は、26億2百万円(前年同中間期比106.9%)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等合計で4億68百万円(前年同中間期比61.0%)、営業外費用は、投資事業組合運用損等合計で2億77百万円(同112.7%)を計上いたしました。
この結果、「営業外損益」は、1億90百万円の利益(同36.5%)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益で20億24百万円(前年同中間期比136.6%)、特別損失は、固定資産除却損等合計で5百万円(同4.6%)を計上いたしました。
この結果、「特別損益」は、20億18百万円の利益(同149.1%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26億70百万円減少し、94億48百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は、21億21百万円(前年同中間期は9億97百万円の獲得)となりました。これは主に、トレーディング商品の増加(使用)によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果獲得した資金は、2億97百万円(前年同中間期は28億34百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売買等に伴う減少(9億38百万円の使用)及び定期預金の払戻による収入(13億86百万円の獲得)によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、7億47百万円(前年同中間期は98百万円の使用)となりました。これは、短期借入金の増加(18億円の獲得)及び配当金の支払い(25億47百万円の使用)によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)対処すべき課題
当期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。
一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動しますので、当社の連結経営成績についても、証券市場を通じて、それらの要因・情報からの影響を受ける度合いが高いと言えます。
したがいまして、このような環境が当社の連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)財政状態に関する分析
① 資産
当期末における流動資産は、459億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億93百万円減少いたしました。これは主に、トレーディング商品が18億71百万円、約定見返勘定が10億3百万円、信用取引資産が5億67百万円増加した一方で、現金・預金が39億42百万円、預託金が19億94百万円減少したことによるものであります。固定資産は、354億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億68百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が1億14百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、814億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億25百万円減少いたしました。
② 負債
当期末における流動負債は、269億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億92百万円増加いたしました。これは主に、預り金が12億93百万円、未払法人税等が4億21百万円減少した一方で、短期借入金が18億円増加したことによるものであります。固定負債は、23億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億85百万円減少いたしました。
この結果、負債合計は、293億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億90百万円減少いたしました。
③ 純資産
当期末における純資産は、利益剰余金が72百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が17億7百万円減少いたしました。
この結果、純資産合計は、520億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億34百万円減少いたしました。