有価証券報告書-第41期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/21 15:02
【資料】
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【項目】
101項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるユニゾグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済情勢を振り返りますと、我が国経済は、緩やかな回復が続きました。国内の賃貸オフィスビル市場におきましては、東京都心5区の空室率が当期中に3%程度まで低下するなど、需給の改善基調が続いております。また、賃料も東京都心を中心に上昇が続いております。国内のホテル業界におきましては、訪日外国人の増加が続いているものの、日本人宿泊客数が減少傾向にあり、客室稼働率、客室単価とも頭打ち傾向が窺われます。今後の国内経済につきましては、中国経済の不透明感の強まり、米国の保護主義的な政策の影響、英国のEU離脱交渉の展開、不安定な中東情勢等に留意する必要があります。
米国経済は、堅調な家計支出を背景に拡大が続きました。米国の賃貸オフィスビル市場におきましては、空室率はこのところ安定的に推移しており、全体として良好な需給環境が続いております。賃料はニューヨーク、ワシントンD.C.等で概ね堅調に推移しております。今後の米国経済につきましては、長短金利の動向、通商政策における保護主義の強まり、英国のEU離脱交渉の展開、不安定な中東情勢等に留意する必要があります。
以上のような事業環境の下、ユニゾグループは、不動産事業とホテル事業の2本の柱で成長していくことに注力しております。
当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は52,462百万円(前連結会計年度39,586百万円 前連結会計年度比32.5%増)、営業利益は17,570百万円(同13,802百万円 同27.3%増)、経常利益は11,500百万円(同10,497百万円 同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,488百万円(同6,621百万円 同28.2%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
[不動産事業]
当連結会計年度は、国内外ともに、前連結会計年度及び当連結会計年度取得物件が寄与したことに加え、空室リーシング及び賃料の増額改定に注力したこと等により、売上高は、42,458百万円(同30,358百万円 同39.9%増)、効率化にも努めたこと等により、営業利益は、16,565百万円(同11,754百万円 同40.9%増)と大幅増収増益となりました。
[ホテル事業]
当連結会計年度は、前連結会計年度及び当連結会計年度開業したホテルが寄与したこと等により、売上高は、10,219百万円(同9,417百万円 同8.5%増)、効率化にも努めましたが、新規ホテルの開業準備費用の増嵩及び2017年度開業ホテルの創業赤字等により、営業利益は、1,828百万円(同2,380百万円 同23.2%減)と増収減益となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、738,676百万円となり、前連結会計年度末比104,810百万円の増加となりました。これは、オフィスビル取得等により有形固定資産が前連結会計年度末比105,625百万円増加したこと等によるものです。賃貸等不動産(賃貸オフィスビル等)の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は563,490百万円、時価は677,259百万円となっております。なお、自ら運営するホテル及びゴルフ場の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は93,739百万円、時価は157,294百万円となっております。
当連結会計年度末の負債合計は、651,773百万円となり、前連結会計年度末比94,393百万円の増加となりました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末比90,297百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、86,903百万円となり、前連結会計年度末比10,416百万円の増加となりました。これは、平成29年7月に公募増資等を実施したことにより、資本金が5,647百万円、資本剰余金が5,647百万円増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により27,238百万円増加、投資活動により127,884百万円減少、財務活動により108,317百万円増加、連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物が163百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ5,550百万円増加し、当連結会計年度末は46,115百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益12,563百万円、非資金項目である減価償却費10,776百万円、受入敷金保証金の増加1,140百万円等による資金の増加があった一方、法人税等の支払い3,266百万円等がありました。この結果27,238百万円の資金の増加(前連結会計年度比22,231百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出135,746百万円等がありました。この結果127,884百万円の資金の減少(前連結会計年度比2,767百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出80,594百万円がある一方、主に有形固定資産取得のための長期借入れによる収入147,180百万円等がありました。この結果108,317百万円の資金の増加(前連結会計年度比35,878百万円の減少)となりました。

③ 生産、受注及び販売実績
ユニゾグループにおいては受注生産形態をとらない事業活動がほとんどであり、生産実績および受注実績について記載は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
不動産事業42,261,383140.0
ホテル事業10,200,674108.4
合計52,462,057132.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項における将来に関する事項は、提出日現在においてユニゾグループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
ユニゾグループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
② 経営成績の分析
ⅰ 売上高及び営業利益
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12,875百万円増加の52,462百万円となり、営業利益は、前連結会計年度比3,768百万円増加の17,570百万円となりました。これは、不動産事業において、国内外ともに、前連結会計年度及び当連結会計年度取得物件が寄与したことに加え、空室リーシング及び賃料の増額改定に注力したこと、効率化に努めたこと等によるものです。またホテル事業において、前連結会計年度及び当連結会計年度開業したホテルが寄与したこと、効率化にも努めましたが、新規ホテルの開業準備費用の増嵩及び2017年度開業ホテルの創業赤字等によるものであります。
なお、セグメントごとの売上高と営業利益の概況については、「(1)経営成績の状況と概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
ⅱ 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比424百万円増加の961百万円となりました。
また、営業外費用は、前連結会計年度比3,189百万円増加の7,032百万円となりました。これは、有利子負債の増加により、支払利息が増加したこと等によるものです。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度比1,003百万円増加の11,500百万円となりました。
ⅲ 特別損益及び税金等調整前当期純利益
当連結会計年度は、投資有価証券売却益578百万円及び固定資産売却益560百万円等の計上により、特別損益は1,062百万円の純利益となり、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比1,974百万円増加の12,563百万円となりました。
ⅳ 法人税等(法人税等調整額を含む。)及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の3,963百万円に対し4,070百万円となり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1,866百万円増加の8,488百万円となりました。