四半期報告書-第150期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/08 15:05
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半
期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値
で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績の状況
当社および連結子会社は、将来の大きな飛躍に向け、既存事業・プロジェクトを強化するとともに、当社の強みを生かすことのできる新規領域にも積極的に進出することにより、持続的な成長を目指すことを方針に据え、2018年度を初年度とする中期3か年経営計画「Make the Sustainable Growth」を推進しております。
当第3四半期連結累計期間の営業収益は、当社の不動産賃貸事業の増収等があり、8,552億7千2百万円(前年同期比1.6%増)、ホテル・リゾート事業における一部店舗の改装や上期の自然災害による影響、鉄軌道業での費用の増加等により、営業利益は658億(同4.9%減)となりました。経常利益は650億7千9百万円(同7.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年度の固定資産売却益計上の反動等により、467億6千7百万円(同25.0%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであり、各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含んで記載しております。なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。
① 交通事業
交通事業では、当社の鉄軌道業において当第3四半期連結累計期間における輸送人員が、沿線人口の増加等により定期で1.1%増加、定期外で0.4%増加し、全体で0.8%の増加となりました。
この結果、営業収益は1,584億3千万円(同1.2%増)、当社の鉄軌道業における減価償却費や動力費の増加等もあり、営業利益は248億7千1百万円(同6.6%減)となりました。
(当社の鉄軌道業の営業成績)
種別単位前第3四半期連結累計期間当第3四半期連結累計期間
2017.4.1~2017.12.312018.4.1~2018.12.31
営業日数275275
営業キロ程キロ104.9104.9
客車走行キロ千キロ112,454114,250
輸送人員定期外千人353,032354,362
定期千人538,608544,612
千人891,640898,974
旅客運輸収入定期外百万円57,62057,847
定期百万円48,09548,591
百万円105,715106,438
運輸雑収百万円10,57710,963
収入合計百万円116,292117,401
一日平均旅客運輸収入百万円384387
乗車効率%51.951.3

(注) 乗車効率の算出方法乗車効率=輸送人員×平均乗車キロ× 100
客車走行キロ平均定員

② 不動産事業
不動産事業では、渋谷ストリームの開業等による当社の不動産賃貸事業の増収等があり、営業収益は1,501億1百万円(同13.1%増)、前年度の当社不動産販売業における利益率が高い物件販売の反動等により、営業利益は249億2千2百万円(同1.3%減)となりました。
③ 生活サービス事業
生活サービス事業では、電力小売事業の㈱東急パワーサプライにおいて顧客獲得が進捗したこと等により、営業収益は5,164億1千8百万円(同0.4%増)、営業利益は117億3百万円(同5.7%増)となりました。
④ ホテル・リゾート事業
ホテル・リゾート事業では、ホテル業の㈱東急ホテルズにおいて、既存店は販売単価が増加したことに加え、高稼働を維持したものの、閉鎖・改装店や自然災害の影響等により、営業収益は754億5千4百万円(同6.4%減)、営業利益は36億3千3百万円(同38.0%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、当社の有形固定資産の増加等により、2兆3,717億4千9百万円(前期末比1,047億5千1百万円増)となりました。
負債は、有利子負債(※)が1兆620億1千8百万円(同922億2千4百万円増)となったこと等により、1兆5,835億5千9百万円(同707億1千6百万円増)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、7,881億8千9百万円(同340億3千5百万円増)となりました。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題に重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 当社の財務及び事業の基本的方針
当社は、2000年4月、「21世紀においても持続的に成長する東急グループ」を目指して「東急グループ経営方針」を策定し、グループ再編を積極的に進めるとともに、財務的な課題の克服に努めてまいりました。次いで2005年4月より成長戦略に軸足を移し、持続的成長の基盤確立に努め、2018年度からは、「サステナブルな「街づくり」「企業づくり」「人づくり」」を基本方針とする中期3か年経営計画に取り組んでおります。
当該計画は、渋谷など大型開発プロジェクトを確実に竣工・開業し、利益貢献を開始させるとともに、長期的な視点に立ち、既存事業・プロジェクトを強化するとともに、当社の強みを生かすことのできる新規領域にも積極的に進出することにより、持続的な成長を目指すことを目的としております。
このように長期的な視点に立った経営計画を推進し、当社が企業価値・株主の共同の利益を保全・確保し向上させていくためには、以下の各項目を実行することが不可欠と考えており、より一層これらの実現に努めてまいります。
1)当社の鉄道事業は極めて公共性の高い事業領域に属しており、お客さまの安全確保を第一義とした全社的推進体制を確保すること
2)安全性および利便性の向上を目指した中長期的な投資を継続的に行い、それを可能とする経営の安定性を確保すること
3)長期的な視点に立ち、沿線開発と不動産事業の更なる推進を継続するとともに、広域の移動を促進、街や地域を活性化させるべく、交通・リテール・生活サービスなどグループの各事業が一体的に展開すること
4)子会社の少数株主の利益を損なわないように配慮しつつ、グループの各事業を全体最適の観点から一元的にマネジメントすることができるよう、当社が強力なグループガバナンスを発揮すること
5)株主の皆さま、お客さま、沿線住民の方々、行政機関、関係事業者、債権者、そして従業員やその家族といった事業にとって重要なステークホルダー全般との信頼関係を維持向上させること
② 当社の支配に影響を与える株式の大量取得行為について
当社の株式は上場されており、当社株式の大量取得を目的とする買付であっても、それが当社の企業価値・株主の共同の利益に資すると判断される限り否定されるべきものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案について対抗措置をとるべきとの判断には、最終的には合理的手続きを経て確定される株主全体の意思が反映されるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量取得行為の中にはその目的・手法などから見て、企業価値・株主の共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、例えば短期的な利益追求を目的とすることなどにより鉄道事業の安全確保に悪影響を及ぼす可能性があるもの、また、買収を二段階で行い、最初の買付に応じなければ不利益になる、あるいはそのような危惧を抱かせる状況を作り出し、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等、不適切な方法による、あるいは不適切な者による企業買収の存在は否定できません。また、株式の大量取得行為の提案がなされた場合において、これの是非を判断する十分な情報や代替案を株主の皆さまが持ち合わせていないにも関わらず、そのまま買収が行われてしまう場合もあり得ます。
当社事業にとって重要なステークホルダーの利益を考慮しつつ、このような買収から企業価値・株主の共同の利益を守り、これらに資するよう行動することは、当社の経営を負託された者として当然の責務であると認識しております。
現時点において、当社は具体的にこのような買収の脅威にさらされているとの認識はありませんが、当社株式の取引や株主の異動の状況を常にチェックするとともに、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合に、判断の客観性を担保しつつ、企業価値・株主の共同の利益を保全・確保および向上させるために必要な措置が取れるよう、社内における体制を整え、役割分担や行うべき対応を明確にしております。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、3億1千8百万円であります。
(5)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(新設)
不動産事業等において、前連結会計年度末に計画中であった当社の渋谷駅南街区プロジェクトについては、工事が完了し、2018年9月に「渋谷ストリーム(SHIBUYA STREAM)」として営業を開始しております。
(取得)
ホテル・リゾート事業において、当社は、ホテル設備等として「東京都武蔵野市吉祥寺南町一丁目所在土地建物」を2018年4月に取得しております。なお、取得した設備の帳簿価額は91億1千4百万円、土地面積は2,050㎡であります。