有価証券報告書-第149期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 14:55
【資料】
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【項目】
152項目
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響により、先行きは不透明な状況で推移したものの、政府・日銀による各種政策の効果により、企業収益や雇用情勢は改善し、個人消費も持ち直しの動きが続くなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
当連結会計年度の営業収益は、当社の不動産販売業が堅調に推移したことなどにより、1兆1,386億1千2百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は、829億1千8百万円(同6.3%増)となりました。経常利益は、支払利息の減少などにより、837億4千6百万円(同9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益が増加したことなどにより、700億9千5百万円(同4.2%増)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであり、各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含んで記載しております。なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。
また、当連結会計年度より、一部事業について報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(交通事業)
2017年11月15日に発生いたしました田園都市線での架線不具合をはじめ、当社起因による度重なる輸送障害によりご迷惑、ご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。今後の対策として、地下区間の重要設備の点検方法を見直すなど、安全・安定輸送の確保に向けた取り組みを実施してまいります。
ホーム上の安全対策につきましては、2020年までに東横線・田園都市線・大井町線全64駅にホームドアを設置する計画を前倒し、2019年度にホームドア・センサー付き固定式ホーム柵の整備率が業界トップとなる100%を目指しております。2017年度は田園都市線三軒茶屋駅など13駅でホームドアの利用を開始し、人身傷害件数は2014年度に比べ約3分の1に減少するなど、安全・安定輸送の確保に大きく寄与いたしました。
利便性・快適性向上の面では、2017年11月から2018年2月にかけて大井町線の急行車両を6両編成から7両編成に順次変更し、輸送力の増強をいたしました。また、2018年3月にはさらなる混雑緩和や利便性の向上を目指し、田園都市線など5路線でダイヤ改正を実施したほか、新型車両として田園都市線に2020系を、大井町線に6020系を導入いたしました。大井町線では2018年冬に平日夜間下り方面への有料座席指定サービス車両の運用を開始する予定です。
当社の鉄軌道業における輸送人員は、前連結会計年度に比べて、沿線人口の増加などにより、定期で1.7%、定期外で0.8%増加し、全体でも1.3%の増加となりました。
連結子会社の輸送人員は、伊豆急行㈱で0.3%減少いたしました。
バス業では、東急バス㈱の輸送人員が0.3%増加いたしました。
交通事業全体の営業収益は、当社の鉄軌道業において、輸送人員が増加したことなどにより、2,115億5千7百万円(同2.0%増)、営業利益は、290億2百万円(同8.6%増)となりました。
(当社の鉄軌道業の営業成績)
種別単位第148期第149期
28.4.1~29.3.3129.4.1~30.3.31
営業日数365365
営業キロ程キロ104.9104.9
客車走行キロ千キロ148,372149,150
輸送人員定期外千人464,259468,163
定期千人698,764710,496
千人1,163,0231,178,659
旅客運輸収入定期外百万円75,83476,383
定期百万円62,78763,856
百万円138,621140,239
運輸雑収百万円14,19914,614
収入合計百万円152,820154,853
一日平均収入百万円419424
乗車効率%51.651.6

(注) 乗車効率の算出方法乗車効率=輸送人員×平均乗車キロ× 100
客車走行キロ平均定員

(不動産事業)
不動産事業では、「東急多摩田園都市」の開発をはじめとする「街づくり」を事業活動の中心におき、さまざまな領域での不動産事業を総合的に展開しております。
2018年9月開業予定の、「渋谷ストリーム(SHIBUYA STREAM)」においてはオフィス、ホテル、商業施設におけるすべての賃貸区画について入居テナントが内定いたしました。なお、全てのオフィス区画にはグーグル合同会社の本社機能が移転入居いたします。また、2019年度に東棟が開業予定の「渋谷駅街区開発計画」の施設名称を「渋谷スクランブルスクエア(SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE)」に決定し、オフィス及び商業施設のリーシングも順調に進んでおります。
町田市と当社が田園都市線南町田駅周辺において推進している「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」につきましては、鶴間公園及び商業施設を含むまち名称を「南町田グランベリーパーク」に決定し、2019年秋のまちびらきを目指して順調に取り組んでおります。
このほか、東急線駅構内・高架下・駅ビルの店舗開発及びリニューアルの推進についても積極的に実施しており、目黒線武蔵小山駅構内では2017年9月に「エトモ武蔵小山」がリニューアルオープンしたほか、2018年3月には池上線五反田駅から大崎広小路駅の高架下に新たに5つの店舗を開業いたしました。また、田園都市線中央林間駅前にも装いを新たに「中央林間東急スクエア」をオープンし、大和市立中央林間図書館や子育て支援施設と連携し、地域の皆さまのライフスタイルを支える新たな街のコミュニティ拠点を創出いたしました。
不動産事業全体の営業収益は、当社の不動産販売業において、物件の販売収入が増加したことなどにより、1,825億7千4百万円(同7.3%増)、営業利益は、323億5千7百万円(同5.8%増)となりました。
(生活サービス事業)
当社は、生活サービス事業を街の生活基盤として沿線価値の向上に寄与するものと位置づけるとともに、収益力の向上に取り組んでまいりました。同事業は、魅力ある施設づくりに加えて、お客さまの期待を上回る商品やサービスの提供に努めるとともに、交通事業、不動産事業をはじめとする各事業との相乗効果を発揮するため、グループ間連携をさらに促進しております。
百貨店業の㈱東急百貨店では、吉祥寺店で進めてきたリニューアルが2018年5月にグランドオープンを迎えたほか、「東急フードショースライス」を2017年12月に目黒駅、自由が丘駅にオープン、チェーンストア業の㈱東急ストアでは2017年4月に「東急ストアフードステーション 渋谷キャスト店」をオープンいたしました。
ショッピングセンター業の㈱東急モールズデベロップメントでは、2017年11月に「クイーンズスクエア横浜[アット!]」と「クイーンズイースト」を統合し、「みなとみらい東急スクエア」を開業、「SHIZUOKA109」を「静岡東急スクエア」にリニューアルいたしました。
ショッピングセンター業の㈱SHIBUYA109エンタテイメントでは、エンタテイメントとファッションを融合させるポップアップストア区画「DISP!!!」を開設するなど、渋谷から新たなムーブメントやカルチャーを発信しております。
2017年11月には、セキュリティ事業の東急セキュリティ㈱とケーブルテレビ事業のイッツ・コミュニケーションズ㈱の両社のサービス特長を活かし、安全・安心の警備体制と、スマートフォンを活用した先進のセキュリティスタイル「東急スマートセキュリティ」サービスの提供を開始いたしました。また、新たな社会インフラの創造を目指した取り組みを進めるために、業界の垣根を越えた企業連合として2017年7月に「コネクティッドホーム アライアンス」を設立いたしました。
生活サービス事業全体の営業収益は、電力小売事業の㈱東急パワーサプライにおいて、顧客獲得が進捗したことなどにより、7,003億5千2百万円(同1.5%増)、営業利益は、159億9千9百万円(同9.2%増)となりました。
(ホテル・リゾート事業)
ホテル業の㈱東急ホテルズでは、渋谷地区の3ホテルとザ・キャピトルホテル東急の合計で外国人宿泊比率が高い状況が継続するなどインバウンドのプラスの影響があり、客室部門を中心に好調に推移いたしました。
既存店舗の品質向上のため、2017年4月には「下田東急ホテル」をリニューアルオープンしたほか、2018年5月に「東京ベイ東急ホテル」を開業、2018年秋には「渋谷ストリームエクセルホテル東急」の開業を控えるなど、新規出店を進めております。同社は、当連結会計年度末現在、直営ホテル33店舗を展開しております。
ホテル・リゾート事業全体の営業収益は、ホテル業の㈱東急ホテルズにおいて、高稼働を維持したことに加え、販売単価も増加し増収したものの、マウナ ラニ リゾート(オペレーション)㈱において、保有資産を譲渡した影響により、1,041億4百万円(同1.3%減)、㈱東急ホテルズにおいて、客室を中心としたバリューアップ施策費用の増加等により、営業利益は、51億3百万円(同10.0%減)となりました。なお、㈱東急ホテルズ直営店舗の客室稼働率は、84.1%(同0.3P減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は383億2千2百万円となり、前連結会計年度に比べて15億1百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益960億6千9百万円に減価償却費749億1百万円、法人税等の支払額172億3千7百万円などを調整し、1,525億5千8百万円の収入となりました。前連結会計年度に比べ、法人税等の支払額が減少したことなどにより、262億2百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出1,769億9千1百万円などがあり、1,453億7千8百万円の支出となりました。前連結会計年度に比べ、固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、130億6千8百万円の支出増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び社債の償還による支出などにより、78億9千2百万円の支出となりました。
(3)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、当社の設備投資による有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末の2兆1,486億円から1,160億円増加し、2兆2,646億円となりました。
負債は、有利子負債(※)が増加したことなどにより、前連結会計年度末の1兆4,702億円から473億円増加し、1兆5,175億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末の6,783億円から686億円増加し、7,470億円となりました。
この結果、自己資本比率は30.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇いたしました。また、1株当たり純資産額は1,146.46円となりました。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社(連結子会社を含む)は、将来の大きな飛躍に向け、財務健全性を確保しつつ、既存事業・プロジェクトの強化、当社の強みを生かすことのできる新規領域への積極的進出や成長領域への重点投資を実施し、収益性、効率性双方の向上の実現を目指した、2015年度を初年度とする中期3か年経営計画「STEP TO THE NEXT STAGE」(以下「前中期3か年経営計画」という。)を推進してまいりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、鉄道ネットワーク強化、二子玉川ライズの全面開業による効果、訪日外国人客の増加によるホテル業の好調などが寄与し、営業利益829億円、東急EBITDA 1,749億円、有利子負債/東急EBITDA倍率5.5倍、参考指標であるROEが10.6%となりました。この結果、前中期3か年経営計画の目標指標を全て達成いたしました。
また、数値面以外でも、国管理空港としては民間委託1号案件の仙台空港の運営や、電力小売事業への参入、社内起業家育成制度による新規事業の創出など順調に展開できており、定量・定性面ともに計画を達成いたしました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、当社沿線の事業環境(人口動態)、外部環境の変化等があります。
当社グループの利益の大半を生み出す東急線沿線の人口動態は、前中期3か年経営計画では2020年に人口のピークを迎えるという前提でしたが、最新のデータでは2035年まで人口増加が続くと想定しており、渋谷・二子玉川・たまプラーザなど、当社の街づくりの成果と捉えております。一方、多くのエリアで高齢化の進行、生産年齢人口の減少が見られ、今後、少子高齢化が一層進むことを踏まえると、沿線住民の流動性の活性化が課題と認識しております。加えて、長期的視点から海外含む沿線外での収益源確保も一層重要になると考えております。
また、外部環境として、人口動態の変化等に伴う深刻な人手不足、ECの隆盛などによる消費行動や顧客接点の変化、テクノロジーの進展による新たな事業機会の出現、グローバルレベルでの競争激化など、当社を取り巻く事業環境はかつてないほどのスピードとスケールで大きく変化しており、スピード感を持った対応が必要であると認識しております。
こうした激しい世の中の変化に対応し、持続的な成長を続ける企業でありたいという想いを込め、2018年度を初年度とする中期3か年経営計画を策定いたしました。本計画では“Make the Sustainable Growth”(持続可能な成長をめざして)というスローガンを定め、サステナブルな「街づくり」「企業づくり」「人づくり」の、「3つのサステナブル」の基本方針のもと、次の100年に向けて、既存事業や沿線外拠点を強化するとともに、当社の強みを活かすことのできる新規領域にも積極的に進出することで、激しい時代の変化の中でも、持続的な成長を続ける企業集団を目指します。中期3か年経営計画の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは持続的成長を果たすことを目的に投資計画を立案しており、資金使途のうち主なものは設備投資・投融資(以下「投資」という。)であります。
前中期3か年経営計画期間における投資実施額は、成長投資が2,035億円、既存事業投資が2,812億円、合計4,847億円となり、仙台空港の運営事業参画、新規の不動産賃貸物件の取得などが順調に推移し、計画(成長投資2,000億円、既存事業投資2,500億円、合計4,500億円)を上回る規模となりました。また、資金調達につきましては、企業活動から得られる営業キャッシュ・フローが増加したことなどにより、有利子負債による調達が500億円(前中期3か年経営計画600億円)に減少したことに加え、株主還元の拡充も実施いたしました。
2018年度を初年度とする中期3か年経営計画においては、成長投資に2,600億円、既存事業投資に2,600億円、合計5,200億円の投資を計画しており、成長投資の内訳は、渋谷再開発に1,200億円、沿線開発に800億円、戦略案件に600億円であります。また、既存事業投資の内訳は、鉄軌道投資に1,600億円、うち960億円を安全投資として計画しており、安定輸送・快適性向上に万全を尽くしてまいります。
また、資金につきましては、企業活動から得られる営業キャッシュ・フローに加え、社債の発行や金融機関からの借入による調達1,200億円を想定しております 。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は9,697億円であり、有利子負債/東急EBITDA倍率は5.5倍であります。中期3か年経営計画期間中は設備投資の実施に伴い有利子負債の増加を見込んでおり、2018年度、19年度末は一時的に6倍台となりますが、渋谷開発などの大型開発案件が収益貢献を始める2020年度には5.3倍へ改善を見込んでおります。
※1 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
※2 設備投資・投融資の金額については、投資計画の進捗説明を主眼とし一部組替を行っており、「キャッシュ・フロー計算書」とは数値が異なります。

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