有価証券報告書-第143期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続くなど緩やかな回復基調にあるものの、世界経済の不確実性や金融市場の影響など、先行きに不透明感が続く状況で推移した。
この間当社グループにおいては、各部門において増収に注力するとともにコストの削減に努めた結果、当連結会計年度の業績は次のとおりとなった。
すなわち、営業収益は23,001百万円となり前連結会計年度に比べ146百万円(0.6%)減少、営業利益は2,275百万円となり前連結会計年度に比べ32百万円(1.4%)増加、経常利益は1,550百万円となり前連結会計年度に比べ47百万円(3.1%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は1,241百万円となり前連結会計年度に比べ46百万円(3.6%)減少した。
セグメントの業績は、次のとおりである。
運 輸 業
鉄道事業においては、「安全の絶対確保」を図るため、安全管理体制のさらなる整備・充実に取り組んだほか、「鉄道軌道安全輸送設備等整備事業」等の補助を活用しながら、軌道の強化、法面及び橋梁の補強、信号設備の更新等の工事を推し進め、運転保安度の一層の向上に努めるとともに、省エネ性能に優れた6500系車両2編成を新造した。
増収策としては、有馬温泉への旅客誘致を図るため、「有馬・六甲周遊1dayパス」や「有馬温泉 太閤の湯クーポン」等の企画乗車券を発売したほか、訪日旅行者へのご案内を充実させるため、英語による車内での案内放送を開始した。また、沿線自治体や各種団体と連携した企画ハイキングや「神鉄沿線で体験イベント!」など、小さなお子様と一緒に気軽にご参加いただけるイベントや、神戸電鉄粟生線活性化協議会と連携した「山田錦まつり号で『山田錦まつり』へGO!!」等の電車を使ったイベントも多数開催し、神鉄ファンの獲得に注力した。
また、沿線の人口減少に対応するため、「神戸電鉄粟生線地域公共交通網形成計画」をはじめ、沿線自治体が主体となって策定・推進する交通計画の協議に参画するなど、地域との連携をさらに深めながら利用促進に取り組んでいる。
なお、神戸市による駅前再開発事業と合わせて進めている鈴蘭台駅の橋上駅舎化工事については、平成30年夏頃の供用開始に向けて順調に進捗している。
平成30年3月に類焼により被災した三木駅については、現在、兵庫県、三木市と連携し、今後のあり方について協議・検討を進めている。
バス事業においては、企業や学校の貸切送迎業務をはじめ積極的な営業活動を展開し、増収に努めた。
タクシー業においては、保有車両の稼働率向上に努めたほか、事業エリアの拡大により新規顧客の獲得を図った。
これらの結果、当連結会計年度の運輸業の営業収益は13,020百万円となり、前連結会計年度に比べ89百万円(0.7%)増加し、営業利益は1,098百万円となり、前連結会計年度に比べ21百万円(1.9%)増加した。
(提出会社の運輸成績)
| 期別 種別 | 単位 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 対前期増減率 (%) | ||||
| 営業日数 | 日 | 365 | 0.0 | |
| 営業キロ | キロ | 69.6 | 0.0 | |
| 客車走行キロ | 千キロ | 15,753 | △3.0 | |
| 旅客人員 | 定期 | 千人 | 38,342 | 0.5 |
| 定期外 | 〃 | 20,397 | △0.0 | |
| 計 | 〃 | 58,740 | 0.3 | |
| 旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 4,626 | △0.0 |
| 定期外 | 〃 | 4,810 | △0.6 | |
| 計 | 〃 | 9,436 | △0.3 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 172 | △1.1 | |
| 収入合計 | 〃 | 9,608 | △0.3 | |
| 乗車効率 | % | 23.6 | - | |
| (注)1. 乗車効率の算出は、 |
| による。 |
2. 客車走行キロ数は社用、試運転及び営業回送を含んでいない。
| 期別 種別 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 営業収益 (百万円) | 対前期増減率 (%) | |
| 鉄道事業 | 9,608 | △0.3 |
| バス事業 | 1,667 | 5.7 |
| タクシー業 | 1,747 | 1.8 |
| 消去 | △3 | - |
| 営業収益計 | 13,020 | 0.7 |
不 動 産 業
土地建物賃貸業においては、賃貸物件の稼働率向上により収益の拡大を図るとともに、土地建物販売業においては、神戸市北区の戸建用地等を販売した。
また、平成29年4月より神戸市道路公社から「三宮中央通り駐車場(神戸市中央区)」及び「神戸駅南駐車場(神戸市中央区)」の管理運営業務を新たに受託した。
なお、神戸市により施行されている鈴蘭台駅前再開発事業において、当社は、平成30年夏頃完成予定の鈴蘭台駅前再開発ビルへのテナント誘致を進めている。
これらの結果、当連結会計年度の不動産業の営業収益は2,080百万円となり、前連結会計年度に比べ19百万円(0.9%)増加し、営業利益は906百万円となり、前連結会計年度に比べ56百万円(6.6%)増加した。
| 期別 種別 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 営業収益 (百万円) | 対前期増減率 (%) | |
| 土地建物販売業 | 84 | △50.6 |
| 土地建物賃貸業 | 1,995 | 5.5 |
| 営業収益計 | 2,080 | 0.9 |
流 通 業
食品スーパー業においては、各店舗で魅力ある集客イベントや販売促進キャンペーンを実施するとともに、親しみやすく品揃えが豊富な売場づくりを進めるなど、積極的な増収策を展開した。また、平成29年7月に「神鉄食彩館北鈴店(神戸市北区)」、9月に「神鉄食彩館西鈴店(神戸市北区)」のリニューアルを行った。
コンビニ業においては、多様化する顧客のニーズに対応し、増収に努めた。
しかしながら、競合の激化や生鮮部門の伸び悩みなどにより、当連結会計年度の流通業の営業収益は6,239百万円となり、前連結会計年度に比べ282百万円(4.3%)減少し、営業利益は45百万円となり、前連結会計年度に比べ51百万円(53.1%)減少した。
| 期別 種別 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 営業収益 (百万円) | 対前期増減率 (%) | |
| 食品スーパー業 | 5,014 | △6.1 |
| コンビニ業 | 963 | 6.2 |
| その他 | 260 | △4.4 |
| 営業収益計 | 6,239 | △4.3 |
そ の 他
健康・保育事業においては、駅に近接する各施設の強みを活かしてご利用者の増に努めた。
建設業においては、当社グループ外からの受注拡大に努めた。
これらの結果、当連結会計年度のその他の営業収益は2,968百万円となり、前連結会計年度に比べ48百万円
(1.6%)増加し、営業利益は前連結会計年度並みの243百万円となった。
| 期別 種別 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 営業収益 (百万円) | 対前期増減率 (%) | |
| 建設業 | 1,713 | 16.1 |
| 施設管理・警備業 | 1,067 | △13.7 |
| 健康・保育事業 | 808 | 2.0 |
| その他 | 513 | △2.5 |
| 消去 | △1,133 | - |
| 営業収益計 | 2,968 | 1.6 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ137百万円(16.0%)増加し、当連結会計年度末は995百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、3,919百万円と前連結会計年度に比べ270百万円の減少となった。これは、仕入債務の増減額が減少したこと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、1,969百万円と前連結会計年度に比べ379百万円の増加となった。これは、工事負担金等受入による収入が増加したものの、一方で有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、1,812百万円と前連結会計年度に比べ1,111百万円の減少となった。これは、借入金の減少額が減少したこと等によるものである。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは運輸業、不動産業及び流通業など多種多様な事業を営んでいるため、そのセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの経営成績に関連付けて示している。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表作成に当たっては、決算日現在において過去の実績等を勘案し合理的に判断して見積りを行っているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、中期経営計画に基づき、財務体質のさらなる強化を実現するため、事業基盤の強化と稼ぐ力の伸長を図り、有利子負債の削減等に努め、当社の目標とするあるべき姿の実現に向け取り組んでおり、その第一歩である当連結会計年度においては、計画の達成へ向け確実に前進することができた。
a.営業収益及び営業利益
営業収益は、運輸業において、雇用環境の改善等を受け鉄道事業が堅調に推移するとともに、バス事業において企業や学校の貸切送迎業務をはじめ積極的な営業活動の展開により増加したものの、流通業における競争激化や生鮮部門の伸び悩み等による減少があり、23,001百万円と前連結会計年度に比べ146百万円(0.6%)の減少となった。
営業利益は、流通業における減収に伴う減少はあったものの、運輸業をはじめとする各部門において増収に注力するとともにコスト削減に努めた結果、2,275百万円と前連結会計年度に比べ32百万円(1.4%)の増加となった。
なお、セグメント別の営業収益及び営業利益については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1)経営成績等の概要」に記載のとおりである。
b.経常利益
営業外収益は、主に物品売却益が減少したこと等により、106百万円と前連結会計年度に比べ47百万円(30.7%)の減少となった。
営業外費用は、主に借入金の減少等に伴い支払利息が減少したこと等により、831百万円と前連結会計年度に比べ61百万円(6.8%)の減少となった。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、主に工事負担金等受入額が増加したこと等により980百万円と前連結会計年度に比べ390百万円(66.1%)の増加となった。
特別損失は、工事負担金等圧縮額が増加したほか、三木駅類焼に伴う被害について災害による損失を計上したこと等により、1,115百万円と前連結会計年度に比べ507百万円(83.4%)の増加となった。
法人税等(法人税等調整額を含む)は、174百万円となった。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に災害による損失を計上したこと等により、1,241百万円と前連結会計年度に比べ46百万円(3.6%)の減少となった。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1)経営成績等の概要」に記載のとおりである。
当社グループは、キャッシュ・フロー重視の経営を行っており、収益力の強化により営業活動によるキャッシュ・フローを高め、さらに、投資効率を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めることを目指している。
・資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、鉄道事業をはじめとする運輸業における設備の更新等に要する設備資金である。
・財務政策
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金を調達しており、資金については当社及び金融業を営む子会社で一元管理している。
資金調達に際しては、金利スワップ等を活用し、調達コストの低減に努めている。
また、金融機関に借入枠を有しており、当社グループの運営に必要な運転資金及び設備資金の安定的な調達は今後も可能である。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが仕入債務の増減額が減少したこと等により、3,919百万円と前連結会計年度に比べ270百万円の減少となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、工事負担金等受入による収入が増加したものの、一方で有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により、投資活動により使用した資金は1,969百万円と前連結会計年度に比べ379百万円の増加となった。これらを合わせたフリー・キャッシュ・フローは1,949百万円と前連結会計年度に比べ649百万円の減少となった。
この結果、当連結会計年度末の借入金残高は、前連結会計年度末に比べ1,676百万円減少し、63,784百万円となった。