有価証券報告書-第140期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/22 11:38
【資料】
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【項目】
141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなか、景気の緩やかな回復基調が続くことが期待されたものの、海外情勢の不確実性や相次ぐ自然災害による影響に加え、消費増税、さらに新型コロナウイルス感染症の影響により消費活動や生産活動が大きく冷え込み、先行き不透明な状況となっております。
このような状況の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により2~3月期において運輸事業を中心に大幅な減収となりましたが、各事業分野にわたり積極的な営業活動を展開するとともに業務の合理化及び経費の削減に努め、経営全般の効率化に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が22,053,958千円(前年同期比3.5%減)、営業利益は900,396千円(同比4.4%増)、経常利益は902,897千円(同比2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は488,577千円(同比6.2%減)となりました。
セグメント業績は次のとおりです。
(運輸事業)
乗合バス事業においては、一般路線において地域の実情により行政と協調し、路線の見直しを行い、デマンドタクシーへ移行させるなど、経費の削減に努めました。県内高速バスにおいては、運行時分の見直しやICカードシステム導入により、定時性、利便性向上を図りました。県外都市間高速バスにおいては、幅運賃の活用や繁忙期における増発便の運行を積極的に行い、増収を図りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により結果的には大幅な減収となりました。
貸切バス事業においては、日本バス協会「貸切バス事業者安全性評価認定制度」において、三ツ星(最高ランク)を獲得し、地元行政や学校団体等の顧客へ営業を継続するとともに、県外顧客(首都圏・関西圏等)についても、積極的な営業展開を進めてまいりました。
上期は堅調に推移したものの、下期に台風の影響、記録的な小雪に加え、その後新型コロナウイルス感染症が大きく影響し、対前年比減収、減益となりました。
この結果、売上高は5,159,155千円(前年同期比4.2%減)、営業損失は3,153千円(同比103.3%減)となりました。
(建設事業)
建設業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響は少なかったものの、当地域における県内各市町村の財政状況は依然として厳しく、また地元長岡市の入札制度改革や小雪の影響もあり、公共工事受注件数は減少し、対前年比減収、減益となりました。
この結果、売上高は5,214,162千円(前年同期比18.3%減)、営業利益287,773千円(同比19.5%減)となりました。
(不動産事業)
不動産営業では、賃貸件数、管理仲介件数ともにほぼ横ばいに推移しました。
また不動産事業を営む当社グループ会社であります長鐵工業㈱の連結子会社化に伴い、不動産事業の売上高、営業利益共に大幅に増加しました。
この結果、売上高は665,930千円(前年同期比92.7%増)、営業利益は183,830千円(同比392.7%増)となりました。
(卸売・小売事業)
自動販売業においては、消費税増税、新型コロナウイルス感染症の影響があったものの新車部門では新型車の拡販展開が功を奏し、受注台数は前年比増加となりました。
高速道サービスエリア事業においては、徹底した原価管理、人件費の抑制、新商品の開拓、イベント企画等を図り、また旅行業においては客層や目的を明確にした募集型企画旅行の販売に注力し、収支改善に努め、収益前年比大幅増加で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行期には下振れしたものの、結果としては前年比増収、増益となりました。
この結果、売上高11,014,710千円(前年同期比2.5%増)、営業利益431,946千円(同比16.5%増)となりました。
財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②財政状態及び経営成績等の経営状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当連結会計年度末には3,877,520千円(前連結会計年度比365,199千円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,146,184千円(同1,173,082千円減)となりました。これは主に売上債権の減少25,517千円(同488,432千円減)及び、たな卸資産の増加363,693千円(同945,195千円減)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は399,192千円(同87,152千円増)となりました。これは主に定期預金等の預入による支出400,748千円(同62,944千円減)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、381,792千円(同94,231千円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,191,143千円(同1,829,446千円減)及び、長期借入による収入1,290,000千円(同1,750,000千円減)等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における建設事業の完成工事高を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称完成工事高(千円)前年同期比(%)
建設事業5,181,65185.4

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における建設事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
建設事業4,417,83297.92,112,029167.3

c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
運輸事業(千円)5,159,15595.8
建設事業(千円)5,214,16281.7
不動産事業(千円)665,930192.7
卸売・小売事業(千円)11,014,710102.5
合計22,053,95896.5

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の経営状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高及び営業利益)
売上高は前年同期に比べ801,867千円減少(前年同期比3.5%減)し、22,053,958千円となりました。また、営業利益は前年同期に比べ38,351千円増加(同比4.4%増)し、900,396千円となりました。
なお、セグメントごとの売上高及び営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前年同期に比べ19,269千円増加(同比13.0%増)し、167,705千円となりました。営業外費用は、前年同期に比べ38,079千円増加(同比30.0%増)し、165,205千円となりました。この結果、経常利益は前年同期に比べ19,542千円増加(同比2.2%増)し、902,897千円となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、前年同期に比べ27,686千円減少(同比51.3%減)し、26,236千円となりました。特別損失は、前年同期に比べ95,897千円減少(同比62.4%減)し、57,736千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、87,753千円増加(同比11.2%増)し871,397千円となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除して488,577千円の親会社株主に帰属する当期純利益(同比6.2%減)となりました。
(当連結会計年度末の財政状態の分析)
当連結会計年度末の財政状態は、総資産29,987,582千円(前年同期比595,071千円増)、負債合計18,555,143千円(同比181,783千円増)、純資産合計11,432,439千円(同比413,288千円増)となりました。
総資産の増加は、主に現金及び預金の増加、商品及び製品の増加によるものです。負債の増加は、主に長期借入金の増加によるものです。純資産の増加は利益剰余金の増加によるものです。この結果自己資本比率は33.4%となり、前年同期に比べ0.6ポイント増加しました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,772,533千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や現在の状況を勘案してその時点で最も合理的と考えられる判断で見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループで特に重要であると考えられる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定には、以下のようなものがあります。
a.固定資産の減損
当社グループは運輸事業及び不動産事業を中心に多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能額については、将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しており、事業計画や市場環境の変化により前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際し、将来の課税所得やタックスプランニングを合理的に見積っております。将来の不確実な経済条件の変動等により、利益計画や課税所得の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額に重要な影響を与える可能性があります。