有価証券報告書-第142期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 14:18
【資料】
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【項目】
131項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症拡大の影響においては、景気の持ち直しの動きがあるものの、事態の急激な変化により断続的な行動制限の影響を受けるなど先行き不透明な状況が続いております。また、物価の上昇、特に原油価格の高騰は当社グループにおいて大きな影響を与えており、非常に厳しい経営状況が続いております。 このような状況の中で当社グループは、基幹事業である運輸事業を中心に社会活動の制限緩和により徐々に業績回復の兆しが見えはじめ、同時に様々な経費削減効果により対前年比で収支改善となりました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が21,038,015千円(前年同期比1.9%増)、営業利益は345,654千円(前年同期は11,576千円の営業利益)、経常利益は464,730千円(前年同期は211,249千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は166,280千円(前年同期は205,348千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は144,188千円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ100,247千円増加しております。
セグメント業績は次のとおりです。
(運輸事業)
乗合バス事業においては、在宅勤務による通勤利用者の減少、首都圏、関西圏におけるコンサートやイベントの中止による県外高速バスの運休、減便の影響は残っているものの、スクールバスの運休は減少し、高速バスを中心に利用者数は徐々に増加傾向にあります。また、経費削減として利用者の実態にあった運行本数の調整、車両の自家修理の推進を実施し、収支改善に努めました。
貸切バス事業においては、コロナ禍でありながら、東京オリンピックや大型音楽イベントの開催、契約輸送、学校団体、ワクチン接種バスの稼働もあり、対前年比で増収、増益となりました。
この結果、売上高は3,975,624千円(前年同期比9.6%増)、営業損失は480,629千円(前期は営業損失844,826千円)となりました。
(建設事業)
建設業においては、設備系工事の完成工事高は堅調に推移したものの、公共工事の受注については入札困難な状況が続いており、厳しい価格競争の状況下において対前年比では増収、減益となりました。
この結果、売上高は5,929,311千円(前年同期比5.5%増)、営業利益241,150千円(同比14.8%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は18,352千円減少しております。
(不動産事業)
不動産営業では、所有マンション賃料収入の減少及びテナントの誘致に至らず前年比で減収となりましたが、不動産仲介手数料等の収入確保に努めました。
この結果、売上高は616,518千円(前年同期比3.8%減)、営業利益は194,381千円(同比3.7%増)となりました。
(卸売・小売事業)
自動販売業においては、コロナ禍の中、半導体や部品不足により新車減産等の影響を受けましたが、その反面、中古車市場が活性化し、また社外整備の増加や自動車装備品販売が好調に推移したことにより、前年比で増益となりました。 高速道サービスエリア事業では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年との比較においては増収増益となりましたが、物販業においては冠婚葬祭関連の販売を中心に未だ苦戦を強いられており、大幅な改善には至りませんでした。 この結果、売上高10,516,561千円(前年同期比2.2%減)、営業利益390,751千円(同比1.2%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は125,836千円減少し、営業利益は100,247千円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当連結会計年度末には3,589,949千円(前連結会計年度比427,192千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は625,904千円(同52,073千円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益246,394千円、売上債権の増加額773,370千円、棚卸資産の減少額389,407千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は346,136千円(同156,964千円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出487,470千円、有形固定資産の売却による収入32,305千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、706,960千円(同671,705千円増)となりました。これは主に短期借入金の純減額100,000千円、長期借入金による収入758,334千円、長期借入金の返済による支出1,040,551千円、ファイナンスリース債務の返済による支出273,622千円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における建設事業の完成工事高を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称完成工事高(千円)前年同期比(%)
建設事業5,974,555103.8

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における建設事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
建設事業4,570,985132.41,611,22276.7

c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
運輸事業(千円)3,975,624109.6
建設事業(千円)5,929,311105.5
不動産事業(千円)616,51896.2
卸売・小売事業(千円)10,516,56197.8
合計21,038,015101.9

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の経営状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高及び営業利益)
売上高は前年同期に比べ396,899千円増加(前年同期比1.9%増)し、21,038,015千円となりました。また、営業利益は前年同期に比べ334,078千円増加(前年同期は11,576千円)し、345,654千円となりました。
なお、セグメントごとの売上高及び営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前年同期に比べ131,505千円減少(同比34.1%減)し、254,104千円となりました。営業外費用は、前年同期に比べ50,909千円減少(同比27.4%減)し、135,027千円となりました。この結果、経常利益は前年同期に比べ253,481千円増加(同比120.0%増)し、464,730千円となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、前年同期に比べ320,694千円減少(同比84.0%減)し、61,119千円となりました。特別損失は、前年同期に比べ204,197千円増加(同比271.3%増)し、279,455千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、271,410千円減少(同比52.4%減)し246,394千円となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除して166,280千円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年は親会社株主に帰属する当期純損失205,348千円)となりました。
(当連結会計年度末の財政状態の分析)
当連結会計年度末の財政状態は、総資産29,055,193千円(前年同期比866,528千円減)、負債合計17,855,108千円(同比894,921千円減)、純資産合計11,200,085千円(同比28,393千円増)となりました。
総資産の減少は、主に現金及び預金並びに商品及び製品の減少によるものです。負債の減少は、主に長期借入金の減少によるものです。純資産の減少は利益剰余金の減少によるものです。この結果自己資本比率は33.2%となり、前年同期に比べ0.8ポイント増加しました。
なお、収益認識会計基準の適用により、利益剰余金の期首残高が172,033千円増加し、純資産が同額増加しております。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
営業活動によるキャッシュ・フローでは、売上債権の増加等により前年同期に比べ52,073千円減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローでは主に有形固定資産の取得による支出の減少により、前年同期に比べ支出が156,964千円減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、主に長期借入れによる収入の減少により、前年同期に比べ支出が671,705千円増加しました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ427,192千円減少し、3,589,949千円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融期間からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,490,645千円となっております。セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去実績や現在の状況を勘案してその時点で最も合理的と考えられる判断で見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。