有価証券報告書-第36期(2023/04/01-2024/03/31)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態および経営成績の状況
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行及びインバウンド需要の回復等により、鉄道利用者が回復基調で推移したものの、経済情勢は物価の高騰など、引き続き先行きが不透明な状況となりました。このような中、当社の事業については、定期外旅客を中心に輸送人員は回復基調で推移したため、経営環境の改善も見られました。 1) 経営成績
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され輸送人員が安定して参りました。定期旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準に比べると減少した状況が続いておりますが、定期外旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準を回復しております。定期が前期比3.3%増の3,272万3千人(1日当たり8万9千406人)、定期外が前期比18.8%増の4,380万1千人(同11万9千674人)となりました。合計で前期比11.6%増の7,652万3千人(同20万9千80人)となりました。
これにより、運輸収入は、鉄道駅バリアフリー料金制度導入の効果等もあり、定期が10.2%増、定期外が24.2%増となり、合計で前期比18億8千1百万円 (19.6%)増加しました。また、運輸雑収は、2千7百万円(2.2%)増加しました。営業収益全体としては、18億9千7百万円(17.2%)増加し、129億1千8百万円となりました。一方、営業費は、修繕費の増加等により前期比4億5千4百万円(4.3%)増加し、109億4千6百万円となりました。この結果、営業利益は前期比14億4千3百万円(273.3%)増加し、19億7千1百万円となりました。また、経常損益は、支払利息などの営業外費用が減少し、11億2百万円の経常利益となりました(前年同期は3億7千万円の経常損失)。特別利益は、こどもの国線の運営に係る補助金2億8千1百万円を計上しており、特別損失は固定資産圧縮損2億4千3百万円、法人税、住民税及び事業税として1億6千7百万円、法人税等調整額1億3千5百万円を計上した結果、当期純損益は、11億7百万円の当期純利益となりました(前年同期は3億3千1百万円の当期純損失)。
みなとみらい21線事業、こどもの国線事業、駅施設貸付、運輸雑収の収入
2) 財政状態の状況
当事業年度末における財政状態につきましては、資産1,993億9千8百万円(前事業年度末比25億3千4百万円減)、負債1,635億3千4百万円(同36億4千2百万円減)、純資産358億6千4百万円(同11億7百万円増)となりました。
資産減少の主な要因は、固定資産の減価償却の進捗です。なお、旅客用トイレ工事(1億8千2百万円)等の更新投資も行っております。負債減少の主な要因は、鉄道施設購入長期未払金及び長期借入金の約定償還です。純資産は、当期純利益11億7百万円を計上したため同額増加し、自己資本比率は18.0%と前事業年度比0.8ポイント増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度に比べて2億6千6百万円(2.7%)増加し、100億7千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前当期純利益に、減価償却費、車両修繕引当金繰入額といった非資金項目の加算等を行った結果、前事業年度比21億9百万円(40.1%)増加し、73億6千9百万円の余剰となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
補助金収入が2億6千7百万円ありましたが、更新投資やソフトウェアの改良等固定資産取得のための支出が30億4千3百万円、長期預り金の返還による支出が1億6百万円ありましたので、30億7千万円の支出超過となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金や鉄道施設購入長期未払金の返済として159億4百万円の支出を行う一方、長期借入金による調達60億2千6百万円、社債の発行による調達59億5千8百万円の収入がありましたので、財務活動では40億3千2百万円の支出超過となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社の事業内容は、そのほとんどが生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注および販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要」の「①財政状態および経営成績の状況」「1)経営成績」において、みなとみらい21線事業、こどもの国線事業、駅施設貸付、運輸雑収の収入として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容等
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。
「繰延税金資産の回収可能性」を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しております。
また、「車両修繕引当金」は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年12月25日 国土交通省令 第151号)第90条の定めによる車両の重要部検査及び全般検査の費用に備えるためのもので、当社では車両の走行距離を基準に、当事業年度末までに発生していると見込まれる額を引当計上しています。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症や電力料金の高騰の影響の考え方については、「第5 経理の状況」「2 財務諸表等」「注記事項」「重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
1) 経営成績等
2021年から4年間の中期経営計画(第4期)をスタートしました。ポストコロナ時代を見据えて持続的な経営を行うため、2024年度までの4か年を将来の進化・成長に備えた基盤構築を推進する期間と位置付けし、経営目標となる「経営の健全化」と「お客様視点のサービスの提供」に向け、運営構造の改革に取り組んでいます。
当事業年度は新型コロナウイルス感染症の第5類移行等もあり、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され輸送人員が安定して参りました。定期旅客は輸送人員が減少した状況が続いておりますが、定期外旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準まで回復しており、輸送人員は、7,652万人で中期経営計画の計数を達成しました。
(年間輸送人員の実績及び指標) (万人)
2) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
安全・安定輸送に努めるとともに、アフターコロナ時代の持続的な経営の実現に向け、コスト削減を継続しつつ沿線の施設や企業等と連携した積極的な集客等による収入拡大に取り組み、安定した経営基盤を創り、企業価値の向上を図って参ります。
また、ポテンシャルをもった横浜都心臨海部の活力を最大限に引き出すとともに、お客様視点に立ったサービスを提供して、沿線地域に集う人々の豊かな生活に貢献して参ります。
中期経営計画では、具体的な指標として営業収益と経常損益を掲げております。当事業年度の営業収益は、輸送人員の回復や鉄道駅バリアフリー料金制度導入の効果等もあり129億1千万円となりました。経常損益は11億円の経常利益となり、いずれも中期経営計画の計数を達成しました。
(営業収益・経常損益及び指標) (億円)
3) 資本の財源及び資金の流動性
当社は、収入の大部分を鉄道事業が占めており、その業務の性質から営業活動によるキャッシュ・フローは安定的に推移しており、輸送人員の回復に伴いプラスが増加しております。一方、みなとみらい21線の建設にあたっては多額の資金を要し、有利子負債金額も多いことから、借入金返済の一部を借換えています。
その必要な資金は、銀行等からの借入および社債の発行等により資金調達を行っています。当事業年度は、当社初となるグリーンボンド・グリーンローンでの調達も行いました。有利子負債の残高は、前事業年度末より43億3千1百万円減少し、1,153億2千万円となっております。
資金調達については、資金の安定性を確保するために、長期の調達を主としております。金利変動リスクを考慮し、固定金利と変動金利の割合にも配慮しています。
年間における資金調達額が多額になることから、社債の発行等により資金調達手段を多様化するとともに、借入先については、銀行のほか生命保険会社等も加え、資金の流動性、安定性にも留意しています。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態および経営成績の状況
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行及びインバウンド需要の回復等により、鉄道利用者が回復基調で推移したものの、経済情勢は物価の高騰など、引き続き先行きが不透明な状況となりました。このような中、当社の事業については、定期外旅客を中心に輸送人員は回復基調で推移したため、経営環境の改善も見られました。 1) 経営成績
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され輸送人員が安定して参りました。定期旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準に比べると減少した状況が続いておりますが、定期外旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準を回復しております。定期が前期比3.3%増の3,272万3千人(1日当たり8万9千406人)、定期外が前期比18.8%増の4,380万1千人(同11万9千674人)となりました。合計で前期比11.6%増の7,652万3千人(同20万9千80人)となりました。
これにより、運輸収入は、鉄道駅バリアフリー料金制度導入の効果等もあり、定期が10.2%増、定期外が24.2%増となり、合計で前期比18億8千1百万円 (19.6%)増加しました。また、運輸雑収は、2千7百万円(2.2%)増加しました。営業収益全体としては、18億9千7百万円(17.2%)増加し、129億1千8百万円となりました。一方、営業費は、修繕費の増加等により前期比4億5千4百万円(4.3%)増加し、109億4千6百万円となりました。この結果、営業利益は前期比14億4千3百万円(273.3%)増加し、19億7千1百万円となりました。また、経常損益は、支払利息などの営業外費用が減少し、11億2百万円の経常利益となりました(前年同期は3億7千万円の経常損失)。特別利益は、こどもの国線の運営に係る補助金2億8千1百万円を計上しており、特別損失は固定資産圧縮損2億4千3百万円、法人税、住民税及び事業税として1億6千7百万円、法人税等調整額1億3千5百万円を計上した結果、当期純損益は、11億7百万円の当期純利益となりました(前年同期は3億3千1百万円の当期純損失)。
みなとみらい21線事業、こどもの国線事業、駅施設貸付、運輸雑収の収入
| 単位 | 第35期 | 第36期 | |||
| (1)みなとみらい21線事業 | |||||
| 営業距離 | km | 4.1 | 4.1 | ||
| 客車走行キロ | 千km | 7,590 | 7,633 | ||
| 旅客乗車人員 | 千人 | 68,552 | 76,523 | ||
| 定期 | 千人 | 31,672 | 32,723 | ||
| 定期外 | 千人 | 36,880 | 43,801 | ||
| 旅客運輸収入 | 千円 | 9,580,731 | 11,461,943 | ||
| 定期 | 千円 | 3,118,182 | 3,437,364 | ||
| 定期外 | 千円 | 6,462,549 | 8,024,579 | ||
| (2)こどもの国線事業 | |||||
| 鉄道線路使用料収入 | 千円 | 44,212 | 47,055 | ||
| (3)駅施設貸付 | |||||
| 駅施設貸付収入 | 千円 | 172,071 | 158,574 | ||
| (4)運輸雑収 | 千円 | 1,223,480 | 1,250,537 | ||
| 構内営業 | 千円 | 344,281 | 413,961 | ||
| 構内広告 | 千円 | 211,877 | 220,754 | ||
| 車両使用料 | 千円 | 590,837 | 512,779 | ||
| その他 | 千円 | 76,483 | 103,042 | ||
2) 財政状態の状況
当事業年度末における財政状態につきましては、資産1,993億9千8百万円(前事業年度末比25億3千4百万円減)、負債1,635億3千4百万円(同36億4千2百万円減)、純資産358億6千4百万円(同11億7百万円増)となりました。
資産減少の主な要因は、固定資産の減価償却の進捗です。なお、旅客用トイレ工事(1億8千2百万円)等の更新投資も行っております。負債減少の主な要因は、鉄道施設購入長期未払金及び長期借入金の約定償還です。純資産は、当期純利益11億7百万円を計上したため同額増加し、自己資本比率は18.0%と前事業年度比0.8ポイント増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度に比べて2億6千6百万円(2.7%)増加し、100億7千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前当期純利益に、減価償却費、車両修繕引当金繰入額といった非資金項目の加算等を行った結果、前事業年度比21億9百万円(40.1%)増加し、73億6千9百万円の余剰となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
補助金収入が2億6千7百万円ありましたが、更新投資やソフトウェアの改良等固定資産取得のための支出が30億4千3百万円、長期預り金の返還による支出が1億6百万円ありましたので、30億7千万円の支出超過となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金や鉄道施設購入長期未払金の返済として159億4百万円の支出を行う一方、長期借入金による調達60億2千6百万円、社債の発行による調達59億5千8百万円の収入がありましたので、財務活動では40億3千2百万円の支出超過となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社の事業内容は、そのほとんどが生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注および販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要」の「①財政状態および経営成績の状況」「1)経営成績」において、みなとみらい21線事業、こどもの国線事業、駅施設貸付、運輸雑収の収入として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容等
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。
「繰延税金資産の回収可能性」を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しております。
また、「車両修繕引当金」は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年12月25日 国土交通省令 第151号)第90条の定めによる車両の重要部検査及び全般検査の費用に備えるためのもので、当社では車両の走行距離を基準に、当事業年度末までに発生していると見込まれる額を引当計上しています。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症や電力料金の高騰の影響の考え方については、「第5 経理の状況」「2 財務諸表等」「注記事項」「重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
1) 経営成績等
2021年から4年間の中期経営計画(第4期)をスタートしました。ポストコロナ時代を見据えて持続的な経営を行うため、2024年度までの4か年を将来の進化・成長に備えた基盤構築を推進する期間と位置付けし、経営目標となる「経営の健全化」と「お客様視点のサービスの提供」に向け、運営構造の改革に取り組んでいます。
当事業年度は新型コロナウイルス感染症の第5類移行等もあり、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され輸送人員が安定して参りました。定期旅客は輸送人員が減少した状況が続いておりますが、定期外旅客の輸送人員はコロナ禍前の水準まで回復しており、輸送人員は、7,652万人で中期経営計画の計数を達成しました。
(年間輸送人員の実績及び指標) (万人)
| 2019年度 実績値 | 2020年度 実績値 | 2021年度 実績値 | 2022年度 実績値 | 2023年度 実績値 | 中期経営計画 2023年度 指標 | |
| 年間輸送人員 | 8,061 | 5,205 | 5,705 | 6,855 | 7,652 | 7,450 |
2) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
安全・安定輸送に努めるとともに、アフターコロナ時代の持続的な経営の実現に向け、コスト削減を継続しつつ沿線の施設や企業等と連携した積極的な集客等による収入拡大に取り組み、安定した経営基盤を創り、企業価値の向上を図って参ります。
また、ポテンシャルをもった横浜都心臨海部の活力を最大限に引き出すとともに、お客様視点に立ったサービスを提供して、沿線地域に集う人々の豊かな生活に貢献して参ります。
中期経営計画では、具体的な指標として営業収益と経常損益を掲げております。当事業年度の営業収益は、輸送人員の回復や鉄道駅バリアフリー料金制度導入の効果等もあり129億1千万円となりました。経常損益は11億円の経常利益となり、いずれも中期経営計画の計数を達成しました。
(営業収益・経常損益及び指標) (億円)
| 2019年度 実績値 | 2020年度 実績値 | 2021年度 実績値 | 2022年度 実績値 | 2023年度 実績値 | 中期経営計画 2023年度 指標 | |
| 営業収益 | 124.7 | 79.8 | 91.5 | 110.2 | 129.1 | 117.0 |
| 経常損益 | 7.7 | △35.0 | △21.5 | △3.7 | 11.0 | 2.0 |
3) 資本の財源及び資金の流動性
当社は、収入の大部分を鉄道事業が占めており、その業務の性質から営業活動によるキャッシュ・フローは安定的に推移しており、輸送人員の回復に伴いプラスが増加しております。一方、みなとみらい21線の建設にあたっては多額の資金を要し、有利子負債金額も多いことから、借入金返済の一部を借換えています。
その必要な資金は、銀行等からの借入および社債の発行等により資金調達を行っています。当事業年度は、当社初となるグリーンボンド・グリーンローンでの調達も行いました。有利子負債の残高は、前事業年度末より43億3千1百万円減少し、1,153億2千万円となっております。
資金調達については、資金の安定性を確保するために、長期の調達を主としております。金利変動リスクを考慮し、固定金利と変動金利の割合にも配慮しています。
年間における資金調達額が多額になることから、社債の発行等により資金調達手段を多様化するとともに、借入先については、銀行のほか生命保険会社等も加え、資金の流動性、安定性にも留意しています。