有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善により、個人消費や設備投資が増加傾向で推移し、内需を中心に緩やかな回復が続きました。一方で、消費税率引き上げ後の消費動向や米中通商問題の世界経済への影響など、依然として不透明な状況で推移しました。
観光業界におきましては、自然災害の発生や外交問題等のマイナス要因はあったものの、国の観光立国推進事業の取り組みに加え、ラグビーワールドカップ日本大会開催があり、訪日客が過去最高の3,188万人に達しました。このような中、当期のアルペンルートは、前年同様4月10日に富山側の立山~弥陀ヶ原間の営業を再開し、全線開通初日の4月15日は荒天により昨年に引き続き、通り抜けができませんでしたが、翌日には立山~信濃大町間が全線で営業再開となり、11月30日まで営業いたしました。その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,338,537千円減少し、11,241,708千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ61,070千円増加し、5,329,972千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,399,608千円減少し、5,911,735千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益が6,606,149千円と前連結会計年度に比べ668,407千円の減収、営業損失が282,009千円、経常損失が265,944千円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,356,697千円となりました。セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(運輸事業)
営業の推移を概観いたしますと、国内客につきましては、春先の令和改元に伴う大型連休となったゴールデンウィークが好天に恵まれ、団体個人客ともに前年を上回りましたが、訪日客は同期間の宿泊・航空運賃上昇などが影響し、前年を下回りました。その後、昨年より3週間も遅い梅雨明けや、お盆の台風上陸によって夏期の旅客が減少しました。紅葉期につきましても、大型台風19号によって、首都圏からの大動脈である北陸新幹線が約2週間に亘り一部区間が不通になったこと等が影響し、入込客数を大きく落とすこととなりました。
この結果、当期の入り込み人員は、合計883千人(対前年90%、98千人減)となり、また、入り込み方面別では、富山入り込みが425千人(対前年93%)、大町入り込みが458千人(対前年88%)となりました。
旅客の内訳では、国内旅客については、前年の関電トンネルトロリーバスのラストイヤーを謳った各種施策による客数増加の反動により、大町入り込み客数が大きく前期を下回りました。この結果、国内旅客全体の入り込み人員が643千人(対前年90%、72千人減)となりました。
一方、訪日旅客においては、香港、タイ、中国が順調に伸びましたが、近年復活してきた韓国が前年6割と大きく落ち込み、訪日旅客全体では、240千人(対前年90%、26千人減)となりました。この結果、営業収益は3,603,853千円(前連結会計年度比7.2%減)、営業利益は73,477千円(前連結会計年度比66.1%減)となりました。
(提出会社の運輸成績表)
鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー)
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 0.8 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.0 |
| 客車走行粁 | 粁 | 15,509 | △4.7 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 688,997 | △10.3 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 434,270 | △9.4 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,040 | △32.8 |
| 収入合計 | 千円 | 435,311 | △9.5 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 2,365 | △9.5 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 67 | △5.6 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 2,996 | △10.3 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 1,892 | △9.5 |
| 乗車効率 | % | 27 | △5.9 |
| (注) | 1. | H31.4.1~H31.4.14・R1.12.1~R2.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー)
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 1.3 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 235 | 8.8 |
| 客車走行粁 | 粁 | 27,979 | 1.6 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 732,091 | △4.8 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 414,681 | △3.4 |
| 運輸雑収 | 千円 | 3,378 | △20.0 |
| 収入合計 | 千円 | 418,060 | △3.6 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,368 | △11.4 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 119 | △7.0 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 3,115 | △12.5 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 1,778 | △11.4 |
| 乗車効率 | % | 28 | △6.3 |
| (注) | 1. | H31.4.1~H31.4.9・R1.12.1~R2.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
普通索道事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 1.7 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.0 |
| 客車走行粁 | 粁 | 40,943 | △4.3 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 680,917 | △9.8 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 645,500 | △8.8 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,505 | △33.8 |
| 収入合計 | 千円 | 647,006 | △8.9 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,654 | △8.9 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 178 | △4.3 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 2,961 | △9.8 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 2,813 | △8.9 |
| 乗車効率 | % | 35 | △5.7 |
| (注) | 1. | H31.4.1~H31.4.14・R1.12.1~R2.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
無軌条電車事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 3.7 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.0 |
| 客車走行粁 | 粁 | 91,656 | △6.1 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 665,043 | △9.2 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 1,048,890 | △8.4 |
| 運輸雑収 | 千円 | 2,707 | △33.1 |
| 収入合計 | 千円 | 1,051,597 | △8.4 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,235 | △8.4 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 399 | △6.1 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 2,891 | △9.2 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 4,572 | △8.4 |
| 乗車効率 | % | 37 | △3.4 |
| (注) | 1. | H31.4.1~H31.4.14・R1.12.1~R2.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
自動車事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 85.6 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 328 | 0.0 |
| 延人粁 | 人粁 | 17,148,789 | △8.1 |
| 車両走行粁 | 粁 | 671,875 | △4.7 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 806,046 | △1.4 |
| 旅客運送収入 | 千円 | 999,728 | △5.4 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,912 | △32.9 |
| 収入合計 | 千円 | 1,001,641 | △5.5 |
| 1日営業1粁あたり運送収入 | 千円 | 35 | △5.5 |
| 1日平均車両走行粁 | 粁 | 2,048 | △4.7 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 2,457 | △1.5 |
| 1日平均運送収入 | 千円 | 3,053 | △5.5 |
| 乗車効率 | % | 46 | △3.5 |
| (注) | 1. | 弥陀ヶ原線 H31.4.1~H31.4.9・R1.12.1~R2.3.31 積雪のため営業休止 極楽坂線 H31.4.1~R1.12.13・R2.3.16~R2.3.31 営業休止 称名滝線 H31.4.1~H31.4.14・R1.11.11~R2.3.31 営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | 延人粁 | ×100 | |
| 車両走行粁×1両平均定員 | ||||
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー) | 435,311 | △9.5 |
| 鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー) | 418,060 | △3.6 |
| 普通索道事業 | 647,006 | △8.9 |
| 無軌条電車事業 | 1,051,597 | △8.4 |
| 自動車事業 | 1,001,641 | △5.5 |
| 貨物自動車事業 | 50,237 | 4.9 |
| 合計 | 3,603,853 | △7.2 |
(ホテル事業)
立山黒部アルペンルートの営業再開に合わせ、4月10日に弥陀ヶ原ホテルが、そして4月15日にホテル立山が営業を再開し、弥陀ヶ原ホテルは11月4日まで、ホテル立山は11月30日まで営業いたしました。
営業の推移を概観いたしますと、ホテル立山につきましては、春期はゴールデンウィークの10連休や雪の大谷効果により、宿泊・昼食・売店の各部門において好調に推移しましたが、その後、運輸同様の天候理由により夏期、紅葉期と前年を下回る結果となりました。
その結果、ホテル立山の宿泊人員は30,866人(対前年92%)となり、宿泊収入は対前年94%、食堂収入は対前年91%、売店収入は対前年96%、収入合計では対前年94%となりました。
弥陀ヶ原ホテルにつきましては、シーズンを通してホテルリニューアル25周年等アニバーサリー企画を中心に、販売促進に努めました。しかし、ホテル立山同様に夏以降は旅客が減少し、客種別では一般個人客は前年並の人員をほぼ確保できましたが、企画個人客および企画団体は前年の実績を上回ることができませんでした。
その結果、宿泊人員は16,587(対前年89%)となり、宿泊収入は対前年92%、食堂収入は対前年97%、売店収入は対前年84%、収入合計では対前年92%となりました。
宇奈月国際ホテルにつきましては、地元客をターゲットにした営業強化を図りながら顧客満足度の向上に努めてまいりましたが、平成31年3月1日に最寄りの他社大型施設がリニューアルオープンした影響もあり、前年と比べシーズンを通して低調な動きとなりました。その結果、宿泊人員は16,005人(対前年64%)となり、宿泊収入は対前年66%、売店等を加えた収入合計では、対前年66%となりました。
この結果、営業収益は2,449,248千円(前連結会計年度比10.7%減)、営業損失は400,315千円(前連結会計年度は244,969千円の営業損失)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 宇奈月国際ホテル | 288,328 | △33.6 |
| ホテル立山 | 1,757,233 | △6.1 |
| 弥陀ヶ原ホテル | 403,686 | △7.9 |
| 合計 | 2,449,248 | △10.7 |
(構内販売事業)
営業収益は532,913千円(前連結会計年度比12.4%減)、営業利益は5,913千円(同87.7%減)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 売店 | 396,775 | △11.1 |
| レストラン | 126,751 | △16.4 |
| その他 | 9,385 | △7.3 |
| 合計 | 532,913 | △12.4 |
(その他事業)
営業収益は219,333千円(前連結会計年度比10.4%減)、営業利益は23,541千円(同17.3%増)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (H31.4.1~R2.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 商品販売 | 121,116 | △18.6 |
| 建物等賃貸 | 28,368 | 5.6 |
| 業務受託 | 74,700 | 0.9 |
| 消去 | 4,851 | △3.0 |
| 合計 | 219,333 | △10.4 |
②生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産及び受注は行っておりません。
販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに営業成績に関連付けて示しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ57,578千円増加し、当連結会計年度末には2,012,154千円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、538,775千円(前連結会計年度比34.0%減)であります。これは、主に税金等調整前当期純損失(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益)を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、612,151千円(前連結会計年度比17.1%減)であります。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得が減少(同16.4%減)したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、130,955千円(前連結会計年度は201,155千円の使用)であります。これは主に、長期借入金の純増額107,930千円(前連結会計年度は198,110千円の純減額)によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、立山黒部アルペンルートへの入り込み客数が883千人(対前年比10%減)と前年を下回り、営業収益は6,606,149千円(前連結会計年度比9.2%減)となりましたが、人件費および広告宣伝費、賃借料等の物件経費も減少したことで、運送営業費及び売上原価4,058,962千円(同6.1%減)、販売費及び一般管理費2,829,196千円(同2.3%減)となり、営業損失は282,009千円(前連結会計年度は54,249千円の営業利益)となりました。これに、営業外収益52,855千円(同5.8%減)と営業外費用36,790千円(同0.2%減)を加減した経常損失は265
,944千円(前連結会計年度は73,526千円の経常利益)となりました。さらに特別利益10,992千円、特別損失1,279,382千円を加減した税金等調整前当期純損失は1,534,335千円(同42,833千円の税金等調整前当期純利益)となり、法人税等合計△150,356千円を計上した結果、非支配株主に帰属する当期純損失27,281千円を差し引いた親会社株主に帰属する当期純損失は1,356,697千円(同58,326千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
2)財政状態
資産については、有形固定資産の土地が減損等により1,166,409千円減少したことなどにより、総資産は11,241,708千円となり、前年同期に比べ1,338,537千円減少しました。
負債については、長期借入金が83,730千円増加したことなどにより、負債総額は5,329,972千円となり、前年同期に比べ61,070千円増加しました。
また、親会社株主に帰属する当期純損失1,356,697千円などにより、純資産は5,911,735千円となり、前年同期に比べ1,399,608千円減少しました。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載してあります。
2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは立山有料道路の除雪費・通行料、運輸・ホテル施設の修繕費、駅売店の商品・ホテルの食材の仕入費などがあります。また設備資金需要としては運輸、ホテル設備の有形固定資産投資、運輸システムなどの無形固定資産投資などがあります。
b.財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により、資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載してあります。