有価証券報告書-第54期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善傾向を背景に、緩やかな回復基調で推移しましたが、その一方で、米国新政権の政策や北朝鮮問題等の地政学的リスク、さらには国際金融市場の変動等、依然として先行き不透明な状態が続きました。
観光業界におきましては、訪日旅行では、航空路線の拡充やクルーズ船寄港数の増加等が寄与し、特に韓国人旅客が大幅に増える等、平成29年の訪日旅客総数が過去最高の2,869万人に達した一方、国内旅行も堅調に推移いたしました。このような中、当期のアルペンルートは、4月10日に立山~弥陀ヶ原間の営業を再開し、立山~信濃大町間の全線では、これまでで最も早い4月15日に営業再開となり、11月30日まで営業いたしました。その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ95,596千円増加し、12,840,338千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ304,770千円増加し、5,546,957千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ209,173千円減少し、7,293,380千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益が7,001,009千円と前連結会計年度に比べ82,999千円の増収、営業利益41,586千円、経常利益が65,166千円、親会社株主に帰属する当期純利益は27,371千円となりました。セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(運輸事業)
営業の推移を概観いたしますと、「雪の大谷」の高さが20mに迫るという話題性もあり、4月の入り込み客数が過去最高の121千人を記録し、5・6月も前年度を上回る好調な滑り出しとなりましたが、7・8月は、梅雨明けの遅れや度重なる台風と長雨の影響から前年度割れとなりました。さらに、前年度の落ち込みからの挽回を期待した紅葉期におきましても、前年度並みの入り込み客数に留まりました。
この結果、当期の入り込み人員は、合計929千人(対前年101%、7千人増)となり、また、入り込み方面別では、富山入り込みが463千人(対前年97%)、大町入り込みが466千人(対前年104%)となりました。
旅客の内訳では、国内旅客が、個人化傾向に対応するため、新たにインターネット限定の平日割WEBきっぷの販売を始める等、販売促進に努めましたが、7月以降の天候不順により、特に首都圏からの個人客が伸び悩む等、総じて低調に推移した結果、国内旅客全体の入り込み人員が666千人(対前年98%、14千人減)となりました。
一方、訪日旅客は、JRの訪日外国人客向け企画切符「立山黒部オプションチケット」等の利用増加により個人客が順調に伸び、団体客も韓国が大幅な伸びとなる等、好調に推移し、訪日旅客全体では、過去最高の263千人(対前年109%、21千人増)となりました。この結果、営業収益は3,755,681千円(前連結会計年度比1.3%増)、営業利益は162,563千円(前連結会計年度比39.4%減)となりました。
(提出会社の運輸成績表)
鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー)
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 0.8 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.4 |
| 客車走行粁 | 粁 | 16,142 | 0.1 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 723,837 | 2.8 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 453,664 | 1.8 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,033 | 446.9 |
| 収入合計 | 千円 | 454,697 | 2.0 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 2,471 | 1.5 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 70 | 0.0 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 3,147 | 2.3 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 1,976 | 1.5 |
| 乗車効率 | % | 28 | 2.6 |
| (注) | 1. | 29.4.1~29.4.14・29.12.1~30.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー)
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 1.3 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 235 | 0.0 |
| 客車走行粁 | 粁 | 28,972 | △1.3 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 778,763 | 0.0 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 437,434 | 0.4 |
| 運輸雑収 | 千円 | 3,941 | 9.6 |
| 収入合計 | 千円 | 441,376 | 0.5 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,444 | 0.5 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 123 | △1.6 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 3,314 | 0.0 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 1,878 | 0.5 |
| 乗車効率 | % | 29 | 1.2 |
| (注) | 1. | 29.4.1~29.4.9 積雪のため営業休止 29.12.1~30.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
普通索道事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 1.7 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.4 |
| 客車走行粁 | 粁 | 42,799 | 4.5 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 713,300 | 2.8 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 672,246 | 1.9 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,510 | 519.0 |
| 収入合計 | 千円 | 673,757 | 2.1 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,723 | 1.6 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 186 | 4.1 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 3,101 | 2.4 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 2,929 | 1.6 |
| 乗車効率 | % | 35 | △1.6 |
| (注) | 1. | 29.4.1~29.4.14・29.12.1~30.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
無軌条電車事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 3.7 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 230 | 0.4 |
| 客車走行粁 | 粁 | 95,364 | 3.6 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 695,411 | 2.6 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 1,090,731 | 1.8 |
| 運輸雑収 | 千円 | 2,764 | 322.6 |
| 収入合計 | 千円 | 1,093,495 | 1.9 |
| 1日営業1粁あたり運輸収入 | 千円 | 1,284 | 1.5 |
| 1日平均客車走行粁 | 粁 | 415 | 3.2 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 3,024 | 2.1 |
| 1日平均運輸収入 | 千円 | 4,754 | 1.5 |
| 乗車効率 | % | 37 | △1.0 |
| (注) | 1. | 29.4.1~29.4.14・29.12.1~30.3.31 積雪のため営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | (営業粁×旅客輸送人員) | ×100 | |
| (客車走行粁×平均定員) | ||||
自動車事業
| 項目 | 単位 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | 対前年増減率(%) |
| 営業粁 | 粁 | 85.6 | 0.0 |
| 営業日数 | 日 | 331 | 0.6 |
| 延人粁 | 人粁 | 18,314,058 | △4.6 |
| 車両走行粁 | 粁 | 664,559 | 0.0 |
| 旅客輸送人員 | 人 | 806,046 | 0.0 |
| 旅客運送収入 | 千円 | 1,041,789 | 0.1 |
| 運輸雑収 | 千円 | 1,912 | 468.7 |
| 収入合計 | 千円 | 1,043,701 | 0.2 |
| 1日営業1粁あたり運送収入 | 千円 | 36 | △0.4 |
| 1日平均車両走行粁 | 粁 | 2,008 | △0.6 |
| 1日平均旅客輸送人員 | 人 | 2,435 | △0.6 |
| 1日平均運送収入 | 千円 | 3,153 | △0.4 |
| 乗車効率 | % | 50 | △4.5 |
| (注) | 1. | 弥陀ヶ原線 29.4.1~29.4.9・29.12.1~30.3.31 積雪のため営業休止 極楽坂線 29.4.1~29.12.15・30.3.22~30.3.31 営業休止 称名滝線 29.4.1~29.4.14・29.11.11~30.3.31 営業休止 | ||
| 2. | 乗車効率の算出方法 | 延人粁 | ×100 | |
| 車両走行粁×1両平均定員 | ||||
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 鋼索鉄道事業(黒部ケーブルカー) | 454,697 | 2.0 |
| 鋼索鉄道事業(立山ケーブルカー) | 441,376 | 0.5 |
| 普通索道事業 | 673,757 | 2.1 |
| 無軌条電車事業 | 1,093,495 | 1.9 |
| 自動車事業 | 1,043,701 | 0.2 |
| 貨物自動車事業 | 48,653 | △0.3 |
| 合計 | 3,755,681 | 1.3 |
(ホテル事業)
立山黒部アルペンルートの営業再開に合わせ、4月10日に弥陀ヶ原ホテルが、そして4月15日にホテル立山が営業を再開し、弥陀ヶ原ホテルは11月5日まで、ホテル立山は11月30日まで営業いたしました。
営業の推移を概観いたしますと、ホテル立山の宿泊収入に関しては、宿泊単価を見直したことにより収入を確保し、食堂、売店においても訪日外国人を中心に利用が増加したため、前年を上回りました。また、弥陀ヶ原ホテルは、台風、長雨等の天候不順の影響で苦戦しました。
その結果、ホテル立山は、宿泊人員が34,197人(対前年98%)となり、宿泊収入は対前年103%、食堂収入は対前年103%、売店収入は対前年108%、収入合計では対前年104%となりました。
また、弥陀ヶ原ホテルは、宿泊人員が16,941人(対前年91%)となり、宿泊収入は対前年98%、食堂収入は対前年99%、売店収入は対前年88%、収入合計では対前年97%となりました。
宇奈月国際ホテルにつきましては、冬期シーズンは前年を上回ったものの、他のシーズンが苦戦したため低調な動きとなりました。
これにより、宿泊人員は21,361人(対前年91%)となり、宿泊収入は対前年93%、売店等を加えた収入合計では、対前年91%となりました。
この結果、営業収益は2,602,916千円(前連結会計年度比1.1%増)、営業損失は218,776千円(前連結会計年度は205,836千円の営業損失)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 宇奈月国際ホテル | 375,266 | △9.2 |
| ホテル立山 | 1,833,850 | 4.4 |
| 弥陀ヶ原ホテル | 393,799 | △2.7 |
| 合計 | 2,602,916 | 1.1 |
(構内販売事業)
営業収益は618,647千円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益は57,527千円(同8.0%増)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 売店 | 468,293 | 0.2 |
| レストラン | 139,317 | 4.1 |
| その他 | 11,036 | 3.1 |
| 合計 | 618,647 | 1.1 |
(その他事業)
営業収益は233,131千円(前連結会計年度比0.5%減)、営業利益は22,442千円(同15.0%減)となりました。
(業種別営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (29.4.1~30.3.31) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 商品販売 | 136,967 | △0.7 |
| 建物等賃貸 | 26,743 | 0.3 |
| 業務受託 | 74,365 | △0.4 |
| 消去 | 4,946 | △0.1 |
| 合計 | 233,131 | △0.5 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ217,669千円増加し、当連結会計年度末には2,078,315千円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、914,177千円(前連結会計年度比38.0%増)であります。これは、主に減価償却費756,420千円(前連結会計年度比12.3%増)を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、664,322千円(前連結会計年度比51.9%減)であります。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得669,448千円(同51.1%減)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、32,185千円(前連結会計年度は441,253千円の資金獲得)であります。これは主に、配当金支払額112,165千円(前年同額)によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産及び受注は行っておりません。
販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに営業成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載してあります。
②当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
a.経営成績等
1)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、立山黒部アルペンルートへの入り込み客数が929千人(対前年比1%増)と前年を上回り、営業収益は7,001,009千円(前連結会計年度比1.2%増)となりましたが、人件費、除雪費、減価償却費等が増加したことで、運送営業費及び売上原価4,205,226千円(同4.0%増)、販売費及び一般管理費2,754,196千円(同1.5%増)となり、営業利益は41,586千円(同74.1%減)となりました。これに、営業外収益61,604千円(同3.3%増)と営業外費用38,024千円(同13.1%増)を加減した経常利益は65,166千円(同65.1%減)となりました。さらに特別利益4,539千円、特別損失20,400千円を加減した税金等調整前当期純利益は49,305千円(同73.8%減)となり、法人税等合計21,151千円(同61.4%減)を計上した結果、非支配株主に帰属する利益782千円を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は27,371千円(同78.5%減)となりました。
2)財政状態
資産については現金及び預金が前連結会計年度に比べ217,669千円増加した一方で、投資有価証券が時価評価が下がったことで179,788千円減少しました。結果、総資産は12,840,338千円となり、前年同期に比べ95,596千円増加しました。
負債については支払手形及び買掛金が68,280千円、長期借入金が83,010千円増加したことなどにより、負債総額は5,546,957千円となり、前年同期に比べ304,770千円増加しました。
また、剰余金の配当112,165千円、親会社株主に帰属する当期純利益27,371千円などにより、純資産は7,293,380千円となり、前年同期に比べ209,173千円減少しました。
3)キャッシュフローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載してあります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは立山有料道路の除雪費・通行料、運輸・ホテル施設の修繕費、駅売店の商品・ホテルの食材の仕入費などがあります。また設備資金需要としては運輸、ホテル設備の有形固定資産投資、運輸システムなどの無形固定資産投資などがあります。
2)財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により、資金調達を行っております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
平成29年度は黒字決算を確保することができましたが、大幅な減益となりました。目標とするアルペンルート入り込み数100万人についても達成することができませんでした。継続的な配当を可能にするためにも、1年でも早く100万人観光地に復活するよう、策定した中期経営計画を着実に進めてまいります。