有価証券報告書-第105期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円の増加となりました。負債については、3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円の減少となりました。また、純資産については、4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円の増加となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外における地政学的リスクが継続するなか、国内においてはインバウンド需要の拡大や企業による設備投資の増加により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の長期化や人件費の増加により個人消費は力強さを欠き、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、国内貨物輸送量が前年を下回るなか、ドライバー不足や労働時間規制への対応に加え、エネルギー価格の高止まりなど、企業活動を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続きました。
このような環境におきまして、当社グループは、成長と適切な資本政策によるPBR1倍超の早期実現及びROE8.0%以上を目指し、3年目となる「中長期の経営の方向性~ありたい姿とロードマップ2028~」のもと、事業基盤である特積み事業の優位性を維持しながら、重点施策として掲げるロジスティクス事業及び貸切事業を成長エンジンと位置づけ、高利益体質への転換を図るため、成長性、収益性、資本効率のバランスを重視した施策を推進してまいりました。
また、前連結会計年度に連結子会社化したMDロジス株式会社との連携を一層強化し、同社が有する高度な物流ノウハウと、当社グループの輸送ネットワーク及びシステム群との融合を図ることにより、国内外における物流サービスの高付加価値化を推進してまいりました。この連結効果は、輸送事業の収益に通期で寄与しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円(前連結会計年度比10.3%増)、営業利益は376億5百万円(前連結会計年度比25.8%増)、経常利益は372億64百万円(前連結会計年度比32.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
(輸送事業)
当事業におきましては、主力である特積み事業において、全国展開する路線ネットワークを活かし、各重量・距離帯での適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努め、各種施策を推進してまいりました。また、ドライバーの時間外労働が上限規制される「2024年問題」への継続的な対応として、O.P.P.(※)の取り組みを通じ、企業の垣根を越えた輸送の共同化や非効率エリアの補完を図ることで、輸送ネットワーク全体の最適化を推進してまいりました。
一方、物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みを背景に、取扱貨物量は前年実績を若干下回る水準にとどまりました。また、ドライバー不足や労働時間規制への対応により、傭車・外注費は引き続き増加傾向で推移いたしましたが、配車業務の高度化やお問い合わせ業務の自動応対などデジタル技術やAIの活用による省人化の取り組みも進めてまいりました。
拠点展開においては、西濃運輸株式会社名古屋北支店(愛知県清須市)の新築移転、同横浜支店(横浜市)建て替え、同金沢支店金沢倉庫(石川県金沢市)の新設、ならびにセイノースーパーエクスプレス株式会社松本営業所(長野県松本市)及び四日市営業所(三重県四日市市)の移転などを実施しました。物流施設の再編、既存拠点の機能強化を進め、ロジスティクスインフラの充実を図ることで、輸送品質の向上に努めております。
この結果、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。
(※)…O.P.P.とは、オープン・パブリック・プラットフォームの略称。社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらには社会インフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想・手法。
(自動車販売事業)
当事業におきましては、乗用車販売において、新車の供給環境は、メーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、新車販売台数は、前期実績を下回る結果となりました。そのような中でも、一台当たりの利益確保に向け、直販体制の強化をするなど商談プロセスの見直しを進めることで、収益性の向上に努めてまいりました。
中古車販売では、U-Car商品化工程の効率化を図り、各店舗における展示車両の充実と回転率の向上に取り組んだ結果、小売販売台数は堅調に推移いたしました。
トラック販売においては、過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、新車販売台数は前年実績を下回る結果となりました。
拠点展開においては、トヨタカローラネッツ岐阜株式会社カローラ高山店(岐阜県高山市)の新築移転、同カローラ中津川店とネッツ中津川店(岐阜県中津川市)の統合、岐阜日野自動車株式会社萩原営業所(岐阜県下呂市)と高山支店(岐阜県高山市)の統合を実施しました。店舗及びサービス工場のリニューアルや再編を推進し、CS(顧客満足度)の向上及び店舗運営の効率化を図っております。
この結果、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
(物品販売事業)
当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。激変緩和措置の補助金の効果により燃料販売における販売単価は下落したものの、特に介護家庭紙を中心とした介護用品が底堅く推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は13億14百万円(前連結会計年度比 12.4%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当事業におきましては、所有する土地及び跡地利用において、ポテンシャルを最大限に活かし、地域ごとに、より利用価値が高い賃貸などへのトランスフォームを推進してきたことから、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は18億10百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
(その他)
当事業におきましては、情報関連事業、労働者派遣業、建築工事請負業、及び住宅販売業などを行っております。売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は22億70百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ67億9百万円増加し、840億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ38億44百万円増加し、565億90百万円となりました。これは主に、セイノースーパーエクスプレス株式会社における退職給付信託返還額が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ374億53百万円減少し、334億22百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ365億23百万円増加し、165億71百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が減少したこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円(2.5%)の増加となりました。流動資産の残高は2,297億84百万円と前連結会計年度末に比べ37億95百万円(1.6%)減少しました。固定資産の残高は5,602億82百万円と前連結会計年度末に比べ230億21百万円(4.3%)の増加となりました。上場株式の時価が上昇したことにより投資有価証券が増加したことや西濃運輸株式会社における横浜支店、名古屋北支店の新築工事により建物及び構築物が増加したことなどが主な要因であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円(8.2%)の減少となりました。流動負債の残高は1,297億40百万円と前連結会計年度末に比べ1,025億11百万円(44.1%)の減少となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が転換したことや短期借入金が減少したことなどが主な要因であります。
固定負債の残高は1,890億58百万円と前連結会計年度末に比べ740億41百万円(64.4%)の増加となりました。シンジケートローンなどにより長期借入金が増加したことなどが主な要因であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円(11.3%)の増加となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の転換により自己株式が減少したことなどが主な要因であります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円と前連結会計年度に比べ755億87百万円(10.3%)の増加となりました。輸送事業においては、2024年10月に連結子会社となったMDロジス株式会社による通期連結効果等により、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。自動車販売事業では乗用車販売においてはメーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、トラック販売においては過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、いずれも新車販売台数が前年実績を下回ったこと等により、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。物品販売事業においては、燃料販売における販売単価は激変緩和措置の補助金の効果により下落したものの、介護家庭紙を中心とした介護用品が好調に推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、その他の売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は376億5百万円と前連結会計年度に比べ77億22百万円(25.8%)の増加となりました。輸送事業においては、当社の強みである長距離・高重量帯を中心に適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努めたことにより営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。一方、自動車販売事業においては、乗用車販売において、店舗の再編等により店舗運営の効率化を図ったものの、売上高の減少を受け、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の経常利益は372億64百万円と前連結会計年度に比べ91億39百万円(32.5%)の増加となりました。前連結会計年度に比べて支払利息やシンジケートローン手数料が増加したものの、営業利益が増加したことや持分法投資損失が減少したことなどが主な要因であります。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円と前連結会計年度に比べ43億84百万円(22.8%)の増加となりました。
前連結会計年度に比べて経常利益や退職給付信託返還益が増加したものの、法人税、住民税及び事業税が増加したことや投資有価証券売却益が減少したことなどが主な要因であります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2023年6月12日の取締役会において、「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」を決定しており、成長の道すじと資本政策を中心とした企業価値創造の道すじを策定しております。日本が直面している少子高齢化や人手不足、環境問題などの社会課題に対し、持続的な物流ネットワークを構築するため、スローガンを『Team Green Logistics ~共に創り 未来に貢献する~』として、業界・企業の垣根を超えたオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)によりGreen 物流を展開することで、社会価値と経済価値を高めてまいります。
本ロードマップにおいて、PBR1倍超の早期実現に向けて、収益力の向上、積極的な株主還元で、3年から5年以内にROE8%達成を目指しております。具体的な内容については、以下のURLをご参照ください。
https://www.seino.co.jp/seino/media/pdf-lib/shd/ir/account-settlement/202403/202403_1setsumei.pdf
なお、当連結会計年度のROEは5.6%となっております。目標とするROE8%を達成するため、ロードマップに掲げた施策の実現に向けて取り組みを進めてまいります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、840億64百万円となっており、有利子負債残高は1,013億76百万円となっております。
当社は、運転資金を安定的に調達するため、取引金融機関との当座貸越契約並びに金銭消費貸借契約により435億円の資金調達を行っております。また、取引金融機関と財務制限条項が付されたシンジケートローン契約を締結し、400億円の資金調達を行っております。その他の増資、社債発行等による資金調達は行っておりません。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としており、重要なものは以下の通りとなります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率やその他の見積りの変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円の増加となりました。負債については、3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円の減少となりました。また、純資産については、4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円の増加となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外における地政学的リスクが継続するなか、国内においてはインバウンド需要の拡大や企業による設備投資の増加により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の長期化や人件費の増加により個人消費は力強さを欠き、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、国内貨物輸送量が前年を下回るなか、ドライバー不足や労働時間規制への対応に加え、エネルギー価格の高止まりなど、企業活動を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続きました。
このような環境におきまして、当社グループは、成長と適切な資本政策によるPBR1倍超の早期実現及びROE8.0%以上を目指し、3年目となる「中長期の経営の方向性~ありたい姿とロードマップ2028~」のもと、事業基盤である特積み事業の優位性を維持しながら、重点施策として掲げるロジスティクス事業及び貸切事業を成長エンジンと位置づけ、高利益体質への転換を図るため、成長性、収益性、資本効率のバランスを重視した施策を推進してまいりました。
また、前連結会計年度に連結子会社化したMDロジス株式会社との連携を一層強化し、同社が有する高度な物流ノウハウと、当社グループの輸送ネットワーク及びシステム群との融合を図ることにより、国内外における物流サービスの高付加価値化を推進してまいりました。この連結効果は、輸送事業の収益に通期で寄与しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円(前連結会計年度比10.3%増)、営業利益は376億5百万円(前連結会計年度比25.8%増)、経常利益は372億64百万円(前連結会計年度比32.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
(輸送事業)
当事業におきましては、主力である特積み事業において、全国展開する路線ネットワークを活かし、各重量・距離帯での適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努め、各種施策を推進してまいりました。また、ドライバーの時間外労働が上限規制される「2024年問題」への継続的な対応として、O.P.P.(※)の取り組みを通じ、企業の垣根を越えた輸送の共同化や非効率エリアの補完を図ることで、輸送ネットワーク全体の最適化を推進してまいりました。
一方、物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みを背景に、取扱貨物量は前年実績を若干下回る水準にとどまりました。また、ドライバー不足や労働時間規制への対応により、傭車・外注費は引き続き増加傾向で推移いたしましたが、配車業務の高度化やお問い合わせ業務の自動応対などデジタル技術やAIの活用による省人化の取り組みも進めてまいりました。
拠点展開においては、西濃運輸株式会社名古屋北支店(愛知県清須市)の新築移転、同横浜支店(横浜市)建て替え、同金沢支店金沢倉庫(石川県金沢市)の新設、ならびにセイノースーパーエクスプレス株式会社松本営業所(長野県松本市)及び四日市営業所(三重県四日市市)の移転などを実施しました。物流施設の再編、既存拠点の機能強化を進め、ロジスティクスインフラの充実を図ることで、輸送品質の向上に努めております。
この結果、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。
(※)…O.P.P.とは、オープン・パブリック・プラットフォームの略称。社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらには社会インフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想・手法。
(自動車販売事業)
当事業におきましては、乗用車販売において、新車の供給環境は、メーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、新車販売台数は、前期実績を下回る結果となりました。そのような中でも、一台当たりの利益確保に向け、直販体制の強化をするなど商談プロセスの見直しを進めることで、収益性の向上に努めてまいりました。
中古車販売では、U-Car商品化工程の効率化を図り、各店舗における展示車両の充実と回転率の向上に取り組んだ結果、小売販売台数は堅調に推移いたしました。
トラック販売においては、過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、新車販売台数は前年実績を下回る結果となりました。
拠点展開においては、トヨタカローラネッツ岐阜株式会社カローラ高山店(岐阜県高山市)の新築移転、同カローラ中津川店とネッツ中津川店(岐阜県中津川市)の統合、岐阜日野自動車株式会社萩原営業所(岐阜県下呂市)と高山支店(岐阜県高山市)の統合を実施しました。店舗及びサービス工場のリニューアルや再編を推進し、CS(顧客満足度)の向上及び店舗運営の効率化を図っております。
この結果、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
(物品販売事業)
当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。激変緩和措置の補助金の効果により燃料販売における販売単価は下落したものの、特に介護家庭紙を中心とした介護用品が底堅く推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は13億14百万円(前連結会計年度比 12.4%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当事業におきましては、所有する土地及び跡地利用において、ポテンシャルを最大限に活かし、地域ごとに、より利用価値が高い賃貸などへのトランスフォームを推進してきたことから、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は18億10百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。
(その他)
当事業におきましては、情報関連事業、労働者派遣業、建築工事請負業、及び住宅販売業などを行っております。売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は22億70百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ67億9百万円増加し、840億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ38億44百万円増加し、565億90百万円となりました。これは主に、セイノースーパーエクスプレス株式会社における退職給付信託返還額が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ374億53百万円減少し、334億22百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ365億23百万円増加し、165億71百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が減少したこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は7,900億66百万円と前連結会計年度末に比べ192億25百万円(2.5%)の増加となりました。流動資産の残高は2,297億84百万円と前連結会計年度末に比べ37億95百万円(1.6%)減少しました。固定資産の残高は5,602億82百万円と前連結会計年度末に比べ230億21百万円(4.3%)の増加となりました。上場株式の時価が上昇したことにより投資有価証券が増加したことや西濃運輸株式会社における横浜支店、名古屋北支店の新築工事により建物及び構築物が増加したことなどが主な要因であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は3,187億98百万円と前連結会計年度末に比べ284億70百万円(8.2%)の減少となりました。流動負債の残高は1,297億40百万円と前連結会計年度末に比べ1,025億11百万円(44.1%)の減少となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が転換したことや短期借入金が減少したことなどが主な要因であります。
固定負債の残高は1,890億58百万円と前連結会計年度末に比べ740億41百万円(64.4%)の増加となりました。シンジケートローンなどにより長期借入金が増加したことなどが主な要因であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は4,712億67百万円と前連結会計年度末に比べ476億95百万円(11.3%)の増加となりました。1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の転換により自己株式が減少したことなどが主な要因であります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は8,129億65百万円と前連結会計年度に比べ755億87百万円(10.3%)の増加となりました。輸送事業においては、2024年10月に連結子会社となったMDロジス株式会社による通期連結効果等により、売上高は6,308億90百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。自動車販売事業では乗用車販売においてはメーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、トラック販売においては過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、いずれも新車販売台数が前年実績を下回ったこと等により、売上高は1,103億46百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。物品販売事業においては、燃料販売における販売単価は激変緩和措置の補助金の効果により下落したものの、介護家庭紙を中心とした介護用品が好調に推移したことから、売上高は409億26百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は24億56百万円(前連結会計年度比4.3%増)、その他の売上高は283億45百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は376億5百万円と前連結会計年度に比べ77億22百万円(25.8%)の増加となりました。輸送事業においては、当社の強みである長距離・高重量帯を中心に適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努めたことにより営業利益は274億25百万円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。一方、自動車販売事業においては、乗用車販売において、店舗の再編等により店舗運営の効率化を図ったものの、売上高の減少を受け、営業利益は69億17百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の経常利益は372億64百万円と前連結会計年度に比べ91億39百万円(32.5%)の増加となりました。前連結会計年度に比べて支払利息やシンジケートローン手数料が増加したものの、営業利益が増加したことや持分法投資損失が減少したことなどが主な要因であります。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円と前連結会計年度に比べ43億84百万円(22.8%)の増加となりました。
前連結会計年度に比べて経常利益や退職給付信託返還益が増加したものの、法人税、住民税及び事業税が増加したことや投資有価証券売却益が減少したことなどが主な要因であります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2023年6月12日の取締役会において、「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」を決定しており、成長の道すじと資本政策を中心とした企業価値創造の道すじを策定しております。日本が直面している少子高齢化や人手不足、環境問題などの社会課題に対し、持続的な物流ネットワークを構築するため、スローガンを『Team Green Logistics ~共に創り 未来に貢献する~』として、業界・企業の垣根を超えたオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)によりGreen 物流を展開することで、社会価値と経済価値を高めてまいります。
本ロードマップにおいて、PBR1倍超の早期実現に向けて、収益力の向上、積極的な株主還元で、3年から5年以内にROE8%達成を目指しております。具体的な内容については、以下のURLをご参照ください。
https://www.seino.co.jp/seino/media/pdf-lib/shd/ir/account-settlement/202403/202403_1setsumei.pdf
なお、当連結会計年度のROEは5.6%となっております。目標とするROE8%を達成するため、ロードマップに掲げた施策の実現に向けて取り組みを進めてまいります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、840億64百万円となっており、有利子負債残高は1,013億76百万円となっております。
当社は、運転資金を安定的に調達するため、取引金融機関との当座貸越契約並びに金銭消費貸借契約により435億円の資金調達を行っております。また、取引金融機関と財務制限条項が付されたシンジケートローン契約を締結し、400億円の資金調達を行っております。その他の増資、社債発行等による資金調達は行っておりません。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としており、重要なものは以下の通りとなります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率やその他の見積りの変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。