有価証券報告書-第154期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/29 14:19
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【項目】
120項目

対処すべき課題

今後の我が国経済は、不安定な為替相場や中国経済の減速の影響等により、国内景気の先行きの不透明感は継続していくものと思われます。
全国的に離島航路は、過疎化・高齢化に伴う旅客・貨物の輸送量の減少、国内景気の低迷の影響等によりその運営は厳しい状況下にありますが、佐渡島も例外ではなく、過疎化・高齢化が進行しております。
このような厳しい経営環境を踏まえ、平成28年の対処すべき重点課題として、①安全運航の徹底、②お客様の減少傾向をとめる、③当社及びグループ企業の経営の合理化の推進の3項目を掲げ、その達成に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
① 安全運航の徹底
ア.安全運航を経営の基盤と位置付け、経営トップが主体的に策定した平成28年の「安全方針」及び「安全重点施策」を確実に実行することで、安全で安定した運航を提供してまいります。そのためには、毎月開催されている「安全マネジメント委員会」で、「安全方針」や「安全重点施策」の実施状況を確認するなど、PDCAサイクルを回すことにより安全管理体制全般が適正に機能しているかを検証し、是正措置が必要とあらば適切に対処いたします。
イ.旅客船部門では「BRM(ブリッジ・リソース・マネジメント)」の更なる浸透と陸上部門におけるヒヤリハット報告等の積極的な取り組み及び有効活用に努めます。
(注)BRM(ブリッジ・リソース・マネジメント)
ブリッジ(船橋)で利用可能なリソース(資源:人・物・情報)を操船実務者のメンバーが、安全意識及び安全行動として有効に活用するための手法。
ウ.貨物船部門におきましては、平成27年に実施された「運輸安全マネジメント評価」の結果を踏まえ、定期的に実施している安全総点検等を通じて、乗組員間に対し安全に関する意識改革を図ります。それにより、同評価で指摘されたヒヤリハットの有効活用等を確実に実施してまいります。
エ.「メンテナンス規程」を遵守することにより、機器故障件数の削減に努めるとともに、事故が発生した場合には、事故原因の分析と再発防止策の徹底を図ります。また、船舶設備・乗降施設等の定期的点検・整備の実施につきましても、継続して取り組んでまいります。
② お客様の減少傾向をとめる
ア.営業やプロモーションの強化・佐渡観光の振興
a.平成28年の年間輸送人員目標である165万人の達成に向け、営業本部において目標と実績の管理を徹底し、実施状況の確認、早めに営業施策を実施するとともに、未達部分への手当も早めに行います。
b.訪日外国人誘致を目指し、ホームページの多言語化やインバウンド観光を推進する組織の設立に取り組みます。
c.佐渡観光の振興のため、島内ホテルの再生に協力するとともに、現行のスポーツイベント以外にも交流人口拡大に期待が持てる音楽イベント等の策定に取り組みます。
d.「佐渡金銀山」の世界文化遺産登録を実現させるべく、当社グループを挙げて推進役となり、各種会合やPR活動に積極的に参画します。
イ.お客様サービスの向上
a.「佐渡汽船グループお客様サービス向上委員会」をその活動の中心に位置付け、離島航路No.1の顧客満足度を目指し、外部コンサルタントの助言と評価を得ながら次のステージにステップアップできるように注力してまいります。その結果として、常にお客様から感謝のお言葉をいただけるように努めます。
b.スマートフォンの普及や外国人観光客に対応するため、旅客ターミナル待合室内や船内Wi-Fiの充実を推進します。
c.船旅の魅力度アップのため、カーフェリーのイベントプラザを活用した船内イベントの拡充を図ります。
d.従業員から会社上層部へ直接各種改善提案できる制度が設立されたことを踏まえ、提案、経過、結果検証のフローを構築し、より提案しやすい環境整備に努め、サービス向上の実績を積み上げます。
③ 当社及びグループ企業の経営の合理化の推進
ア.平成25年4月に日本海内航汽船株式会社と合併以来、物流改革室を中心に、貨物輸送の一本化による業務体制の見直し、効率的な人員配置、輸送用具等の共有化による費用の削減に取り組んでまいりました。着実に成果を挙げてきておりますが、さらに経費削減を推進するため、同室の機能を拡充させることで関係部署間の連携強化及び業務の合理化・効率化を目指します。
イ.佐渡汽船グループ各社を含めて総務・経理業務の集約化を図り、グループ内にアウトソーシングするシェアードサービスを検討します。
ウ.「トラックらくらくチェックイン」の導入など、予約受付や乗船券発券のシステムの改善を推進し、窓口業務の合理化・省人化及びお客様の利便性向上を実現します。
エ.各職場の所属長の権限と責任を拡大させることで、各自の立場で業務を完結する職場風土の構築に努めます。