有価証券報告書-第102期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 12:49
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

対処すべき課題

今後のわが国経済は、政府の経済政策等により企業収益は引き続き回復傾向の継続が見込まれるなど、景気は引き続き回復基調で推移するものと思われます。しかしながら、中国をはじめとする新興国経済の減速や、原油安に伴う産油国経済の減速など、海外経済においては、景気下振れリスクが依然として残存しており、景気の動向は、引き続き先行き不透明な状況が続くものと思われます。
物流業界におきましては、企業業績の回復を背景に一部の貨物で荷動きが改善傾向となると見込まれるものの、全般的な取扱量の回復には至らないことが予想され、さらには、運転手不足等に伴う配送収支への影響や企業間競争の更なる激化など、業績下振れへの懸念も依然として残っていることから、物流を取り巻く環境は、今後も引き続き厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況のもと、当社グループでは、様々な事業環境の変化に対応するため、「中期経営計画」に掲げる、スローガン『「Challenge to the New Stage」 -挑戦- 』、基本方針「新しい価値を創造する企業に生まれ変わり、スピード感のある革新的ソリューションで、国内外のロジスティクス事業を拡充する」に基づき、「国内ロジスティクス事業の改革」、「グローバルロジスティクス事業の拡充」、「グループ経営基盤の強化」、「CSR経営を重視し、地域社会の発展に貢献する」の4つの経営戦略に全力で取り組み、様々な施策を実施してまいります。
<国内ロジスティクス事業の改革>ソリューション型営業機能を拡充し、3PL案件への対応力を強化するとともに、包括的業務提携を視野に入れ、ロジスティクス機能を強化してまいります。ビルド&スクラップ型の拠点再編を進め、同時に四日市港の港湾運営機能の強化を図ってまいります。また、枚方営業所(大阪府枚方市)の倉庫増設、霞北埠頭流通センター(三重県四日市市)の建設、幸手物流センター(埼玉県幸手市)の建設を進めてまいります。
<グローバルロジスティクス事業の拡充>ボーダレス化する物流の進展に対応するため、ASEAN域内のロジスティクス機能の強化ならびに北中米域内のロジスティクス機能の再編成を行ってまいります。また同時に、海外現地法人における人事制度・労務管理体制、経理体制の充実、強化を図ってまいります。
<グループ経営基盤の強化>お客さまに安心と信頼を提供するため、安全管理・物流品質の向上を実現するとともに、戦略的観点からのIT基盤の更なる強化を図ってまいります。また、人材の確保・育成・有効活用を重要課題と位置づけ、最適な労務管理体制を実現してまいります。さらに、新たに取得したAEO通関業者制度を活用し、法令遵守に基づいた信頼性の高い貨物管理と通関・輸出入サービスを提供してまいります。
グループ一体となった高い倫理観を醸成するため、内部統制機能、予防的コンプライアンスの更なる充実を図ってまいります。また、環境経営を推進し、循環型社会の形成に貢献してまいります。さらに、昨年策定した「グループ企業倫理要綱」を浸透させ、倫理の向上、ガバナンスの強化を図ってまいります。