有価証券報告書-第160期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年4月に緊急事態宣言が発出された後、社会経済活動は大きな制約を受け、極めて厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社企業グループの主要な事業拠点であります新潟港の貨物取扱量は前期比で減少し、当社企業グループの運輸部門の貨物取扱量も同様に前連結会計年度比で減少いたしました。また、ホテル事業部門では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、非常に厳しい状況となりました。
この結果、当連結会計年度の当社企業グループの売上高は、141億9千6百万円(前連結会計年度比15.5%の減収)、営業損失5億2千5百万円(前連結会計年度は4億9千7百万円の営業利益)、経常損失3億8百万円(前連結会計年度は5億2千1百万円の経常利益)となりました。また、特別損失としてホテル事業部門等の固定資産の減損損失8億9千2百万円を計上したことに加え、主に当社の繰延税金資産の取崩しの影響により法人税等調整額2億9千万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は15億6千5百万円(前連結会計年度は9千9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(運輸部門)
当社運輸部門と運輸系子会社4社を合わせた同部門の当連結会計年度の船内取扱数量は、コンテナ貨物、一般貨物共に減少し、合計で前連結会計年度比17.5%減少の516万6千トンとなりました。コンテナ貨物については、新型コロナウイルス禍での巣ごもり消費の影響もあり、日用雑貨品などの一部の輸入貨物の取扱いは堅調だったもののアジア向けを中心とした輸出貨物の荷動きの回復は鈍く、コンテナ貨物全体では、前連結会計年度比で11.5%減少いたしました。また、一般貨物についても、主要貨物である素材原料の取扱いが低調に推移し、前連結会計年度比で26.4%減少いたしました。
この結果、同部門の売上高は96億5千7百万円(前連結会計年度比6.8%の減収)となり、経費面では下払輸送費や燃料費等の変動費は減少したものの、労務コストや減価償却費等の固定費が負担となり、セグメント損失は1億9千7百万円(前連結会計年度は1億2千6百万円の利益)となりました。
(不動産部門)
不動産賃貸では新規賃貸物件の取得により増収となったものの、不動産商品の販売において減収となり、同部門の売上高は3億1千5百万円(前連結会計年度比8.2%の減収)、セグメント利益は1億9千4百万円(前連結会計年度比1.2%の減益)となりました。
(機械販売部門)
建設機械販売は堅調に推移しましたが、部品販売が低調に推移した結果、同部門の売上高は12億3千3百万円(前連結会計年度比5.7%の減収)、セグメント利益は3百万円(前連結会計年度は1千3百万円の損失)となりました。
(ホテル事業部門)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、個人顧客の不要不急の外出自粛や法人顧客の宴会を控える状況が続く中、テイクアウトやデリバリーサービス等の外販に注力いたしましたが、業績を大きく改善するまでには至らず、政府によるGoToキャンペーンの効果も感染再拡大により一時的なものとなり、非常に厳しい状況が続きました。
この結果、ホテル2社を合わせた同部門の売上高は13億1千4百万円(前連結会計年度比54.7%の減収)、セグメント損失は5億8千1百万円(前連結会計年度は1億2千8百万円の利益)となりました。
(商品販売部門)
住宅資材に係る取引が前連結会計年度に比べて減少したことなどから、同部門の売上高は15億円(前連結会計年度比15.2%の減収)、セグメント利益は2千3百万円(前連結会計年度比41.0%の減益)となりました。
(その他)
保険代理店業、産業廃棄物の処理業を合わせたその他の売上高は、2億9千万円(前連結会計年度比6.9%の増収)、セグメント利益は3千1百万円(前連結会計年度比57.3%の増益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが6億8千5百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが2億3千3百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが2億8千万円の支出超過になったことにより、前連結会計年度末に比べて1億7千1百万円増加し、6億1千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純損失12億1千3百万円となりましたが、減価償却費8億1千3百万円、減損損失8億9千2百万円などの非資金項目のほか、助成金の受取額1億7千4百万円などの資金の増加要因により、6億8千5百万円の収入超過(前連結会計年度比23.9%の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比べ大規模な設備投資はなく、主に有形固定資産の取得による支出2億2千4百万円により、2億3千3百万円の支出超過(前連結会計年度は29億3千万円の支出超過)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期及び長期の借入金の純減額3千6百万円、リース債務の返済による支出1億6千2百万円、親会社による配当金の支払額8千万円などの資金の減少要因により、2億8千万円の支出超過(前連結会計年度は15億2千3百万円の収入超過)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は367億2千6百万円となり、前連結会計年度比1.9%、7億1千万円減少しました。資産の減少の主な要因は、流動資産が2億3千万円、投資その他の資産が6億1千万円、それぞれ増加した一方、有形固定資産及び無形固定資産が15億5千1百万円減少したことによるものであります。
負債純資産の減少の主な要因は、負債合計が2億5千8百万円増加した一方、純資産が9億6千8百万円減少したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は41億2千3百万円となり、前連結会計年度比で5.9%、2億3千万円増加いたしました。この増加の主な要因は、現金及び預金の増加1億7千1百万円、受取手形及び営業未収入金の増加1億8千8百万円、その他の減少1億3百万円などであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は326億2百万円となり、前連結会計年度比で2.8%、9億4千1百万円減少しました。この減少の主な要因は、ホテル事業部門の連結子会社が所有する固定資産の減損損失等により有形固定資産が15億1千4百万円減少し、投資有価証券が時価評価により5億9千2百万円増加したことなどであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は78億3千万円となり、前連結会計年度比で1.3%、1億3百万円増加しました。この増加の主な要因は、短期借入金が5千万円、一年内返済長期借入金が3千4百万円、それぞれ増加したことなどであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は151億4千万円となり、前連結会計年度比で1.0%、1億5千4百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金が1億2千万円減少し、繰延税金負債が5億4千7百万円増加したことなどであります。なお、繰延税金負債の増加の主な要因は、当社の繰延税金資産の取崩しに伴うものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は137億5千5百万円となり、前連結会計年度比で6.6%、9億6千8百万円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純損失15億6千5百万円を計上したことなどにより利益剰余金が16億4千9百万円減少し、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価により4億4千2百万円増加したことが主な要因であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社企業グループは受注生産形態をとらない業種のため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。なお、販売実績については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の状況)
当社企業グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、141億9千6百万円(前連結会計年度比26億7百万円、15.5%の減収)となりました。セグメント部門別では、その他の部門を除き減収となりました。特に、運輸部門、ホテル事業部門の減収が大きく影響しております。
販売費及び一般管理費は、12億8千7百万円(前連結会計年度比5千3百万円、4.0%の減少)となりました。役員報酬、修繕費等の減少が主な要因であります。
営業損失は5億2千5百万円(前連結会計年度は4億9千7百万円の営業利益)となりました。運輸部門、ホテル事業部門がセグメント損失となったことが影響しております。
経常損失は3億8百万円(前連結会計年度は5億2千1百万円の営業利益)となり、営業損失よりも損失額が減少しておりますが、政府の助成金収入が影響しております。また営業外費用の支払利息は8千3百万円となり、前連結会計年度比で減少しております。
特別利益については特記すべき事項はありませんが、特別損失では、ホテル事業部門を中心に固定資産の減損損失8億9千2百万円を計上いたしました。また、当社において、繰延税金資産の取崩しを行ったことが影響し、法人税等調整額2億9千万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は15億6千5百万円(前連結会計年度は9千9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
各セグメントの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[運輸部門]
同部門の中心拠点である新潟港の荷動きは、中国や東南アジアを中心とした諸外国の経済状況、新潟県内に工場を持つ企業の生産活動、小売業者の事業活動や消費者動向、さらに同港に寄港する船会社の再編、スケジュール等に影響されます。また、物流業界では、トラックの運転手不足が課題になっておりますが、新型コロナウイルス禍で企業間の物流量の落込みもあり、今後、運送会社の休廃業が増えることも予想され、同部門でも荷役・輸送体制の維持が課題と認識しております。
このような事業環境のもと、同部門の外部顧客への売上高は96億4千9百万円(前連結会計年度比7億円、6.8%の減収)、セグメント損失は1億9千7百万円(前連結会計年度は1億2千6百万円の利益)となりました。
当期は、新潟東港を中心に一般・危険品倉庫の貨物保管機能を活かして、倉庫保管と港湾荷役が結び付く貨物や重量物など特殊貨物の取込みを図る計画でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により社会活動の制限が続き、それに伴う家庭用品の消費増、デジタル化への対応など社会活動の変化が急激に進みました。この結果、日用雑貨品に関連する貨物は堅調であったものの、これまで安定した需要が見込めた一般貨物の素材原料が影響を受けたこと、輸出入相手国の規制強化や港湾機能の停滞などが新潟港のコンテナの荷動きに影響を及ぼし、倉庫作業、港湾荷役に結び付く貨物の取込みも低調に推移しました。
今後、ワクチン接種が進み、国内外の社会経済活動が徐々に回復することにより、荷動きにもその影響が表れるものと見込んでおりますが、一方で今年に入り、世界的に海上コンテナの不足や海上運賃の高止まりが継続しており、新潟港でもコンテナ貨物への影響が懸念されます。
同部門の収益基盤の安定・強化のため、優先して取り組む課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しておりますが、港湾荷役や陸送業務の感染拡大防止を徹底し、現場作業の内製化推進と自社トラックの稼働を上げることで外部経費の抑制を図ります。また充実した倉庫機能を活かして新潟港への貨物誘致を推進し、港湾荷役にこだわらず運輸部門の長年のノウハウを活用した物流改善を提案し、地域貢献と同時に既存顧客の維持・取扱拡充と新規貨物の獲得に取組みます。さらに荷役・輸送体制の維持のため人材の確保・育成に取組んで参ります。
[不動産部門]
同部門では、当社が保有する不動産の賃貸収入や当社保有の不動産の販売が主な収入源となります。
同部門の外部顧客への売上高は2億9千3百万円(前連結会計年度比2千5百万円、8.1%の減収)、セグメント利益は1億9千4百万円(前連結会計年度比2百万円、1.2%の減益)となりました。
当期は、新規の賃貸物件による増収があったものの、商品土地の販売が減少し、減収減益となりました。
同部門では、当社が保有する不動産の売却を含めた有効利用を検証し収益確保を図って参ります。また保有する賃貸物件についてはお客様に選択していただけるように修繕等の設備投資を行い安定収益に努めて参ります。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」にあるように、当社企業グループの既存の固定資産について、潜在的な収益力を掘り起こす利用方法の見直しの検討をすすめ、連結全体の資産の有効活用にも取組んで参ります。
[機械販売部門]
同部門は、建設機械の販売・整備、自動車整備が事業の中心であり、ゼネコン業者や土木建設業者の事業活動が同部門の収益に影響を及ぼします。
同部門の外部顧客への売上高は11億8千4百万円(前連結会計年度比5千4百万円、4.4%の減収)、セグメント利益は3百万円(前連結会計年度は1千3百万円の損失)となりました。
当期は、建設機械の部品販売が前期に比べて減少したため、減収となりましたが、作業効率を上げ不稼働時間を減少させて、黒字を確保いたしました。お客様の保有する建設機械の稼働状況と新機種の入替ニーズを的確に把握し、販売の成約に繋げると同時に、継続して整備作業の稼働率向上に努めて、収支改善を図って参ります。
[ホテル事業部門]
同部門の外部顧客への売上高は13億9百万円(前連結会計年度比15億8千3百万円、54.7%の減収)、セグメント損失は5億8千1百万円(前連結会計年度は1億2千8百万円の利益)となりました。
同部門は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による行動自粛により、個人客を中心に不要不急の外出を控えたため、宿泊、レストラン部門が影響を大きく受け、宴会部門も法人客を中心とした宴会の自粛が響き、業績が大きく落ち込みました。また、同部門の今後の将来キャッシュ・フローを慎重に検討した結果、ホテル2社合わせて、固定資産の減損損失8億7千8百万円を計上致しました。
この厳しい事業環境において、2021年4月に当社が所有する株式会社ホテル大佐渡の全株式を譲渡したため、ホテル事業部門は株式会社ホテル新潟1社となりますが、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、政府の各種助成金等の活用を進め、雇用の確保に最大限努めて参ります。またお客様に安心してご利用していただくため徹底した感染防止策を継続し、新生活様式に合わせた宿泊、宴会、レストランのサービスを提供、ホテル商品のテイクアウト、デリバリーサービスなど外販強化、さらに政府による観光需要喚起キャンペーンが実施された場合のビジネスチャンスを最大限活かし、同事業を早期に正常に戻せるように取組んで参ります。
[商品販売部門]
同部門は、セメントなど建設資材、荷役用品などの一般商品、貿易代行を通じた住宅資材を中心に商品販売を行っており、ゼネコン業者の工事案件の動向、住宅着工件数が収支に影響を及ぼします。
同部門の外部顧客への売上高は14億6千9百万円(前連結会計年度比2億6千1百万円、15.1%の減収)、セグメント利益は2千3百万円(前連結会計年度比1千6百万円、41.0%の減益)となりました。
当期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、住宅着工件数が減少したことや、旅館などを対象とした商品販売が落ち込みました。新型コロナウイルスの影響が、今後も同部門の収益に悪影響を及ぼす懸念があります。
同部門では、新型コロナウイルス禍でも、情報収集を行い需要が見込める商品を中心に販売機会を捉え、建設資材以外の商品についても他のセグメント部門の取引先情報も入手し、新たな販売商品の提案を行い収益向上に努めて参ります。
[その他]
その他には、保険代理店業、産業廃棄物の処理業が含まれます。当期は、特に木材リサイクルにおいて、廃材受入の時間の拡大など廃材受入量を増やす取組みが効果を発揮し、前期に比べて増収増益となりました。
(財政状態の状況)
当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③財政状態の状況)」に記載の通りであります。
当連結会計年度の資産は367億2千6百万円(前連結会計年度末比7億1千万円、1.9%の減少)、負債は229億7千万円(前連結会計年度末比2億5千8百万円、1.1%の増加)、純資産は137億5千5百万円(前連結会計年度末比9億6千8百万円、6.6%の減少)となりました。
その結果、自己資本比率が37.5%となり、前期の39.3%よりも1.8ポイント減少しました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が前期に比べて16億4千9百万円減少したことが大きな要因であります。
企業継続のため財務基盤の安定向上は優先すべき課題として認識しており、新型コロナウイルスの影響が継続する状況のもと、全事業部門でコスト管理を徹底し、収益獲得の機会を的確に捉えて、利益の積み増しと剰余金の安定配当を勘案し、純資産の増加に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度では、税金等調整前当期純損失が12億1千3百万円となりましたが、減価償却費8億1千3百万円、減損損失8億9千2百万円などの非資金項目の他、助成金の受取額1億7千4百万円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは6億8千5百万円の収入超過となりました。これに対して、当連結会計年度においては大規模な設備投資は行なわなかった結果、投資活動によるキャッシュ・フローは2億3千3百万円の支出超過に止まり、フリー・キャッシュ・フロー(注)が4億5千1百万円の収入超過になりました。当社企業グループは、財務基盤の安定に向けて、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案した設備投資を行い、借入金の抑制に取組む方針であります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社企業グループは、事業活動に必要な資金と資金の流動性を維持するとともに健全な財政状態を目指すため、安定的な営業キャッシュ・フローを稼得することが資本財源の基本と考えております。
(資金需要の主な内容)
当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸部門の作業諸掛、機械販売部門の建設機械の仕入、商品販売部門の建設資材の仕入、ホテル事業部門の料理材料・飲料の仕入であり、共通するものとして人件費等であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、事業用の設備投資であります。
(資金調達)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、既存の借入金の約定返済や設備投資のため、金融機関による固定金利の長期借入も行います。また、当社が連結子会社を含めたグループ内の運転資金の一元管理を行い、グループ内の資金の過不足を調整しております。
2021年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社企業グループの第三者に対する保証は、連結子会社であるリンコー運輸株式会社の全国通運への交互計算精算債務に対する債務保証であります。保証した債務の債務不履行が発生した場合、当社企業グループが代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証は135,645千円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行う必要があります。よって、見積りや予測の持つ特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りや予測と異なる場合があります。
当社企業グループは、特に次の会計上の見積りが重要であると考えております。
(固定資産の減損)
当社企業グループでは、固定資産のうちの兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、さらに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定に当たっては、割引前将来キャッシュ・フローの見積りが重要になりますが、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準に一定の補正をしており、経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当初の見積りを著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑥ 固定資産の減損に関わるリスク」を参照願います。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来の収支計画に基づき課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を慎重に計上しております。この繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りを前提にするため、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準にしており、その条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩す必要があり、税金費用が増加する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑩ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク」を参照願います。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び退職給付債務の算定に使用される見積りには、年金資産の長期期待運用収益率、割引率、平均残存勤務年数等を計算基礎としており、当社企業グループは、この数理計算上の仮定は適切であると認識しておりますが、年金資産の運用実績の結果や一定の仮定の変動は将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。なお、退職給付費用及び退職給付債務に関する見積りや数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」を参照願います。
(貸倒引当金)
当社企業グループは、信用調査会社を通じてお客様の信用情報を入手し、支払履歴も考慮して与信管理を行っております。また、貸倒引当金については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に基づき、計上しております。
現在の貸倒引当金の金額は、過去の貸倒実績率に基づき算出しており、今後、取引先の債権の支払状況によって貸倒実績率が高くなる場合や、多額の破産更生債権等が発生した場合には貸倒引当金が増加し、当社企業グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(注)文中のフリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式で算定しております。
フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フローの金額と投資活動によるキャッシュ・フローの金額の合計
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年4月に緊急事態宣言が発出された後、社会経済活動は大きな制約を受け、極めて厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社企業グループの主要な事業拠点であります新潟港の貨物取扱量は前期比で減少し、当社企業グループの運輸部門の貨物取扱量も同様に前連結会計年度比で減少いたしました。また、ホテル事業部門では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、非常に厳しい状況となりました。
この結果、当連結会計年度の当社企業グループの売上高は、141億9千6百万円(前連結会計年度比15.5%の減収)、営業損失5億2千5百万円(前連結会計年度は4億9千7百万円の営業利益)、経常損失3億8百万円(前連結会計年度は5億2千1百万円の経常利益)となりました。また、特別損失としてホテル事業部門等の固定資産の減損損失8億9千2百万円を計上したことに加え、主に当社の繰延税金資産の取崩しの影響により法人税等調整額2億9千万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は15億6千5百万円(前連結会計年度は9千9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(運輸部門)
当社運輸部門と運輸系子会社4社を合わせた同部門の当連結会計年度の船内取扱数量は、コンテナ貨物、一般貨物共に減少し、合計で前連結会計年度比17.5%減少の516万6千トンとなりました。コンテナ貨物については、新型コロナウイルス禍での巣ごもり消費の影響もあり、日用雑貨品などの一部の輸入貨物の取扱いは堅調だったもののアジア向けを中心とした輸出貨物の荷動きの回復は鈍く、コンテナ貨物全体では、前連結会計年度比で11.5%減少いたしました。また、一般貨物についても、主要貨物である素材原料の取扱いが低調に推移し、前連結会計年度比で26.4%減少いたしました。
この結果、同部門の売上高は96億5千7百万円(前連結会計年度比6.8%の減収)となり、経費面では下払輸送費や燃料費等の変動費は減少したものの、労務コストや減価償却費等の固定費が負担となり、セグメント損失は1億9千7百万円(前連結会計年度は1億2千6百万円の利益)となりました。
(不動産部門)
不動産賃貸では新規賃貸物件の取得により増収となったものの、不動産商品の販売において減収となり、同部門の売上高は3億1千5百万円(前連結会計年度比8.2%の減収)、セグメント利益は1億9千4百万円(前連結会計年度比1.2%の減益)となりました。
(機械販売部門)
建設機械販売は堅調に推移しましたが、部品販売が低調に推移した結果、同部門の売上高は12億3千3百万円(前連結会計年度比5.7%の減収)、セグメント利益は3百万円(前連結会計年度は1千3百万円の損失)となりました。
(ホテル事業部門)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、個人顧客の不要不急の外出自粛や法人顧客の宴会を控える状況が続く中、テイクアウトやデリバリーサービス等の外販に注力いたしましたが、業績を大きく改善するまでには至らず、政府によるGoToキャンペーンの効果も感染再拡大により一時的なものとなり、非常に厳しい状況が続きました。
この結果、ホテル2社を合わせた同部門の売上高は13億1千4百万円(前連結会計年度比54.7%の減収)、セグメント損失は5億8千1百万円(前連結会計年度は1億2千8百万円の利益)となりました。
(商品販売部門)
住宅資材に係る取引が前連結会計年度に比べて減少したことなどから、同部門の売上高は15億円(前連結会計年度比15.2%の減収)、セグメント利益は2千3百万円(前連結会計年度比41.0%の減益)となりました。
(その他)
保険代理店業、産業廃棄物の処理業を合わせたその他の売上高は、2億9千万円(前連結会計年度比6.9%の増収)、セグメント利益は3千1百万円(前連結会計年度比57.3%の増益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが6億8千5百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが2億3千3百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが2億8千万円の支出超過になったことにより、前連結会計年度末に比べて1億7千1百万円増加し、6億1千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純損失12億1千3百万円となりましたが、減価償却費8億1千3百万円、減損損失8億9千2百万円などの非資金項目のほか、助成金の受取額1億7千4百万円などの資金の増加要因により、6億8千5百万円の収入超過(前連結会計年度比23.9%の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比べ大規模な設備投資はなく、主に有形固定資産の取得による支出2億2千4百万円により、2億3千3百万円の支出超過(前連結会計年度は29億3千万円の支出超過)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期及び長期の借入金の純減額3千6百万円、リース債務の返済による支出1億6千2百万円、親会社による配当金の支払額8千万円などの資金の減少要因により、2億8千万円の支出超過(前連結会計年度は15億2千3百万円の収入超過)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 42.0 | 39.8 | 39.3 | 37.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 13.2 | 14.5 | 16.6 | 17.4 |
| 債務償還年数(年) | 8.3 | 7.3 | 14.1 | 18.4 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 13.9 | 17.6 | 10.6 | 8.2 |
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は367億2千6百万円となり、前連結会計年度比1.9%、7億1千万円減少しました。資産の減少の主な要因は、流動資産が2億3千万円、投資その他の資産が6億1千万円、それぞれ増加した一方、有形固定資産及び無形固定資産が15億5千1百万円減少したことによるものであります。
負債純資産の減少の主な要因は、負債合計が2億5千8百万円増加した一方、純資産が9億6千8百万円減少したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は41億2千3百万円となり、前連結会計年度比で5.9%、2億3千万円増加いたしました。この増加の主な要因は、現金及び預金の増加1億7千1百万円、受取手形及び営業未収入金の増加1億8千8百万円、その他の減少1億3百万円などであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は326億2百万円となり、前連結会計年度比で2.8%、9億4千1百万円減少しました。この減少の主な要因は、ホテル事業部門の連結子会社が所有する固定資産の減損損失等により有形固定資産が15億1千4百万円減少し、投資有価証券が時価評価により5億9千2百万円増加したことなどであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は78億3千万円となり、前連結会計年度比で1.3%、1億3百万円増加しました。この増加の主な要因は、短期借入金が5千万円、一年内返済長期借入金が3千4百万円、それぞれ増加したことなどであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は151億4千万円となり、前連結会計年度比で1.0%、1億5千4百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金が1億2千万円減少し、繰延税金負債が5億4千7百万円増加したことなどであります。なお、繰延税金負債の増加の主な要因は、当社の繰延税金資産の取崩しに伴うものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は137億5千5百万円となり、前連結会計年度比で6.6%、9億6千8百万円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純損失15億6千5百万円を計上したことなどにより利益剰余金が16億4千9百万円減少し、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価により4億4千2百万円増加したことが主な要因であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社企業グループは受注生産形態をとらない業種のため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。なお、販売実績については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の状況)
当社企業グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、141億9千6百万円(前連結会計年度比26億7百万円、15.5%の減収)となりました。セグメント部門別では、その他の部門を除き減収となりました。特に、運輸部門、ホテル事業部門の減収が大きく影響しております。
販売費及び一般管理費は、12億8千7百万円(前連結会計年度比5千3百万円、4.0%の減少)となりました。役員報酬、修繕費等の減少が主な要因であります。
営業損失は5億2千5百万円(前連結会計年度は4億9千7百万円の営業利益)となりました。運輸部門、ホテル事業部門がセグメント損失となったことが影響しております。
経常損失は3億8百万円(前連結会計年度は5億2千1百万円の営業利益)となり、営業損失よりも損失額が減少しておりますが、政府の助成金収入が影響しております。また営業外費用の支払利息は8千3百万円となり、前連結会計年度比で減少しております。
特別利益については特記すべき事項はありませんが、特別損失では、ホテル事業部門を中心に固定資産の減損損失8億9千2百万円を計上いたしました。また、当社において、繰延税金資産の取崩しを行ったことが影響し、法人税等調整額2億9千万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は15億6千5百万円(前連結会計年度は9千9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
各セグメントの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[運輸部門]
同部門の中心拠点である新潟港の荷動きは、中国や東南アジアを中心とした諸外国の経済状況、新潟県内に工場を持つ企業の生産活動、小売業者の事業活動や消費者動向、さらに同港に寄港する船会社の再編、スケジュール等に影響されます。また、物流業界では、トラックの運転手不足が課題になっておりますが、新型コロナウイルス禍で企業間の物流量の落込みもあり、今後、運送会社の休廃業が増えることも予想され、同部門でも荷役・輸送体制の維持が課題と認識しております。
このような事業環境のもと、同部門の外部顧客への売上高は96億4千9百万円(前連結会計年度比7億円、6.8%の減収)、セグメント損失は1億9千7百万円(前連結会計年度は1億2千6百万円の利益)となりました。
当期は、新潟東港を中心に一般・危険品倉庫の貨物保管機能を活かして、倉庫保管と港湾荷役が結び付く貨物や重量物など特殊貨物の取込みを図る計画でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により社会活動の制限が続き、それに伴う家庭用品の消費増、デジタル化への対応など社会活動の変化が急激に進みました。この結果、日用雑貨品に関連する貨物は堅調であったものの、これまで安定した需要が見込めた一般貨物の素材原料が影響を受けたこと、輸出入相手国の規制強化や港湾機能の停滞などが新潟港のコンテナの荷動きに影響を及ぼし、倉庫作業、港湾荷役に結び付く貨物の取込みも低調に推移しました。
今後、ワクチン接種が進み、国内外の社会経済活動が徐々に回復することにより、荷動きにもその影響が表れるものと見込んでおりますが、一方で今年に入り、世界的に海上コンテナの不足や海上運賃の高止まりが継続しており、新潟港でもコンテナ貨物への影響が懸念されます。
同部門の収益基盤の安定・強化のため、優先して取り組む課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しておりますが、港湾荷役や陸送業務の感染拡大防止を徹底し、現場作業の内製化推進と自社トラックの稼働を上げることで外部経費の抑制を図ります。また充実した倉庫機能を活かして新潟港への貨物誘致を推進し、港湾荷役にこだわらず運輸部門の長年のノウハウを活用した物流改善を提案し、地域貢献と同時に既存顧客の維持・取扱拡充と新規貨物の獲得に取組みます。さらに荷役・輸送体制の維持のため人材の確保・育成に取組んで参ります。
[不動産部門]
同部門では、当社が保有する不動産の賃貸収入や当社保有の不動産の販売が主な収入源となります。
同部門の外部顧客への売上高は2億9千3百万円(前連結会計年度比2千5百万円、8.1%の減収)、セグメント利益は1億9千4百万円(前連結会計年度比2百万円、1.2%の減益)となりました。
当期は、新規の賃貸物件による増収があったものの、商品土地の販売が減少し、減収減益となりました。
同部門では、当社が保有する不動産の売却を含めた有効利用を検証し収益確保を図って参ります。また保有する賃貸物件についてはお客様に選択していただけるように修繕等の設備投資を行い安定収益に努めて参ります。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」にあるように、当社企業グループの既存の固定資産について、潜在的な収益力を掘り起こす利用方法の見直しの検討をすすめ、連結全体の資産の有効活用にも取組んで参ります。
[機械販売部門]
同部門は、建設機械の販売・整備、自動車整備が事業の中心であり、ゼネコン業者や土木建設業者の事業活動が同部門の収益に影響を及ぼします。
同部門の外部顧客への売上高は11億8千4百万円(前連結会計年度比5千4百万円、4.4%の減収)、セグメント利益は3百万円(前連結会計年度は1千3百万円の損失)となりました。
当期は、建設機械の部品販売が前期に比べて減少したため、減収となりましたが、作業効率を上げ不稼働時間を減少させて、黒字を確保いたしました。お客様の保有する建設機械の稼働状況と新機種の入替ニーズを的確に把握し、販売の成約に繋げると同時に、継続して整備作業の稼働率向上に努めて、収支改善を図って参ります。
[ホテル事業部門]
同部門の外部顧客への売上高は13億9百万円(前連結会計年度比15億8千3百万円、54.7%の減収)、セグメント損失は5億8千1百万円(前連結会計年度は1億2千8百万円の利益)となりました。
同部門は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による行動自粛により、個人客を中心に不要不急の外出を控えたため、宿泊、レストラン部門が影響を大きく受け、宴会部門も法人客を中心とした宴会の自粛が響き、業績が大きく落ち込みました。また、同部門の今後の将来キャッシュ・フローを慎重に検討した結果、ホテル2社合わせて、固定資産の減損損失8億7千8百万円を計上致しました。
この厳しい事業環境において、2021年4月に当社が所有する株式会社ホテル大佐渡の全株式を譲渡したため、ホテル事業部門は株式会社ホテル新潟1社となりますが、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、政府の各種助成金等の活用を進め、雇用の確保に最大限努めて参ります。またお客様に安心してご利用していただくため徹底した感染防止策を継続し、新生活様式に合わせた宿泊、宴会、レストランのサービスを提供、ホテル商品のテイクアウト、デリバリーサービスなど外販強化、さらに政府による観光需要喚起キャンペーンが実施された場合のビジネスチャンスを最大限活かし、同事業を早期に正常に戻せるように取組んで参ります。
[商品販売部門]
同部門は、セメントなど建設資材、荷役用品などの一般商品、貿易代行を通じた住宅資材を中心に商品販売を行っており、ゼネコン業者の工事案件の動向、住宅着工件数が収支に影響を及ぼします。
同部門の外部顧客への売上高は14億6千9百万円(前連結会計年度比2億6千1百万円、15.1%の減収)、セグメント利益は2千3百万円(前連結会計年度比1千6百万円、41.0%の減益)となりました。
当期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、住宅着工件数が減少したことや、旅館などを対象とした商品販売が落ち込みました。新型コロナウイルスの影響が、今後も同部門の収益に悪影響を及ぼす懸念があります。
同部門では、新型コロナウイルス禍でも、情報収集を行い需要が見込める商品を中心に販売機会を捉え、建設資材以外の商品についても他のセグメント部門の取引先情報も入手し、新たな販売商品の提案を行い収益向上に努めて参ります。
[その他]
その他には、保険代理店業、産業廃棄物の処理業が含まれます。当期は、特に木材リサイクルにおいて、廃材受入の時間の拡大など廃材受入量を増やす取組みが効果を発揮し、前期に比べて増収増益となりました。
(財政状態の状況)
当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③財政状態の状況)」に記載の通りであります。
当連結会計年度の資産は367億2千6百万円(前連結会計年度末比7億1千万円、1.9%の減少)、負債は229億7千万円(前連結会計年度末比2億5千8百万円、1.1%の増加)、純資産は137億5千5百万円(前連結会計年度末比9億6千8百万円、6.6%の減少)となりました。
その結果、自己資本比率が37.5%となり、前期の39.3%よりも1.8ポイント減少しました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が前期に比べて16億4千9百万円減少したことが大きな要因であります。
企業継続のため財務基盤の安定向上は優先すべき課題として認識しており、新型コロナウイルスの影響が継続する状況のもと、全事業部門でコスト管理を徹底し、収益獲得の機会を的確に捉えて、利益の積み増しと剰余金の安定配当を勘案し、純資産の増加に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度では、税金等調整前当期純損失が12億1千3百万円となりましたが、減価償却費8億1千3百万円、減損損失8億9千2百万円などの非資金項目の他、助成金の受取額1億7千4百万円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは6億8千5百万円の収入超過となりました。これに対して、当連結会計年度においては大規模な設備投資は行なわなかった結果、投資活動によるキャッシュ・フローは2億3千3百万円の支出超過に止まり、フリー・キャッシュ・フロー(注)が4億5千1百万円の収入超過になりました。当社企業グループは、財務基盤の安定に向けて、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案した設備投資を行い、借入金の抑制に取組む方針であります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社企業グループは、事業活動に必要な資金と資金の流動性を維持するとともに健全な財政状態を目指すため、安定的な営業キャッシュ・フローを稼得することが資本財源の基本と考えております。
(資金需要の主な内容)
当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸部門の作業諸掛、機械販売部門の建設機械の仕入、商品販売部門の建設資材の仕入、ホテル事業部門の料理材料・飲料の仕入であり、共通するものとして人件費等であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、事業用の設備投資であります。
(資金調達)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、既存の借入金の約定返済や設備投資のため、金融機関による固定金利の長期借入も行います。また、当社が連結子会社を含めたグループ内の運転資金の一元管理を行い、グループ内の資金の過不足を調整しております。
2021年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(千円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 2,400,000 | 2,400,000 | - | - | - |
| 長期借入金 | 9,710,258 | 2,646,224 | 4,100,734 | 2,491,905 | 471,395 |
| リース債務 | 472,347 | 161,799 | 215,876 | 83,776 | 10,894 |
| 合計 | 12,582,605 | 5,208,023 | 4,316,610 | 2,575,681 | 482,289 |
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社企業グループの第三者に対する保証は、連結子会社であるリンコー運輸株式会社の全国通運への交互計算精算債務に対する債務保証であります。保証した債務の債務不履行が発生した場合、当社企業グループが代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証は135,645千円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行う必要があります。よって、見積りや予測の持つ特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りや予測と異なる場合があります。
当社企業グループは、特に次の会計上の見積りが重要であると考えております。
(固定資産の減損)
当社企業グループでは、固定資産のうちの兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、さらに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定に当たっては、割引前将来キャッシュ・フローの見積りが重要になりますが、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準に一定の補正をしており、経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当初の見積りを著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑥ 固定資産の減損に関わるリスク」を参照願います。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来の収支計画に基づき課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を慎重に計上しております。この繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りを前提にするため、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準にしており、その条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩す必要があり、税金費用が増加する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑩ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク」を参照願います。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び退職給付債務の算定に使用される見積りには、年金資産の長期期待運用収益率、割引率、平均残存勤務年数等を計算基礎としており、当社企業グループは、この数理計算上の仮定は適切であると認識しておりますが、年金資産の運用実績の結果や一定の仮定の変動は将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。なお、退職給付費用及び退職給付債務に関する見積りや数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」を参照願います。
(貸倒引当金)
当社企業グループは、信用調査会社を通じてお客様の信用情報を入手し、支払履歴も考慮して与信管理を行っております。また、貸倒引当金については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に基づき、計上しております。
現在の貸倒引当金の金額は、過去の貸倒実績率に基づき算出しており、今後、取引先の債権の支払状況によって貸倒実績率が高くなる場合や、多額の破産更生債権等が発生した場合には貸倒引当金が増加し、当社企業グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(注)文中のフリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式で算定しております。
フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フローの金額と投資活動によるキャッシュ・フローの金額の合計