有価証券報告書-第93期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/22 13:20
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャ
ッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状態にあり、2020年の国内総広告費を見ても、各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により4月~6月期を中心に大幅に減少し、東日本大震災のあった2011年以来9年ぶりのマイナス成長となった。媒体別では、巣ごもり需要によるSNSやEコマース、動画配信サービスへの接触機会が増えたことも影響してインターネット広告費のみ前連結会計年度を上回ったが、放送業界ではラジオ広告費、地上波テレビ広告費ともに前連結会計年度を大きく下回った。その結果、連結売上高は6,690,193千円(前期同期比14.2%減)、連結経常損失は538,420千円(前期は経常利益135,910千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は株式の売却等により67,265千円(前期同期比11.0%増)となった。
当社グループは2020年6月8日に本社新社屋での業務を開始し、新たな歴史の幕開けとなった。また、10月には新キャラクター「モリーノ」が誕生し、3月には東京支社が赤坂のシェアオフィスへ移転した。当社グループの役職員一同、新しいスローガン「はやく、ただしく、おもしろく」を胸に、新社屋「杜の中の放送局」から良質なコンテンツを発信し、視聴率・聴取率の向上、収益の改善を図り、県民の皆様にこれまで以上に親しまれ、信頼される「一番」の局を目指し続けていく。2019年11月に放送したtbcテレビ60周年記念ドラマ「小さな神たちの祭り」が、2021年1月に「第25回アジア・テレビジョン・アワード」最優秀作品賞を受賞、さらに世界の優れたテレビ番組に贈られる「国際エミー賞」では最終選考4作品の1つにノミネートされるなど、被災地の放送局の思いを世界に発信することができた。そして、震災から10年の2021年3月には、東北の地から音楽の力を発信するため復興応援ソング「10年後の僕ら」を制作し、放送だけではなく各音楽配信サイトでも有料配信し、収益の一部は東日本大震災義援金として被災された方に贈られる。また、「SDGs」達成に向けた取り組みを推進するため、国連が世界の報道機関に対して協力を呼び掛けている「SDGsメディア・コンパクト」に東北地方の報道機関として初めて加盟し、SDGs宣言を行った。
なお、セグメントごとの経営成績は、次の通りである。
(放送事業)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり減収は避けられないと想定していたが、新社屋・新CIのもと生まれ変わった当社を聴取者・視聴者さらに広告主、広告会社に認識いただき収益拡大につなげ、ラジオは、媒体価値の向上とリスナー層の拡大を図り、収入目標額を前連結会計年度比92.1%とし、テレビは世帯視聴率・個人視聴率アップを目指しスポットシェアアップによる増収を図り、タイムと合わせた収入目標額を前連結会計年度比92.1%としていた。
しかし、ラジオ放送収入は、新型コロナウイルス感染症の影響により、4月中旬に「緊急事態宣言」対象地域が全国に拡大されたこともあり、上期はレジャーや交通関係のCM出稿が大きく落ち込んだほか、公開生放送などイベント連動の放送が実施できなかった。しかしながら、タイムセールスでは上期が前連結会計年度比81.1%に対して下期は90.4%、スポットセールスでは上期が前連結会計年度比63.7%に対して下期は84.7%となった。また、コロナ禍での新しい生活様式を提案する特別番組や、当連結会計年度開催が中止になった「tbc夏まつり」の臨場感をラジオで楽しんでもらう特別番組「tbcラジオde夏まつり」などを制作放送して収入に結び付けた。テレビ放送収入も新型コロナウィルス感染症の影響が大きく、タイムセールスでは「仙台国際ハーフマラソン大会」や「tbc夏まつり」など大型イベントの中止やレギュラー提供の降板が相次ぎ、上期は前年比86.2%、下期は91.2%、通期は88.7%となった。スポットセールスも上期は前連結会計年度比68.8%と記録的なマイナスとなり、下期は101.1%となったが上期の大幅なマイナス分を埋められず通期では84.9%となった。
その結果、放送事業の売上高は、6,455,323千円(前期同期比14.5%減)で、費用面では、新社屋の不動産取得税の計上による一般管理費の増加や新社屋等に係る減価償却費の増加はあったものの、放送収入に連動した代理店手数料の減少の他、ラジオのネット配分費や番組制作費、テレビニュース費、イベント催事費の減少となり、営業損失が596,945千円(前期同期は営業利益82,995千円)となった。このため、経営方針、経営環境及び対処すべき課題でも記載したが、ラジオ放送収入は、ラジオの媒体価値や聴取率向上により、テレビ放送収入は、テレビの世帯視聴率・個人視聴率のアップによるスポットシェア拡大により、事業関連収入ではイベント集客増を図ることで増収を目指す。
(その他の事業)
当連結会計年度におけるイベント企画運営や保険代理業務、映像制作など、その他の事業における売上高は、234,870千円(前年同期比4.6%減)で、映像制作やイベント企画運営の受注減により、営業損失は、23,617千円(前年同期は営業損失9,145千円)を計上することとなった。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況・検討内容
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が686,352千円(前年同期比481.6%増)と増加したが、前連結会計年度末に比べ275,144千円減少し、当連結会計年度末は3,295,079千円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、644,520千円(前年同期比121.3%増)となった。これは、放送事業における連結経常利益が減少しているものの、非資金取引である減価償却費の増加や本社移転損失引当金を計上していること等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の増加は、384,165千円(前年同期は2,803,910千円の資金の減少)となった。これは、放送事業における有形固定資産の取得による支出で特に新社屋建設のスタジオ工事などの支払いがあるものの、投資有価証券の売却による収入があること等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、1,303,830千円(前年同期は3,966,560千円の資金の増加)となった。これは、放送事業における配当金の支払いのほか、新社屋建設資金として前連結会計年度に4,000,000千円の借入れをしていたが、早期返済を含め1,245,000千円の借入金を返済したこと等によるものである。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(契約債務)
2021年3月31日現在の契約債務は以下のとおりである。
年度別要支払額(千円)
契約債務合計1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超
長期借入金2,755,000145,000145,000145,000145,000145,0002,030,000
リース債務13,7874,3304,3304,0741,052--

上記の表において、連結貸借対照表の1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めている。
(財務政策)
当社グループの運転資金は内部資金により対応し、設備資金のうち新社屋に関する支出の一部は金融機関からの借入による資金調達を行い、それ以外の設備資金は内部資金等で対応することとしている。
なお、当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金の需要として放送費、技術費、販売費および一般管理費の営業費用等があり、投資を目的とした需要は、放送設備等の設備投資等によるものである。
当社グループでは、手許流動性を維持し、流動性リスクを管理している。
③重要な会計方針及び見積り並びに当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となる。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合がある。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として以下のものがあると考えている。
a. 貸倒引当金
一般債権については、過去の貸倒実績率によりその回収不能見込額を計上している。また、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。そのため、債務者の財政状態あるいは経済環境の悪化により、さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、追加の引当が必要となる可能性がある。
b. 有価証券
当社グループは、市場価格のある有価証券と、市場価格のない有価証券を保有している。これらの有価証券については、決算日現在で下落が一時的でないと判断した場合、減損処理を行っている。そのため、将来の市場環境の悪化又は投資先の業績不振等により、さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、評価損の計上が必要となる可能性がある。
c. 繰延税金資産
企業会計上の資産負債と税務上の資産負債の差額及び税務上の繰越欠損金等の一時差異に係る繰延税金資産の回収可能額を見積り算定している。その計上にあたっては、当連結会計年度末時点で入手可能な外部の情報等を踏まえて、一定期間にわたり新型コロナウイルス感染症拡大による影響が継続するとの仮定のもと課税所得などを検討し、会計上の見積りを行っている。
d. 本社移転損失引当金
本社移転に伴い将来発生することが見込まれる旧社屋の解体費用等の損失について、合理的な見積額等をもって当連結会計年度の本社移転損失引当金として計上している。今後、解体工事等の作業過程で当初の見積り内容に変更が生じた場合には、引当金の取崩し、追加の引当が必要となる可能性がある。
e. 固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下した事業用資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該額を減損損失として計上している。なお、回収可能価額は、使用価値により算定している。新型コロナウイルス感染症拡大を含む今後の経済状況による影響は不確定要素が多く、事業計画の見直し等により固定資産の減損損失の計上が必要となる可能性がある。
④販売の実績
a. 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次の通りである。
セグメントの名称売上区分金額(千円)前年同期増減比(%)
外部売上6,455,323△14.5
放送事業セグメント間売上50,278△24.2
6,505,601△14.6
外部売上234,870△4.6
その他の事業セグメント間売上164,444△34.0
399,314△19.4
合計外部売上6,690,193△14.2
セグメント間売上214,722△31.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていない。
b. 主要顧客に対する販売実績
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱電通1,383,95817.71,127,29016.8
㈱TBSテレビ1,211,69115.51,124,93016.8
㈱博報堂DYメディアパートナーズ994,95912.7982,55514.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていない。
⑤ 財政状態の分析
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、5,421,138千円(前年同期比11.7%減)となった。これは、放送事業において上場株式の売却があったものの新社屋のスタジオ設備などの設備投資や新社屋建設資金の借入金の早期返済などで現金及び預金が減少しているほか、前連結会計年度に取得した新社屋の固定資産に係る未収消費税等の減少等によるものである。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、10,598,944千円(前年同期比9.8%減)となった。これは、放送事業における新社屋のスタジオ設備など完成による機械装置及び運搬具等の増加はあるものの、上場株式の売却で投資有価証券が減少した等によるものである。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、1,385,210千円(前年同期比37.1%増)となった。これは、放送事業において当連結会計年度末は、上場株式の売却等で課税所得が増加し未払法人税等の増加のほか、未払消費税等の増加があったこと等によるものである。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、3,511,673千円(前年同期比26.6%減)となった。これは、放送事業における、新社屋建設資金としての長期借入金を早期返済したことのほか、上場株式の売却で繰延税金負債が減少したこと等によるものである。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産は、11,123,198千円(前年同期比8.0%減)となった。これは、当連結会計年度においてその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものである。
⑥ 経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、6,690,193千円(前期同期比14.2%減)となった。
2020年の国内総広告費は新型コロナウィルス感染症の影響により東日本大震災のあった2011年以来9年ぶりのマイナス成長となり、放送業界でも、ラジオ広告費、地上波テレビ広告費ともに前年を大きく下回った。当社グループの放送事業は、ラジオ放送収入はタイムセールスでは上期が前年比81.1%に対して下期は90.4%となったほか、スポットセールスでは上期が前年比63.7%に対して下期は84.7%となった。テレビ放送収入のタイムセールスは「仙台ハーフマラソン」や「tbc夏まつり」など大型イベントが中止や、レギュラー提供の降板が相次ぎ、上期は前年比86.2%、下期は91.2%、通期は88.7%となった。スポットセールスも上期は前年比68.8%と記録的なマイナスとなり、下期は前年比101.1%となったが上期の大幅なマイナス分は埋められず通期では84.9%となった。その結果、当連結会計年度の放送事業は、6,455,323千円(前年同期比14.5%減)の売上を計上した。また、その他の事業は、映像制作やイベント企画運営の受注減により234,870千円(前年同期比4.6%減)の売上を計上した。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費は、7,310,594千円(前年同期比5.4%減)となった。これは、放送事業において、新社屋の不動産取得税の計上による一般管理費の増加や新社屋等に係る減価償却費の増加はあったものの、放送収入に連動した代理店手数料の減少の他、ラジオのネット配分費や番組制作費、テレビニュース費、イベント催事費の減少等によるものである。
c.営業損失
当連結会計年度における営業損失は、620,400千円(前年同期は70,793千円の営業利益)となった。これは、主に放送事業において、bに記載した科目で費用減少などとなっているものの、放送事業の売上高が前年同期比で減少したこと等によるものである。
d.経常損失
営業外収益に放送事業における受取配当金等が計上されているものの、営業外費用に借入金の支払利息等を計上した結果、当連結会計年度における経常損失は、538,420千円(前年同期は135,910千円の経常利益)となった。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
これは、特別損失として、旧社屋を中心とした固定資産除却損や解体費用などの計上があったことと、特別利益として、投資有価証券売却益の計上があったこと、繰延税金資産を取り崩して法人税等調整額を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、67,265千円(前年同期比11.0%増)となった。

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