半期報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2020/12/25 11:34
【資料】
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【項目】
69項目
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
当中間会計期間は、中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症が世界に拡大、パンデミックで人の動きが止まり経済は停滞しました。わが国においても4月に緊急事態宣言が発出され国民は巣ごもりを強いられました。このため、交通・レジャー・飲食・宿泊など多くの業種で打撃を受けたほか、生産現場や輸出関連業種も影響を被りました。その後、巨額の財政支出による政府や地方自治体の施策やGo Toキャンペーンなどの消費喚起策が奏功して持ち直しの動きも見られましたが、第2波、第3波への警戒感と先行きへの不透明感が景気回復の重しになりました。また、県内経済も第一四半期は多くの業種がコロナショックの影響を受け消費や雇用環境も悪化しましたが、その後は緩やかな回復傾向を示しました。
こうした中、広告市況は企業の業績悪化によりCMの出稿を控える傾向が顕著になったほか、期待された東京五輪も開催が延期されたことに伴い、冷え込みました。当社は期間中視聴率もテレビスポットのシェアも好調を維持したものの、秋田地区へのCM投下が大きく落ち込み、テレビはスポット収入を中心に激減し、ラジオはタイム・スポットともに振るいませんでした。
また、令和2年4月1日に秋田駅前の新社屋に完全移転を果たしましたが、その効果も限定的でした。何より、ほとんどの事業やイベントが中止を余儀なくされるなどして、当中間会計期間の総売上は開局以来最大の減収となりました。
こうした結果、当中間会計期間の売上高は、1,821,231千円で前中間会計期間に比べ△386,054千円(△17.5%)の減収となりました。事業部門別の内訳は、テレビ放送収入が前中間会計期間に比べ△299,876千円(△15.4%)減収の1,650,837千円、ラジオ放送収入が前中間会計期間に比べ△41,235千円(△24.1%)減収の130,019千円、その他事業収入が前中間会計期間に比べ△44,942千円(△52.7%)減収の40,375千円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前中間会計期間に比べ△62,832千円(△3.0%)減少の2,063,918千円となりました。内訳は、売上原価は、人件費および事業費が減少したものの、減価償却費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ26,572千円(+2.3%)増加の1,175,371千円となり、販売費及び一般管理費は、減価償却費が増加したものの、販促費の減少および減収に伴い代理店手数料が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ△89,404千円(△9.1%)減少の888,547千円となりました。これにより、営業損益は前中間会計期間に比べ△323,222千円減益の△242,687千円となりました。営業外収益に17,284千円、営業外費用に42,411千円を計上したことから、経常損益は前中間会計期間に比べ△347,499千円減益の△267,814千円、特別利益に3.4GHz帯の周波数移行に伴う補助金など54,793千円を計上、特別損失に8,939千円を計上したことから、税引前中間純損失が△221,960千円となり、法人税、住民税及び事業税に1,009千円、令和3年4月以降も引き続き、業績に対する新型コロナウイルス感染症の影響はある程度継続するものとの仮定をおき、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額が25,758千円となり、中間純損失は248,727千円(前中間会計期間は47,395千円の純利益)にとどまりました結果、減収減益となりました。
当社は、放送事業の単一セグメントであるため、事業部門別の経営成績は次のとおりです。
①テレビ放送部門
テレビ放送部門は、スポットを中心に大幅減収となったことにより、売上高は前中間会計期間に比べ△299,876千円(△15.4%)減収の1,650,837千円となりました。また、新社屋移転に伴う大型設備投資で減価償却費が大きく増加したことにより、売上原価は、前中間会計期間に比べ75,450千円(+8.6%)増加の950,041千円となりましたが、販売費及び一般管理費は、販促費の減少および減収に伴う代理店手数料が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ△74,627千円(△8.2%)減少の834,286千円となり、テレビ放送の営業損益は、営業利益だった前中間会計期間に比べ△300,699千円減益の△133,490千円となりました。
②ラジオ放送部門
ラジオ放送部門は、スポット、タイム放送収入ともに低調だったことから、売上高は前中間会計期間に比べ△41,235千円(△24.1%)減収の130,019千円となりました。
売上原価は、減価償却費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ11,527千円(+7.6%)増加の163,322千円となりましたが、販売費及び一般管理費は、減収に伴う代理店手数料が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ△14,777千円(△21.4%)減少の54,261千円となったことから、ラジオ放送の営業損失は前中間会計期間に比べ37,986千円損失が増え△87,564千円となりました。
③その他部門
その他部門は、新型コロナウイルスの影響で開催できた自主事業が少なかったことから、売上高は前中間会計期間に比べ△44,942千円(△52.7%)減収の40,375千円となりました。また、事業費用および人件費に62,008千円を計上したため、21,633千円の営業損失(前中間期は37,095千円の営業損失)となりました。
(2)財政状態の状況
当中間会計期間末においては、前中間会計期間末に比べ資産合計は1,044,793千円増加の9,145,852千円、負債合計は1,023,633千円増加の6,958,714千円、純資産合計は21,160千円増加の2,187,137千円となりました。資産の減少として、売上減少に伴う売上債権の減少ならびに新社屋関連の設備投資が一段落したこと等による仮払消費税等の減少に加えて、負債の増加として前事業年度末における退職金規程の改訂を受けた退職給付引当金の減少がありましたが、新社屋関連設備購入費用を外部借入により充当したことにより、資産・負債が増加しました。純資産の増加は、当中間会計期間は純損失でしたが、前期まで純利益の計上で利益剰余金が増加したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前中間純損失が221,960千円(前年同期比302,711千円減)となったものの、減価償却費351,734千円(前年同期比208,205千円増)を計上したことに加えて、売上債権の増減額が193,510千円(前年同期比117,654千円増)、未払消費税等の増減額が422,491千円(前年同期比526,276千円増)だったこと、新社屋関連の設備投資が一服し、有形固定資産の取得による支出が966,581千円(前年同期比596,387千円減)ならびに短期借入金の純増減額が484,000千円(前年同期比954,000千円減)となったことなどにより、当中間会計期間末は、1,551,917千円(前年同期比462,267千円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動によって得られた資金の増加は、690,036千円(前年同期比594,762千円増)となりました。これは、税引前中間純損失221,960千円(前年同期比302,711千円減)を計上したものの、新社屋供用開始に伴い、減価償却費を351,734千円(前年同期比208,205千円増)計上したこと、売上債権の増減額が193,510千円(前年同期比117,654千円増)、新社屋関連設備投資により前事業年度において未収還付消費税等を計上していたことにより、未払消費税等の増減額が422,491千円(前年同期比526,276千円増)だったことなどが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動によって支出した資金の使用は、974,578千円(前年同期比585,641千円減)となりました。これは、新社屋関連設備投資が一服し有形固定資産の取得による支出が966,581千円(前年同期比596,387千円減)だったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動によって得られた資金の増加は、448,810千円(前年同期比916,370千円減)となりました。これは、短期借入金の純増減額が484,000千円(前年同期比954,000千円減)、長期借入金の返済による支出が14,830千円(前年同期比26,505千円減)であったこと、リース債務の返済による支出が15,760千円(前年同期比11,125千円減)であったことなどが主な要因です。
生産、受注及び販売の実績
(1)販売実績
当中間会計期間の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりです。
事業部門別金額(千円)前年同期比(%)
テレビ放送1,650,83784.6
ラジオ放送130,01975.9
その他40,37547.3
合計1,821,23182.5

(注)1.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前中間会計期間当中間会計期間
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本テレビ放送網(株)589,41826.7581,17331.9
(株)電通233,75010.6166,3719.1

2.上記の金額には消費税等は含まれていません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討結果は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末において判断したものです。
1.当中間会計期間の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当中間会計期間は、中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症が世界に拡大、パンデミックで人の動きが止まり経済は停滞しました。わが国においても4月に緊急事態宣言が発出され国民は巣ごもりを強いられました。このため、交通・レジャー・飲食・宿泊など多くの業種で打撃を受けたほか、生産現場や輸出関連業種も影響を被りました。その後、巨額の財政支出による政府や地方自治体の施策やGo Toキャンペーンなどの消費喚起策が奏功して持ち直しの動きも見られましたが、第2波、第3波への警戒感と先行きへの不透明感が景気回復の重しになりました。また、県内経済も第一四半期は多くの業種がコロナショックの影響を受け消費や雇用環境も悪化しましたが、その後は緩やかな回復傾向を示しました。
こうした中、広告市況は企業の業績悪化によりCMの出稿を控える傾向が顕著になったほか、期待された東京五輪も開催が延期されたことに伴い、冷え込みました。当社は期間中視聴率もテレビスポットのシェアも好調を維持したものの、秋田地区へのCM投下が大きく落ち込み、テレビはスポット収入を中心に激減し、ラジオはタイム・スポットともに振るいませんでした。
テレビ部門については、前年同期比でタイム収入は38,477千円(△4.3%)の減収、スポット収入は254,831千円(△26.3%)の減収となりました。
ラジオ部門については、前年同期比でタイム収入は7,114千円(△7.9%)の減収、スポット収入は9,821千円(△19.8%)の減収となりました。
その他の収入は前年同期比で44,942千円(△52.7%)の減収となりました。
2.財政状態に関する認識および分析・検討内容
(1)資産・負債・純資産の状況
前事業年度末
(令和2年3月31日)
当中間会計期間末
(令和2年9月30日)
増減
流動資産(千円)3,216,3162,931,527△284,789
固定資産(千円)6,419,9646,214,325△205,639
資産合計(千円)9,636,2809,145,852△490,428
流動負債(千円)6,049,6045,773,485△276,120
固定負債(千円)1,145,9101,185,23039,320
負債合計(千円)7,195,5146,958,714△236,800
純資産(千円)2,440,7662,187,137△253,628
負債純資産合計(千円)9,636,2809,145,852△490,428

①資産
当中間会計期間末の総資産残高は、前事業年度末に比べ490,428千円(△5.1%)減少し、9,145,852千円となりました。内訳は流動資産が前事業年度末に比べ284,789千円(△8.9%)、有形固定資産が前事業年度末に比べ201,709千円(△3.3%)それぞれ減少しています。流動資産の減少は売掛金の減少と、前事業年度末においては未収還付消費税等を計上していましたが中間会計期間末においては仮受消費税等と仮払消費税等を相殺せずに仮払消費税等を計上したことによるものです。固定資産の減少は減価償却費の計上により有形固定資産が減少したことによるものです。
②負債
当中間会計期間末の負債残高は、前事業年度末に比べ236,800千円(△3.3%)減少し、6,958,714千円となりました。流動負債の減少は短期借入金が増加したものの、その他のうちの固定資産未払金が減少したことによるものです。固定負債の増加は長期リース債務が減少したものの退職給付引当金が増加したことによるものです。
③純資産
当中間会計期間末の純資産残高は、前事業年度末に比べ253,628千円(△10.4%)減少し、2,187,137千円となりました。当中間会計期間において中間純損失248,727千円を計上したことが主たる要因です。
(2)キャッシュ・フローの状況・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
詳細については経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況の項を参照してください。
当社の事業資金需要の主なものは、放送費、技術費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入により、設備投資や長期運転資金の調達については、主に金融機関からの長期借入ないしリース契約によることとしています。
なお、当中間会計期間末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は5,290,933千円、現金及び現金等価物の残高は1,551,917千円となっています。
(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2.財政状態に関する認識および分析・検討内容(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。