半期報告書-第72期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/12/25 10:43
【資料】
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【項目】
64項目
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
この期間のわが国経済は、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化の様相を呈し、加えて中東情勢も緊迫度を増す中、株価が高騰し円安が進行。賃上げ効果を上回る物価の高騰が庶民の暮らしを圧迫しました。こうしたことから、生産活動は順調で海外からの訪日客も増加する一方、個人消費は伸びを欠きました。県内景気も少子高齢化の進行で県人口が90万人を割り込むなど停滞感が拭えず、大きな改善には至りませんでした。
広告市況は、経済の見通しが不透明なこともあり期のスタートから広告主はCM出稿を手控える空気が支配的でしたが、夏場以降、業種によっては回復傾向を見せました。テレビ放送収入は東京の広告市況が改善し、スポット収入を中心に上昇しました。一方、ラジオ放送収入は、タイム、スポットともに下げ止まる気配もなく低調でした。その他の事業収入は伸長しましたが、大型の企画・イベントが下期に集中していることから、大きな利益を確保するには至りませんでした。こうした中、期のスタートから全社的に利益確保と経費削減に取り組み、損失決算ながら増収増益を確保しました。
この結果、当中間会計期間の売上高は、1,929,858千円で前中間会計期間に比べ51,413千円(+2.7%)の増収となりました。事業部門別の内訳は、テレビ放送収入が前中間会計期間に比べ31,376千円(+1.9%)増収の1,696,912千円、ラジオ放送収入が前中間会計期間に比べ4,341千円(△2.9%)減収の144,007千円、その他の事業収入が前中間会計期間に比べ24,379千円(+37.8%)増収の88,939千円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前中間会計期間に比べ33,073千円(△1.6%)減少の2,063,543千円となりました。内訳は、売上原価は修繕費が増加したものの、働き方改革が進んだことなどにより、人件費が減少したほか、番組購入費が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ31,133千円(△2.6%)減少の1,146,026千円となり、販売費及び一般管理費は、売上の増加に伴って代理店手数料が増加したことに加え、販促費が増加したものの、交際費や人件費が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ1,940千円(△0.2%)減少の917,517千円となりました。これにより、営業損失は前中間会計期間に比べ84,486千円減って133,685千円となりました。営業外収益に20,328千円、営業外費用に18,912千円を計上したことから、経常損失は前中間会計期間に比べ85,821千円少ない132,269千円、税引前中間純損失が132,269千円となり、法人税、住民税及び事業税に1,009千円、法人税等調整額に△1,836千円を計上したことにより、中間純損失は前中間会計期間に比べ81,377千円減少し、131,441千円となり、増収増益となりました。
当社は、放送事業の単一セグメントであるため、事業部門別の経営成績は次のとおりです。
①テレビ放送部門
テレビ放送部門は、タイム収入がわずかに減少したもののスポット収入が増加したことにより、売上高は前中間会計期間に比べ31,376千円(+1.9%)増収の1,696,912千円となりました。また、人件費や番組購入費が減少したことなどにより、売上原価は、前中間会計期間に比べ28,389千円(△3.0%)減少の918,195千円となり、販売費及び一般管理費は、人件費や交際費が減少したものの、販促費や代理店手数料が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ2,497千円(+0.3%)増加の859,610千円となった結果、テレビ放送の営業損失は、前中間会計期間に比べ57,268千円減少の80,892千円となりました。
②ラジオ放送部門
ラジオ放送部門は、タイム・スポット収入ともに減少したことなどから、売上高は前中間会計期間に比べ4,341千円(△2.9%)減収の144,007千円となりました。
売上原価は、番組制作費が減少したものの、修繕費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ1,409千円(+1.0%)増加の142,606千円となり、販売費及び一般管理費は、前中間会計期間に比べ4,437千円(△7.1%)減少の57,907千円となったことから、ラジオ放送の営業損失は前中間会計期間に比べ1,314千円損失が増え56,506千円となりました。
③その他部門
その他部門は、美術展やグルメイベント等の自主事業が好調だったことから、売上高は前中間会計期間に比べ24,379千円(+37.8%)増収の88,939千円となり、事業費用および人件費に85,226千円を計上したことから、3,713千円の営業利益(前年同期は24,818千円の損失)となりました。
(2)財政状態の状況
当中間会計期間末においては、前中間会計期間末に比べ資産合計は419,497千円減少の7,506,059千円、負債合計は449,641千円減少の6,084,081千円、純資産合計は30,144千円増加の1,421,978千円となりました。資産の減少は、新社屋関連設備の減価償却が進んだことに伴ない、有形固定資産が減少したことによるもので、負債の減少は、長期借入金の返済が進んだことに加え、退職給付引当金が減少したことによるものです。純資産の増加は、その他有価証券評価差額金が増加したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前中間純損失が132,269千円(前年同期は211,810千円)となった一方、減価償却費が275,245千円(前年同期比2,614千円減)であったことに加えて、その他の資産の増加額が123,162千円(前年同期比98,267千円の増加)だったこと、その他の負債の減少額が41,527千円(前年同期は65,578千円の増加)だったことなどにより、当中間会計期間末は1,821,773千円(前年同期比184,791千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動によって得られた資金の増加は、39,504千円(前年同期比156,729千円減)となりました。これは、税引前中間純損失132,269千円(前年同期は211,810千円)を計上したものの、売上債権の減少額が37,059千円(前年同期は57,619千円)となったことに加え、下半期開催事業の事業経費負担金の一部を支払ったことによりその他の資産の増加額が123,162千円(前年同期は24,895千円)だったこと、前事業年度末退職者に対する退職金を支払ったことによりその他の負債の減少額が41,527千円(前年同期は65,578千円の増加)だったことなどが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動によって支出した資金の使用は、34,496千円(前年同期は39,974千円)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出が1,970千円(前年同期比4,010千円減)だったこと、前中間会計期間末に計上していた貸付けによる支出1,000千円および差入保証金の差入による支出795千円が当中間会計期間はなかったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動によって使用した資金の使用は、166,894千円(前年同期は74,226千円)となりました。これは、短期借入金の純増減額が30,000千円の減少(前年同期は30,000千円の増加)だったこと、前事業年度末日が金融機関の休日だったことにより長期借入金の返済による支出が115,338千円(前年同期は82,670千円)だったことなどが主な要因です。
生産、受注及び販売の実績
(1)販売実績
当中間会計期間の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりです。
事業部門別金額(千円)前年同期比(%)
テレビ放送1,696,9121.9
ラジオ放送144,007△2.9
その他88,93937.8
合計1,929,8582.7

(注)1.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前中間会計期間当中間会計期間
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本テレビ放送網(株)515,70727.5512,33026.5
(株)電通222,24111.8260,81313.5

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討結果は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末において判断したものです。
1.当中間会計期間の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当中間会計期間は円安が進行し、賃上げ効果を上回る物価の高騰が庶民の暮らしを圧迫しました。生産活動は順調で海外からの訪日客も増加する一方で個人消費は伸びを欠き、県内景気も少子高齢化の進行で県人口が90万人を割り込むなど停滞感が拭えず、大きな改善には至りませんでした。
こうした中、テレビ放送収入は東京の広告市況が改善し、スポット収入を中心に上昇した一方、ラジオ放送収入は、タイム、スポットともに下げ止まる気配もなく低調でした。事業その他収入は伸長しましたが、大型の企画・イベントが下期に集中していることから、大きな利益を確保するには至りませんでした。
テレビ部門については、前年同期比でタイム収入は429千円(△0.1%)の減収、スポット収入は27,488千円(+3.5%)の増収となりました。
ラジオ部門については、前年同期比でタイム収入は7,527千円(△8.3%)の減収、スポット収入は2,517千円(△6.2%)の減収となりました。
その他の収入は前年同期比で24,379千円(+37.8%)の増収となりました。
2.財政状態に関する認識および分析・検討内容
(1)資産・負債・純資産の状況
前事業年度末
(令和6年3月31日)
当中間会計期間末
(令和6年9月30日)
増減
流動資産(千円)3,306,0563,328,60822,552
固定資産(千円)4,426,2564,177,450△248,806
資産合計(千円)7,732,3137,506,059△226,254
流動負債(千円)978,074977,179△895
固定負債(千円)5,190,8155,106,901△83,914
負債合計(千円)6,168,8896,084,081△84,809
純資産(千円)1,563,4231,421,978△141,445
負債純資産合計(千円)7,732,3137,506,059△226,254

①資産
当中間会計期間末の総資産残高は、前事業年度末に比べ226,254千円(△2.9%)減少し、7,506,059千円となりました。内訳は流動資産が前事業年度末に比べ22,552千円(+0.7%)増加したものの、有形固定資産が前事業年度末に比べ248,752千円(△6.3%)減少しています。流動資産の増加は中間会計期間末においては仮受消費税等と仮払消費税等を相殺せずに仮払消費税等を計上していることに加えて、仕掛事業費が増加したことによるものです。固定資産の減少は減価償却費の計上により有形固定資産が減少したことによるものです。
②負債
当中間会計期間末の負債残高は、前事業年度末に比べ84,809千円(△1.4%)減少し、6,084,081千円となりました。流動負債の減少は短期借入金が減少したほか、前事業年度末においては未払消費税等を計上していましたが中間会計期間末においては仮受消費税等と仮払消費税等を相殺せずに仮受消費税等を計上したことによるものです。固定負債の減少は退職給付引当金が増加したものの、長期借入金およびリース債務が減少したことによるものです。
③純資産
当中間会計期間末の純資産残高は、前事業年度末に比べ141,445千円(△9.0%)減少し、1,421,978千円となりました。当中間会計期間において中間純損失131,441千円を計上したことが主たる要因です。
(2)キャッシュ・フローの状況・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
詳細については経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況の項を参照してください。
当社の事業資金需要の主なものは、放送費、技術費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入により、設備投資や長期運転資金の調達については、主に金融機関からの長期借入ないしリース契約によることとしています。
なお、当中間会計期間末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は4,378,131千円、現金及び現金同等物の残高は1,821,773千円となっています。
(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2.財政状態に関する認識および分析・検討内容(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。