有価証券報告書-第24期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 9:05
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【項目】
139項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社並びに連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の分析
当連結会計年度末における流動資産は1,280百万円となり、前連結会計年度末に比べ79百万円減少しました。これは主に未収入金が32百万円増加、貸倒引当金が24百万円減少した一方、売掛金が137百万円減少したことによるものです。固定資産は196百万円となり、前連結会計年度末に比べ124百万円減少しました。これは主に有形固定資産が40百万円、無形固定資産が88百万円減少したことによるものです。
この結果、総資産は1,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ205百万円減少しました。
当連結会計年度末における流動負債は903百万円となり、前連結会計年度末に比べ85百万円減少しました。これは主に未払金が12百万円、前受収益が23百万円増加した一方、買掛金が39百万円、預り金が48百万円、その他が29百万円減少したことによるものです。固定負債は29百万円となり、前連結会計年度末に比べ11百万円減少しました。これは主に長期借入金が21百万円減少したことによるものです。
この結果、負債は933百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円減少しました。
当連結会計年度末における純資産は548百万円となり、前連結会計年度末に比べ108百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は36.0%(前連結会計年度末は37.5%)となりました。
②経営成績の状況
当社は、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。当社は、当連結会計年度においても、引き続き、SIM事業の収益改善を図りながら、中長期的な成長ドライバーであるFinTechプラットフォームである「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)の商用化に向けた取組みを進めています。
なお、当連結会計年度の第4四半期以降は、新型コロナウイルスの感染拡大(以下、「コロナ問題」といいます)という未経験の事態に直面し、現時点においても収束が見通せない状況にあることから、当社は、コロナ問題がもたらす事業環境の変化を見極めながら事業を進めています。
SIM事業
(ⅰ)一般消費者向けのスマートフォン用SIM商品について
2019年10月1日に改正電気通信事業法が施行され、携帯電話事業者の過度なキャッシュバック・キャンペーンが実質的に終了したことで、キャッシュバックを目的とする超短期の契約者が減少し、短期的には、当連結会計年度下半期の売上及び利益に大きなマイナス影響がありました。しかしながら、電気通信事業法の改正は、公正な事業環境の実現を目指すものであり、中長期的には、契約者の流動性が高まり、当社事業にプラスの影響を及ぼすものと考えています。
なお、一般消費者向けのスマートフォン用SIM商品には、コロナ問題による影響はあまり見られません。経済の減速が長期化する中、スマートフォンの通信費は家計における必要費であり、携帯電話料金の引き下げに向けた要求は、これまで以上に高まってくることが想定されます。当社が2019年11月にMVNOへの音声サービスの卸料金の適正化を求めて申請した総務大臣裁定は、コロナ問題による緊急事態宣言の影響で遅れていますが、当社の主張が認められた場合には、当社はデータ通信と音声を含めた通信サービスにおいて、より競争力のあるサービスを提供することができるようになります。
(ⅱ)訪日旅行者向けの商品について
当社の訪日旅行者向けの商品は、政府のインバウンド推進政策を受け、順調な売上成長を続けてきましたが、コロナ問題による訪日旅行者の大幅な減少に連動し、第4四半期の売上は大きく減少しました。今後、コロナ問題が終息した後においても、訪日旅行者数および同商品の売上が従前のレベルに回復するには相当の時間を要することが想定されます。
(ⅲ)テレワーク向けの商品について
コロナ問題により、在宅勤務および在宅学習が急速に広がっています。当社はこれまでに培った安全な通信に関する特許技術や実績をもとに、政府、地方自治体、大学、一般企業向けに、2020年3月から、在宅勤務および在宅学習向けの通信サービスの提供を開始しました。コロナ問題が収束した後においても、在宅勤務および在宅学習はある程度定着することが想定されるため、当社は引き続きこの分野の開拓を進めてまいります。
FPoSの商用化に向けた取組み
当社は、スマートフォンで安全な金融取引を実現することを掲げ、FinTechプラットフォームである「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)を開発し、商用化に向けた取り組みを進めています。
コロナ問題により、インターネットを活用する社会への転換が進み、スマートフォンで様々な取引が完結する社会を希求する動きは加速していきます。銀行取引、支払決済、送金など、多岐にわたる金融取引をスマートフォンで安全に行うことができれば、社会インフラは大きくアップグレードされます。
また、在宅勤務の阻害要因としてハンコ文化の弊害が話題になりますが、印鑑の持つ良さは残しつつも、必要な場合は契約や申請を電子的に完結できるようにする必要があります。FPoSは、実印と同様の効力がある電子署名をスマートフォンでできるようにするもので、FPoSの普及は、安全な金融取引を実現するのみならず、契約の電子締結を実現することになります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,510百万円(前年同期は3,518百万円)、営業利益は、FPoSの商用化に向けた特許出願費用や認定取得のための弁護士費用等の増加により670百万円の損失(前年同期は502百万円の損失)、経常利益は、営業利益までの損失に加え、為替差損等を計上したことにより669百万円の損失(前年同期は495百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益までの損失に加え、特別損失に事業構造改善費用及び減損損失を計上したことにより840百万円の損失(前年同期は499百万円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は651百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは633百万円の支出(前連結会計年度は338百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失836百万円の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは57百万円の支出(前連結会計年度は109百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは702百万円の収入(前連結会計年度は169百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致していますので、生産実績に関しては(d) 販売実績の項をご参照ください。
(b) 仕入実績
当社グループの当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、セグメントについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)セグメント情報」をご参照ください。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
前年同期比(%)
日本事業(千円)1,834,98697.7
海外事業(千円)115,771140.4
合計(千円)1,950,75799.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.金額は仕入価額で表示しています。
(c) 受注実績
当社グループは 、受注から販売までの所要日数が短く常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。
(d) 販売実績
当社グループの販売実績は、出荷金額に基づいており、当連結会計年度販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
前年同期比(%)
日本事業(千円)3,335,89399.0
海外事業(千円)198,019100.5
合計(千円)3,533,91399.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上である相手先は次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社U-NEXT1,028,07328.8552,08115.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しています。その作成は経営者による会計方針の選択及び適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の会計方針に関する事項が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えます。
(ⅰ)収益の認識
当社グループは、次のサービスラインごとに売上の計上基準を分けています。
(a)プリペイド・サービス(bモバイル)及び機器向けサービス
当該期間の通信サービスを提供するもの(例:12ヶ月間使い放題のSIM)は当該期間にわたって売上高を按分して計上。
(b)月額課金サービス
移動体通信端末の売上は出荷基準
通話料及びその他付加価値サービスの売上は役務提供基準
(ⅱ)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して、回収不能見込額を計上しています。販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅲ)たな卸資産の評価
当社グループは、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法)により評価しています。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらのたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅳ)固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減損する会計処理を適用しています。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の分析
SIM事業の月額課金ビジネスは堅調に推移しており、おかわり課金方式(データ使用量に応じて課金する仕組み)のユーザー数は引き続き増加しています。また、2018年6月から提供を開始した改正割賦販売法(2018年6月施行)に準拠したクレジットカード決済のためのソリューション・サービスを含むモバイルソリューションも、引き続き成長しています。
しかしながら、2019年10月に改正電気通信事業法が施行されたことにより、携帯電話事業者の過度なキャッシュバック・キャンペーンが実質的に終了したことでキャッシュバックを目的とする超短期の契約者が減少したことによる影響及び新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う訪日外国人向けのプリペイド通信サービスの減収により、当連結会計年度の売上高は前期比0.2%減の3,510百万円(前連結会計年度は3,518百万円)となりました。
売上総利益は前期比2.9%減の998百万円となりました。月額課金ユーザー数増加に対応するべく帯域を増速した結果、売上原価は増加しましたが、固定費を適切にコントロールすることで売上総利益率は、前年度とほぼ同じ28.4%となりました。
販売費及び一般管理費はFPoSの商用化に向けた特許出願費用や認定取得のための弁護士費用等の増加により、前年比9.0%増の1,669百万円となり、その結果、営業損失は670百万円(前連結会計年度は502百万円の営業損失)となりました。
経常利益は、営業利益までの損失に加え、為替差損等を計上したことにより669百万円の損失(前年同期は495百万円の損失)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益までの損失に加え、特別損失に事業構造改善費用及び減損損失を計上したことにより840百万円の損失(前年同期は499百万円の損失)となりました。
(ⅱ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
運転資金は基本的に内部資金より充当しています。また、開発費用や設備投資に係る長期に亘る資金需要に関しては、当事業年度において日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)により739百万円の資金を調達しました。

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