有価証券報告書-第155期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 12:11
【資料】
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【項目】
204項目

有報資料

(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社グループは、2022年3月に公表した「東邦ガスグループビジョン」において、当社グループの従業員が共通認識に立ち、新たな時代を切り拓けるよう2050年の社会像を思い描くとともに、中間地点となる2030年代半ばに目指す姿として、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」「持続可能な社会の実現をリードする企業グループ」の3つを掲げている。
目指す姿の実現に向けた第二ステップの前半戦にあたる中期経営計画(計画期間:2025~2027年度)の2年目として、事業戦略で掲げた4つのテーマの取組み、ならびに、計画方針に沿った財務戦略・人材戦略を着実に推進していく。
<東邦ガスグループ 中期経営計画>■取り巻く経営環境
グループビジョン策定時からつづく潮流サステナビリティに対する要請
エネルギーを取り巻く5つのD(脱炭素化(De-carbonization)、人口減少(Depopulation)、制度改革(Deregulation)、デジタル化(Digitalization)、分散化(De-centralization))
足元で生じている環境変化自然災害や地政学リスクの高まり
経済環境の変化(金融政策の転換、基調的な物価・賃金上昇、資本コストや株価を意識した経営への要請の高まり)

■全体戦略および数値計画
①利益・収益性
(2027年度)
連結経常利益300億円
ROE6%+α
②株主還元・資本政策
(2027年度末)
配当政策利益成長とともに累進的な増配を目指す
自己資本の最適化自己株式の取得を進め、自己資本4,000億円を目安に最適化
政策保有株式の売却1/3程度の売却※を完了

※ 2023年度末の残高に対する比率。中期経営計画策定時点で、2027年度末の残高は自己資本対比で20%未満となる想定。
■財務戦略
①キャッシュアロケーション(2025~2027年度累計)キャッシュインキャッシュフロー創出※1 2,100億円程度
借入れ余力(デット)活用※2 1,300億円程度
キャッシュアウトコア事業投資 1,100億円程度
戦略事業投資 1,300億円程度
株主還元 1,000億円程度
②B/S経営の深化2030年代半ばに戦略事業をコア事業に並ぶ規模に成長させるべく、ROIC(投下資本利益率)による事業別の収支管理や、事業ポートフォリオが価値創造に資する状態であるかの定期的な点検を実施する。
B/Sマネジメントとして、コア事業資産のスリム化や政策保有株式の売却を進めつつ、戦略事業資産を増強する。また、適切な資本構成と資本コスト低減に向けて有利子負債と純資産の構成を見直す。

※1 営業キャッシュフロー 600億円程度(2027年度)
政策保有株式等の売却 300億円程度(2025~2027年度累計)
※2 D/Eレシオ 上限目安0.8倍
■事業戦略
①コア事業の安定的なキャッシュフロー創出「事業構造の変革」の出発点となるコア事業で安定的にキャッシュフローを創出すべく、サプライチェーン各段階での取組みを推進する。
●ガスの普及拡大と防災・保安対策の推進
・第7次エネルギー基本計画において重要性が再認された都市ガス・LPG事業に関し、確固たる事業基盤・収益基盤の構築に向けた取組みを着実に進める。
・都市ガス事業では、地域の低炭素化に資する燃料転換需要を的確に捉え、供給力の拡大や供給安定性に資する基幹路線の建設を進めるとともに、新規開発を推進する。加えて、高経年設備の保安対策や災害対応力を強化する。
・LPG事業では、東海3県でのシェア拡大と広域圏(静岡・長野、北陸地方)での開発を強化し、お客さま数の拡大や民生用・工業用の燃料転換を推進する。
●LNGの安定調達と取引体制の整備
・調達地域の分散を図った長期契約による安定調達を基本としつつ、LNG取引の拡大に向けた体制の整備を進める。また、2026年度には将来の調達柔軟性に資する取組みとして、当社グループが出資するLNG船の竣工を予定している。
●会員サイト「Club TOHOGAS」のリニューアル
・開設から10年の節目を迎え、100万件以上のお客さまに利用いただいている会員サイト「Club TOHOGAS」のリニューアルや、ECサイト「Club TOHOGAS MALL」の取扱商品の拡充を行い、くらしを支えるデジタル基盤としての利便性や満足度の向上を図る。
KPIコア事業の営業キャッシュフロー 450億円(2027年度)

②成長の原動力の育成ガス事業で培った強み(基盤・技術・知見)を活かし、電気事業・海外事業を次代に向けた利益成長の原動力とすべく、収益性を意識した積極的な資源投下により、規模の拡大と競争力の強化に両輪で取り組む。
●電気事業
・事業規模の拡大に向けた販売面の取組みに加え、調達面での工夫や、知多火力発電所をはじめ需要に見合った発電容量の確保に向けた取組みを進め、事業の安定性の向上や中長期的な収益基盤の強化を図る。
・2026年度は長期脱炭素電源オークション(第2回)にて落札した発電容量10万kW級のガスエンジン発電所の設計に着手する。
●海外事業
・今後も成長が見込まれる東南アジアにおいて、天然ガスの普及拡大や高度利用を加速させ、各国の低・脱炭素化への貢献を果たす。
・2025年度に出資を決定した豪州の再エネ事業を着実に推進しつつ、さらなる案件の発掘を行う。
・北米において、現地に設立済みの子会社に駐在員を派遣し、e-methane・バイオガスの製造・調達に向けた検討を進めるとともに、北米での事業活動を加速させる。
KPIROICターゲット 電気事業3%+α/海外事業4%+α(2027年度)

③地域を基点としたビジネスの深耕エネルギー周辺領域を中心に、地域のくらしやビジネス、自治体とのWin-Winの関係・共生に繋がる課題解決型ビジネスの深耕を図る。また、分野や業界を超えた企業間連携により、事業領域の拡大を目指す。
●まちづくりを通じた地域価値の創出
・自社保有地の有効活用を通じたまちづくりの一環として、開発を進めている「みなとアクルス」において「あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会」の実証事業に参画する。また、社員寮跡地での分譲マンション建設を進める(2026年3月着工済)。他の保有地でも、立地特性や規模に応じ、住宅と商業施設との複合開発等の検討を進める。
●リフォーム事業の深化と領域の拡大
・お客さまの身近な相談窓口である「東邦ガスくらしショップ」とリフォーム専門ブランド「わが家のマイスター」において、リフォーム提案の充実を図る。
・あわせて、既存住宅の活用促進と事業領域のさらなる拡大を目指し、市場拡大が続くマンションリノベーション事業への参画に向けた検討を開始し、パートナー企業※1とともに協業体制の構築を進める。
KPI地域価値創造ビジネス群※2の事業利益 50億円(2027年度)

④カーボンニュートラルへの使命と責任トランジション期における累積CO2排出量の削減に向け、国内外で天然ガスの普及拡大やソリューション提案に注力するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みを加速する。
●e-methaneプロジェクトの推進
・2024年に開始した愛知県知多市でのe-methane製造実証において、低コスト化等の技術課題の解決に取り組んでいる。2026年度は、e-methaneの本格的な社会実装を見据え、2030年度中の製造開始および日本への輸出を目指した米国ネブラスカ州での「Live Oakプロジェクト」の基本設計を開始する予定である。
・「CO2の地域循環モデル」の構築に向け、株式会社アイシン、株式会社デンソーと連携し、両社の工場から排出されるCO2を回収・輸送してe-methaneを製造する実証に取り組む。
●CO2分離回収技術の社会実装
・カーボンリサイクルの起点となるCO2分離回収技術について、産学官の連携のもと開発を推進しており、2026年度は、需要地の排ガスからCO2を分離回収する技術について製品スケールで回収性能や耐久性を確認し、社会実装フェーズ(製品化)への移行を目指す。
●新たな水素製造技術の実証
・知多緑浜水素製造プラントや水素ステーションを起点に水素の安定供給や需要創出に取り組んでおり、2026年度は、都市ガスの主成分であるメタンから熱分解によって製造するターコイズ水素に係る技術の実証に着手する。
KPIガスのカーボンニュートラル化率 5%以上(2030年度)e-methane等導入量 1%以上(2030年度) 再エネ取扱量 50万kW(2030年度)

※1 2026年3月、同事業に係る国内有数の知見を有するリノベる株式会社に出資
※2 地域を基点とした課題解決型ビジネスの総称。くらし・行政サポート、エンジニアリング、まちづくり・不動産開発、情報サービス、アグリ・フード等の事業群
■人材戦略
従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、自律的な成長と成果へ結びつけるべく、働きがい・働きやすさを生み出す制度と組織風土の両面から変革を推進している。
2026年度は、新たな人事処遇制度を導入し、特定分野において高度な専門性を発揮できる従業員のキャリアパスを確立するとともに、成果・貢献を重視し、早期抜擢が可能な制度へと刷新する。
あわせて、多様な個性が輝く風土づくりと並行し、グループビジョンに掲げる「目指す姿」の実現に向けて、東邦ガスグループの結束をより強固なものにするための活動「未来のまんなかプロジェクト」を加速する。

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