有価証券報告書-第91期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/26 13:59
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要と、増税後の反動により景気動向に影響が見られたものの、政府による経済政策や日銀による金融緩和等の効果を背景に企業収益の改善が見られる一方、個人消費などに弱さも見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような経済情勢のもと、当社グループが関連する業界におきましては、地方競馬及び中央競馬ともに売上の微増など業績回復の兆しが見られるものの、経済効果がレジャー産業全体までには行き渡っておらず、依然として足踏み状況が続きました。
この間、当社グループは、平成25年2月に策定した中期経営計画「事業基盤強化への新たな挑戦」に沿って戦略的に事業を推し進め、大井競馬場において新在宅投票システム(SPAT4)を構築し、新たな賭式などの提供を始めるとともに、東京サマーランドにおきましては、屋外プールエリアに大型ウォーターアトラクションをオープンさせるなど、将来に向けた事業基盤の拡充を進めました。
また、伊勢崎オートレース場内に「J-PLACE伊勢崎」を開設し、中央競馬の勝馬投票券の発売を開始したほか、東京サマーランド敷地内に設置した太陽光発電システムによる売電事業を開始するなど、収益力の強化に努めました。
その結果、第91期連結会計年度の業績につきましては、売上高は17,804百万円(前期比9.9%増)、営業利益は4,329百万円(同59.4%増)、経常利益は4,301百万円(同62.8%増)となり、当期純利益は1,831百万円で、前期に比べて13.1%の増益となりました。
次にセグメント別の概況をご報告いたします。
公営競技事業
大井競馬は105日開催され、前期と比べ開催日数は2日増加いたしました。
また、浦和競馬、船橋競馬、川崎競馬の大井場外発売は計163日、その他各地方競馬の広域大井場外発売が604レース実施されたほか、4月より中郷及び大郷場外発売所内において、「J-PLACE中郷」、「J-PLACE大郷」を開設し、中央競馬の勝馬投票券発売が新たに開始されました。
この間、当社は南関東4競馬場の新在宅投票システム(SPAT4)の構築完了に伴い、地方競馬の全レース発売に加え、SPAT4インターネット投票限定の新賭式として、指定された3レースの1着と2着を的中させる「SPAT4 LOTO トリプル馬単」の発売を開始したほか、投票金額に応じて一定のポイントを付与する「SPAT4プレミアムポイント」の導入、南関東4競馬場公式ホームページのリニューアルなど、主催者及び関係団体と協力し、勝馬投票券の売上増加並びにファンサービスの向上に取り組むとともに、システム関連費用等の見直しなど、コストの低減にも意欲的に取り組みました。
なお、大井競馬場リニューアル計画に基づく新スタンド建設に伴い、2号スタンドは10月に取り壊しを完了いたしました。新スタンドは、平成27年10月の竣工を予定しております。
伊勢崎オートレースは93日開催され、前期と比べ開催日数は18日増加いたしました。
また、川口オートレース他4場の伊勢崎場外発売は延べ305日実施されました。
この間、伊勢崎オートレース場においては、メインゲートからグリーンスタンド間の塗装替えやグリーンスタンド1階喫煙所の拡張など、場内環境の整備に努めるとともに、SG・GⅠ開催時に主催者をはじめ関係団体と協力して来場者イベントを実施するなど、ファンサービスに努めました。
また、伊勢崎オートレース場内において当社が運営業務を受託する大井競馬専用場外発売所「オフト伊勢崎」では、同施設内に「J-PLACE伊勢崎」を開設し、3月より中央競馬の勝馬投票券発売を開始いたしました。発売開始から来場者は順調に増加し、11月には自動発売機の増設を行い、来場者増加に対応いたしました。
以上の結果、公営競技事業の売上高は8,862百万円(前期比12.0%増)、セグメント利益は2,330百万円(同143.2%増)となりました。
遊園地事業
遊園地事業におきましては、東京サマーランドのスポーツパーク内に設置した太陽光発電システムによる売電事業を3月に開始したほか、ゴルフ練習場にフランチャイズ店舗「ゴルフパートナー東京サマーランドゴルフ練習場店」を同じく3月に開店するなど、資産の有効活用による収益基盤の強化に努めました。
また、屋外プールエリアにおいて、日本初登場となる大型ウォーターアトラクション「DEKASLA(デカスラ)」を7月にオープンするとともに、屋外無料休憩所の増設、オープンシャワーの新設など、お客様が安全で快適に楽しめる園内環境の整備とサービスの向上に努めました。
夏季期間につきましては、天候不順により入場人員は伸び悩みましたが、「DEKASLA」導入に伴いフリーパス券の購入者が増加し、顧客単価が昨年を上回ったことから、売上は増加いたしました。
以上の結果、東京サマーランドの入場人員は88万人(前期比5.9%減)となり、遊園地事業の売上高は2,942百万円(同6.0%増)、セグメント損失は広告宣伝の強化及び光熱費の値上げに伴うコスト増により98百万円(前期はセグメント損失6百万円)となりました。
倉庫賃貸事業
倉庫賃貸事業におきましては、物流機能強化に向けた取り組みが進む中、大規模・高機能施設の需要が高まっており、当社倉庫施設の周辺地域でも大型物流施設の新規供給、建替えが相次ぎ、事業者間の競争激化による賃料相場の下落傾向が続くなど、厳しい環境で推移いたしました。
この間、賃料改定により既存倉庫の一部が減収となりましたが、昨年7月に取得した「勝島第2地区ABC棟・一般棟」の通期稼働により、賃貸料収入は増加いたしました。
また、「勝島第2地区ABC棟」において、外壁の塗装替えを実施するなど、施設の環境整備と維持管理に努めました。
以上の結果、倉庫賃貸事業の売上高は4,539百万円(前期比14.0%増)、セグメント利益は2,737百万円(同19.1%増)となりました。
サービス事業
サービス事業におきましては、ショッピングモール「ウィラ大井」3階フロアにおいて、大手家具店「ニトリ大井競馬場前店」が3月にオープンしたことに合わせ、知名度の向上及び商圏の拡大を目的としたリニューアルイベントを既存テナントと協力して実施し、新規顧客の獲得に努力するとともに、清潔で安全な施設の維持に努め、きめ細かなサービスの提供に取り組みました。
また、トランクルーム「千住東ライゼボックス」において、新たな需要に応えるため、4月にトランクルーム1棟を増設したほか、コンビニエンスストア、賃貸マンション、焼肉レストラン及びコイン洗車場などにつきましても、効率的な運営に取り組み、順調な成績で推移しております。
しかしながら、オフィスビル「ウィラ大森ビル」のテナントの一部が退去した影響もありサービス事業の売上高は1,513百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は320百万円(同13.0%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,659百万円と前連結会計年度末に比べ804百万円(16.6%)の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額1,048百万円などに対し、税金等調整前当期純利益3,177百万円、減価償却費3,050百万円、有形及び無形固定資産除却損849百万円などにより、6,392百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ1,772百万円(38.4%)の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入4,500百万円などに対し、有価証券の取得による支出5,700百万円、有形固定資産の取得による支出2,342百万円などにより、前連結会計年度に比べ11,388百万円(71.1%)の減少し、4,621百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の社債の発行による収入12,000百万円の減少などにより、前連結会計年度に比べ11,184百万円減少し、966百万円の支出となりました。