四半期報告書-第46期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/12 12:30
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況で推移しました。各種政策の効果や海外経済の改善もあって、個人消費や企業の生産活動に持ち直しの動きはみられるものの、国内外とも経済の下振れリスクを内包しており、今後の感染症の動向、各国の政策動向や金融資本市場の変動などについて引き続き留意を要する状況にあります。
教育業界では、2021年から新たに実施される「大学入学共通テスト」や、小学5・6年生の英語教科化など、制度面での大きな変化に加え、コロナ禍により対面学習が制限されるなかでオンライン型教育の需要が急激に高まるなど、社会環境の変化に応じた新たな教育手法やコンテンツが求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景として、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めてまいりました。
当第2四半期連結累計期間においては、緊急事態宣言の解除後、各教室やスクールでの感染予防措置を徹底したうえで、全校舎で通常授業を再開しており、校舎での生徒の学習や出席状況等も概ね例年の状況に戻っております。また、子供たちの学習機会確保のため、自宅で受講できる無償講座として開始し、26万人のお申込みをいただいた「東進オンライン学校」や、夏期恒例イベントとして毎年多くの参加者を集めている「夏の教育セミナー」「大学学部研究会」のオンライン実施など、コロナ禍での環境変化に応じた新しい企画や、提供方法の工夫などによりさらに質を向上させる取り組みを積極的に進めてまいりました。今後も、一連のオンラインによる施策で得たノウハウや知見を活かし、これまで当社が培ってきたコンテンツとの相乗効果を図り、ディスタンス・エデュケーションのさらなる普及、新しい教育手法の開発にあたってまいります。
こうしたなか、当第2四半期連結累計期間の営業収益は対前年同期1,633百万円の減少となる18,503百万円(前年同期比8.1%減)となりました。これは、イトマンスイミングスクールで4月、5月の休校とこれに伴う入学者数の減少による減収1,458百万円があったことが主な要因であります。高校生部門、小・中学生部門においては、合宿などの夏期のイベントを中止したことによる減収があったものの、映像コンテンツを自宅で受講できる当社学習システムの強みを活かして、東進在宅受講部や四谷大塚通信事業本部の在籍生徒数が前年比で大幅に増加したほか、夏期の生徒募集においても高校生部門を中心に入学者数が前年比増加するなど増収要因があり、概ね前年並の売上となりました。
費用面では、東進オンライン学校関連の告知費用700百万円の計上などにより広告宣伝費が前年比で796百万円増加となりましたが、費用全体では対前年同期63百万円の減少となる18,850百万円(前年同期比0.3%減)となりました。これは、学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を当期も引き続き積極的に進めた一方で、グループ全社で経費圧縮に取り組んだことに加え、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年実施している各種イベント等を中止、延期したことによる費用減などによるものであります。なお、開示数値では、上記の費用より、イトマンスイミングスクールが新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や地方自治体による要請により営業停止した期間中に発生した固定費等466百万円を特別損失に振替えて表示しております。
この結果、営業利益119百万円(前年同期比90.2%減)、経常損失34百万円(前年同期は1,054百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失357百万円(前年同期は738百万円の利益)となりました。
なお、当社グループでは営業収益の計上が生徒募集期に当たる第3、第4四半期に集中し、第1四半期から第2四半期にかけては、費用計上が先行する傾向があります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益(又は損失)は四半期連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。
①高校生部門
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は11,439百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は1,699百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
②小・中学生部門
当部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は4,298百万円(前年同期比2.6%増)、セグメント利益は885百万円(前年同期比49.4%増)となりました。
③スイミングスクール部門
当部門は、イトマンスイミングスクールとして、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は2,278百万円(前年同期比39.0%減)、セグメント損失は72百万円(前年同期は427百万円の利益)となりました。
なお、上記はイトマンスイミングスクールが新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府・地方自治体の休業要請により営業停止した期間中に発生した固定費等466百万円を特別損失に振り替えて表示しております。
④ビジネススクール部門
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は241百万円(前年同期比16.4%減)、セグメント損失は53百万円(対前年同期20百万円の改善)となりました。
⑤その他部門
その他部門は、出版事業部門、こども英語塾部門、国際事業部門を含んでおります。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は735百万円(前年同期比15.4%減)、セグメント利益は149百万円(前年同期比30.8%減)となりました。
財政状態の分析は次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が3,517百万円減少し、63,295百万円に、純資産が867百万円減少して、18,236百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の減少4,922百万円および固定資産の増加1,404百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、生徒募集期に発生した売掛金が順調に回収された一方で、配当金や法人税等の支払などがあり、現金及び預金が4,425百万円、売掛金が648百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定資産の増加は、投資有価証券の増加896百万円、繰延税金資産の増加219百万円、およびソフトウエアの増加219百万円などによるものです。
純資産の減少は、その他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加630百万円を計上した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失357百万円および配当金の支払1,140百万円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより10,110百万円となり、前連結会計年度に比べて4,431百万円減少いたしました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは4,137百万円の資金減少となりました。これは、税金等調整前四半期純損失484百万円に加え、預り金の減少額2,358百万円、前受金の減少額607百万円、仕入債務の減少額615万円があったことなどが主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,374百万円の資金減少となりました。これは、有形固定資産の取得による支出618百万円および、無形固定資産の取得による支出462百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,075百万円の資金増加となりました。これは、長期借入れによる収入2,500百万円、短期借入金の増加1,000百万円の資金増加に対し、社債の償還による支出953百万円および長期借入金の返済による支出329百万円のほか、配当金の支払額1,139百万円による資金減少があったことなどによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動はありません。