半期報告書-第50期(2024/04/01-2024/09/30)

【提出】
2024/11/13 15:22
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の各種政策の効果もあり、緩やかに回復しております。先行きについては、中国経済の先行き懸念等による海外景気の下振れ、国内物価の上昇、中東情勢、円相場の動向など金融資本市場の変動等の影響に注視を要する状況にあります。
教育業界では、2020年度以降小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、「大学入学共通テスト」への移行を柱とした大学入試改革、2022年度からは高等学校で新学習指導要領が実施され、2025年「大学入学共通テスト」から「情報Ⅰ」が試験科目に加わるほか、2024年度には文部科学省が高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)をスタートするなど、教育改革が制度面から進んでおります。また、教育手法の革新という面では、通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景として、AIやIoTの活用による新たな学習形態やそれに対応したコンテンツが求められております。さらに、政府も強力に推進する社会人の学び直し(リスキリング)としてのIT・DXリテラシー教育需要の高まりなどにより、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚、木村塾等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール、イトマンスポーツスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めております。
高校生部門では、受験生対象の「志望校別単元ジャンル演習講座」「第一志望校対策演習講座」、高校2年生対象の「個人別定石問題演習講座」の進化に加え、高校1年生対象の「個人別基礎定着演習講座」、生成AIを活用した「英作文1000本ノック」「情報Ⅰプログラミングノック」を新たに開講、当社ならではのAIを活用したコンテンツの充実を進め、合格に直結する得点力強化への取組みを強力に推進いたしました。また、学校での成績向上に焦点を当てた新設の「高校別対応の個別指導コース」など、通塾生徒層の拡大にも取り組んでおります。さらに、2023年1月にグループ化し、業績好調な株式会社ヒューマレッジとのシナジーを高める取組みも進めました。
そのほか、2024年9月27日付で大人向けフィットネス事業を主な事業とする株式会社ダンロップスポーツウェルネスの連結グループ化を公表、当社グループが目指す「心・知・体」の教育のうち、「体」を担うスイミングスクール部門において、対象顧客層の拡大、また今後の多様な事業展開を推進できる体制を整備しております。
こうしたなか、当中間連結会計期間の営業収益は対前年同期420百万円の減少となる24,977百万円(前年同期比1.7%減)となりました。これはビジネススクール部門で、昨年は第1四半期中に企業向けAI・DX講座の大口受注がありましたが、当期は主たるAI・DX講座の受注時期が第2四半期以降に分散する見込となったことから、現時点では対前年同期315百万円の減少となったことが主因であります。また、高校生部門では前期末在籍数減の影響が残り、対前年同期210百万円の減少となりました。一方で、夏期募集を含む4月以降の新規生徒入学数が好調に推移した結果、9月末の在籍数は昨年を上回り、第2四半期では営業収益は対前年同期で増加しております。このほか、スイミングスクール部門では学校受託などの販路拡大が成果をあげつつあり、前期比で105百万円増、その他部門で出版事業部門が前期比57百万円増と好調に推移いたしました。
費用面では、全体で対前年同期495百万円の減少となる23,471百万円(前年同期比2.1%減)となりました。これは、前期は全国統一小学生テストに関する新作TVCM制作による経費増があり、広告宣伝費が減少したことを主因とするものであります。その他の経費においては、当期も学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を引き続き積極的に進める一方、費用対効果の検証を通じて経費をコントロールしたことにより、賃金ベースアップに伴う人件費などの増加要因はあったものの、概ね前年並みで推移しております。
なお、10月24日付「業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表のとおり、持分法適用会社である関連会社について、事業環境の変化による業績悪化を踏まえ、投資損失659百万円を持分法による投資損失として計上しております。
この結果、営業利益1,505百万円(前年同期比5.2%増)、経常利益670百万円(前年同期比49.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益114百万円(前年同期比83.5%減)となりました。
当社グループでは営業収益の計上が生徒募集期に当たる第3、第4四半期に集中し、第1四半期から第2四半期にかけては、費用計上が先行する傾向があります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益(又は損失)は中間連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。
①高校生部門
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っております。当中間連結会計期間のセグメント売上高は12,540百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は1,720百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
②小・中学生部門
当部門は、四谷大塚、木村塾、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。当中間連結会計期間のセグメント売上高は6,415百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益は1,335百万円(前年同期比34.7%増)となりました。
なお、上記にはヒューマレッジに係るのれん償却額116百万円を含んでおります。
③スイミングスクール部門
当部門は、イトマンスイミングスクール、イトマンスポーツスクールにおいて、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。当中間連結会計期間のセグメント売上高は5,081百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は307百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
なお、上記にはイトマンスポーツスクールに係るのれん償却額63百万円を含んでおります。
④ビジネススクール部門
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。当中間連結会計期間のセグメント売上高は479百万円(前年同期比39.7%減)、セグメント損失は97百万円(前年同期は261百万円の利益)となりました。
⑤その他部門
その他部門は、出版事業部門、オンライン学校部門、こども英語塾部門、国際事業部門を含んでおります。当中間連結会計期間のセグメント売上高は1,034百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益は194百万円(前年同期比30.8%増)となりました。
財政状態の分析は次のとおりであります。
当中間連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が13,781百万円減少し、74,505百万円に、純資産が2,079百万円減少して、26,687百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の減少13,514百万円、および固定資産の減少266百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、生徒募集期に発生した売掛金が当中間連結会計期間中、順調に回収された一方で、配当金や法人税等の支払などがあったことに加えて、社債の償還6,866百万円、及び長期借入金の返済1,721百万円があったことにより、現金及び預金が12,252百万円、売掛金が1,154百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定資産の減少は、のれんが償却により179百万円減少したこと、敷金及び保証金の92百万円の減少を主因として投資その他の資産が121百万円減少したことなどによるものであります。
純資産の減少は、親会社株主に帰属する中間純利益114百万円、およびその他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加438百万円を計上した一方で、剰余金の配当による減少2,632百万円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより11,580百万円となり、前連結会計年度末に比べて12,246百万円減少いたしました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは551百万円の資金減少(前年同期は2,767百万円の資金減少)となりました。これは、税金等調整前中間純利益679百万円、持分法による投資損失695百万円、および売上債権の減少額1,154百万円の資金増加があった一方で、預り金の減少額1,985百万円、前受金の減少額888百万円の資金減少があったことが主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,463百万円の資金減少(前年同期は1,413百万円の資金減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出762百万円、および無形固定資産の取得による支出425百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは10,224百万円の資金減少(前年同期は2,454百万円の資金減少)となりました。これは、短期借入金の増加1,000百万円に対し、社債の償還による支出6,866百万円および長期借入金の返済による支出1,721百万円のほか、配当金の支払額2,628百万円による資金減少があったことなどによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動はありません。