四半期報告書-第46期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 13:56
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況で推移しました。各種政策の効果や海外経済の改善もあって、個人消費や企業の生産活動に持ち直しの動きがみられたものの、感染再拡大を受け、今後の経済の下振れリスクの高まりや、内外の金融資本市場の変動などへ注視を要する状況にあります。
教育業界では、2021年から実施の「大学入学共通テスト」や、小学5・6年生の英語教科化など、制度面での大きな変化に加え、コロナ禍を契機としてオンライン型教育の需要が急激に高まるなど、社会環境の変化に応じた新たな教育手法やコンテンツが求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景として、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めてまいりました。
当第3四半期連結累計期間においては、2020年6月の緊急事態宣言解除以降、各教室やスクールでの感染予防措置を徹底したうえで、全校舎で通常授業を継続しております。また、子供たちの学習機会確保のため、自宅で受講できる無償講座として開始し、約27万人のお申込みをいただいた「東進オンライン学校」や、夏期恒例イベントとして毎年多くの参加者を集めている「夏の教育セミナー」「大学学部研究会」のオンライン実施など、環境変化に応じた新しい企画や、提供方法の工夫などにより質をさらに向上させる取り組みを積極的に進めてまいりました。今後も、一連のオンラインによる施策で得たノウハウや知見を活かし、これまで当社が培ってきたコンテンツとの相乗効果を図り、ディスタンス・エデュケーションのさらなる普及と顧客層の拡大、新しい教育手法の開発にあたってまいります。
こうしたなか、当第3四半期連結累計期間の営業収益は対前年同期1,015百万円の減少となる32,001百万円(前年同期比3.1%減)となりました。イトマンスイミングスクールで2020年4月、5月の休校と入学者数減少を主因として1,657百万円の減収があったものの、高校生部門が652百万円、小・中学生部門が316百万円の増収となり、第2四半期累計期間の対前年同期比1,633百万円の減収に対して大きく改善することができました。これは、映像コンテンツを自宅でも受講できる当社学習システムの強みを活かした東進在宅受講部や四谷大塚通信事業部が引き続き好調に推移したことに加え、夏期・冬期の生徒募集において高校生部門を中心に入学者数が伸長したことが寄与したものであります。
費用面では、オンライン学校関連の告知費用等717百万円の計上などにより広告宣伝費が前年比で475百万円増加しましたが、費用全体としては対前年同期164百万円の減少となる29,463百万円(前年同期比0.6%減)となりました。これは、当期も学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を引き続き積極的に進めた一方で、グループ全社で経費圧縮に取り組んだことに加え、感染拡大防止のため、例年実施している各種イベント等を中止、オンライン実施に変更したことによる費用減などによるものであります。なお、開示数値では、イトマンスイミングスクールが、政府・地方自治体の休業要請により営業停止した期間中に発生した固定費等450百万円を上記の費用から特別損失に振替えて表示しております。
この結果、営業利益2,988百万円(前年同期比11.8%減)、経常利益2,729百万円(前年同期比14.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,596百万円(前年同期比27.7%減)となりました。
なお、当社グループでは営業収益の計上が生徒募集期に当たる第3、第4四半期に集中し、第1四半期から第2四半期にかけては、費用計上が先行する傾向があります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益(又は損失)は四半期連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。
①高校生部門
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っており、当連結累計期間中、10月に東進ハイスクール中目黒校を開設しております。当第3四半期連結累計期間のセグメント売上高は20,630百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益は5,055百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
②小・中学生部門
当部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っており、当連結累計期間中、11月に四谷大塚日吉校舎を開設しております。当第3四半期連結累計期間のセグメント売上高は6,625百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益は1,104百万円(前年同期比56.0%増)となりました。
③スイミングスクール部門
当部門は、イトマンスイミングスクールとして、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。当第3四半期連結累計期間のセグメント売上高は3,954百万円(前年同期比29.5%減)、セグメント利益は25百万円(前年同期比96.0%減)となりました。
なお、上記はイトマンスイミングスクールが新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府・地方自治体の要請により営業停止した期間中に発生した固定費等450百万円を特別損失に振り替えて表示しております。
④ビジネススクール部門
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。当第3四半期連結累計期間のセグメント売上高は492百万円(前年同期比17.9%減)、セグメント損失は27百万円(前年同期比11百万円の改善)となりました。
⑤その他部門
その他部門は、出版事業部門、こども英語塾部門、国際事業部門を含んでおります。当第3四半期連結累計期間のセグメント売上高は1,058百万円(前年同期比14.7%減)、セグメント利益は185百万円(前年同期比32.0%減)となりました。
財政状態の分析は次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が2,434百万円増加し、69,247百万円に、純資産が965百万円増加して、20,069百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の増加1,399百万円および固定資産の増加1,035百万円が主な要因であります。流動資産の増加は、生徒募集期に発生した売掛金が順調に回収され740百万円減少した一方、生徒数増による増収や、期中の資金調達により現金及び預金が2,033百万円増加したことによるものであります。また、固定資産の増加は、投資有価証券の増加663百万円、ソフトウエアの増加297百万円及び繰延税金資産の増加135百万円などによるものであります。
純資産の増加は、親会社株主に帰属する四半期純利益1,596百万円およびその他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加509百万円を計上した一方で、配当金の支払1,140百万円があったことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動はありません。