有価証券報告書-第25期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:22
【資料】
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【項目】
108項目
1. 【コーポレート・ガバナンスの概要】
以下は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在の状況を記載したものです。
(1) コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方として、次の「皆さまへのお約束(企業行動憲章)」を公表しています。
皆さまへのお約束(企業行動憲章)
私たちZホールディングスおよびZホールディングスのグループ会社で構成されるZホールディングスグループは、法律、商慣行、社会倫理などのルールに基づいて競争市場における企業活動をしています。
ルールに違反して勝ってもそれは意義あるものではなく、ルールにのっとってフェアに戦ってこそ価値があるものと考えています。
私たちは、お客さま、株主・投資家の皆さま、取引先、地域、従業員をはじめとした皆さまから広く信頼され、社会と調和することにより安全で持続可能なインターネット社会の実現を目指し、フェアプレーの精神をもって行動し、また、企業の社会的責任を果すことによって企業価値を高めたいと考えています。
そのために、私たち取締役、従業員は、それぞれ期待され、求められる役割を充分に理解し、皆さまの信頼と共感を得るために適正な企業ガバナンスを維持し効率的な企業活動を行ってまいります。
また、私たち経営トップは、お客さまの満足と信頼の獲得、公正で自由な競争の確保、立法・行政との健全な関係維持、経営情報の適時適切な開示、従業員の尊重、良好な労働環境の確保、地球環境保全への貢献、「良き市民」としての社会貢献活動の実施、反社会的勢力との隔絶、地域・文化との調和、国際ルールの遵守、個人情報の厳重な管理、情報セキュリティの確保、知的財産権の尊重といったそれぞれの項目について、この憲章の精神を尊重することにより社会的責任を果たすことが自らの役割であることを認識し、この憲章の精神を尊重し、実践していくことを皆さまへお約束いたします。

(2) 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
当社はコーポレート・ガバナンスを中長期的な企業価値の増大を図るために必要不可欠な機能と位置付け、以下の体制により、適正かつ効率的な企業経営を行っています。また当社ではインターネット業界においてスピード感を持った迅速な経営判断が行える「攻めのガバナンス」と、コーポレートガバナンス・コードが目指している「透明・公正かつ迅速・果断な意思決定」のための体制とを両立させるため、代表取締役社長 社長執行役員をはじめとする業務執行(執行役員)への権限委譲により監督と業務執行の分離を進めることができる監査等委員会設置会社制度を採用しています。当社では、経営の意思決定・業務執行の監督(取締役会)と業務執行(執行役員)を分離する等意思決定の迅速化と経営監視機能を確保した現在の体制が当社において最善であると判断しています。
① 取締役会
取締役会は、会社の経営方針、経営戦略、事業計画、重要な財産の取得および処分、重要な組織および人事に関する意思決定、ならびに代表取締役の職務執行の監督を行っています。
取締役会の構成については下表のとおりであり、代表取締役社長が議長を務めています。
経営と監督の分離のため、非業務執行者である取締役が過半数を占める構成としており、取締役候補の指名にあたっては、指名報酬委員会からの提案を受け、当社または他社での業績、経験、知識、人望等を勘案し、適切な候補者を取締役会で決議し、株主総会へ付議することとしています。
また、取締役会は、意思決定の有効性・実効性を担保するために、毎年、会議運営の効率性および決議の有効性・実効性について評価を行い、その結果の概要を開示しています。
地位氏名
代表取締役社長 社長執行役員CEO(最高経営責任者)川邊 健太郎
取締役 専務執行役員小澤 隆生
取締役 専務執行役員GCSO(Group Chief Synergy Officer)桶谷 拓
取締役孫 正義
取締役宮内 謙
取締役藤原 和彦
社外取締役(独立役員)常勤監査等委員吉井 伸吾
社外取締役(独立役員)常勤監査等委員鬼塚 ひろみ
社外取締役(独立役員)監査等委員臼見 好生

② 監査等委員会
監査等委員会は、業務活動の全般にわたり、方針・計画・手続きの妥当性や、業務実施の有効性、法律・法令順守状況等につき、「3.監査の状況(1)監査等委員監査の状況」に記載の監査・監督を行います。また監査等委員会では、会計監査人から監査計画・監査方法とその結果の報告を受けるほか、内部監査部門から内部監査計画・監査方法とその結果についても報告を受けます。これらに基づき、監査等委員会は定期的に監査等委員でない常勤取締役に対し、監査等委員会としての意見を表明しています。
監査等委員会は、いずれも社外取締役(独立役員)である、吉井伸吾、鬼塚ひろみ、臼見好生の3名で構成され、吉井伸吾が監査等委員会委員長を務めています。
当社では、各々のバックグラウンドを背景に当社の企業経営に携わることができる者であることを監査等委員の選任基準としており、独立社外取締役の当社からの独立性に関しては、(株)東京証券取引所が定める独立役員の判断基準と同一のものを採用しています。
また、当社の状況に鑑み、会計だけでなく、財務経理、法務等の広い管理経験を持つ監査等委員である取締役を選任しており、会計面につきましては、監査等委員と会計監査人は定期的に、また必要に応じてミーティングを行い、お互いの適正な監査の遂行のために連携を図ることにより対応しています。
③ 指名報酬委員会
当社は、代表取締役社長および取締役等の指名等に関して、取締役会に提案等を行うこと、ならびに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の決定を目的として任意委員会として指名報酬委員会を設置しています。
指名報酬委員会は4名で構成され、委員長である臼見好生は独立社外取締役監査等委員です。また、代表取締役社長川邊健太郎、独立社外取締役常勤監査等委員である鬼塚ひろみ、独立社外取締役以外の非業務執行取締役の代表として取締役宮内謙を構成員としています。
指名報酬委員会では、取締役会にて定めた指名報酬委員会規程に基づき、取締役の選解任に関する株主総会議案、代表取締役社長・CEOの選解任ならびにその後継者計画等に関する一切の事項について取締役会へ提案等を行っています。また、各期の業績や当該業績への貢献等を踏まえた審議を経て、取締役会にて定めた取締役報酬等規程に基づき、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等を決定しています。
④ 監査法人
当社は有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、同監査法人が会社法および金融商品取引法に基づく会計監査を実施しています。
会計監査の状況については、「3.監査の状況(3)会計監査の状況」に記載のとおりです。
(3) 企業統治に関するその他の事項
① 内部統制システムの整備状況
当社は、取締役会において、会社法および会社法施行規則に定める「業務の適正を確保するための体制」を決議しています。
<業務の適正を確保するための体制>(1)監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
① 監査等委員会の職務を補助するため、当社および当社のグループ会社の業務の執行に関わる職務を兼務しない者を使用人として置く。
② 監査等委員会が希望する場合には、監査等委員自らまたは監査等委員会が直接、監査等委員の職務を補助する者を雇用等することができることとする。
(2)前項の使用人の他の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項
① 前項の使用人への指揮・命令・人事評価は監査等委員が行うものとし、当該使用人の人事異動・懲戒処分は監査等委員会の同意を得ることとする。
(3)監査等委員会の第一項の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
① 専従の使用人が監査等委員会の職務を補助する体制に関して社内規程を定めることで明確にし、監査等委員会の当該使用人に対する指示の実効性を確保する。
(4)監査等委員会への報告に関する体制
① 当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)および使用人ならびに子会社の取締役、監査役等および使用人またはこれらの者から報告を受けた者は、監査等委員会または監査等委員に対して、次の事項を報告する。
(a) 当社グループに関する重要事項
(b) 内部統制システムの構築・運用の状況
(c) 当社グループに著しい損害、影響を及ぼす恐れのある事項
(d) 法令・定款違反その他コンプライアンス上重要な事項
(e) 当社グループの内部監査の状況
(f) 重要案件の審議内容
(g) 投融資(解消を含む)を検討する際の審議の状況および結果
(h) 当社グループにおける重要性の高いリスクの分析および評価
(i) 当社グループにおけるコンプライアンス体制の運用およびコンプライアンスホットライン通報状況等
(j) 上記のほか、監査等委員会がその職務遂行上報告を受ける必要があると判断した事項
② 最高財務責任者および法務部門責任者は、定期的に監査等委員との間で情報共有のための会合を設け、業務上の重要な事項について報告を行うものとする。
(5)前項の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
① 内部通報制度を使って報告・通報や相談をした者に対し、当該報告・通報や相談をしたことを理由として不利益な取扱いを行わないことを社内規程によって定め、またその旨を周知することで内部通報制度活用の実効性を確保する。
(6)監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
① 監査等委員がその職務の執行について、当社に対し、会社法399条の2第4項に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、担当部門において確認のうえ、当該請求に係る費用または債務が当該監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理する。
② 監査等委員会が、独自の外部専門家(弁護士・公認会計士等)を監査等委員会のための顧問とすることを求めた場合、当社は、監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)に必要でないと認められた場合を除き、その費用を負担する。
(7)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
① 監査等委員会または監査等委員は、必要と認めた場合、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)および使用人ならびに子会社の取締役、監査役等および使用人より報告を受けることができることとする。
② 当社の重要な経営会議に出席し当社における重要な経営方針の検討に参加できるほか、当社のいかなる会議についても監査等委員が希望すれば出席できることとする。
③ 常勤の監査等委員を、当社グループのリスク管理を統括する会議体および当社グループのコンプライアンス体制を統括する会議体の構成員とする。
④ 監査等委員は、主要な子会社の監査役等を兼務することができることとし、子会社の取締役、監査役等および使用人またはこれらの者から報告を受けた者から報告を受ける体制をより確実なものとする。
(8)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
① 株主総会議事録、取締役会議事録および稟議書等の会社の重要な意思決定に係る文書、会計帳簿、計算書類および伝票等の業務執行に係る記録文書の保存期間、保存場所を社内規程等において定めたうえで保管し、いつでも取締役が閲覧できることとする。
(9)当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① 当社の事業に関するリスクの把握、管理および対応のため、社内規程において体系的に必要事項を定める。
② 大規模災害が発生した場合を想定した事業継続のため、非常災害対策に関する規程を作成する。
③ リスクが顕在化し事故等が発生した場合に備えて、事故管理を担当する部署が管理運営する事故報告システムを整備し、素早く報告、対応および再発防止等がなされることとする。
④ 情報セキュリティリスクマネジメントを実効性あるものとするため、最高情報セキュリティ責任者を任命し、情報セキュリティ統括組織を設置する。
⑤ 情報資産の取扱基準について社内規程において定めるとともに、その周知、教育を行う。
⑥ 情報セキュリティインシデントを総合的に対応する組織を設置し、情報セキュリティインシデント情報を一元的に管理・運用する。
(10)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 執行役員制度を採用し、柔軟かつ効率的な業務執行を図る。
② 業務遂行に必要な職務の範囲および権限と責任を明確にする社内規程を整備する。
③ 経営に係る重要事項につき討議・検討を行う会議体を組成し、取締役の効率的な職務執行を支援する。
④ 取締役、使用人が共有する全社的な目標を定め浸透を図るとともに、目標達成に向けて各使用人が行うべき具体的な目標を定め、その達成度に応じた業績評価を行う。
⑤ 職務の執行の効率性、有効性に関する内部監査を行い、改善活動を継続的に実施する。
(11)当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① 法令遵守を企業活動の前提とすることを徹底するため、「企業行動憲章」および「コンプライアンスプログラム」を定め全使用人に周知する。
② コンプライアンス上の問題を発見した場合には速やかな是正措置を講ずることができるように、コンプライアンス統括部門を法務部門を所管する執行役員に所管させる。コンプライアンス統括部門は、全社的なコンプライアンス体制の整備および問題点の把握に努め、コンプライアンスの状況について、当社グループのコンプライアンス体制を統括する会議体に定期的に報告する。
③ 内部通報に関する社内規程を定め、社長、最高経営責任者または常勤の監査等委員が通報者から直接報告・通報を受けたり、あるいは、匿名で社外の弁護士が報告・通報を受けることができる仕組みを用意して情報の確保に努める。報告・通報を受けた場合、コンプライアンス統括部門がその内容を調査し、法令・定款への不適合が認められる場合にはその改善を指導するとともに、再発防止策を担当部門と協議のうえ、決定し、全社的に再発防止策を実施する。特に、取締役自身のコンプライアンスに関する事由等重要な問題は直ちに取締役に報告するとともに取締役会に付議し、審議を求めることとする。当該制度の運用状況は、定期的に取締役会に報告するものとし、取締役会の監督を受ける。
④ コンプライアンス統括部門、内部監査部門および監査等委員会は、日頃から連携し、コンプライアンス統括部門は、セミナーの実施等、社内の啓発活動を実施することとする。
⑤ 使用人の法令・定款違反については人事部門または法務部門を所管する執行役員から賞罰委員会に報告のうえ処分を求め、取締役の法令・定款違反については法務部門を所管する執行役員から監査等委員会に報告のうえ、取締役会に具体的な措置等を答申することとする。
⑥ 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然とした態度を貫き、取引の防止に努める。
(12)当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
① 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
(a) 子会社の機能や重要性等に応じた適切な報告制度を整備することとし、上場をしていない子会社(但し、金融持株会社など経営の独立性維持が必要な子会社を除く)との間では、関係会社管理に関する社内規程に基づき、会社運営に関する協定書を締結し、当該子会社における重要な事項について、当社の承認または当社への報告を求めることとする。
② 子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a) 内部監査に関する社内規程を定め、内部監査部門は、当社のほか、子会社の業務全般にわたっても監査を行うこととし、前号に定める会社運営に関する協定書の中で、原則として子会社は当社の監査を受け入れ、監査の実施に必要な協力をすることを定めることで、監査の実効性を確保する。
(b) 関係会社管理に関する社内規程において、当社における各子会社の所管部門および担当者を明確にし、当該部門が子会社のリスクの認識、評価、分析および対応について、指導、支援または助言を行うこと、ならびに当社のグループ戦略の統括部門がこれらの取組みを横断的に支援することを定める。
(c) 子会社に事故その他の事業遂行に支障を与えるような事情が発生した場合、子会社から当社の所管部門に当該事故等について報告をさせることを、前号に定める会社運営に関する協定書の中で定める。また、リスクが顕在化し事故等が発生した場合、当該子会社または当該子会社から報告を受けた当社の所管部門は、速やかに当該情報を当社の関係部門に共有することとする。
(d) 子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(e) 子会社の経営方針、中長期経営計画の策定について、当社における当該子会社の所管部門が指導、支援または助言を行う。
(f) 子会社の規模や業態等に応じてグループ共通で使用できる各種システム等を導入する。
(g) 子会社の資金の調達および運用について、当社のグループ戦略の統括部門が指導、支援または助言を行う。
③ 子会社の取締役等および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(a) 当社グループに共通の「企業行動憲章」および「コンプライアンスプログラム」を提示し、取締役・使用人一体となった法令遵守意識の醸成を図る。
(b) 親子会社間の独立性の確保等のため「当社およびその親会社・子会社・関連会社間における取引および業務の適正に関する規程」を定める。
(c) グループ会社のコンプライアンス責任者を構成員とするグループCCO会議を設置する。
(d) コンプライアンス統括部門の担当者は子会社のコンプライアンス担当者と適宜意見交換等を行う。
(e) 当社グループ企業ごとに当社の採用する内部統制システムを模して内部統制環境を整備するよう当社の内部監査部門が指導する。
(f) コンプライアンスホットラインにおいて、当社グループの役職員も社外の弁護士に直接通報できることとする。

② 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその整備状況
当社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とのいかなる関係も遮断し、不当要求等に対しては毅然と対応する方針です。 この方針に基づき、「企業行動憲章」において反社会的勢力との隔絶を明記しているほか、「反社会的勢力排除規程」を制定し、反社会的勢力と少しでも関係したり、反社会的勢力の活動を助長したりしてはならない旨を明確に定め、反社会的勢力との関係拒絶を徹底しています。また、マニュアルの整備やその周知徹底、教育研修等を行うほか、所管警察署等の諸官庁や弁護士等の外部専門機関との連携を図っています。さらに「全国暴力追放運動推進センター」「特殊暴力防止対策連合会」に加盟し、不当要求等への適切な対応方法や反社会的勢力に関する情報の収集を行っており、万一に備えた体制の強化に努めています。
③ その他コーポレート・ガバナンス体制に関する事項
a. 買収防衛に関する事項
当社は、株主構成上、現時点では敵対的買収の危険性は低いと考え、具体的な買収防衛策を講じていませんが、敵対的買収に対する有効な対策およびその必要性については適宜検討していきます。
b. 親会社からの独立性確保に関する考え方
当社取締役のうち5名が親会社の出身者ですが、取締役は当社の企業価値向上を図るべく業務執行を監督する立場であり、具体的な業務執行は、執行役員の判断のもと自主独立した意思決定を行い、事業を運営しています。
また、当社の営業取引における親会社等のグループ会社への依存度は低く、そのほとんどは一般消費者もしくは当社と資本関係を有しない一般企業との取引となっています。加えて、「当社及びその親会社・子会社・関連会社間における取引及び業務の適正に関する規程」を制定し、親会社等との取引において、第三者との取引または類似取引に比べて不当に有利または不利であることが明らかな取引の禁止や、利益または損失・リスクの移転を目的とする取引の禁止等を敢えて明確に定めています。
このような諸施策により、事業運営上当社の親会社等からの独立性は十分に確保されていると判断しています。
④ 責任限定契約の内容の概要
当社と非業務執行取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。 当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、各非業務執行取締役のいずれも100万円または法令に規定される最低責任限度額のいずれか高い額としています。
⑤ 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)および監査役であった者の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めています。これは、取締役および監査等委員が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的とするものです。
⑥ 株主その他利害関係者に関する施策の実施状況
a. 株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けての取組み状況
(a) 当社では、創業以来一貫して、株主総会への株主の皆様の参加を容易にするため、他社の開催が多く重なる 集中日を避けて開催しています。
(b) 株主総会招集通知の発送に先立ち、当社ウェブサイト等に招集通知を早期に掲載しています。
(c) 招集通知のカラー化、非財務情報の掲載、株主の事業理解を深めるためのビジュアル化を推進しています。
(d) 狭義の招集通知および株主総会参考書類につきまして、英文でも作成し、当社ウェブサイト等に掲載することで、海外の投資家の皆様に提供しています。
(e) 定時株主総会において直近の経営状況や中長期の成長戦略について、スライド等を使用して詳細に説明し、当社への理解をより深めていただくようにしています。
(f) より多くの株主の皆様が議決権を行使できるように、インターネットによる議決権行使を可能にしています。
(g) 機関投資家の皆様の利便性向上のため、機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームへ参加しています。
(h) 株主・投資家の皆様と建設的な対話を行うため、また、株主総会当日にご都合がつかない株主様や、遠方の株主様のために、株主総会中でもご発言や議決権行使が可能となる、いわゆるハイブリッド出席型バーチャル株主総会を導入しています。また、当社株式をお持ちではない方・投資を検討中の方も含め、どなたでも株主総会の模様をご覧いただけるよう、株主総会の模様をインターネット上でライブ中継するとともに、後日、アーカイブを動画配信しています。
(i) 信託銀行等の名義で株式を保有する機関投資家が希望した場合に、所要の事前確認の手続きを経た上で、株主総会への傍聴での参加を認めています。
b. IRに関する活動状況
当社のIRに関しては、金融商品取引法および(株)東京証券取引所の定める規則に従って適時、正確かつ公平な情報開示を行っており、株主や投資家との対話は代表取締役社長が統括し、情報開示責任者として最高財務責任者を任命しています。
対話を補助する専門の担当部署として、IR担当部門を設置しています。IR担当部門は、開示資料の適切な作成ならびに株主や投資家との建設的な対話の実現のため、財務部門、経理部門、法務部門のほか、事業部門とも連携し、業務を行っています。
証券会社、投資家向けには、決算説明会において、決算および事業の詳細について説明を行っています。その状況については、インターネットによるライブ中継、オンデマンド配信、また電話会議システム等を活用し、積極的な開示を行っています。また、証券会社や機関投資家との個別面談や電話会議を実施し、代表取締役社長をはじめとした経営陣幹部が積極的に会社の成長戦略や経営情報について説明をしています。
外国人投資家に対するIR活動としては、開示資料の大半を英文で作成しています。さらに、海外在住の投資家を訪問する「海外ロードショー」を北米・英国・アジアを中心に実施し、海外の投資家と直接対話する機会を設けています。
IR資料に関しては、1997年の当社株式公開直後より、適時開示の観点から詳細な財務・業績の概況を四半期財務情報として、当社のリスクとなり得る情報をまとめ開示しており、過去分も含め当社ウェブサイトに掲載しています。
株主や投資家との対話において把握した株主・投資家の意見・提案等については、レポートにまとめて取締役、経営陣幹部および社内関係部門にフィードバックする他、緊急時には即座に伝達しています。
インサイダー情報の取扱いについては、当社の「インサイダー取引防止規程」に基づき、未公表の重要事実の管理を徹底し、適切に対応しています。決算情報に関しては、情報漏えいを防ぎ、公平性を確保するために、クワイエットピリオド(沈黙期間)を設け、この期間中の決算に関わる問い合わせへの回答やコメントを控えています。
c. ステークホルダーの立場の尊重に係る取組状況
当社は、「企業行動憲章」として当社の行動規範を明確に規定しています。ステークホルダーの立場を尊重し、企業の社会的責任を果たすことによって企業価値を高めるという考えのもと、インターネット社会の健全な発展に貢献するため、様々な社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。具体的な取組み内容については、当社ウェブサイトに公開しています。
また、当社は「ディスクロージャーポリシー」を制定しており、IRを「財務、コミュニケーションおよび適用対象となる各法律・規則へのコンプライアンスを統合して、企業と市場等との間に公平かつ適正な方法で双方向のコミュニケーションを効果的に行わせる戦略的な経営責務」と定義づけ、公平かつ詳細な開示を行うことに努めています。
⑦ 定款で定める取締役の定数および取締役選任の決議要件
当社は、取締役を9名以内とする旨を定款で定めています。
取締役の選任決議については、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議をもって選任する旨、および、累積投票によらないものとする旨を定款で定めています。
⑧ 株主総会決議事項の取締役会への委任等
a. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等を機動的に実施するため、取締役会決議により会社法第459条第1項各号に掲げる剰余金の配当等ができる旨を定款で定めています。
b. 自己株式取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会決議による自己株式の取得を可能とする旨を定款で定めています。また、上記のほか、会社法第459条第1項各号に関する取締役会決議ができる旨を定款で定めていますので、これによる自己株式の取得も可能となっています。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めています。