有価証券報告書-第52期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 9:16
【資料】
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【項目】
138項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、輸出や生産の一部に弱さもみられるものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響など、景気の先行きは不透明な状況にあります。
当情報サービス業界においては、働き方改革への取り組みなどを背景に、企業の生産性向上や業務効率化を目的としたシステムの更新投資需要は引き続き高い状態にあるものの、先行き不透明な景況感の中で投資判断には慎重さが見られました。企業のニーズは「効率的でコストパフォーマンスの高い情報システム」にあり、さらなる顧客目線でのシステム提案が求められております。
当社は、このような状況の中、自社開発・直接販売にこだわり続け、顧客企業の経営効果を実現するため、製販一体体制のもと顧客満足度を高めるべく努めてまいりました。当社の主力である統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」は、会計を中心に統合的に情報を管理するERPシステムとして、様々な業界・業種の企業に幅広く求められました。主な傾向として、大企業向けのシステム構築が引き続き順調に推移しております。業種・業務別のソリューションに関しても、金融業向け、サービス業向け、流通業向け、製造業向け等、業種を問わずシステム構築の引き合いが強まりました。システムの短期導入、早期稼働につながりやすいとして引き合いが強まっているクラウドサービスのニーズにも、顧客に合わせた提案で対応しております。また、クラウド関連施設の増強や顧客向け研修施設の拡張など付加価値向上につながる先行投資も進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高741億63百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益379億39百万円(同17.4%増)、経常利益は419億27百万円(同17.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は322億23百万円(同22.7%増)となりました。
今後も当社は、顧客第一主義のもと、よりコストパフォーマンスの高いシステム提案ビジネスに注力し業績の向上に努めてまいる所存であります。
セグメントの業績は次の通りであります。
(A)システムインテグレーション事業
主力の統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」は、統合的に情報を管理するERPシステムとして、様々な業界・業種の企業に求められました。主な傾向として、大企業向けのシステム構築が引き続き順調に推移しております。
この結果、外部顧客に対する売上高は380億5百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は190億24百万円(同13.0%増)となりました。
(B)システムサポート事業
主力サービスであるシステムの「運用支援サービス」および「クラウドソリューション」が好調に推移いたしました。
この結果、外部顧客に対する売上高は270億57百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は173億64百万円(同21.2%増)となりました。
(C)オフィスオートメーション事業
主力の業務用パッケージソフトの販売に加え、印刷サプライやオフィス家具等の販売も堅調に推移いたしました。
この結果、外部顧客に対する売上高は91億円(前年同期比12.4%増)、営業利益は15億50百万円(同33.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,199億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ、105億14百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、298億43百万円(前年同期比14.3%増)であります。これは主に税金等調整前当期純利益が439億85百万円計上されたほか、利息及び配当金の受取額が16億42百万円計上された一方で、持分法による投資利益が35億64百万円計上されたこと及び法人税等の支払額が106億46百万円発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、82億9百万円(前年同期は63億20百万円の減少)であります。これは主に償却債権の回収による収入が20億60百万円発生した一方で、有形固定資産の取得による支出が105億9百万円発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、111億19百万円(前年同期は84億50百万円の減少)であります。これは主に配当金の支払額が111億18百万円発生したことによるものであります。
なお、今後とも資金を企業の業績伸長のため有効に使用しつつ、「効率経営」に努力をしてまいる所存であります。
③受注及び販売の実績
(A)受注実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
システムインテグレーション事業(百万円)35,241143.5
システムサポート事業(百万円)31,062116.3
オフィスオートメーション事業(百万円)8,968109.6
合計(百万円)75,272126.6

(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(B)販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
システムインテグレーション事業(百万円)38,005107.7
システムサポート事業(百万円)27,057115.5
オフィスオートメーション事業(百万円)9,100112.4
合計(百万円)74,163111.0

(注)1.金額は販売価額によっております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループにおける財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
①財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計残高については、前連結会計年度末比で236億48百万円増加し2,449億9百万円となりました。これは主に、現金及び預金が105億14百万円増加したこと及び建設仮勘定が96億58百万円増加したことによるものであります。
負債合計残高は、25億66百万円増加し264億32百万円となりました。これは主に、未払法人税等が13億円増加したことによるものであります。
純資産合計残高は、210億81百万円増加し2,184億76百万円となりました。これは主に、利益剰余金が211億4百万円増加したことによるものであります。結果、自己資本比率は89.2%となりました。
②経営成績の分析
当連結会計年度の連結業績は、売上高741億63百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益379億39百万円(同17.4%増)、経常利益は419億27百万円(同17.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は322億23百万円(同22.7%増)となりました。
主力のシステムインテグレーション事業において、長年のシステム構築の実績と財務の安定性を土台に、製販一体での直販の営業力によって、企業の幅広いニーズを捉える顧客満足度の高い提案活動を続けております。またシステムサポート事業においても、主力サービスであるシステムの「運用支援サービス」および「クラウドソリューション」が好調に推移しております。オフィスオートメーション事業においては、付加価値の高い業務用パッケージソフトの提案に注力しております。
全体として営業利益率は51.2%となり、依然として業界トップクラスの高い収益性を確保しております。
なお、詳細な事業別の分析は、第3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)[経営成績等の状況の概要]①財政状態及び経営成績の状況の項目をご参照ください。
③関連会社株式について
グループ企業であります(株)オービックビジネスコンサルタントの株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、時価のある関連会社株式に該当します。当社の持分としては貸借対照表計上額が80億61百万円であるのに対して、期末の時価で算出すると1,235億27百万円となり、1,154億66百万円の含み益を有しています。グループ全体の時価として高い評価を得ております。
④資金の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要については、営業活動については、商品等の購入費用、外注費、労務費、経費などであります。そして、投資活動については、主に当社グループ事業に必要な設備機器の購入及び大阪市中央区のビル建築に関する建設費用であります。これらの需要に対しては、借入金にて資金を調達することなく、すべての資金は内部資金及び営業活動による資金にてまかなっており、今後もその方針であります。
当社グループの資金は、資金を安全性及び流動性を勘案して運用しているため、十分資金の流動性は確保されております。