四半期報告書-第23期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第1四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、通商問題の動向、金融資本市場の変動の影響等について留意する必要があるものの、緩やかに回復しています。日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費の持ち直しがみられるほか、企業の設備投資の増加や消費者物価の上昇もみられ、緩やかな回復を続けました。
2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略 2018」において、我が国は、IoT、ロボット、人工知能(AI)及びビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会であるSociety 5.0の実現、データを収集・分析・活用することにより、新たな付加価値の提供を可能とするデータ駆動型社会へ向け、変革していくとしています。
このような環境下、当社グループは、他社に先駆けてこれらの分野の知見を集約しつつ、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスを展開することで、グローバルにおける楽天エコシステム(経済圏)の拡大を図っています。
インターネットサービスの主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、顧客満足度向上のための取組に加え、データ活用による広告ビジネスの展開、スマートデバイス向けのサービス強化、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。海外インターネットサービスにおいては、米国Ebates Inc.(以下、Ebates社)等の海外子会社の「Rakuten」ブランドへの統合を進めており、積極的な販促活動を通じて海外における「Rakuten」ブランド認知度の向上と事業の拡大を進めています。投資事業においては、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業への投資を進める中、2019年3月29日に当社グループの投資先企業である米国Lyft, Inc.(以下、Lyft社)が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったこと等に伴い、有価証券評価益110,433百万円を計上しました。
フィンテックにおいては『楽天カード』の会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や費用の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にも関わらず、売上収益及び利益拡大が続いています。ペイメント事業においては、キャッシュレス化推進の流れの中で、多様な決済サービスを統合した新アプリの提供等により、利用者数が拡大しています。一方で、証券サービスにおいては、国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の減少等により減収減益となりました。
モバイルにおいては、2018年4月に総務大臣より認可を受けた第4世代移動通信システム普及のための特定基地局の開設計画を進めるとともに、第5世代移動通信システムの実証実験を実施しています。また、メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』においても、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が大幅に増加しています。
これらにより、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上収益は280,294百万円(前年同期比15.9%増)、Non-GAAP営業利益は117,977百万円(前年同期比270.5%増)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は2,356百万円、株式報酬費用は1,959百万円となりました。
(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は280,294百万円(前年同期比15.9%増)、IFRS営業利益は113,662百万円(前年同期比304.5%増)、四半期利益(親会社の所有者帰属)は104,981百万円(前年同期比502.6%増)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
(2) セグメント別業績
2019年3月28日開催の当社取締役会において、2019年4月1日付の会社分割による当社グループ企業の組織再編に伴う内部報告管理体制の変更を決議しており、当第1四半期連結会計期間から、従来の報告セグメントである「インターネットサービス」セグメント、「FinTech」セグメントに加え、新たに「モバイル」セグメントを設け、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」を3つの報告セグメントとしています。「モバイル」セグメントは、通信及びメッセージングサービスの提供等を行う事業により構成されています。各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、顧客満足度向上のための取組に加え、データ活用による広告ビジネスの展開、スマートデバイス向けのサービス強化、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、2019年1月より千葉県流山市、大阪府枚方市にて新たに2拠点の物流施設の稼働を開始する等、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上を目指し、自社物流網の整備・強化を本格的に進めています。海外インターネットサービスにおいては、Ebates社等の海外子会社の「Rakuten」ブランドへの統合を進めており、積極的な販促活動を通じて海外における「Rakuten」ブランド認知度の向上と事業の拡大を進めています。投資事業においては、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業への投資を進める中、2019年3月29日に当社グループの投資先企業であるLyft社が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったこと等に伴い、有価証券評価益110,433百万円を計上しました。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は169,975百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は111,465百万円(前年同期比620.8%増)となりました。
(単位:百万円)
(フィンテック)
『楽天カード』の会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や費用の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にも関わらず、売上収益及び利益拡大が続いています。一方で、証券サービスにおいては、国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の減少等により減収減益となりました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は114,215百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益は20,105百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
(単位:百万円)
(モバイル)
2018年4月に総務大臣より認可を受けた第4世代移動通信システム普及のための特定基地局の開設計画を進めるとともに、第5世代移動通信システムの実証実験を実施しています。また、メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』においても、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が大幅に増加しています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は25,363百万円(前年同期比23.2%増)、セグメント損失は6,425百万円(前年同期は638百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
(3) 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は7,801,310百万円となり、前連結会計年度末の資産合計7,345,002百万円と比べ、456,308百万円増加しました。これは主に、IFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加等により有形固定資産が115,268百万円増加、有価証券が99,871百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は6,924,956百万円となり、前連結会計年度末の負債合計6,568,795百万円と比べ、356,161百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が171,526百万円増加、楽天銀行株式会社における普通預金口座の増加等により銀行事業の預金が126,185百万円増加、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の増加等によりその他の金融負債が85,909百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は876,354百万円となり、前連結会計年度末の資本合計776,207百万円と比べ、100,147百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益を104,981百万円計上したこと等により利益剰余金が97,248百万円増加したことによるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ90,088百万円増加し、1,080,330百万円となりました。このうち、銀行事業に関する日銀預け金は、前連結会計年度末に比べ141,247百万円増加し、738,169百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、58,017百万円の資金流出(前年同期は103,559百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が126,253百万円となった一方で、証券事業の金融資産の増加による資金流出が83,163百万円、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が45,006百万円、営業債務の減少による資金流出が23,401百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、18,495百万円の資金流出(前年同期は9,428百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流入が10,738百万円(有価証券の売却及び償還による資金流入が65,093百万円、有価証券の取得による資金流出が54,355百万円)となった一方で、有形固定資産の取得による資金流出が25,270百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、161,268百万円の資金流入(前年同期は150,630百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が88,233百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が105,000百万円、短期借入金の増加による資金流入が78,357百万円、コマーシャル・ペーパーの増加による資金流入が76,000百万円となったことによるものです。
(5) 経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は2,432百万円です。
(7) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第1四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(9) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第1四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、通商問題の動向、金融資本市場の変動の影響等について留意する必要があるものの、緩やかに回復しています。日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費の持ち直しがみられるほか、企業の設備投資の増加や消費者物価の上昇もみられ、緩やかな回復を続けました。
2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略 2018」において、我が国は、IoT、ロボット、人工知能(AI)及びビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会であるSociety 5.0の実現、データを収集・分析・活用することにより、新たな付加価値の提供を可能とするデータ駆動型社会へ向け、変革していくとしています。
このような環境下、当社グループは、他社に先駆けてこれらの分野の知見を集約しつつ、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスを展開することで、グローバルにおける楽天エコシステム(経済圏)の拡大を図っています。
インターネットサービスの主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、顧客満足度向上のための取組に加え、データ活用による広告ビジネスの展開、スマートデバイス向けのサービス強化、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。海外インターネットサービスにおいては、米国Ebates Inc.(以下、Ebates社)等の海外子会社の「Rakuten」ブランドへの統合を進めており、積極的な販促活動を通じて海外における「Rakuten」ブランド認知度の向上と事業の拡大を進めています。投資事業においては、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業への投資を進める中、2019年3月29日に当社グループの投資先企業である米国Lyft, Inc.(以下、Lyft社)が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったこと等に伴い、有価証券評価益110,433百万円を計上しました。
フィンテックにおいては『楽天カード』の会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や費用の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にも関わらず、売上収益及び利益拡大が続いています。ペイメント事業においては、キャッシュレス化推進の流れの中で、多様な決済サービスを統合した新アプリの提供等により、利用者数が拡大しています。一方で、証券サービスにおいては、国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の減少等により減収減益となりました。
モバイルにおいては、2018年4月に総務大臣より認可を受けた第4世代移動通信システム普及のための特定基地局の開設計画を進めるとともに、第5世代移動通信システムの実証実験を実施しています。また、メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』においても、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が大幅に増加しています。
これらにより、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上収益は280,294百万円(前年同期比15.9%増)、Non-GAAP営業利益は117,977百万円(前年同期比270.5%増)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 241,871 | 280,294 | 38,423 | 15.9 | % |
Non-GAAP営業利益 | 31,843 | 117,977 | 86,134 | 270.5 | % |
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は2,356百万円、株式報酬費用は1,959百万円となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | |
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||
Non-GAAP営業利益 | 31,843 | 117,977 | 86,134 |
無形資産償却費 | △1,754 | △2,356 | △602 |
株式報酬費用 | △1,991 | △1,959 | 32 |
IFRS営業利益 | 28,098 | 113,662 | 85,564 |
当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は280,294百万円(前年同期比15.9%増)、IFRS営業利益は113,662百万円(前年同期比304.5%増)、四半期利益(親会社の所有者帰属)は104,981百万円(前年同期比502.6%増)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 241,871 | 280,294 | 38,423 | 15.9 | % |
IFRS営業利益 | 28,098 | 113,662 | 85,564 | 304.5 | % |
四半期利益 (親会社の所有者帰属) | 17,421 | 104,981 | 87,560 | 502.6 | % |
(2) セグメント別業績
2019年3月28日開催の当社取締役会において、2019年4月1日付の会社分割による当社グループ企業の組織再編に伴う内部報告管理体制の変更を決議しており、当第1四半期連結会計期間から、従来の報告セグメントである「インターネットサービス」セグメント、「FinTech」セグメントに加え、新たに「モバイル」セグメントを設け、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」を3つの報告セグメントとしています。「モバイル」セグメントは、通信及びメッセージングサービスの提供等を行う事業により構成されています。各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、顧客満足度向上のための取組に加え、データ活用による広告ビジネスの展開、スマートデバイス向けのサービス強化、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、2019年1月より千葉県流山市、大阪府枚方市にて新たに2拠点の物流施設の稼働を開始する等、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上を目指し、自社物流網の整備・強化を本格的に進めています。海外インターネットサービスにおいては、Ebates社等の海外子会社の「Rakuten」ブランドへの統合を進めており、積極的な販促活動を通じて海外における「Rakuten」ブランド認知度の向上と事業の拡大を進めています。投資事業においては、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業への投資を進める中、2019年3月29日に当社グループの投資先企業であるLyft社が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったこと等に伴い、有価証券評価益110,433百万円を計上しました。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は169,975百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は111,465百万円(前年同期比620.8%増)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメント売上収益 | 149,316 | 169,975 | 20,659 | 13.8 | % |
セグメント損益 | 15,463 | 111,465 | 96,002 | 620.8 | % |
(フィンテック)
『楽天カード』の会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や費用の効率化等により、マイナス金利政策の環境下にも関わらず、売上収益及び利益拡大が続いています。一方で、証券サービスにおいては、国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の減少等により減収減益となりました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は114,215百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益は20,105百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメント売上収益 | 93,560 | 114,215 | 20,655 | 22.1 | % |
セグメント損益 | 20,393 | 20,105 | △288 | △1.4 | % |
(モバイル)
2018年4月に総務大臣より認可を受けた第4世代移動通信システム普及のための特定基地局の開設計画を進めるとともに、第5世代移動通信システムの実証実験を実施しています。また、メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』においても、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が大幅に増加しています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は25,363百万円(前年同期比23.2%増)、セグメント損失は6,425百万円(前年同期は638百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメント売上収益 | 20,591 | 25,363 | 4,772 | 23.2 | % |
セグメント損益 | △638 | △6,425 | △5,787 | - | % |
(3) 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は7,801,310百万円となり、前連結会計年度末の資産合計7,345,002百万円と比べ、456,308百万円増加しました。これは主に、IFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加等により有形固定資産が115,268百万円増加、有価証券が99,871百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は6,924,956百万円となり、前連結会計年度末の負債合計6,568,795百万円と比べ、356,161百万円増加しました。これは主に、社債及び借入金が171,526百万円増加、楽天銀行株式会社における普通預金口座の増加等により銀行事業の預金が126,185百万円増加、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の増加等によりその他の金融負債が85,909百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は876,354百万円となり、前連結会計年度末の資本合計776,207百万円と比べ、100,147百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益を104,981百万円計上したこと等により利益剰余金が97,248百万円増加したことによるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ90,088百万円増加し、1,080,330百万円となりました。このうち、銀行事業に関する日銀預け金は、前連結会計年度末に比べ141,247百万円増加し、738,169百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、58,017百万円の資金流出(前年同期は103,559百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が126,253百万円となった一方で、証券事業の金融資産の増加による資金流出が83,163百万円、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が45,006百万円、営業債務の減少による資金流出が23,401百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、18,495百万円の資金流出(前年同期は9,428百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流入が10,738百万円(有価証券の売却及び償還による資金流入が65,093百万円、有価証券の取得による資金流出が54,355百万円)となった一方で、有形固定資産の取得による資金流出が25,270百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、161,268百万円の資金流入(前年同期は150,630百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が88,233百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が105,000百万円、短期借入金の増加による資金流入が78,357百万円、コマーシャル・ペーパーの増加による資金流入が76,000百万円となったことによるものです。
(5) 経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は2,432百万円です。
(7) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第1四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(9) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。