四半期報告書-第25期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられています。日本経済においても、感染拡大の防止策が講じられる中、各種政策等の効果により、世界経済と同様の動きが続くことが期待されています。一方で、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響には引き続き注意が必要です。こうした中、厚生労働省は通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入、サービスを享受することができるインターネットサービスや、オンライン金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
このような環境下、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めました。
インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』における送料無料ラインの統一施策の奏功や新型コロナウイルス感染症の流行に伴ういわゆる「巣ごもり消費」等を背景に、『楽天市場』等において増加した顧客の定着が進み、国内EC取扱高が大幅な伸長を続けています。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続き、売上収益、カードショッピング取扱高等が伸長しています。また、モバイルにおいては、自社回線エリアの拡大や2021年1月に発表した新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VI』へのアップグレードの好評等により、契約申し込みが加速しました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上収益は391,513百万円(前年同期比18.1%増)となりましたが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は31,585百万円(前年同期は18,136百万円のNon-GAAP営業損失)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は2,590百万円、株式報酬費用は3,165百万円となりました。
(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は391,513百万円(前年同期比18.1%増)、IFRS営業損失は37,340百万円(前年同期は24,054百万円のIFRS営業損失)、四半期損失(親会社の所有者帰属)は25,143百万円(前年同期は35,319百万円の損失)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
(2) セグメント別業績
各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
デジタルコンテンツサービスとモバイルサービスの連携を強化しシナジー効果を高めることを目的に、前第4四半期連結会計期間より、一部の事業及び子会社をセグメント間で移管しています。主な変更として、従来インターネットサービスセグメントに含まれていたRakuten Kobo Inc.等デジタルコンテンツサイト等の運営を行う事業等をモバイルセグメントに移管しています。これらの変更に伴い、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報を修正再表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、包括的な物流サービスを提供する「ワンデリバリー」構想のもと、自社物流施設への『楽天市場』出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に努め、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、送料無料ラインの統一施策の導入により、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上に注力しました。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』等においては、こうした施策の奏功やいわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、顧客の定着が進み、取扱高の伸長が続いています。一方で、インターネット旅行予約サービスの『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う、「Go To トラベル事業」の一時停止や、各地で相次いで発令された緊急事態宣言の影響を受け、宿泊予約の低迷が続きましたが、コスト精査の施策等により営業利益は前年同期比で増加しました。海外インターネットサービスにおいては、ブランド認知度の向上及び事業の拡大に向けた取組を続けています。また、投資事業におけるフィンテック関連企業への株式投資の評価益を30,603百万円計上しています。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は212,117百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は41,208百万円(前年同期は334百万円の利益)となりました。
(単位:百万円)
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、会員基盤の拡大が続き、当第1四半期連結累計期間には、同会員数が2,200万人に到達しました。同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費に依然厳しさがみられるものの、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、新規口座獲得が加速し、2021年1月には、国内のインターネット銀行として初めて(注)口座数が1,000万口座を突破し、役務取引等収益等の増加が売上収益の増加に貢献しました。同様に、証券サービスにおいても、新規口座開設の加速が続くと同時に、国内外株式売買代金の伸長に伴う手数料収入等の増加が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は151,572百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は24,550百万円(前年同期比23.8%増)となりました。
(注) 2021年1月19日時点 楽天銀行調べ
(単位:百万円)
(モバイル)
モバイルにおいては、基地局の開設が加速し、自社回線エリアの拡大が進んだほか、2021年1月に発表した毎月のユーザーのご利用状況に応じた柔軟でシンプルな新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VI』へのアップグレードの好評等により、契約申し込みが加速しました。電子書籍サービス、ビデオストリーミング等のデジタルコンテンツサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響によるオンラインコンテンツサービス需要の拡大等を受け、引き続き顧客基盤の拡大が続いています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は68,631百万円(前年同期比38.6%増)となりましたが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、セグメント損失は97,245百万円(前年同期は36,593百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
(3) 財政状態の分析
当第1四半期連結累計期間において、当社の連結子会社である楽天モバイル株式会社への投融資資金に充当するため、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分を行いました(払込金額総額242,347百万円、払込日2021年3月29日及び2021年3月31日)。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は13,495,164百万円となり、前連結会計年度末の資産合計12,524,438百万円と比べ、970,726百万円増加しました。これは主に、銀行事業の貸付金が444,410百万円増加、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分等に伴い、現金及び現金同等物が208,981百万円増加、証券事業の金融資産が167,148百万円増加、一部の投資する有価証券の公正価値増加により有価証券が106,147百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は12,612,258百万円となり、前連結会計年度末の負債合計11,895,424百万円と比べ、716,834百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が441,598百万円増加、証券事業の金融負債が201,149百万円増加、社債及び借入金が86,596百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は882,906百万円となり、前連結会計年度末の資本合計629,014百万円と比べ、253,892百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期損失を25,143百万円計上したこと等により利益剰余金が30,962百万円減少となった一方で、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分等により資本金が80,721百万円、資本剰余金が79,831百万円増加し、自己株式が84,941百万円減少したことによるものです。このほかに、円安等の要因によりその他の資本の構成要素が37,878百万円増加しています。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ208,981百万円増加し、3,230,287百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、12,959百万円の資金流入(前年同期は143,801百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が444,409百万円、証券事業の金融資産の増加による資金流出が166,801百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が441,398百万円、証券事業の金融負債の増加による資金流入が200,760百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、119,995百万円の資金流出(前年同期は83,272百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が4,517百万円(有価証券の取得による資金流出が111,753百万円、有価証券の売却及び償還による資金流入が107,236百万円)、有形固定資産の取得による資金流出が71,197百万円、無形資産の取得による資金流出が25,692百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、307,569百万円の資金流入(前年同期は159,134百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が45,859百万円となった一方で、株式の発行及び自己株式の売却による資金流入が241,385百万円、長期借入による資金流入が136,975百万円となったことによるものです。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この要約四半期連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(6) 経営方針、経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は3,713百万円です。
(8) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(9) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第1四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(10) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられています。日本経済においても、感染拡大の防止策が講じられる中、各種政策等の効果により、世界経済と同様の動きが続くことが期待されています。一方で、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響には引き続き注意が必要です。こうした中、厚生労働省は通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入、サービスを享受することができるインターネットサービスや、オンライン金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
このような環境下、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めました。
インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』における送料無料ラインの統一施策の奏功や新型コロナウイルス感染症の流行に伴ういわゆる「巣ごもり消費」等を背景に、『楽天市場』等において増加した顧客の定着が進み、国内EC取扱高が大幅な伸長を続けています。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続き、売上収益、カードショッピング取扱高等が伸長しています。また、モバイルにおいては、自社回線エリアの拡大や2021年1月に発表した新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VI』へのアップグレードの好評等により、契約申し込みが加速しました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上収益は391,513百万円(前年同期比18.1%増)となりましたが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は31,585百万円(前年同期は18,136百万円のNon-GAAP営業損失)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 331,443 | 391,513 | 60,070 | 18.1 | % |
Non-GAAP営業損失(△) | △18,136 | △31,585 | △13,449 | - | % |
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は2,590百万円、株式報酬費用は3,165百万円となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | |
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||
Non-GAAP営業損失(△) | △18,136 | △31,585 | △13,449 |
無形資産償却費 | △2,634 | △2,590 | 44 |
株式報酬費用 | △3,284 | △3,165 | 119 |
IFRS営業損失(△) | △24,054 | △37,340 | △13,286 |
当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は391,513百万円(前年同期比18.1%増)、IFRS営業損失は37,340百万円(前年同期は24,054百万円のIFRS営業損失)、四半期損失(親会社の所有者帰属)は25,143百万円(前年同期は35,319百万円の損失)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 331,443 | 391,513 | 60,070 | 18.1 | % |
IFRS営業損失(△) | △24,054 | △37,340 | △13,286 | - | % |
四半期損失(△) (親会社の所有者帰属) | △35,319 | △25,143 | 10,176 | - | % |
(2) セグメント別業績
各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
デジタルコンテンツサービスとモバイルサービスの連携を強化しシナジー効果を高めることを目的に、前第4四半期連結会計期間より、一部の事業及び子会社をセグメント間で移管しています。主な変更として、従来インターネットサービスセグメントに含まれていたRakuten Kobo Inc.等デジタルコンテンツサイト等の運営を行う事業等をモバイルセグメントに移管しています。これらの変更に伴い、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報を修正再表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、包括的な物流サービスを提供する「ワンデリバリー」構想のもと、自社物流施設への『楽天市場』出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に努め、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、送料無料ラインの統一施策の導入により、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上に注力しました。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』等においては、こうした施策の奏功やいわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、顧客の定着が進み、取扱高の伸長が続いています。一方で、インターネット旅行予約サービスの『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う、「Go To トラベル事業」の一時停止や、各地で相次いで発令された緊急事態宣言の影響を受け、宿泊予約の低迷が続きましたが、コスト精査の施策等により営業利益は前年同期比で増加しました。海外インターネットサービスにおいては、ブランド認知度の向上及び事業の拡大に向けた取組を続けています。また、投資事業におけるフィンテック関連企業への株式投資の評価益を30,603百万円計上しています。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は212,117百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は41,208百万円(前年同期は334百万円の利益)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 180,387 | 212,117 | 31,730 | 17.6 | % |
セグメント損益 | 334 | 41,208 | 40,874 | - | % |
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、会員基盤の拡大が続き、当第1四半期連結累計期間には、同会員数が2,200万人に到達しました。同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費に依然厳しさがみられるものの、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、新規口座獲得が加速し、2021年1月には、国内のインターネット銀行として初めて(注)口座数が1,000万口座を突破し、役務取引等収益等の増加が売上収益の増加に貢献しました。同様に、証券サービスにおいても、新規口座開設の加速が続くと同時に、国内外株式売買代金の伸長に伴う手数料収入等の増加が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は151,572百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は24,550百万円(前年同期比23.8%増)となりました。
(注) 2021年1月19日時点 楽天銀行調べ
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 140,038 | 151,572 | 11,534 | 8.2 | % |
セグメント損益 | 19,826 | 24,550 | 4,724 | 23.8 | % |
(モバイル)
モバイルにおいては、基地局の開設が加速し、自社回線エリアの拡大が進んだほか、2021年1月に発表した毎月のユーザーのご利用状況に応じた柔軟でシンプルな新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VI』へのアップグレードの好評等により、契約申し込みが加速しました。電子書籍サービス、ビデオストリーミング等のデジタルコンテンツサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響によるオンラインコンテンツサービス需要の拡大等を受け、引き続き顧客基盤の拡大が続いています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は68,631百万円(前年同期比38.6%増)となりましたが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、セグメント損失は97,245百万円(前年同期は36,593百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第1四半期 連結累計期間) | (当第1四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 49,524 | 68,631 | 19,107 | 38.6 | % |
セグメント損益 | △36,593 | △97,245 | △60,652 | - | % |
(3) 財政状態の分析
当第1四半期連結累計期間において、当社の連結子会社である楽天モバイル株式会社への投融資資金に充当するため、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分を行いました(払込金額総額242,347百万円、払込日2021年3月29日及び2021年3月31日)。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は13,495,164百万円となり、前連結会計年度末の資産合計12,524,438百万円と比べ、970,726百万円増加しました。これは主に、銀行事業の貸付金が444,410百万円増加、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分等に伴い、現金及び現金同等物が208,981百万円増加、証券事業の金融資産が167,148百万円増加、一部の投資する有価証券の公正価値増加により有価証券が106,147百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は12,612,258百万円となり、前連結会計年度末の負債合計11,895,424百万円と比べ、716,834百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が441,598百万円増加、証券事業の金融負債が201,149百万円増加、社債及び借入金が86,596百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は882,906百万円となり、前連結会計年度末の資本合計629,014百万円と比べ、253,892百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期損失を25,143百万円計上したこと等により利益剰余金が30,962百万円減少となった一方で、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分等により資本金が80,721百万円、資本剰余金が79,831百万円増加し、自己株式が84,941百万円減少したことによるものです。このほかに、円安等の要因によりその他の資本の構成要素が37,878百万円増加しています。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ208,981百万円増加し、3,230,287百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、12,959百万円の資金流入(前年同期は143,801百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が444,409百万円、証券事業の金融資産の増加による資金流出が166,801百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が441,398百万円、証券事業の金融負債の増加による資金流入が200,760百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、119,995百万円の資金流出(前年同期は83,272百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が4,517百万円(有価証券の取得による資金流出が111,753百万円、有価証券の売却及び償還による資金流入が107,236百万円)、有形固定資産の取得による資金流出が71,197百万円、無形資産の取得による資金流出が25,692百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、307,569百万円の資金流入(前年同期は159,134百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が45,859百万円となった一方で、株式の発行及び自己株式の売却による資金流入が241,385百万円、長期借入による資金流入が136,975百万円となったことによるものです。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この要約四半期連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(6) 経営方針、経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は3,713百万円です。
(8) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(9) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第1四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(10) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。