四半期報告書-第24期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第2四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられています。日本経済においても、経済活動の再開が段階的に進められる中で、持ち直しの動きが続くことが期待されています。一方で、国内の新型コロナウイルス感染症感染者数は増加の傾向にあり、感染の再拡大による景気下振れのリスクが引き続き懸念されています。
こうした中、厚生労働省は通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入、サービスを享受することが出来るインターネットサービスや、ネット金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
このような環境下、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めています。
インターネットサービスの主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略、送料込みラインの統一施策の導入、自社物流網の整備・強化等に注力しました。政府による外出自粛の要請等を受け、旅行予約サービスや、プロスポーツサービス等においては売上収益の減少が見られたものの、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、『楽天市場』等のサービスにおいては、取扱高に押し上げの効果が見られました。海外インターネットサービスにおいては、国内と同様にインターネット旅行予約サービスや小売業の取扱高減少の影響を受けましたが、デジタルコンテンツサービス等の取扱高が伸長しました。
フィンテックにおいては、『楽天カード』は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、2020年6月に会員数が2,000万人を突破する等、会員基盤の拡大が続いており、ショッピング取扱高やリボ残高の伸長が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、2020年6月に口座数が900万口座を突破するなど、会員基盤の拡大に伴い預金残高が伸長しています。証券サービスにおいては、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入、FX手数料等の増加が売上収益及び利益の増加に貢献しました。
モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始して以降、楽天エコシステム内外からの顧客獲得施策に注力し、2020年6月には累計契約申し込み数が100万回線を突破しました。同サービスにおいては、基地局の開設等を加速し、自社回線によるサービス提供エリアの拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めています。
これらにより、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上収益は678,768百万円(前年同期比15.7%増)、Non-GAAP営業損失は50,723百万円(前年同期は121,128百万円の営業利益)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第2四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は5,302百万円、株式報酬費用は5,622百万円となりました。また、OverDrive Holdings, Inc.の全株式譲渡により40,926百万円を非経常的な項目として計上しています。
(単位:百万円)
当第2四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第2四半期連結累計期間における売上収益は678,768百万円(前年同期比15.7%増)、IFRS営業損失は20,721百万円(前年同期は111,895百万円の営業利益)、四半期損失(親会社の所有者帰属)は27,485百万円(前年同期は100,249百万円の利益)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
(2) セグメント別業績
各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、包括的な物流サービスを提供する「ワンデリバリー」構想のもと、自社物流施設への楽天市場出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に努め、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、送料込みラインの統一施策の導入により、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上に注力しています。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』などにおいては、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、取扱高に押し上げの効果が見られました。一方で、インターネット旅行予約サービスの『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、外出自粛等の影響を強く受け、特に緊急事態宣言が全国に拡大された2020年4月において予約低迷、キャンセルが相次いだほか、スポーツサービスにおいても、プロ野球公式戦、サッカーリーグ戦の開幕延期を受け、売上収益が減少しています。同様に、海外インターネットサービスにおいても、インターネット旅行予約サービスや小売業の取扱高減少の影響を受けましたが、『楽天Kobo』等のデジタルコンテンツサービス等の取扱高が伸長しました。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は392,826百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント損失は8,973百万円(前年同期は108,867百万円の利益)となりました。
(単位:百万円)
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛等の影響を受けながらも、2020年6月に会員数が2,000万人を突破する等、会員基盤の拡大が続いており、ショッピング取扱高やリボ残高の伸長が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、2020年6月に口座数が900万口座を突破するなど、会員基盤の拡大に伴い預金残高が伸長しています。マイナス金利政策や住宅建設が弱含む環境下においても、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加、事務の効率化等により、売上収益及び利益拡大が続いています。証券サービスは、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入、FX手数料等の増加が売上収益及び利益の増加に貢献しました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は281,761百万円(前年同期比21.2%増)、セグメント利益は41,082百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(単位:百万円)
(モバイル)
モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始して以降、楽天エコシステム内外からの顧客獲得施策に注力し、2020年6月には累計契約申し込み数が100万回線を突破しました。同サービスにおいては、基地局の開設等を加速し、自社回線によるサービス提供エリアの拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めています。メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』は、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が増加しています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は82,883百万円(前年同期比57.9%増)、セグメント損失は82,420百万円(前年同期は18,925百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
(3) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は10,433,257百万円となり、前連結会計年度末の資産合計9,165,697百万円と比べ、1,267,560百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が資金調達等により817,810百万円増加、証券事業の金融資産が310,142百万円増加、有形固定資産が158,744百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は9,709,694百万円となり、前連結会計年度末の負債合計8,428,497百万円と比べ、1,281,197百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が608,244百万円増加、証券事業の金融負債が384,316百万円増加、社債及び借入金が342,845百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は723,563百万円となり、前連結会計年度末の資本合計737,200百万円と比べ、13,637百万円減少しました。これは主に、当第2四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期損失を27,485百万円計上したこと等により利益剰余金が35,335百万円減少したことによるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ817,810百万円増加し、2,296,367百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、572,706百万円の資金流入(前年同期は106,143百万円の資金流入)となりました。これは主に、証券事業の金融資産の増加による資金流出が310,158百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が608,205百万円、証券事業の金融負債の増加による資金流入が384,333百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、93,843百万円の資金流出(前年同期は92,938百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流入4,914百万円(有価証券の売却及び償還による資金流入が250,901百万円、有価証券の取得による資金流出が245,987百万円)となった一方で、有形固定資産の取得による資金流出が127,457百万円、無形資産の取得による資金流出が49,553百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、336,811百万円の資金流入(前年同期は258,196百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が187,651百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が271,019百万円、コマーシャル・ペーパーの増加による資金流入が163,500百万円、短期借入金の増加による資金流入が128,930百万円となったことによるものです。
(5) 経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は4,869百万円です。
(7) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第2四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(9) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下、IFRS営業利益)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
当第2四半期連結累計期間の経営成績(Non-GAAPベース)
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられています。日本経済においても、経済活動の再開が段階的に進められる中で、持ち直しの動きが続くことが期待されています。一方で、国内の新型コロナウイルス感染症感染者数は増加の傾向にあり、感染の再拡大による景気下振れのリスクが引き続き懸念されています。
こうした中、厚生労働省は通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入、サービスを享受することが出来るインターネットサービスや、ネット金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
このような環境下、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めています。
インターネットサービスの主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略、送料込みラインの統一施策の導入、自社物流網の整備・強化等に注力しました。政府による外出自粛の要請等を受け、旅行予約サービスや、プロスポーツサービス等においては売上収益の減少が見られたものの、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、『楽天市場』等のサービスにおいては、取扱高に押し上げの効果が見られました。海外インターネットサービスにおいては、国内と同様にインターネット旅行予約サービスや小売業の取扱高減少の影響を受けましたが、デジタルコンテンツサービス等の取扱高が伸長しました。
フィンテックにおいては、『楽天カード』は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、2020年6月に会員数が2,000万人を突破する等、会員基盤の拡大が続いており、ショッピング取扱高やリボ残高の伸長が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、2020年6月に口座数が900万口座を突破するなど、会員基盤の拡大に伴い預金残高が伸長しています。証券サービスにおいては、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入、FX手数料等の増加が売上収益及び利益の増加に貢献しました。
モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始して以降、楽天エコシステム内外からの顧客獲得施策に注力し、2020年6月には累計契約申し込み数が100万回線を突破しました。同サービスにおいては、基地局の開設等を加速し、自社回線によるサービス提供エリアの拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めています。
これらにより、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上収益は678,768百万円(前年同期比15.7%増)、Non-GAAP営業損失は50,723百万円(前年同期は121,128百万円の営業利益)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 586,644 | 678,768 | 92,124 | 15.7 | % |
Non-GAAP営業利益 又は損失(△) | 121,128 | △50,723 | △171,851 | - | % |
Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第2四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産の償却費は5,302百万円、株式報酬費用は5,622百万円となりました。また、OverDrive Holdings, Inc.の全株式譲渡により40,926百万円を非経常的な項目として計上しています。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | |
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||
Non-GAAP営業利益 又は損失(△) | 121,128 | △50,723 | △171,851 |
無形資産償却費 | △4,626 | △5,302 | △676 |
株式報酬費用 | △4,607 | △5,622 | △1,015 |
非経常的な項目 | - | 40,926 | 40,926 |
IFRS営業利益 又は損失(△) | 111,895 | △20,721 | △132,616 |
当第2四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
当第2四半期連結累計期間における売上収益は678,768百万円(前年同期比15.7%増)、IFRS営業損失は20,721百万円(前年同期は111,895百万円の営業利益)、四半期損失(親会社の所有者帰属)は27,485百万円(前年同期は100,249百万円の利益)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||||
売上収益 | 586,644 | 678,768 | 92,124 | 15.7 | % |
IFRS営業利益 又は損失(△) | 111,895 | △20,721 | △132,616 | - | % |
四半期利益又は損失(△) (親会社の所有者帰属) | 100,249 | △27,485 | △127,734 | - | % |
(2) セグメント別業績
各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業損益ベースで表示しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。また、包括的な物流サービスを提供する「ワンデリバリー」構想のもと、自社物流施設への楽天市場出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に努め、配送業者による物量制限、配送料金値上げによる影響の中長期的な緩和を図るとともに、送料込みラインの統一施策の導入により、顧客と楽天サービス出店者双方の利便性向上に注力しています。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』などにおいては、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりにより、取扱高に押し上げの効果が見られました。一方で、インターネット旅行予約サービスの『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、外出自粛等の影響を強く受け、特に緊急事態宣言が全国に拡大された2020年4月において予約低迷、キャンセルが相次いだほか、スポーツサービスにおいても、プロ野球公式戦、サッカーリーグ戦の開幕延期を受け、売上収益が減少しています。同様に、海外インターネットサービスにおいても、インターネット旅行予約サービスや小売業の取扱高減少の影響を受けましたが、『楽天Kobo』等のデジタルコンテンツサービス等の取扱高が伸長しました。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は392,826百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント損失は8,973百万円(前年同期は108,867百万円の利益)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 359,156 | 392,826 | 33,670 | 9.4 | % |
セグメント損益 | 108,867 | △8,973 | △117,840 | - | % |
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛等の影響を受けながらも、2020年6月に会員数が2,000万人を突破する等、会員基盤の拡大が続いており、ショッピング取扱高やリボ残高の伸長が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。また、銀行サービスにおいても、2020年6月に口座数が900万口座を突破するなど、会員基盤の拡大に伴い預金残高が伸長しています。マイナス金利政策や住宅建設が弱含む環境下においても、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加、事務の効率化等により、売上収益及び利益拡大が続いています。証券サービスは、会員基盤の急速な拡大が続くと同時に、国内株式市場における手数料収入、FX手数料等の増加が売上収益及び利益の増加に貢献しました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は281,761百万円(前年同期比21.2%増)、セグメント利益は41,082百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 232,552 | 281,761 | 49,209 | 21.2 | % |
セグメント損益 | 34,391 | 41,082 | 6,691 | 19.5 | % |
(モバイル)
モバイルにおいては、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを提供する携帯キャリア事業として、2020年4月8日より本格的なサービスを開始して以降、楽天エコシステム内外からの顧客獲得施策に注力し、2020年6月には累計契約申し込み数が100万回線を突破しました。同サービスにおいては、基地局の開設等を加速し、自社回線によるサービス提供エリアの拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めています。メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』は、会員基盤の拡大に伴い、売上収益が増加しています。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は82,883百万円(前年同期比57.9%増)、セグメント損失は82,420百万円(前年同期は18,925百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
前年同期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | ||
(前第2四半期 連結累計期間) | (当第2四半期 連結累計期間) | ||||
セグメントに係る 売上収益 | 52,480 | 82,883 | 30,403 | 57.9 | % |
セグメント損益 | △18,925 | △82,420 | △63,495 | - | % |
(3) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は10,433,257百万円となり、前連結会計年度末の資産合計9,165,697百万円と比べ、1,267,560百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が資金調達等により817,810百万円増加、証券事業の金融資産が310,142百万円増加、有形固定資産が158,744百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は9,709,694百万円となり、前連結会計年度末の負債合計8,428,497百万円と比べ、1,281,197百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が608,244百万円増加、証券事業の金融負債が384,316百万円増加、社債及び借入金が342,845百万円増加したことによるものです。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は723,563百万円となり、前連結会計年度末の資本合計737,200百万円と比べ、13,637百万円減少しました。これは主に、当第2四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期損失を27,485百万円計上したこと等により利益剰余金が35,335百万円減少したことによるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ817,810百万円増加し、2,296,367百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、572,706百万円の資金流入(前年同期は106,143百万円の資金流入)となりました。これは主に、証券事業の金融資産の増加による資金流出が310,158百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が608,205百万円、証券事業の金融負債の増加による資金流入が384,333百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、93,843百万円の資金流出(前年同期は92,938百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流入4,914百万円(有価証券の売却及び償還による資金流入が250,901百万円、有価証券の取得による資金流出が245,987百万円)となった一方で、有形固定資産の取得による資金流出が127,457百万円、無形資産の取得による資金流出が49,553百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、336,811百万円の資金流入(前年同期は258,196百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が187,651百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が271,019百万円、コマーシャル・ペーパーの増加による資金流入が163,500百万円、短期借入金の増加による資金流入が128,930百万円となったことによるものです。
(5) 経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当社の研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。なお、研究開発活動の状況については、前連結会計年度より重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間における、当社グループが支出した研究開発費の総額は4,869百万円です。
(7) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産及び受注に該当する事項が無いため、生産及び受注実績に関する記載はしていません。
② 販売実績
当社グループは当第2四半期連結累計期間において、販売実績の著しい増減はありません。
(9) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。