有価証券報告書-第43期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及び キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなど、全体として緩やかな回復基調が見られるものの、米中貿易摩擦をはじめとする各国政治的要因による海外経済の不確実性などにより、先行きは不透明な状況で推移しております。当社グループの属する広告業界におきましては、2018年(1月~12月)の国内総広告費が6兆5,300億円(前年比2.2%増※1)と、7年連続のプラス成長となりました。
このような事業環境の中、当社といたしましては、前期に引き続きマス広告から総合プロモーションへと大きくシフトするクライアントのニーズに応えるべく、当社の強みである「リアル(体験)・プロモーション」を軸としてデジタル・動画・PR・データ等の新たな領域も組み合わせる“体験デザイン※2・プロダクション”を目指し推進中であります。
売上に関しましては、既存銘柄の受注が堅調であったことに加え、新規銘柄の中・大型案件を複数取込むなど受注領域の拡大や案件単価の上昇につながった一方、前年にあった地方での大型案件の反動があり微減となりました。
収益に関しましては、「付加価値の高い提案による適正利益の確保」「大型の低営収案件の減少」「原価管理の徹底」「販売費および一般管理費の厳格な管理」を全社的に推進したことで収益率は前年を上回りました。(営業利益率は10.94%→12.26%へ)
その結果、当連結会計年度の売上高は162億78百万円(前連結会計年度比2.5%減)、営業利益は19億95百万円(同9.3%増)、経常利益は20億17百万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億45百万円(同11.4%増)となりました。
なお、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、『4期連続で過去最高を更新』いたしました。
※1:㈱電通「日本の広告費」2019年2月発表による
※2:ブランドとのWow!な体験を起点に、体験者がそのブランドのファンとなり、特にSNSをハブに多様なメディアで体験の拡散・共有を最大化させる、その仕組みを設計すること。
セグメントの経営成績については、セグメント情報を記載していないため、カテゴリー別で記載しております。
(販促)
当連結会計年度は、大手携帯電話メーカーの海外での展示会受注や、大手化粧品メーカーの体験型ポップアップストア、新規銘柄であるアミューズメント機器製造組合のフェス等の大型案件を受注しましたが、前連結会計年度比29.4%の売上減となりました。
(広報)
当連結会計年度は、大手電機メーカーの周年イベントや大手生命保険会社からの全国キャラバン、海外の嗜好品メーカーからの新商品ローンチイベント等の大型案件を受注したこと等により、前連結会計年度比42.1%の売上増となりました。
(文化/スポーツ)
当連結会計年度は、2019年及び2020年に向けた大型イベントや官公庁からの日本食普及に関する事業等を受注しましたが、前連結会計年度比7.0%の売上減となりました。
(制作物)
当連結会計年度は、大手電機メーカーや大手化粧品メーカーからのWEB・動画コンテンツの制作や官公庁からの事務局業務等を受注したこと等により、前連結会計年度比9.3%の売上増となりました。
(企画売上高)
企画売上高は、前連結会計年度比14.9%の売上減となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6億83百万円増加し、136億79百万円となりました。
流動資産は、前期比8億35百万円増加の121億円となりました。これは主に、電子記録債権が1億60百万円減少しましたが、現金及び預金が6億56百万円、未成業務支出金が2億22百万円、未収入金が1億11百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前期比1億51百万円減少の15億78百万円となりました。
固定資産のうち有形固定資産は、前期比17百万円増加の1億2百万円となりました。これは主に、パソコンの購入等によるものであります。
無形固定資産は、前期比5百万円減少の16百万円となりました。これは主に、減価償却によるものであります。
投資その他の資産は、前期比1億64百万円減少の14億60百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が43百万円増加しましたが、投資有価証券が2億5百万円減少したこと等によるものであります。
流動負債は、前期比1億43百万円増加の38億46百万円となりました。これは主に、未払法人税等が66百万円減少しましたが、買掛金が1億19百万円、賞与引当金が66百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前期比44百万円減少の4億16百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が42百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は、前期比5億84百万円増加の94億16百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が1億49百万円減少しましたが、利益剰余金が7億38百万円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億56百万円増加し、当連結会計年度末は47億54百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は13億10百万円(前年同期は12億40百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額が7億55百万円、たな卸資産の増加額が2億22百万円、未収入金の増加額が1億11百万円、その他流動負債の減少額が38百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が20億14百万円、売上債権の減少額が1億76百万円、仕入債務の増加額が1億60百万円、賞与引当金の増加額が66百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34百万円(前年同期は53百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が23百万円、投資有価証券の取得による支出が9百万円、無形固定資産の取得による支出が3百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億20百万円(前年同期は5億85百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が6億6百万円、非支配株主への清算分配金の支払額が12百万円あったこと等によるものであります。
④制作、受注及び販売の実績
セグメント情報を記載していないため、制作実績、受注状況及び販売実績は、カテゴリー別で記載しております。
a.制作実績
当連結会計年度における制作実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
| カテゴリー | 当連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 販促 | 5,496,207 | △30.5 |
| 広報 | 6,277,764 | 44.5 |
| 文化/スポーツ | 526,816 | 11.9 |
| 博覧会 | ― | ― |
| 制作物 | 1,342,919 | 11.8 |
| 合計 | 13,643,708 | △2.0 |
(注) 上記の金額はイベント制作に要した費用で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
イベントは制作段階、運営段階で当初の内容や金額が変動することが多いことから、当業界では、契約書の取交しや、発注書等が発行されることが少なく、したがって、受注残高の正確な把握が困難なため、受注状況の開示はいたしておりません。
なお、当社グループでは社内の制作受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
| カテゴリー | 当連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 制作売上高 | ||
| 販促 | 6,512,967 | △29.4 |
| 広報 | 7,463,312 | 42.1 |
| 文化/スポーツ | 537,636 | △7.0 |
| 博覧会 | ― | ― |
| 制作物 | 1,684,478 | 9.3 |
| 小計 | 16,198,394 | △2.4 |
| 企画売上高 | 80,302 | △14.9 |
| 合計 | 16,278,697 | △2.5 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年7月1日 至 2018年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | ||
| 金額(千円) | 総販売実績に 対する割合(%) | 金額(千円) | 総販売実績に 対する割合(%) | |
| ㈱博報堂 | 4,788,029 | 28.7 | 5,695,597 | 35.0 |
| ㈱電通 | 1,902,533 | 11.4 | 2,075,138 | 12.7 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、既存銘柄の受注が堅調であったことに加え、新規銘柄の中・大型案件を複数取込むなど受注領域の拡大や案件単価の上昇につながった一方、前年にあった地方での大型案件の反動があったことにより、162億78百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、収益力の強化を徹底したことにより、28億25百万円(同5.0%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、厳格な管理を行ったことにより、8億29百万円(同4.2%減)となりました。
この結果、営業利益は19億95百万円(同9.3%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は役員報酬返納額の減少の影響により、25百万円(同51.5%減)、営業外費用は売上債権売却損の減少の影響により、4百万円(同27.6%減)、経常利益は20億17百万円(同7.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等を6億71百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は13億45百万円(同11.4%増)となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、イベントやセールスプロモーションの制作費ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費になりますが、事業戦略上、多種多様な回収・支払のサイクルに対応していくために、売掛債権の流動化による資金調達も財源としております。
今後、既存事業の事業成長を図りながら、積極的に新規事業の創出や、必要に応じてM&Aを実施し成長性のあるビジネスを当社の成長に取り込んでいく考えでありますが、資金需要の必要性に応じて柔軟に資金調達を実施いたします。