有価証券報告書-第45期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及び キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言発令の影響等により依然として先行きは不透明な状況にあります。当社グループを取り巻く市場環境についても、イベントの中止や規模の縮小等、大きな影響を受けております。
このような事業環境の中、当社グループといたしましては、今後の中期的な成長に向けた基盤づくりが重要と考え、以下の「事業成長ビジョン」を策定し積極的な事業展開を継続してまいりました。
(事業成長ビジョン)
当社グループは「体験価値※」をコアとしたプランニングとプロデュースを駆使して、「魅力的なコンテンツを創る力」と「プラットフォームを活性化する力」を発揮することで、新規顧客の獲得、既存顧客の育成・活性化に貢献する『TOW体験デザインモデル』を確立いたします。これを通じ、当社グループの提供価値の拡張とビジネスの成長を実現し、新たな企業像として『体験価値をコアに、成果をデザインするプロダクション』を目指します。
※体験価値:情緒的価値・感性的価値・機能的価値を含めて顧客心理に訴えかける価値
当連結会計年度は、官公庁・団体の大型案件の寄与や、各種オンラインプロモーション施策の引き合いが増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリアルイベントの中止や規模の縮小の影響は大きく、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度から大幅に減少いたしました。
当社グループは、従来よりデジタル領域に力を入れてきましたが、コロナ禍を契機に改革のスピードをさらに速めるとともに、様々なアライアンスやソリューション開発に着手しました。これらの取り組みが奏功しオンラインプロモーション領域は計画通りに伸長いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は122億9百万円(前連結会計年度比36.8%減)、営業利益は6億55百万円(同71.7%減)、経常利益は6億98百万円(同70.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億55百万円(同71.2%減)となりました。
セグメントの経営成績については、セグメント情報を記載していないため、カテゴリー別で記載しております。
なお、ビジネス環境及び当社の業務内容の変化に伴い、従来のカテゴリーの見直しを行いました。前連結会計年度との比較・分析は見直し後のカテゴリーに基づいて記載しております。
(オンラインプロモーション、オンラインイベント)
当連結会計年度は、インターネット関連サービス会社や食品会社のオンラインキャンペーン、ゲーム会社等からのeスポーツ大会の運営、精密機器メーカーのオンライン展示会等の大型案件を受注したこと等により、売上高は前連結会計年度比47.0%増加の47億11百万円(前連結会計年度は32億4百万円)となりました。
(リアルイベント)
当連結会計年度は、大手携帯電話メーカーの販促イベントや大手自動車メーカーの広報販促イベント、国際的スポーツイベント関連案件等の大型案件を受注しましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリアルイベントの中止や規模の縮小の影響は大きく、売上高は前連結会計年度比67.9%減少の34億15百万円(前連結会計年度は106億51百万円)となりました。
(その他)
当連結会計年度は、官公庁・団体の大型案件を受注しましたが、売上高は前連結会計年度比25.1%減少の40億53百万円(前連結会計年度は54億9百万円)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ27億70百万円減少し、134億23百万円となりました。
流動資産は、前期比31億14百万円減少の113億25百万円となりました。これは主に、現金及び預金が25億24百万円増加しましたが、未収入金が21億41百万円、受取手形及び売掛金が20億71百万円、電子記録債権が13億18百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前期比3億43百万円増加の20億98百万円となりました。
固定資産のうち有形固定資産は、前期比40百万円増加の2億29百万円となりました。これは主に、レイアウト変更等によるものであります。
無形固定資産は、前期比4百万円増加の28百万円となりました。これは主に、受注管理システムの改修等によるものであります。
投資その他の資産は、前期比2億98百万円増加の18億40百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が62百万円減少しましたが、投資有価証券が3億61百万円増加したこと等によるものであります。
流動負債は、前期比29億60百万円減少の25億28百万円となりました。これは主に、買掛金が18億10百万円、その他が7億16百万円、未払法人税等が3億58百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前期比1億21百万円増加の5億70百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が1億24百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は、前期比67百万円増加の103億24百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2億円減少しましたが、その他有価証券評価差額金が2億47百万円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25億24百万円増加し、75億80百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は33億88百万円(前年同期は11億42百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少額が18億5百万円ありましたが、売上債権の減少額が33億89百万円、未収入金の減少額が23億96百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億6百万円(前年同期は1億10百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1億91百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億57百万円(前年同期は7億31百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が6億56百万円あったこと等によるものであります。
④制作、受注及び販売の実績
セグメント情報を記載していないため、制作実績、受注状況及び販売実績は、カテゴリー別で記載しております。
なお、ビジネス環境及び当社の業務内容の変化に伴い、従来のカテゴリーの見直しを行いました。
a.制作実績
当連結会計年度における制作実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
| カテゴリー | 当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| オンラインプロモーション、オンラインイベント | 3,786,463 | 51.3 |
| リアルイベント | 2,740,190 | △67.4 |
| その他 | 4,069,855 | △15.8 |
| 合計 | 10,596,509 | △32.7 |
(注) 上記の金額はイベント及びプロモーション制作に要した費用で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
イベント及びプロモーションは制作段階、運営段階で当初の内容や金額が変動するケースが多いことから、当業界では、契約書の取交しや、発注書等が発行されることが少なく、したがって、受注残高の正確な把握が困難なため、受注状況の開示はいたしておりません。
なお、当社グループでは社内の受注管理システムにより、案件の進捗度合いの正確な把握に努めております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。
| カテゴリー | 当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 制作売上高 | ||
| オンラインプロモーション、オンラインイベント | 4,711,449 | 47.0 |
| リアルイベント | 3,415,498 | △67.9 |
| その他 | 4,053,154 | △25.1 |
| 小計 | 12,180,101 | △36.8 |
| 企画売上高 | 29,371 | △51.0 |
| 合計 | 12,209,473 | △36.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | ||
| 金額(千円) | 総販売実績に 対する割合(%) | 金額(千円) | 総販売実績に 対する割合(%) | |
| ㈱電通ライブ | 6,160,328 | 31.9 | 5,321,699 | 43.6 |
| ㈱博報堂 | 4,084,213 | 21.1 | 2,973,608 | 24.4 |
| ㈱電通 | 1,999,766 | 10.3 | ― | ― |
(注)当連結会計年度の株式会社電通の販売実績及び総販売実績に対する割合につきましては、当該割合が
100分の10未満のため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、官公庁・団体の大型案件の寄与や、各種オンラインプロモーション施策の引き合いが増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリアルイベントの中止や規模の縮小の影響は大きく、122億9百万円(前連結会計年度比36.8%減)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高が減少したこと等により、14億70百万円(同54.6%減)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、人件費の減少及び厳格な管理を行ったことにより、8億15百万円(同11.7%減)となりました。
この結果、営業利益は6億55百万円(同71.7%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は助成金収入の増加の影響により、46百万円(同149.0%増)、営業外費用は支払利息の増加の影響により、3百万円(同24.3%増)、経常利益は6億98百万円(同70.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等を2億54百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4億55百万円(同71.2%減)となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、イベント及びプロモーションの制作費並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費になりますが、事業戦略上、多種多様な回収・支払のサイクルに対応していくために、売掛債権の流動化による資金調達も財源としております。
今後、既存事業の事業成長を図りながら、積極的に新規事業の創出や、必要に応じてM&Aを実施し成長性のあるビジネスを当社グループの成長に取り込んでいく考えでありますが、資金需要の必要性に応じて柔軟に資金調達を実施いたします。