有価証券報告書-第23期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/20 16:02
【資料】
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【項目】
154項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当社及び当社グループの当連結会計年度における財政状態は、資産残高は31,310百万円(前連結会計年度末は33,574百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,263百万円減少しました。負債残高は9,393百万円(前連結会計年度末は21,119百万円)となり、前連結会計年度末と比較して11,726百万円減少しました。純資産残高は21,917百万円(前連結会計年度末は12,454百万円)となり、前連結会計年度末と比較して9,462百万円増加しました。
b.経営成績
当社及び当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は30,132百万円と前年同期に比べ5,434百万円(△15.3%)の減収、経常利益は1,227百万円と前年同期に比べ1,182百万円(前年同期は経常利益44百万円)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、アイペットホールディングス株式会社株式売却による関係会社株式売却益を計上したことにより11,553百万円と前年同期に比べ11,546百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益7百万円)の増益となりました。
当連結会計年度における報告セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度において、連結子会社であった株式会社ワークスタイルラボ及びピークス株式会社の株式を譲渡したため、「HRイノベーションセグメント」及び「ファンマーケティングセグメント」を報告セグメントから除外しております。なお、第4四半期連結会計期間期首より「ペットライフスタイルセグメント」を構成するアイペットホールディングス株式会社とその子会社であるアイペット損害保険株式会社及びペッツオーライ株式会社を当社の連結範囲から除外しておりますが、当連結会計年度においては引き続き「ペットライフスタイルセグメント」を報告セグメントとして記載しております。
(ビジネスプロデュース事業)
ビジネスプロデュース事業では、主に大企業向けの事業創造支援や成長戦略立案支援に関する戦略コンサルティング、M&Aファイナンシャル・アドバイザリーの提供、及び社会課題を解決するための新たな官民連携の仕組みであるソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用した事業運営をしております。
当連結会計年度において、売上面ではクライアントの事業創造ニーズの高まりに加え、積極的な人員増強、マーケティング活動、及び他業種との協業に注力し、売上高は年間を通して好調に推移した一方、費用面では更なる売上拡大を見越した人員増強等の積極的な投資を行った結果、人件費・採用費等が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,838百万円(前年同期比35.3%増)で、通期売上目標3,300百万円に対して116%の達成率となり、セグメント利益(営業利益)は1,314百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
(インキュベーション事業)
インキュベーション事業は、ベンチャー投資セグメント、ペットライフスタイルセグメントにより構成されております。
ベンチャー投資セグメントにおいては、スタートアップ企業等への投資育成を行っております。
当連結会計年度においては、中期経営計画に基づいた積極的なトレードセールによるキャピタルゲインを実現した一方で、一部投資先の価値下落に伴い減損も計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,915百万円(前年同期比129.2%増)、セグメント利益(営業利益)は375百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)168百万円)となりました。
ペットライフスタイルセグメントとは、連結子会社アイペットホールディングス株式会社の中核子会社であるアイペット損害保険株式会社が運営するペット向け医療保険等を指します。
当連結会計年度において、第3四半期連結会計期間までは同社を連結対象としておりましたが、第一生命ホールディングス株式会社による同社の株式公開買付けが2023年1月10日に成立したため、当第4四半期連結会計期間期首より連結対象外となっております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は24,378百万円(前年同期比14.9%減)、セグメント利益(営業利益)は844百万円(前年同期比491.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首と比較して2,546百万円減少し10,263百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,669百万円の収入(前連結会計年度は7,822百万円の収入)となりました。これは主に、ビジネスプロデュース事業好調による税金等調整前当期純利益が増加したことによる収入であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、5,150百万円の支出(前連結会計年度は317百万円の収入)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入8,348百万円が生じた一方で、有価証券の取得による支出13,800百万円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,388百万円の支出(前連結会計年度は955百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済による支出であります。
なお、当社(当社グループ)のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
2019年3月期2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期
自己資本比率45.5%40.2%31.3%29.1%68.5%
時価ベースの自己資本比率70.4%38.3%41.1%78.4%92.1%
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
132.9%-%-%40.7%1.4%
インタレスト・カバレッジ・レシオ183.9倍-倍-倍585.3倍484.6倍

(注)1 各指標は以下の方法により算定しております。
・自己資本比率 :自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
(株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数を乗じて算定しております)
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
2 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3 2020年3月期及び2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
4 2020年3月期より表示方法の変更を適用した組替え後の金額に基づく指標となっております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社及び当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
なお、ベンチャー投資セグメントにつきましては、受注という概念がございませんので記載しておりません。
区分前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比
(%)
金額(百万円)金額(百万円)
ビジネスプロデュース事業
(セグメント)
3,6853,576△2.9
インキュベーション事業32,12724,376△24.1
(内訳)
ペットライフスタイルセグメント28,74524,376△15.2
HRイノベーションセグメント1,372--
ファンマーケティングセグメント2,009--
合計35,81227,953△21.9

(注)1 各セグメントの金額は、セグメント間の取引を含んでおります。
2 ペットライフスタイルセグメントについては、第4四半期連結会計期間期首よりペットライフスタイルセグメントを構成するアイペットホールディングス株式会社とその子会社を当社の連結範囲から除外しているため、第3四半期連結累計期間における実績を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
ビジネスプロデュース事業
(セグメント)
3,83835.3
インキュベーション事業26,293△19.9
(内訳)
ベンチャー投資セグメント1,915129.2
ペットライフスタイルセグメント24,378△14.9
セグメント間の内部売上高又は振替高--
合計30,132△15.3

(注) ペットライフスタイルセグメントについては、第4四半期連結会計期間期首よりペットライフスタイルセグメントを構成するアイペットホールディングス株式会社とその子会社を当社の連結範囲から除外しているため、第3四半期連結累計期間における実績を記載しております。
d.投資実績
証券種類前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
投資実行高期末投資残高投資実行高期末投資残高
金額
(百万円)
会社数
(社)
金額
(百万円)
会社数
(社)
金額
(百万円)
会社数
(社)
金額
(百万円)
会社数
(社)
株式・出資金等1,136226,0336627484,96053
新株予約権等301-5---4
合計1,166236,0336927484,96055

(注)1 新株予約権等は、当社コンサルティングサービスの対価として発行会社から無償で取得している場合がありますが、上表においては、その際の金額をゼロとし会社数のみを記載しております。
2 株式、新株予約権等を重複して投資を行っている会社があります。
3 市場価格のない株式等以外のものについては、取得原価を記載しております。
4 上表には余剰資金の運用目的の有価証券及び投資有価証券は含まれておりません。
5 期末において保有している新株予約権等を全て行使した場合の株式取得価額の総額は、以下の通りであります。
前連結会計年度当連結会計年度
98百万円98百万円

e.新規上場(IPO)支援先一覧
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
企業名証券コード公開市場事業内容公開年月日
スローガン株式会社9253東証マザーズ
(提出日現在のグロース市場)
キャリア支援事業、人材紹介事業2021年11月25日

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社及び当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産残高は31,310百万円(前連結会計年度末は33,574百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,263百万円減少しました。その内訳は流動資産2,798百万円の増加及び固定資産5,061百万円の減少に分類されます。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が2,535百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が4,250百万円、営業投資有価証券が1,066百万円それぞれ減少した一方で、有価証券が11,032百万円増加したこと等が挙げられます。
固定資産減少の主な要因は、株式会社ワークスタイルラボ、ピークス株式会社及びアイペット損害保険株式会社等が当社の連結子会社から外れたことに伴い、繰延税金資産が1,986百万円、のれんが814百万円、ソフトウェアが812百万円、建物及び構築物(純額)が371百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
(負債)
当連結会計年度末における負債残高は9,393百万円(前連結会計年度末は21,119百万円)となり、前連結会計年度末と比較して11,726百万円減少しました。その内訳は流動負債10,688百万円の減少及び固定負債1,037百万円の減少に分類されます。
流動負債減少の主な要因は、未払法人税等が5,926百万円増加した一方で、アイペット損害保険株式会社が当社の連結子会社から外れたことに伴い保険契約準備金が14,594百万円減少したこと等が挙げられます。
固定負債減少の主な要因は、株式給付引当金が626百万円増加した一方で、長期借入金が1,648百万円減少したこと等が挙げられます。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は21,917百万円(前連結会計年度末は12,454百万円)となり、前連結会計年度末と比較して9,462百万円増加しました。
純資産増加の主な要因は、アイペットホールディングス株式会社株式売却による関係会社株式売却益が発生したことに伴い、親会社株主に帰属する当期純利益11,553百万円が生じたことによる利益剰余金の増加等が挙げられます。
b.経営成績の分析
(売上高、売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて、5,434百万円減収し、30,132百万円となりました。
また、売上原価は、前連結会計年度に比べて4,096百万円減少し、16,746百万円となりました。主な減少要因は、アイペット損害保険株式会社等が当社の連結子会社から外れたことなどが挙げられます。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べて1,337百万円減益し、13,386百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて2,695百万円減少し、12,196百万円となりました。主な減少要因は、アイペット損害保険株式会社等が当社の連結子会社から外れたことに伴い、人件費や販売手数料等が減少したことなどが挙げられます。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて1,358百万円増益し、1,190百万円(前年同期は営業損失168百万円)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて215百万円減少し、74百万円となりました。
また、営業外費用は、前連結会計年度に比べて39百万円減少し、37百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて1,182百万円増加し、1,227百万円(前年同期は経常利益44百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べて18,923百万円増加し、18,948百万円となりました。主な原因は、アイペットホールディングス株式会社株式売却による関係会社株式売却益を計上したことなどが挙げられます。
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて2,495百万円増加し、2,529百万円となりました。主な原因は、公開買付関連費用及び特別賞与を計上したことなどが挙げられます。
当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度に比べて5,945百万円増加し、5,918百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて11,546百万円増益し、11,553百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益7百万円)となりました。主な増益原因は、特別利益として関係会社売却益18,948百万円を計上したことなどが挙げられます。
なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当連結会計年度においては、保有するアイペットホールディングス株式会社の株式を譲渡したこと等によりネットキャッシュが大きく増加し241億円となり、当面充分な流動性を確保しております。なお、当社グループの主な資金需要は、ビジネスプロデュース事業に係る運転資金及びインキュベーション事業に係るベンチャーへの投資育成を目的とする投資資金があります。また、株主還元については「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載の通りであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、セグメント別の売上高、セグメント利益及びその総和である連結売上高、連結営業利益を重視する経営指標としております。なお、セグメント別の売上高、セグメント利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に、連結売上高及び連結営業利益は「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」に記載しております。