四半期報告書-第24期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/12 10:18
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27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成30年1月1日~平成30年9月30日)におけるわが国経済は、企業収益が設備投資の増加や生産の持ち直しにより改善し、雇用・所得環境の改善が続く中で個人消費も持ち直しており、緩やかながら息の長い景気回復基調が続いております。
海外経済は、アメリカの保護主義的な通商政策が世界経済に与える影響に留意する必要があるものの、全体として緩やかな成長が続いております。
当社グループが関わる不動産及び不動産金融業を取り巻く環境を俯瞰しますと、国土交通省が9月に発表した基準地価によれば、全国平均において全用途平均が27年ぶりに上昇に転じ、三大都市圏では住宅地及び商業地が共に上昇基調を強めております。地方中核都市においても、全ての用途において三大都市圏を上回る上昇率を示しており、地価の回復傾向が全国的に広がりつつあります。不動産賃貸市場においては、堅調な企業業績を背景とした館内増床や拡張移転需要が旺盛な状態が継続したことにより、全国の主要都市においてオフィスビルの稼働率及び賃料は上昇傾向が続きました。不動産売買市場においては、日銀による低金利政策の効果により良好な資金調達環境が継続する中、J-REIT、海外投資家等国内外の投資家による活発な物件取得活動が続いております。
こうした中、当社グループでは平成30年2月に3ヶ年の新中期経営計画「Partners in Growth,Next2020」を公表し、(1)不動産アセットマネジメントを中心とするビジネス領域の拡充、(2)機動的かつ戦略的な投資の推進、(3)時代の変化を捉えた新たな成長分野の開拓、(4)持続的成長と社会的責任の両立に向けた経営基盤の強化、を基本方針として掲げ、諸施策を着実に実行してまいりました。
当第3四半期連結累計期間における主な取組みとして、海外機関投資家に対する賃貸住宅特化型のコアファンドや、複数の国内機関投資家に対するホテル特化型のコアファンドの組成を行い、アセットマネジメント業務を受託することにより、着実に受託資産残高(AUM)を拡充いたしました。この結果、当第3四半期連結会計期間末における受託資産残高(AUM)の総額は2兆637億円となり、前連結会計年度末比では604億円(3.0%)の純増となりました。
また、堅調な不動産市況を背景に、私募ファンドやREIT等への物件売却が進展したことにより、投資回収も順調に推移いたしました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は54,902百万円(前年同四半期比193.5%増)、営業利益は11,744百万円(同35.5%増)、経常利益は11,246百万円(同33.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10,795百万円(同38.6%増)となりました。
財務面につきましては、発行済株式総数に対して6.1%にあたる自己株式の取得を実施し、株主還元水準の向上及び資本効率の改善を図りました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アセットマネジメント事業
受託資産残高(AUM)が拡大した結果、安定収益であるアセットマネジメントフィーが着実に増加する一方、前年度に大きなスポットフィーが計上された影響から、営業収益は7,540百万円(前年同四半期比2.6%減)、営業利益は4,625百万円(同8.3%減)となりました。
②不動産管理事業
プロパティマネジメント事業や入居工事事業が堅調に拡大したことから、営業収益は2,297百万円(前年同四半期比13.3%増)、営業利益は718百万円(同13.6%増)となりました。
③不動産運営事業
サービスアパートメント事業において大口顧客を獲得した一方、一部物件の運営を終了した影響のため営業収益は横這いだったものの、コスト削減に注力した結果、営業収益は2,592百万円(前年同四半期比0.4%増)、営業利益は25百万円(前年同四半期は119百万円の営業損失)となりました。
④不動産投資事業
賃貸住宅特化型及びホテル特化型のコアファンドの組成等に伴うたな卸資産の売却に伴い営業収益及び営業利益が大幅に増加した他、堅調な不動産市況を背景に投資回収が順調に進み、営業収益は42,951百万円(前年同四半期比541.1%増)、営業利益は7,358百万円(同90.0%増)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて8,294百万円減少し、182,467百万円となりました。これは主に、賃貸住宅特化型及びホテル特化型のコアファンドの組成等に伴いたな卸資産を売却したこと、連結範囲の変更や売却により有形固定資産が減少したことによるものであります。負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて2,300百万円減少し、86,937百万円となりました。これは総資産で記載したものと同様の理由によりノンリコースローンが減少したこと等によるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて5,993百万円減少し、95,529百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上する一方、自己株式の取得や配当により株主還元を行ったことの他、非支配株主持分が減少したことによるものであります。
なお、物件の取得にあたり連結子会社においてノンリコースローンによる資金調達を行う場合がありますが、当該ノンリコースローンは物件を保有している子会社を対象に融資され、返済原資はその子会社が保有する資産に係るキャッシュ・フローの範囲内に限定されるため、当社グループの有利子負債への依存の分析にあたっては、当該ノンリコースローンの影響を控除する必要があります。
有利子負債の自己資本に対する比率(デット・エクイティ・レシオ)の推移は以下のとおりです。
(単位:百万円)
平成26年12月期平成27年12月期平成28年12月期平成29年12月期平成30年9月期
有利子負債①106,61569,30776,02180,50074,781
(うちノンリコースローン②)(82,888)(45,634)(54,432)(62,544)(57,246)
純資産③85,35192,35396,776101,52395,529
現金及び預金④28,54647,54542,53248,34250,473
純有利子負債⑤(①-②-④)△4,819△23,871△20,943△30,386△32,938
ノンリコースローン控除後
ネット・デット・エクイテ
ィ・レシオ⑤/③(%)
△5.6△25.8△21.6△29.9△34.5

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。