有価証券報告書-第28期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/23 15:57
【資料】
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【項目】
103項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
[当社グループを取り巻く外部環境]
平成29年4月よりガスの小売りが自由化され、これにより電力とガス小売りが全面自由化されたことになり、約10兆円の市場が開放されました。大手電力会社や都市ガス会社は、電気とガスを販売する総合エネルギー企業を目指しており、電気とガス料金のセット割引で自由化市場でのシェア獲得を目指しております。
平成29年12月末時点で電力会社を切り替えた件数は600万件を突破し、一般家庭向けの電力総契約数に対する切替え割合は約9%に達しており、今後は更に電力とガス会社の切り替えが進んでゆくものと考えられます。また、料金プラン以外で他社との差異化を図るため、家庭との接点強化を図るサービスを打ち出す企業もあり、これまでの業種間の垣根を越えたサービス展開が予想されます。
そして、当社グループがこれまで主力事業と位置付けてきた日本の住宅産業においては、国内の新築住宅市場の鈍化が見込まれる中、住宅会社や製品メーカーはリフォーム市場の開拓に精力を傾け始めており、リフォーム需要の獲得につながる新たなサービスの普及も進むものと考えられます。
一方、中国国内では、人件費の高騰や住宅品質への消費者心理の高まり及び環境対策面から、地方政府が不動産開発会社に対して工業化住宅の採用に対する数値目標を課すようになり、政府からの補助金支給も相まって、工業化住宅の普及が加速し始めております。
当社グループではこれらの外部環境の変化に対応すべく、これまでの住宅領域での強みを活かしながら、下記の方針の下、持続的な事業成長を目指してまいります。
[1.TEPCOホームテック株式会社との協業]
平成29年8月に東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力EPという。)と当社との合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテックという。)は、東京電力EPのグループ会社として、住まいの総合省エネ企業を目指しており、平成30年はIHクッキングヒーターやエコキュートなどの省エネ機器のリフォーム事業を軌道に乗せることに注力しております。
特に当社グループとしては、TEPCOホームテックの省エネリフォーム事業を拡販できるよう、人材面、業務面、システム面で積極的に支援していく方針であります。
人材面の協力としては、設備設計や建築設計で知見のある当社社員をTEPCOホームテックへ出向させることで、省エネリフォーム工事を請け負う提携店の管理や育成などを行ってまいります。
また業務面では、TEPCOホームテックが手掛ける省エネ診断業務を当社で受託することでTEPCOホームテックの業務の効率化を図ってまいります。更に、東京電力EPの顧客基盤の中から省エネリフォームの見込み顧客に対して、当社のコールセンターから省エネリフォームの案内を電話で行うアウトバンド業務を受託することで、TEPCOホームテックの受注に貢献してまいります。
そしてシステム面では、省エネリフォームの顧客管理システムや提携店が利用する工事管理システムの提供を行い、円滑な工程管理や品質管理ができるよう協力をしてまいります。
TEPCOホームテックの省エネリフォーム事業を普及させるには、東京電力EPの顧客基盤やブランド力を最大限活用しながら、電力会社だからできる新たな省エネサービスをお客様に提供することが極めて重要と考えております。
当社グループとしては、TEPCOホームテックの成長を図ることで、当社グループの成長にもつながる取り組みを行ってまいります。
[2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革]
当社グループのコア事業である設計コンサルティング事業は、少子高齢化の影響で新築住宅着工戸数が先細り、今後は厳しい経営環境が予想されております。
一方、当社グループでは、過去に設備設計を行った設計のビックデータが100万戸を超えており、この経営資源である設計ビックデータとAIを組み合わせることで、抜本的なビジネスモデル改革に取り組んでまいります。
平成30年の具体的な取り組みとしては、AI設計システムの開発に着手いたします。既に平成29年からAI設計システムの構築に着手しており、今期は設計業務に利用できるレベルのシステム開発を行ってまいります。
今期、AI設計が目指すレベル1段階といたしましては、新たに設計依頼があった物件データをAI設計システムに読み込ませることで、過去に作成した設備設計データをAIが自動的に検索し、類似の図面データを表示させます。これにより設計者は初期から設計することなく、類似の設計データを修正しながら設計図を仕上げられ、業務効率の最大化を図ってまいります。
更にAI設計のレベル1段階では、間取りが近似しており戸数も多い、賃貸住宅向けの設備設計や同じく賃貸住宅向けの構造設計を対象とすることで、業務の効率化メリットが大きい分野に集中して取り組んでまいります。
また、将来的には販売価格を意図的に下げることで、これまで価格面で開拓できなかった大手分譲ビルダーや中小工務店の設計シェア拡大を目指してまいります。
[3.アフターメンテナンスサービスの業容拡大]
国内の新築住宅市場の鈍化が見込まれる中、住宅会社や製品メーカー、更には電力会社やガス会社などもリフォーム市場の開拓に精力を傾けております。当社グループが提供している住宅全般のアフターメンテナンスに対応するコールセンターサービスは、メンテナンスを通じてお客様との接点強化が図れることから、リフォームにつながる重要なサービスとして、業界内での注目度が高まっております。
アフターメンテナンスからリフォームにつなげる具体的な方策は、お客様の要請に応じて修理へ伺った際に、単に修理に対応するだけではなく、交換時期に近づいた設備機器を最新の省エネ機器へ取り換えるメリット(光熱費削減など)を提案することで、リフォーム受注の割合を増加できると考えております。
当社グループとしては、住宅全般のアフターメンテナンス対応に加え、省エネリフォーム提案や浄水器カートリッジなどの消耗品の取り換え案内など、コールセンターサービスの強化を図ってまいります。
[4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)]
中国では、平成27年に「中国製造2025」という中央政府の方針が発表され、労働生産性の向上や工業化と情報化の融合進化、生産プロセスの自動化やエコ化など、製造業や建設業などに対する産業政策が打ち出されました。この中国製造2025の方針を受けて、地方政府が不動産開発会社への指導を強化しており、具体的には不動産開発を行う際に、工業化住宅の採用割合を一定数以上にするよう義務付けを始めております。
この結果、構造躯体についてはプレキャストコンクリート工法の採用が増加し、ユニットバスやシステムキッチンなどの住宅設備も工業化製品の使用頻度が高まってくるものと予想されます。
当社グループでは、平成23年に香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LIANSU GROUPと共同で、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司を設立しております。CHINA LIANSU GROUPの強みは、システムキッチンなどの住設機器の製造や販売ネットワークを中国全土に持っており、中国での工業化住宅の普及は自社製品の販売増加にもつながることから、千載一遇の好機と捉えております。
一方で、当社グループと合弁で設立した広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司は、工業化住宅の設備設計を事業の柱に据えており、CHINA LIANSU GROUPの工業化製品を現場で組み立て施工するための設備設計をセットで提供することで、不動産開発会社からの受注増加を図ってまいります。

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