有価証券報告書-第29期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、1990年の設立以来、住宅設備の工業化を掲げ、設備工事の生産性、品質向上に資するサービスを数多く提供してまいりました。住宅設備に関連するコンサルティングをはじめ、設備工法・部材の企画開発、ソフトウェア・システム開発から物件ごとの設備設計、家歴管理、アフターメンテナンスを24時間365日受付けるコールセンターまで、一気通貫でサービスを提供しております。
今後、当社グループではスマートエネルギーサービスを21世紀の成長分野と位置付けており、これまで培ってきた住宅設備のノウハウを活かし、太陽光発電、HEMS、蓄電池などに係わるシステム開発や設計、アプリケーションサービスなど、省エネルギーや節電、スマートハウスに係わる各種サービスを手掛けてまいります。
また、高度経済成長が続く中国では、建築工事の効率化や建設廃材の低減が喫緊の課題であり、弊社が日本で取り組んできた建築工事の工業化ノウハウを、中国の合弁会社を通じ提供することで、中国における住宅産業の近代化に寄与していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、人々の住まいと暮らしを支える住宅・エネルギー分野のインフラ事業を目指すことで持続的な利益成長を実現しつつ、株主資本を有効活用(配当及び自社株買いによる株主還元を含む)することにより、継続的にROE15%以上を確保すべく努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループにおける中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
1.TEPCOホームテック株式会社との協業
2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革
3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長
4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)
上記の中長期戦略に関する課題と対策につきましては、(4)会社の経営環境及び対処すべき課題をご参照下さい。
(4) 会社の経営環境及び対処すべき課題
[当社グループを取り巻く外部環境]
2016年4月より電力小売りが全面自由化されて以降、一般家庭が自由化前の電力会社から新たに参入した新電力会社に切り替えた件数が2018年9月時点で約1,284万件に達し、切り替え率としては20.5%に到達しました。地域については大都市部を中心に切り替えが進んでおります。
一方で、2017年4月よりガスの小売りも全面自由化され、一般家庭が自由化前のガス会社から新たに参入した新ガス会社に切り替えた件数は、2018年12月末時点で約170万件に達しました。
自由化後の都市ガス販売の特徴は、主に大手の電力小売会社と都市ガス小売会社が、電気とガスのセット販売を行っており、セット販売による価格優位性で家庭向けのシェア獲得を競っております。
このような価格競争はしばらく継続されることが予想され、電力とガス会社の切り替えが更に加速していくものと考えられます。
そうした事業環境の中、電気やガスの料金プラン以外で他社との差異化を図るため、家庭との接点強化を図るサービスを打ち出す企業もあり、これまでの業種間の垣根を越えたサービス展開も見受けられます。
そして、当社グループがこれまで主力事業と位置付けてきた日本の住宅産業においては、2018年の新設住宅着工戸数が約94万戸となり、前年比マイナス2.3%になりました。その中でも持家住宅が前年比0.5%減の約28万戸で、貸家では5.6%減の約39万戸となりました。
2019年は消費増税による駆け込み需要も予測されますが、少子高齢化の影響もあり、中長期的には新設住宅着工の減少が続くものと思われます。
このように国内の新築住宅市場の鈍化が見込まれる中、住宅会社や製品メーカーはリフォーム市場の開拓に勢力を傾け始めており、リフォーム需要の獲得につながる新たなサービスの普及も進むものと考えられます。
一方、中国国内では、投資用不動産から居住用不動産への転換を図るため、保証型住宅(低価格)の普及促進や建築工事に係る環境対策面から工業化住宅の採用を後押しする政策が打ち出されました。2018年2月には工業化住宅に関するガイドラインや規格も発表され、工業化住宅の普及が加速し始めております。
当社グループではこれらの課題に対応すべく、これまでの住宅領域での強みを活かしながら、国内の電力会社や中国の合弁会社と連携して持続的な事業成長を目指してまいります。
[1.TEPCOホームテック株式会社との協業]
2017年8月に東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力EPという。)と当社との合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテックという。)は、現在、省エネ事業とメンテナンス事業を運営しております。
省エネ事業につきましては、2018年5月より電力グループ会社ならではの看板商品である「エネカリ」を市場投入し、全国で「エネカリ」の販売活動を強化しております。
この「エネカリ」は、省エネ機器(エコキュートや太陽光パネル、蓄電池、電気自動車の充電設備など)を初期費用ゼロ円で設置でき、電気料金とセットで「エネカリ」の利用料をお支払いただくモデルです。
これまで省エネ機器を設置する際には、お客さまが省エネ機器を購入しておりましたが、「エネカリ」は省エネ機器を購入せず、利用料の支払いで省エネ機器を使える点が特徴です。このため、お客さまは金銭的負担感が和らぎ、省エネ機器交換への障壁を取り除くことが可能になります。この「エネカリ」に参画する省エネ機器の製品メーカーや販売代理店も増加傾向にあり、2019年は各製品メーカーの販売網を活用して、全国で「エネカリ」の販売を行ってまいります。
一方、メンテナンス事業につきましては、水回りや電気周りの修理を24時間365日で受付け、修理サービスを行うTEPCOメンテナンスセンターを2018年5月に開設いたしました。
2018年12月末時点では、1か月に1,500件以上の修理に関する問合せが入るようになり、順調な立ち上がりと感じております。
TEPCOメンテナンスセンターの事業目的は、1つはお客さまとの接点強化にあります。
これまで東京電力EPとお客さまとの関係は電力小売契約のみであり、お客さまとの接点が希薄なことから、お客さまの暮らしをサポートできるサービスが提供できていなかった点が挙げられます。
TEPCOメンテナンスセンターが提供する水回りや電気周りの修理サービスを提供することで、お客さまとの接点強化を図り、修理サービスに加え、電力やガス販売でもお役立ちできる企業を目指したいという思いが込められております。
2つ目は、修理サービスを通じた省エネ機器への交換にあります。
TEPCOメンテナンスセンターへの修理依頼の中で特に多いのは、給湯器や床暖房、エアコンなどの省エネ機器に係る修理です。
このような省エネ機器は10年から15年程度使用すると修理頻度が上昇し、機器交換の時期を迎えます。TEPCOメンテナンスセンターでは、このような省エネ機器の修理の際に、最新の省エネ機器を初期費用ゼロ円で交換できる「エネカリ」を提案し、お客さまへ光熱費削減のサポートを行っております。
[2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革]
当社グループのコア事業である設計コンサルティング事業は、少子高齢化の影響で新築住宅着工戸数が先細り、今後は厳しい経営環境が予想されております。
2018年の具体的な取り組みとしては、AI設計システムの開発に着手いたしました。
当社グループでは、過去に設備設計を行った設計のビッグデータが100万戸を超えており、この経営資源である設計ビッグデータとAIを組み合わせることで、類似設計図面の抽出による設計業務の短縮や自動設計・自動検図など、コスト削減につながる抜本的な業務効率化に取り組んでおります。
一方で、AI設計システムを実務レベルに落とし込み、実用化するには一定の期間が必要なことから、コスト競争力の強化と人財の安定化を目的に、中国の深圳CADセンターでの設計業務を吉林CADセンターへ移管するプロジェクトも開始しております。
更にAI設計のレベル1段階では、間取りが近似しており戸数も多い、賃貸住宅向けの設備設計や同じく賃貸住宅向けの構造設計を対象とすることで、業務の効率化メリットが大きい分野に集中して取り組んでまいります。既に2018年下期から着手しており、2019年には吉林CADセンターへの設計業務の移管を完了させる予定でおります。
これにより中国の人件費上昇による設計コストの抑制を図りながら、AI設計システムによる抜本的なビジネスモデルの改革につなげてまいります。
[3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長]
1.商業店舗プロジェクトへの挑戦
これまでエプコグループでは低層住宅分野(戸建住宅やアパート)を中心に事業展開を行ってきましたが、同じ建築分野でも手掛けてこなかった商業店舗分野の設計サービスに挑戦してまいります。
当社の強みの1つとして、設計に携わる社員が日本と中国を合わせて約450名在籍している点が挙げられます。当該強みを活かして商業店舗の設計実績を蓄積することで、全国展開する大手小売企業の店舗プレファブ化に貢献していきたいと考えております。
2.BIM設計プロジェクトへの挑戦
アメリカや中国で採用が進んでいる最先端の設計ソフトウェアであるBIM(Building Information Modeling)を活用した、中高層住宅分野の設計サービスに挑戦してまいります。これまでエプコグループでは設備を主軸に設計サービスを展開してきましたが、BIM設計では建築・設備全体の設計サービスを提供してまいります。
このBIM設計の特徴は、建築工程全体の情報を作りだし、営業から設計、部品生産、施工、維持管理まで、建築工程に係る全職種が一気通貫で建築情報を共有できることにあります。これにより建築工期の短縮、工事品質の向上、コスト低減などが図れることから、今後、基幹的な設計手法となると考えます。
そして中国の深圳CADセンターをBIMセンターへ転換して、日本及び中国において中高層住宅分野のBIM設計を受託する体制を構築してまいります。
[4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)]
中国では、中央政府が国家標準であるプレファブ式建築評価標準を公表し、2018年2月から施行されました。
この中央政府の法制化を受けて、中国全土で工業化住宅による建築が加速しております。地方政府も不動産開発会社への指導を強化しており、具体的には不動産開発を行う際に、工業化住宅の採用割合を一定数以上にするよう義務付けを始めております。
この結果、構造躯体についてはプレキャストコンクリート工法や鋼製型枠工法の採用が増加しており、今後はユニットバスやシステムキッチンなどの住宅設備も工業化製品の使用頻度が高まってくるものと予想されます。
当社グループでは、香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LESSO GROUPと共同で、合弁会社である広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司を2011年に設立しております。CHINA LESSO GROUPの強みは、システムキッチンなどの住設機器の製造や販売ネットワークを中国全土に持っており、中国での工業化住宅の普及は自社製品の販売増加にもつながることから、千載一遇の好機と捉えております。
一方で、中央政府からはBIM設計の導入目標も発表されており、工業化住宅とBIM設計をセットで普及させる方針が示されております。
エプコグループとしては、深圳BIMセンターを早期に立ち上げ、中国の中高層住宅向けBIM設計を受託できる体制を構築してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、1990年の設立以来、住宅設備の工業化を掲げ、設備工事の生産性、品質向上に資するサービスを数多く提供してまいりました。住宅設備に関連するコンサルティングをはじめ、設備工法・部材の企画開発、ソフトウェア・システム開発から物件ごとの設備設計、家歴管理、アフターメンテナンスを24時間365日受付けるコールセンターまで、一気通貫でサービスを提供しております。
今後、当社グループではスマートエネルギーサービスを21世紀の成長分野と位置付けており、これまで培ってきた住宅設備のノウハウを活かし、太陽光発電、HEMS、蓄電池などに係わるシステム開発や設計、アプリケーションサービスなど、省エネルギーや節電、スマートハウスに係わる各種サービスを手掛けてまいります。
また、高度経済成長が続く中国では、建築工事の効率化や建設廃材の低減が喫緊の課題であり、弊社が日本で取り組んできた建築工事の工業化ノウハウを、中国の合弁会社を通じ提供することで、中国における住宅産業の近代化に寄与していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、人々の住まいと暮らしを支える住宅・エネルギー分野のインフラ事業を目指すことで持続的な利益成長を実現しつつ、株主資本を有効活用(配当及び自社株買いによる株主還元を含む)することにより、継続的にROE15%以上を確保すべく努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループにおける中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
1.TEPCOホームテック株式会社との協業
2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革
3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長
4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)
上記の中長期戦略に関する課題と対策につきましては、(4)会社の経営環境及び対処すべき課題をご参照下さい。
(4) 会社の経営環境及び対処すべき課題
[当社グループを取り巻く外部環境]
2016年4月より電力小売りが全面自由化されて以降、一般家庭が自由化前の電力会社から新たに参入した新電力会社に切り替えた件数が2018年9月時点で約1,284万件に達し、切り替え率としては20.5%に到達しました。地域については大都市部を中心に切り替えが進んでおります。
一方で、2017年4月よりガスの小売りも全面自由化され、一般家庭が自由化前のガス会社から新たに参入した新ガス会社に切り替えた件数は、2018年12月末時点で約170万件に達しました。
自由化後の都市ガス販売の特徴は、主に大手の電力小売会社と都市ガス小売会社が、電気とガスのセット販売を行っており、セット販売による価格優位性で家庭向けのシェア獲得を競っております。
このような価格競争はしばらく継続されることが予想され、電力とガス会社の切り替えが更に加速していくものと考えられます。
そうした事業環境の中、電気やガスの料金プラン以外で他社との差異化を図るため、家庭との接点強化を図るサービスを打ち出す企業もあり、これまでの業種間の垣根を越えたサービス展開も見受けられます。
そして、当社グループがこれまで主力事業と位置付けてきた日本の住宅産業においては、2018年の新設住宅着工戸数が約94万戸となり、前年比マイナス2.3%になりました。その中でも持家住宅が前年比0.5%減の約28万戸で、貸家では5.6%減の約39万戸となりました。
2019年は消費増税による駆け込み需要も予測されますが、少子高齢化の影響もあり、中長期的には新設住宅着工の減少が続くものと思われます。
このように国内の新築住宅市場の鈍化が見込まれる中、住宅会社や製品メーカーはリフォーム市場の開拓に勢力を傾け始めており、リフォーム需要の獲得につながる新たなサービスの普及も進むものと考えられます。
一方、中国国内では、投資用不動産から居住用不動産への転換を図るため、保証型住宅(低価格)の普及促進や建築工事に係る環境対策面から工業化住宅の採用を後押しする政策が打ち出されました。2018年2月には工業化住宅に関するガイドラインや規格も発表され、工業化住宅の普及が加速し始めております。
当社グループではこれらの課題に対応すべく、これまでの住宅領域での強みを活かしながら、国内の電力会社や中国の合弁会社と連携して持続的な事業成長を目指してまいります。
[1.TEPCOホームテック株式会社との協業]
2017年8月に東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力EPという。)と当社との合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテックという。)は、現在、省エネ事業とメンテナンス事業を運営しております。
省エネ事業につきましては、2018年5月より電力グループ会社ならではの看板商品である「エネカリ」を市場投入し、全国で「エネカリ」の販売活動を強化しております。
この「エネカリ」は、省エネ機器(エコキュートや太陽光パネル、蓄電池、電気自動車の充電設備など)を初期費用ゼロ円で設置でき、電気料金とセットで「エネカリ」の利用料をお支払いただくモデルです。
これまで省エネ機器を設置する際には、お客さまが省エネ機器を購入しておりましたが、「エネカリ」は省エネ機器を購入せず、利用料の支払いで省エネ機器を使える点が特徴です。このため、お客さまは金銭的負担感が和らぎ、省エネ機器交換への障壁を取り除くことが可能になります。この「エネカリ」に参画する省エネ機器の製品メーカーや販売代理店も増加傾向にあり、2019年は各製品メーカーの販売網を活用して、全国で「エネカリ」の販売を行ってまいります。
一方、メンテナンス事業につきましては、水回りや電気周りの修理を24時間365日で受付け、修理サービスを行うTEPCOメンテナンスセンターを2018年5月に開設いたしました。
2018年12月末時点では、1か月に1,500件以上の修理に関する問合せが入るようになり、順調な立ち上がりと感じております。
TEPCOメンテナンスセンターの事業目的は、1つはお客さまとの接点強化にあります。
これまで東京電力EPとお客さまとの関係は電力小売契約のみであり、お客さまとの接点が希薄なことから、お客さまの暮らしをサポートできるサービスが提供できていなかった点が挙げられます。
TEPCOメンテナンスセンターが提供する水回りや電気周りの修理サービスを提供することで、お客さまとの接点強化を図り、修理サービスに加え、電力やガス販売でもお役立ちできる企業を目指したいという思いが込められております。
2つ目は、修理サービスを通じた省エネ機器への交換にあります。
TEPCOメンテナンスセンターへの修理依頼の中で特に多いのは、給湯器や床暖房、エアコンなどの省エネ機器に係る修理です。
このような省エネ機器は10年から15年程度使用すると修理頻度が上昇し、機器交換の時期を迎えます。TEPCOメンテナンスセンターでは、このような省エネ機器の修理の際に、最新の省エネ機器を初期費用ゼロ円で交換できる「エネカリ」を提案し、お客さまへ光熱費削減のサポートを行っております。
[2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革]
当社グループのコア事業である設計コンサルティング事業は、少子高齢化の影響で新築住宅着工戸数が先細り、今後は厳しい経営環境が予想されております。
2018年の具体的な取り組みとしては、AI設計システムの開発に着手いたしました。
当社グループでは、過去に設備設計を行った設計のビッグデータが100万戸を超えており、この経営資源である設計ビッグデータとAIを組み合わせることで、類似設計図面の抽出による設計業務の短縮や自動設計・自動検図など、コスト削減につながる抜本的な業務効率化に取り組んでおります。
一方で、AI設計システムを実務レベルに落とし込み、実用化するには一定の期間が必要なことから、コスト競争力の強化と人財の安定化を目的に、中国の深圳CADセンターでの設計業務を吉林CADセンターへ移管するプロジェクトも開始しております。
更にAI設計のレベル1段階では、間取りが近似しており戸数も多い、賃貸住宅向けの設備設計や同じく賃貸住宅向けの構造設計を対象とすることで、業務の効率化メリットが大きい分野に集中して取り組んでまいります。既に2018年下期から着手しており、2019年には吉林CADセンターへの設計業務の移管を完了させる予定でおります。
これにより中国の人件費上昇による設計コストの抑制を図りながら、AI設計システムによる抜本的なビジネスモデルの改革につなげてまいります。
[3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長]
1.商業店舗プロジェクトへの挑戦
これまでエプコグループでは低層住宅分野(戸建住宅やアパート)を中心に事業展開を行ってきましたが、同じ建築分野でも手掛けてこなかった商業店舗分野の設計サービスに挑戦してまいります。
当社の強みの1つとして、設計に携わる社員が日本と中国を合わせて約450名在籍している点が挙げられます。当該強みを活かして商業店舗の設計実績を蓄積することで、全国展開する大手小売企業の店舗プレファブ化に貢献していきたいと考えております。
2.BIM設計プロジェクトへの挑戦
アメリカや中国で採用が進んでいる最先端の設計ソフトウェアであるBIM(Building Information Modeling)を活用した、中高層住宅分野の設計サービスに挑戦してまいります。これまでエプコグループでは設備を主軸に設計サービスを展開してきましたが、BIM設計では建築・設備全体の設計サービスを提供してまいります。
このBIM設計の特徴は、建築工程全体の情報を作りだし、営業から設計、部品生産、施工、維持管理まで、建築工程に係る全職種が一気通貫で建築情報を共有できることにあります。これにより建築工期の短縮、工事品質の向上、コスト低減などが図れることから、今後、基幹的な設計手法となると考えます。
そして中国の深圳CADセンターをBIMセンターへ転換して、日本及び中国において中高層住宅分野のBIM設計を受託する体制を構築してまいります。
[4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)]
中国では、中央政府が国家標準であるプレファブ式建築評価標準を公表し、2018年2月から施行されました。
この中央政府の法制化を受けて、中国全土で工業化住宅による建築が加速しております。地方政府も不動産開発会社への指導を強化しており、具体的には不動産開発を行う際に、工業化住宅の採用割合を一定数以上にするよう義務付けを始めております。
この結果、構造躯体についてはプレキャストコンクリート工法や鋼製型枠工法の採用が増加しており、今後はユニットバスやシステムキッチンなどの住宅設備も工業化製品の使用頻度が高まってくるものと予想されます。
当社グループでは、香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LESSO GROUPと共同で、合弁会社である広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司を2011年に設立しております。CHINA LESSO GROUPの強みは、システムキッチンなどの住設機器の製造や販売ネットワークを中国全土に持っており、中国での工業化住宅の普及は自社製品の販売増加にもつながることから、千載一遇の好機と捉えております。
一方で、中央政府からはBIM設計の導入目標も発表されており、工業化住宅とBIM設計をセットで普及させる方針が示されております。
エプコグループとしては、深圳BIMセンターを早期に立ち上げ、中国の中高層住宅向けBIM設計を受託できる体制を構築してまいります。