有価証券報告書-第57期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/26 14:50
【資料】
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【項目】
113項目
1.業績等の概要
(1) 業績
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社はこれまで、既存事業における営業力の強化、事業の採算性の評価、徹底した経費削減等に取り組み、一連の経営再建の活動を実施することで、黒字転換を実現してまいりました。また、当社の事業における今後の方向性を定めるために、2025年12月期を最終年度とした中長期経営計画を推進し、経営基盤の再構築を進めるとともに、当社の既存事業領域に隣接した事業領域への事業拡大を図るために、積極的に資本・業務提携等のM&Aや新規事業の創出を進めております。この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ291,943千円増加し、1,091,699千円となりました。
流動資産は、309,864千円増加し、880,489千円となりました。主に、現金及び預金の増加319,837千円によるものであります。
固定資産は、17,921千円減少し、211,209千円となりました。主に、関係会社株式の減少99,750千円及び投資有価証券の増加56,950千円及び無形固定資産の増加22,344千円によるものであります。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ100,976千円増加し、251,528千円となりました。
流動負債は、19,777千円増加し、145,295千円となりました。主に、1年内返済予定の長期借入金の増加22,879千円によるものであります。
固定負債は、81,199千円増加し、106,233千円となりました。主に、長期借入金の増加78,462千円によるものであります。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ190,966千円増加し、840,170千円となりました。主に、繰越利益剰余金の減少85,519千円及び資本金の増加139,932千円、資本準備金の増加139,932千円によるものであります。
b.経営成績
当事業年度の売上高は476,939千円(前事業年度比72.9%)、営業損失は84,079千円(前事業年度は14,902千円の営業利益)、経常損失は85,220千円(前事業年度は13,983千円の経常利益)、当期純損失は85,519千円(前事業年度は6,493千円の当期純利益)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、大型案件の開始時期が遅延したことによるコンサルタントの稼働率低下及び取引先への訪問が制限されたことによる営業機会減少により、業績に大きな影響を受けました。経費面においては前年を若干下回りましたが、売上高において前事業年度の実績より大きく下回り営業赤字となりました。
しかしながら資本政策面においては、新株予約権の行使による株式の発行、金融機関からの融資により資金調達を行い、投資資金及び運転資金の充実を図ることができました。
当社におきましては、顧客サービスの継続性及び従業員の安全確保を優先的に考え、テレワークによる業務を遂行しております。
各分野別の状況は次のとおりであります。
①業務コンサルティング領域(ERP,HCM等)
当社の主要な事業分野である「ERPコンサルティング」においては、オラクル社のJD Edwards及びNetSuiteに関連する案件を中心に推移しております。JD Edwardsを継続して利用する企業向けの保守及びバージョンアップ、サーバーのリプレイス、クラウドへの移行等の案件を継続して支援しております。また、利用中のハードウェアの老朽化や保守期限の到来、運用コストの削減等の理由によりJD Edwardsをオンプレミスの環境からクラウド環境へ移行する企業が増加しており、新規の受注に繋がっております。しかしながら大型案件の開始時期が大幅に遅延したためにコンサルタント稼働率が低下し売上に影響を受けました。NetSuiteに関しては、海外企業の日本法人向け導入支援、既存顧客への運用支援を行っております。
第2の事業の柱となる「人事コンサルティング」の分野においては、当社が取り扱いをしているコーナーストーンオンデマンド社がサバソフトウェア社を買収したことで、タレントマネジメント(人材の適材配置及び育成管理)の導入及び定着化支援の商談において遅延が発生しておりましたが、新規案件を受注し導入支援を行っております。
また、汐留パートナーズと業務提携契約を締結し、海外企業が日本市場に参入する支援を提供する日本進出支援コンサルティングサービス「GX Incubation」を拡充したことで商談数が増加し新規案件の受注に繋がっております。
② 自動化・効率化コンサルティング領域(RPA、AI、xR等)
新たな事業として取り組んでいるRPA及びAI領域においては、取引先への訪問が制限されたことによる営業機会減少により商談数が減少しました。このためRPA研修サービスやソリューション連携の開発、xR(仮想現実)技術を活用した遠隔操作支援のサービス開発等の活動を進めました。ソフトフロント社のAIオペレーターcommuboの商談数が増加し新規案件の受注に繋がっております。
さらに、テレワークの需要拡大により、コンテンツマネージメントクラウド「Box」の商談数が増加しております。また、新規事業領域分野の開拓を進めるため、IT教育事業に関する市場調査を行った結果、事業の方向性が定まったため、STEM教育(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を合わせた造語。論理思考(理系的思考)を育てるために注目される教育手法と考えられています。)に関するサービスを端緒としてIT教育事業を開始しました。
③ M&A及び新規事業領域
既存事業領域における事業の拡大、新規事業領域への進出に向けて、当社との間でシナジーが期待できる企業との資本・業務提携等のM&Aの検討及び交渉を継続して進めております。
当社におけるM&A戦略を策定し、対象事業領域を拡大するとともに、対象地域をアジアまで拡大し、M&Aの対象となる企業プロファイルを特定し、複数のM&A仲介会社や銀行の協力を得て情報収集を進めております。
当社の子会社である株式会社クラウドカスタマーサクセスによりフィリピン共和国のIT開発会社を取得し、オフショア開発の展開を開始ししました。
STEM教育を軸としたプログラム教育に関する事業を展開するために株式会社XYEEDを子会社化しました。
今後、M&Aや新規事業領域において具体的な進捗がみられ業績予想に影響が生じると判断した場合には速やかに公表いたします。
④ その他
安定的な経営を継続するために、以下の取り組みを積極的に進めております。
1.オンラインセミナーの開催などマーケティング活動による新規顧客の開拓
2.人材確保のために、外部コンサルタントとの協業
3.コンサルタントの育成によるスキルアップ及び多能化による収益率の改善
4.既存顧客向け付加価値サービスの提案
5.既存サービスの拡張、既存パートナーとの関係強化
6.新規取扱商材の開拓
7.株主還元策の充実
8.新型コロナウィルス感染症によるリスク対策としての運転資金の確保
9.中小企業向けテレワーク支援のためのIT導入補助金2020のIT導入支援事業者としての活動
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ319,837千円増加し747,678千円となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動で使用した資金は67,194千円(前事業年度は80,481千円の収入)となりました。支出の主な内訳は、仕入債務の減少額6,730千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動で取得した資金は9,691千円(前事業年度は194,846千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、短期貸付けによる支出41,500千円であり、収入の主な内訳は、関係会社株式の売却による収入53,500千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動で取得した資金は377,341千円(前事業年度は139,014千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、新株予約権の行使による株式の発行による収入276,000千円及び長期借入れによる収入250,000千円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出148,659千円であります。
2.生産、受注及び販売の実績
当社は、ITコンサルティング事業を営んでおり、当社におけるセグメントは、「ITコンサルティング事業」のみの単一セグメントであります。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 令和2年1月1日
至 令和2年12月31日)
前期比(%)
ITコンサルティング事業 (千円)416,33992.21
合計 (千円)416,33992.21

(注)1.金額は売上原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 令和2年1月1日
至 令和2年12月31日)
前期比(%)
ITコンサルティング事業 (千円)4,14711.60
合計 (千円)4,14711.60

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 令和2年1月1日
至 令和2年12月31日)
受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
ITコンサルティング事業542,278100.52224,696141.00
合計542,278100.52224,696141.00

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 令和2年1月1日
至 令和2年12月31日)
前期比(%)
ITコンサルティング事業 (千円)476,93972.91
合計 (千円)476,93972.91

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成31年1月1日
至 令和元年12月31日)
当事業年度
(自 令和2年1月1日
至 令和2年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
大阪ガスケミカル㈱89,14713.660,41712.7

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産及び負債の状況に基づき、将来の費用として発生が見込まれるものにつきましては一般に合理的と認められる方法により、慎重な見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社は、独立系コンサルティングファームとして、ビジネスコンサルティング及びシステムコンサルティング事業をもって、国内上場企業、中堅企業、海外企業をお取引先として、ERPやHCMソリューション、働き方改革や業務効率化ソリューションの導入・運用支援のサービスを提供してまいりました。
最近の当社を取り巻く市場環境を見渡してみると、当社の主力事業であるERPソリューションに関連するコンサルティング事業領域においては、大企業における導入が一巡したものの、バージョンアップやクラウドへの移行、管理会計やデータ活用、セキュリティ強化といった周辺事業領域の需要が高まっています。また、中堅中規模企業や新興企業においてERPソリューションの導入が活発化しており、クラウドERPを取扱う当社にとって商談の機会が増加傾向となっております。企業における働き方改革の取り組みによる業務効率化を実現するためにRPAの導入が活発化するとともに、社員の適材配置を実現するためにタレントマネジメントシステムの採用が注目されており、当社にとって商談の機会が増加傾向にあります。また、事業領域拡大のために、AI技術を活用したソリューションの提供を始めるとともに、海外企業の日本市場への参入支援等の非ITサービス領域の事業の提供も行っております。前年度より継続して「人的資源の確保と育成」、「協業パートナーの拡大」を進めるとともに、当社との間でシナジーが期待できる企業との資本・業務提携やM&A等の検討・交渉を進め、積極的に業容の拡大を図ってまいります。
次期事業年度の見通しにつきましては、売上高725百万円(当事業年度比152.0%)、営業利益21百万円(当事業年度は84百万円の営業損失)、経常利益20百万円(当事業年度は85百万円の経常損失)、当期純利益18百万円(当事業年度は85百万円の当期純損失)を見込んでおります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費、外注費等の製造費用及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要としては資本業務提携に係る株式の取得等であります。
運転資金等は、自己資金及び金融機関よりの借入金を基本としております。また、投資を目的とした資金は、第三者割当による増資を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金等の有利子負債の残高は、178百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、747百万円となっております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)経営戦略の現状と見通し」に記載のとおりであります。
当社は、中長期経営計画「VISION2021」(令和元年12月期~令和7年12月期)基づき、積極的に企業価値ならびに株主価値の向上を目指し、収益構造の改革及び事業領域の拡大を推進すると共に、長期間において成長し続けるために必要な事業基盤の整備を進めております。
中長期経営計画の基本方針における取り組み状況は以下の通りです。
① 財務基盤の充実と戦略的な投資計画の実行
戦略的な投資を実行するための資金として、増資により394百万円を調達し、また、新型コロナウイルス感染症による影響の対策として、運転資金として金融機関より200百万円の融資を受け、手許資金を充実しました。
② 資本・業務提携、M&Aによる短期間での業容の拡大
当社におけるM&A戦略を策定し、複数のM&A仲介会社や銀行の協力を得て、当社との間でシナジーが見込める企業に対して積極的に資本・業務提携やM&Aの検討を進めました。
また、STEM教育を軸とした事業を展開するために株式会社XYEEDを子会社化し、教育事業分野へと事業領域の拡大を開始しました。
③ 株主還元策の充実
株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、株主の皆様との対話方法や関係性構築のありかたを含めて総合的な検討を行っております。
「ジェクシード・プレミアム優待倶楽部」を活用して、議決権行使の電子化を継続すると共に、株主通信を活用して情報発信を開始、さらに、ポイント制度による株主優待制度を新設いたしました。
④ 人材の拡充、社員の多能化推進、ワークライフバランスの向上
人材の確保・育成に重点を置き、社員の多能化を推進することで、よりお客様のビジネス成長に貢献することができる体制を整えることを目的として、2025年度末における会社のあるべき姿に基づいた人事制度への改革を進めるために、人事制度グランドデザインを策定しました。
当初の計画では2021年度が中期経営計画の最終年度となりますが、新型コロナウイルス感染症による影響を受け営業機会の損失、受注案件開始時期の先送りによって当初計画した業績の達成が困難な状況となりましたため、2021年12月期に設定をしていた業績目標値を1年間先延ばしました。なお、当初より計画している事業戦略の実行時期を変更することなく着実に推進すると共に、2025年12月期の業績指標値を据え置くこととしました。
中長期経営計画「VISION2021」(令和元年12月期~令和7年12月期)の2年目である令和2年12月期の達成・進捗状況は以下の通りです。
売上高は計画比273,061千円減(36.4%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、大型案件の開始時期が遅延したことによるコンサルタントの稼働率低下が主な原因となります。
指標令和2年12月期
(計画)
令和2年12月期
(実績)
計画比
売上高750,000千円476,939千円△273,061千円(△36.4%)
営業利益26,000千円△84,079千円△110,079千円(-)
当期純利益22,000千円△85,519千円△107,519千円(-)
ROE
(自己資本利益率)
2.77%△11.55%△14.32%(-)

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