有価証券報告書-第35期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度(平成31年1月1日~令和元年12月31日)における我が国の経済は、内閣府による令和元年12月の月例経済報告で、「景気は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している。」と報告されています。先行きについては同報告の中で「当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」とされながらも、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある、と述べられています。
このような環境の下、当連結会計年度においては、当社グループの強みとする組込み事業からアプリケーション、クラウドまでを一貫して提供できる技術力とノウハウ等を軸として、以下の施策に取り組んでまいりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいています。
<テクノロジー事業>当社の既存サービス拡充に対する取り組みとしては、水処理システムをIoT化するオールインワンパッケージ「HARPS(ハープス)」を日本で提供開始し、これまで営業活動の中心としていた海外のみならず国内においても積極的なサービス展開を開始したほか、世界的なキッチンメーカーFranke Kitchen Systems Ltdの蛇口一体型小型浄水器「Franke Vital Capsule System」に当社のフローセンサーが搭載され、2月より販売開始いたしました。また当社のロケーションビーコン「MyBeaconシリーズ」について低電圧検知機能を追加する等の機能拡張等を行い、当該機能拡張に伴い同日より価格改定を実施しました。 新技術・新サービス開発に対する取り組みとしては、プロダクトデザインやWeb・サービスなどのさまざまなデザイン分野において「体験設計」(Experience Design)をベースに質の高い経験価値の向上に寄与してきたデザインソリューションの専門企業である株式会社ホロンクリエイトと、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の到来に際し、UXデザイン(User Experience:顧客体験)によるIoTソリューション開発に関する共同研究を行うことについて合意しました。更に、第三者検証サービスを提供する株式会社ブール・ジャパンともIoT関連市場向け次世代第三者検証に関する共同研究を行うことについて合意する等、新技術・新サービスの早期の市場投入を目的として積極的に取り組みました。 また受託開発案件においては、ネスレ日本株式会社のカプセル式本格カフェシステムで世界累計販売台数5,000万台以上を誇る「ネスカフェ ドルチェ グスト」シリーズのIoTモデル「Esperta(エスペルタ)」及び「GENIO I(ジェニオ アイ)」発売にあたり、スマートフォンの専用アプリケーション開発及びアプリケーションと連動したシステムの開発を行ったほか、同社のコーヒーマシン「ネスカフェゴールドブレンドバリスタ」の新モデル「ネスカフェゴールドブレンドバリスタデュオ」及び「ネスカフェゴールドブレンドバリスタデュオプラス」について、スマートフォン向けアプリケーション「ネスカフェアプリ」の開発や「バリスタデュオプラス」のディスプレイ向けアプリケーションの開発、及びバックエンドシステムの開発を実施しました。更に、アクアクララのウォーターサーバー利用者向けのECを中心とした会員専用WEBサービス「マイアクア」のリニューアルにあたりシステム開発の支援等を行いました。 <ソリューション事業>ソリューション事業の主な構成事業の一つであるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社については、MVNOサービス「スマモバ」における格安スマホや格安SIMの販売に引き続き注力したほか、クラウドSIMを使用する新サービス「めっちゃWiFi」の提供を開始しました。また「スマモバ」初のIoT関連サービスとして、法人向けIoT用データ通信サービス「unio(ユニオ)」の提供を開始する等、「スマモバ」の拡販に積極的に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度のテクノロジー事業の売上高は589,330千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)、ソリューション事業の売上高は254,418千円となりました。
営業損益につきましては、テクノロジー事業の営業損失は453千円(前連結会計年度の営業損失193,631千円)、ソリューション事業の営業利益は56,351千円となりました。
また、当連結会計年度においてセグメント損失の調整額が233,766千円(前連結会計年度のセグメント損失の調整額250,498千円)発生しております。セグメント損失は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)となりました。
営業損益につきましては、177,869千円の営業損失(前連結会計年度の営業損失444,130千円)となりました。
経常損益につきましては、182,301千円の経常損失(前連結会計年度の経常損失456,607千円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、216,022千円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)となりました。
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、第3四半期連結会計期間末にスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社の貸借対照表を連結範囲に含めたことにより、前連結会計年度末と比較して資産・負債とも増加しております。
総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,811,297千円増加し2,986,216千円となりました。これは、のれんが715,715千円、現金及び預金が382,678千円、売掛金が528,476千円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して791,827千円増加し874,919千円となりました。これは、買掛金が384,917千円、未払金が200,262円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,019,469千円増加し2,111,297千円となりました。これは、主に新株予約権の発行とその行使による新株の発行に伴い、資本金が221,421千円、資本剰余金が221,421千円それぞれ増加し、またスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行ったことにより、資本剰余金が802,301千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失を216,022千円計上したことに伴い利益剰余金が減少したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率につきましては、前連結会計年度末と比較して20.5 ポイント減少し、70.0%となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して382,678千円増加し1,413,246千円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動の結果増加した資金は106,232千円(前連結会計年度は491,136千円の減少)となりました。これは主に、連結子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社において、当第4四半期連結会計期間よりMVNO事業に関連する売掛金等の売上債権の一部についてファクタリングの利用を開始したことで、当該売掛金等の売上債権約2憶円を従来の入金サイトより早期に回収したこと等によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動の結果減少した資金は、8,386千円(前連結会計年度は3,132千円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出5,000千円等によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動の結果増加した資金は、138,130千円(前連結会計年度は709,381千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入437,329千円等によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.IoTソリューション関連事業に関する受注について記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとお
りであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度のアクアクララ株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループは連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りは、過去の実績や現在の状況を勘案し様々な要因に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
2.当連結会計年度における経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)、営業損失は177,869千円(前連結会計年度の営業損失444,130千円)、経常損失は182,301千円(前連結会計年度の経常損失456,607千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は216,022千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)となりました。詳細については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。
3.当連結会計年度における財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、第3四半期連結会計期間末にスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社の貸借対照表を連結範囲に含めたことにより、前連結会計年度末と比較して資産・負債とも増加しております。
総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,811,297千円増加し2,986,216千円となりました。これは、のれんが715,715千円、現金及び預金が382,678千円、売掛金が528,476千円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して791,827千円増加し874,919千円となりました。これは、買掛金が384,917千円、未払金が200,262円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,019,469千円増加し2,111,297千円となりました。これは、主に新株予約権の発行とその行使による新株の発行に伴い、資本金が221,421千円、資本剰余金が221,421千円それぞれ増加し、またスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行ったことにより、資本剰余金が802,301千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失を216,022千円計上したことに伴い利益剰余金が減少したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率につきましては、前連結会計年度末と比較して20.5 ポイント減少し、70.0%となりました。
4.資金の流動性及び資本の源泉の分析
(1)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して382,678千円増加し1,413,246千円となりました。
詳細については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(2)資金需要の内容及び資金調達の方針
当社は、受託開発やビーコン等のハードウェア製品の提供を行うテクノロジー事業と、子会社におけるMVNO事業及び通信サービスやクラウドを用いたソリューションの提供を行うソリューション事業にて構成されており、これら事業の発展に必要となる経営資源に資金を投入しており、これら事業を更に推進するための資金の確保、及び財務基盤の健全化並びに安定化を目的として、必要に応じて資金調達を検討してまいります。
5.戦略的現状と見通し
当社では、当社が20年以上に渡って展開してきた組込みソフトウェア事業、及び10年以上に渡る半導体開発を含む組込みハードウェア事業の知識と経験による「総合的な組込み技術」をその根幹として、まだ繋がっていないモノとモノ、モノとサービス、サービスとサービス等を繋ぐことが当社の中核競争力(コアコンピタンス)であると再認識するとともに、当社の立ち位置、並びに現在市場から求められている技術及びサービス等をより的確に把握し、広範に対応できるようにすることが当社IoTソリューション事業の更なる成長のために必要であり、それらを実現するための新たな事業ビジョンの策定が必要不可欠と考えたことから、平成29年11月9日にIoTソリューション事業における新事業ビジョンを発表いたしました。当該新事業ビジョンにおいては、当社の役割を「まだ繋がっていないモノ・コトを繋げるコネクタ」であると再認識するとともに、同じ意味を表す「Connecting the Unconnected」をスローガンとして定めております。当社では、このスローガンを踏まえ、今後、より多くの市場ニーズ及び局面に対応した製品及びサービスを提供していくことを可能にするために、「広範な技術分野への対応等」、販売と取り扱いを容易にする「応用分野毎のサービス等のパッケージ化」、及び「販路拡大」の3点の施策を打ち出し、このうち、「広範な技術分野への対応等」については、令和元年8月15日付でMVNO事業を営むスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)を株式交換の方法により完全子会社化したことで、これまで当社のIoT製品・サービスに主に使用していた近距離無線通信技術のBluetooth Low Energyに加えて、SMCが保有する無線通信システム(3G、4G等)を用いた新たな新製品・サービスや、費用対効果の高いサービスの開発・提供に向けて取り組みを開始する等、当該3点の施策の実現に向けて積極的に取り組んでおります。また当第4四半期連結会計期間においては、SMCが営むMVNO事業、上記の無線通信システムを用いた製品・サービス、またクラウドを用いたソリューションの開発・提供等を目的とした「ソリューション事業」を立ち上げ、SMCを取得したことで当社グループに基盤が作られたストックビジネスを推進するための取り組みについても開始しております。今後、これらの取り組みを更に強化することで、当社グループの中長期的な業績向上及び企業価値の向上が実現できるものと考えております。
なお、当社には継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。当社グループはこうした状況を解消するため、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した施策を実施し、当該状況の解消又は改善に努めております。
6.継続企業の前提に関する重要事象等を解消又は改善するための対応策
当社グループは、総合エンターテインメント事業を中心とした事業から、スマートフォン用のアプリケーションやクラウドサービス開発等のIoTソリューションを中心とする事業への転換を行ってまいりました。当該事業転換に伴い、ゲーム、アニメーション及び出版の事業会社売却、旧来のソフトウェア事業を推進していた海外子会社の清算、非収益部門の廃止や本社移転等、様々な施策を行ってきたこと等により、前連結会計年度まで7期連続となる売上高の著しい減少及び営業損失の計上が継続しております。当連結会計年度においては、前連結会計年度と比較して売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)と150.5%増加し、また営業損失は177,869千円(前連結会計年度の営業損失444,130千円)、経常損失は182,301千円(前連結会計年度の経常損失456,607千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は216,022千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)といずれも前連結会計年度と比較して改善しました。また営業キャッシュ・フローについても、主に令和元年8月15日付で完全子会社化したスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)の営業キャッシュ・フローが当社連結営業キャッシュ・フローに寄与したことにより、8期ぶりに営業キャッシュ・フローのプラス化を達成したものの、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」に記載したとおり、当該営業キャッシュ・フローのプラス化についてはあくまでも臨時的な事象によるものであり、今後の営業キャッシュ・フローのプラス化については不確実性があること、また当連結会計年度においても営業損失の計上が継続していることから、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、こうした状況を解消するため、以下のとおり当該状況の解消又は改善に努めております。
当社では、平成29年11月9日に策定した新事業ビジョンにおいて掲げた「広範な技術分野への対応等」、販売と取り扱いを容易にする「応用分野毎のサービス等のパッケージ化」、及び「販路拡大」の3点の施策を着実に実行することにより、継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上が実現できるものと考えております。引き続き、通信モジュールからスマートフォン用のアプリケーション、クラウドサービスまでIoT製品化に必要なトータルソリューションを提供し、顧客のIoT化ニーズの実現と今後の更なる受注拡大を目指すとともに、当該新事業ビジョンにおける3点の施策の着実な実行に伴う継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上の実現をより確実なものとするため、既存の当社IoTソリューションサービスを更に拡充するための必要資金及び続々と登場する新世代の高度な技術をいち早く取り入れて、広範かつ高い市場訴求力を備える製品・サービス等を開発するための必要資金並びに事業提携及びM&A等の必要資金の調達を目的として、平成30年2月14日開催の取締役会において投資事業有限責任組合インフレクションⅡ号及びフラッグシップアセットマネジメント投資組合70号に対する第M-2回新株予約権及び第M-3回新株予約権(第三者割当)(以下「本新株予約権」)の発行を決議いたしました。本新株予約権については、当初の調達資金の総額を2,024,800千円と予定しておりましたが、行使価額修正条項が付された第M-2回新株予約権については、令和元年10月31日においてすべての新株予約権の行使が完了した結果、総額で1,145,845,910円(第M-2回新株予約権の行使に係る当初予定調達額1,818,000千円に対する割合は63.03%)を調達したものの、第M-3回新株予約権については、本新株予約権の行使期間終了日である令和元年3月2日までに割当先による行使に至らず、発行した個数5,000個(500,000株)がすべて消滅しております。しかしながら、今回の資金調達については、調達した資金額の範囲において本新株予約権の各資金使途(「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」、「②新技術開発及び新事業立ち上げに要する投資資金調達資金」、「③資本・業務提携及びM&A」)に充当し、また都度調達した資金を「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」に優先的に充当する方針であり、すでに令和元年10月31日付で行使が完了した第M-2回新株予約権の資金調達額については、当該方針に基づき「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」に優先的に充当した結果、令和元年12月期通期連結決算において売上高が前年比150.5%と増加し、また各利益についても改善する等、一定の成果は得られたものと考えております。
また、令和元年7月24日に当社取締役会において、株式会社光通信(以下「光通信」)の連結子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)と、令和元年8月15日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、SMCを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」)を行うことを決議し、同日、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」)を締結いたしました。SMCはMVNOサービス「スマモバ」を運営するMVNO事業者であり、当社がMVNO事業の中の一つとしてSIMの販売を手掛けるSMCを取得することで、当社が新事業ビジョンで掲げた通信規格の拡充の分野において、現状当社のIoT製品・サービスで主に用いている近距離無線通信技術のBluetooth Low Energyに加えて、無線通信システムである第3世代(3G)、第4世代(4G)及び将来的には第5世代(5G)移動通信システムを用いた新たな新製品・サービスや、費用対効果の高いサービスが創出できる等のシナジー効果が期待できると考えております。また、本株式交換の結果、光通信が当社の大株主及び筆頭株主になるとともに、本株式交換契約締結日同日である令和元年7月24日に当社取締役会にて光通信と資本業務提携契約を締結することについて決議し、同日付で両社の間で資本業務提携契約を締結いたしました。当社は、本資本業務提携を通じて、光通信グループが有する高い営業力及び強力な販売体制を活用した当社IoTソリューションの拡販を更に強化できると考えております。
当社では、これらの対応策を実行していくことにより売上高の増加、収益性の改善及び営業キャッシュ・フローの増加等が可能となり、ひいては当社の財務健全性の向上が実現できるものと考えておりますが、事業計画については今後の経済環境の変化による影響を受ける等により、計画どおりに推移しない可能性があり、この場合当社の財務状況や資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。したがって現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
(1)業績
当連結会計年度(平成31年1月1日~令和元年12月31日)における我が国の経済は、内閣府による令和元年12月の月例経済報告で、「景気は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している。」と報告されています。先行きについては同報告の中で「当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」とされながらも、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある、と述べられています。
このような環境の下、当連結会計年度においては、当社グループの強みとする組込み事業からアプリケーション、クラウドまでを一貫して提供できる技術力とノウハウ等を軸として、以下の施策に取り組んでまいりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいています。
<テクノロジー事業>当社の既存サービス拡充に対する取り組みとしては、水処理システムをIoT化するオールインワンパッケージ「HARPS(ハープス)」を日本で提供開始し、これまで営業活動の中心としていた海外のみならず国内においても積極的なサービス展開を開始したほか、世界的なキッチンメーカーFranke Kitchen Systems Ltdの蛇口一体型小型浄水器「Franke Vital Capsule System」に当社のフローセンサーが搭載され、2月より販売開始いたしました。また当社のロケーションビーコン「MyBeaconシリーズ」について低電圧検知機能を追加する等の機能拡張等を行い、当該機能拡張に伴い同日より価格改定を実施しました。 新技術・新サービス開発に対する取り組みとしては、プロダクトデザインやWeb・サービスなどのさまざまなデザイン分野において「体験設計」(Experience Design)をベースに質の高い経験価値の向上に寄与してきたデザインソリューションの専門企業である株式会社ホロンクリエイトと、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の到来に際し、UXデザイン(User Experience:顧客体験)によるIoTソリューション開発に関する共同研究を行うことについて合意しました。更に、第三者検証サービスを提供する株式会社ブール・ジャパンともIoT関連市場向け次世代第三者検証に関する共同研究を行うことについて合意する等、新技術・新サービスの早期の市場投入を目的として積極的に取り組みました。 また受託開発案件においては、ネスレ日本株式会社のカプセル式本格カフェシステムで世界累計販売台数5,000万台以上を誇る「ネスカフェ ドルチェ グスト」シリーズのIoTモデル「Esperta(エスペルタ)」及び「GENIO I(ジェニオ アイ)」発売にあたり、スマートフォンの専用アプリケーション開発及びアプリケーションと連動したシステムの開発を行ったほか、同社のコーヒーマシン「ネスカフェゴールドブレンドバリスタ」の新モデル「ネスカフェゴールドブレンドバリスタデュオ」及び「ネスカフェゴールドブレンドバリスタデュオプラス」について、スマートフォン向けアプリケーション「ネスカフェアプリ」の開発や「バリスタデュオプラス」のディスプレイ向けアプリケーションの開発、及びバックエンドシステムの開発を実施しました。更に、アクアクララのウォーターサーバー利用者向けのECを中心とした会員専用WEBサービス「マイアクア」のリニューアルにあたりシステム開発の支援等を行いました。 <ソリューション事業>ソリューション事業の主な構成事業の一つであるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社については、MVNOサービス「スマモバ」における格安スマホや格安SIMの販売に引き続き注力したほか、クラウドSIMを使用する新サービス「めっちゃWiFi」の提供を開始しました。また「スマモバ」初のIoT関連サービスとして、法人向けIoT用データ通信サービス「unio(ユニオ)」の提供を開始する等、「スマモバ」の拡販に積極的に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度のテクノロジー事業の売上高は589,330千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)、ソリューション事業の売上高は254,418千円となりました。
営業損益につきましては、テクノロジー事業の営業損失は453千円(前連結会計年度の営業損失193,631千円)、ソリューション事業の営業利益は56,351千円となりました。
また、当連結会計年度においてセグメント損失の調整額が233,766千円(前連結会計年度のセグメント損失の調整額250,498千円)発生しております。セグメント損失は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)となりました。
営業損益につきましては、177,869千円の営業損失(前連結会計年度の営業損失444,130千円)となりました。
経常損益につきましては、182,301千円の経常損失(前連結会計年度の経常損失456,607千円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、216,022千円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)となりました。
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、第3四半期連結会計期間末にスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社の貸借対照表を連結範囲に含めたことにより、前連結会計年度末と比較して資産・負債とも増加しております。
総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,811,297千円増加し2,986,216千円となりました。これは、のれんが715,715千円、現金及び預金が382,678千円、売掛金が528,476千円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して791,827千円増加し874,919千円となりました。これは、買掛金が384,917千円、未払金が200,262円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,019,469千円増加し2,111,297千円となりました。これは、主に新株予約権の発行とその行使による新株の発行に伴い、資本金が221,421千円、資本剰余金が221,421千円それぞれ増加し、またスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行ったことにより、資本剰余金が802,301千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失を216,022千円計上したことに伴い利益剰余金が減少したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率につきましては、前連結会計年度末と比較して20.5 ポイント減少し、70.0%となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して382,678千円増加し1,413,246千円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動の結果増加した資金は106,232千円(前連結会計年度は491,136千円の減少)となりました。これは主に、連結子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社において、当第4四半期連結会計期間よりMVNO事業に関連する売掛金等の売上債権の一部についてファクタリングの利用を開始したことで、当該売掛金等の売上債権約2憶円を従来の入金サイトより早期に回収したこと等によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動の結果減少した資金は、8,386千円(前連結会計年度は3,132千円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出5,000千円等によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動の結果増加した資金は、138,130千円(前連結会計年度は709,381千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入437,329千円等によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) | 前年同期比(%) |
| テクノロジー事業(千円) | 514,485 | 51.9 |
| ソリューション事業(千円) | ― | ― |
| 合計(千円) | 514,485 | 51.9 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高(千円) | 前年同期比 (%) |
| テクノロジー事業 | 581,933 | 89.6 | 24,657 | 2.4 |
| ソリューション事業 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 581,933 | 89.6 | 24,657 | 2.4 |
(注) 1.IoTソリューション関連事業に関する受注について記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) | 前年同期比(%) |
| テクノロジー事業(千円) | 589,330 | 74.9 |
| ソリューション事業(千円) | 254,418 | ― |
| 合計(千円) | 843,748 | 150.5 |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとお
りであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 構成比(%) | 金額(千円) | 構成比(%) | |
| ネスレ日本株式会社 | 159,973 | 47.5 | 430,251 | 50.9 |
| アクアクララ株式会社 | 54,500 | 16.2 | ― | ― |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度のアクアクララ株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループは連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りは、過去の実績や現在の状況を勘案し様々な要因に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
2.当連結会計年度における経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)、営業損失は177,869千円(前連結会計年度の営業損失444,130千円)、経常損失は182,301千円(前連結会計年度の経常損失456,607千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は216,022千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)となりました。詳細については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。
3.当連結会計年度における財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、第3四半期連結会計期間末にスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社の貸借対照表を連結範囲に含めたことにより、前連結会計年度末と比較して資産・負債とも増加しております。
総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,811,297千円増加し2,986,216千円となりました。これは、のれんが715,715千円、現金及び預金が382,678千円、売掛金が528,476千円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して791,827千円増加し874,919千円となりました。これは、買掛金が384,917千円、未払金が200,262円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,019,469千円増加し2,111,297千円となりました。これは、主に新株予約権の発行とその行使による新株の発行に伴い、資本金が221,421千円、資本剰余金が221,421千円それぞれ増加し、またスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行ったことにより、資本剰余金が802,301千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失を216,022千円計上したことに伴い利益剰余金が減少したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率につきましては、前連結会計年度末と比較して20.5 ポイント減少し、70.0%となりました。
4.資金の流動性及び資本の源泉の分析
(1)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して382,678千円増加し1,413,246千円となりました。
詳細については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(2)資金需要の内容及び資金調達の方針
当社は、受託開発やビーコン等のハードウェア製品の提供を行うテクノロジー事業と、子会社におけるMVNO事業及び通信サービスやクラウドを用いたソリューションの提供を行うソリューション事業にて構成されており、これら事業の発展に必要となる経営資源に資金を投入しており、これら事業を更に推進するための資金の確保、及び財務基盤の健全化並びに安定化を目的として、必要に応じて資金調達を検討してまいります。
5.戦略的現状と見通し
当社では、当社が20年以上に渡って展開してきた組込みソフトウェア事業、及び10年以上に渡る半導体開発を含む組込みハードウェア事業の知識と経験による「総合的な組込み技術」をその根幹として、まだ繋がっていないモノとモノ、モノとサービス、サービスとサービス等を繋ぐことが当社の中核競争力(コアコンピタンス)であると再認識するとともに、当社の立ち位置、並びに現在市場から求められている技術及びサービス等をより的確に把握し、広範に対応できるようにすることが当社IoTソリューション事業の更なる成長のために必要であり、それらを実現するための新たな事業ビジョンの策定が必要不可欠と考えたことから、平成29年11月9日にIoTソリューション事業における新事業ビジョンを発表いたしました。当該新事業ビジョンにおいては、当社の役割を「まだ繋がっていないモノ・コトを繋げるコネクタ」であると再認識するとともに、同じ意味を表す「Connecting the Unconnected」をスローガンとして定めております。当社では、このスローガンを踏まえ、今後、より多くの市場ニーズ及び局面に対応した製品及びサービスを提供していくことを可能にするために、「広範な技術分野への対応等」、販売と取り扱いを容易にする「応用分野毎のサービス等のパッケージ化」、及び「販路拡大」の3点の施策を打ち出し、このうち、「広範な技術分野への対応等」については、令和元年8月15日付でMVNO事業を営むスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)を株式交換の方法により完全子会社化したことで、これまで当社のIoT製品・サービスに主に使用していた近距離無線通信技術のBluetooth Low Energyに加えて、SMCが保有する無線通信システム(3G、4G等)を用いた新たな新製品・サービスや、費用対効果の高いサービスの開発・提供に向けて取り組みを開始する等、当該3点の施策の実現に向けて積極的に取り組んでおります。また当第4四半期連結会計期間においては、SMCが営むMVNO事業、上記の無線通信システムを用いた製品・サービス、またクラウドを用いたソリューションの開発・提供等を目的とした「ソリューション事業」を立ち上げ、SMCを取得したことで当社グループに基盤が作られたストックビジネスを推進するための取り組みについても開始しております。今後、これらの取り組みを更に強化することで、当社グループの中長期的な業績向上及び企業価値の向上が実現できるものと考えております。
なお、当社には継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。当社グループはこうした状況を解消するため、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した施策を実施し、当該状況の解消又は改善に努めております。
6.継続企業の前提に関する重要事象等を解消又は改善するための対応策
当社グループは、総合エンターテインメント事業を中心とした事業から、スマートフォン用のアプリケーションやクラウドサービス開発等のIoTソリューションを中心とする事業への転換を行ってまいりました。当該事業転換に伴い、ゲーム、アニメーション及び出版の事業会社売却、旧来のソフトウェア事業を推進していた海外子会社の清算、非収益部門の廃止や本社移転等、様々な施策を行ってきたこと等により、前連結会計年度まで7期連続となる売上高の著しい減少及び営業損失の計上が継続しております。当連結会計年度においては、前連結会計年度と比較して売上高は843,748千円(前連結会計年度の売上高336,890千円)と150.5%増加し、また営業損失は177,869千円(前連結会計年度の営業損失444,130千円)、経常損失は182,301千円(前連結会計年度の経常損失456,607千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は216,022千円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失458,793千円)といずれも前連結会計年度と比較して改善しました。また営業キャッシュ・フローについても、主に令和元年8月15日付で完全子会社化したスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)の営業キャッシュ・フローが当社連結営業キャッシュ・フローに寄与したことにより、8期ぶりに営業キャッシュ・フローのプラス化を達成したものの、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」に記載したとおり、当該営業キャッシュ・フローのプラス化についてはあくまでも臨時的な事象によるものであり、今後の営業キャッシュ・フローのプラス化については不確実性があること、また当連結会計年度においても営業損失の計上が継続していることから、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、こうした状況を解消するため、以下のとおり当該状況の解消又は改善に努めております。
当社では、平成29年11月9日に策定した新事業ビジョンにおいて掲げた「広範な技術分野への対応等」、販売と取り扱いを容易にする「応用分野毎のサービス等のパッケージ化」、及び「販路拡大」の3点の施策を着実に実行することにより、継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上が実現できるものと考えております。引き続き、通信モジュールからスマートフォン用のアプリケーション、クラウドサービスまでIoT製品化に必要なトータルソリューションを提供し、顧客のIoT化ニーズの実現と今後の更なる受注拡大を目指すとともに、当該新事業ビジョンにおける3点の施策の着実な実行に伴う継続的な業績向上及び中長期的な企業価値向上の実現をより確実なものとするため、既存の当社IoTソリューションサービスを更に拡充するための必要資金及び続々と登場する新世代の高度な技術をいち早く取り入れて、広範かつ高い市場訴求力を備える製品・サービス等を開発するための必要資金並びに事業提携及びM&A等の必要資金の調達を目的として、平成30年2月14日開催の取締役会において投資事業有限責任組合インフレクションⅡ号及びフラッグシップアセットマネジメント投資組合70号に対する第M-2回新株予約権及び第M-3回新株予約権(第三者割当)(以下「本新株予約権」)の発行を決議いたしました。本新株予約権については、当初の調達資金の総額を2,024,800千円と予定しておりましたが、行使価額修正条項が付された第M-2回新株予約権については、令和元年10月31日においてすべての新株予約権の行使が完了した結果、総額で1,145,845,910円(第M-2回新株予約権の行使に係る当初予定調達額1,818,000千円に対する割合は63.03%)を調達したものの、第M-3回新株予約権については、本新株予約権の行使期間終了日である令和元年3月2日までに割当先による行使に至らず、発行した個数5,000個(500,000株)がすべて消滅しております。しかしながら、今回の資金調達については、調達した資金額の範囲において本新株予約権の各資金使途(「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」、「②新技術開発及び新事業立ち上げに要する投資資金調達資金」、「③資本・業務提携及びM&A」)に充当し、また都度調達した資金を「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」に優先的に充当する方針であり、すでに令和元年10月31日付で行使が完了した第M-2回新株予約権の資金調達額については、当該方針に基づき「①当社ソリューション及びプロダクトライン拡充のための投資資金」に優先的に充当した結果、令和元年12月期通期連結決算において売上高が前年比150.5%と増加し、また各利益についても改善する等、一定の成果は得られたものと考えております。
また、令和元年7月24日に当社取締役会において、株式会社光通信(以下「光通信」)の連結子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下「SMC」)と、令和元年8月15日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、SMCを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」)を行うことを決議し、同日、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」)を締結いたしました。SMCはMVNOサービス「スマモバ」を運営するMVNO事業者であり、当社がMVNO事業の中の一つとしてSIMの販売を手掛けるSMCを取得することで、当社が新事業ビジョンで掲げた通信規格の拡充の分野において、現状当社のIoT製品・サービスで主に用いている近距離無線通信技術のBluetooth Low Energyに加えて、無線通信システムである第3世代(3G)、第4世代(4G)及び将来的には第5世代(5G)移動通信システムを用いた新たな新製品・サービスや、費用対効果の高いサービスが創出できる等のシナジー効果が期待できると考えております。また、本株式交換の結果、光通信が当社の大株主及び筆頭株主になるとともに、本株式交換契約締結日同日である令和元年7月24日に当社取締役会にて光通信と資本業務提携契約を締結することについて決議し、同日付で両社の間で資本業務提携契約を締結いたしました。当社は、本資本業務提携を通じて、光通信グループが有する高い営業力及び強力な販売体制を活用した当社IoTソリューションの拡販を更に強化できると考えております。
当社では、これらの対応策を実行していくことにより売上高の増加、収益性の改善及び営業キャッシュ・フローの増加等が可能となり、ひいては当社の財務健全性の向上が実現できるものと考えておりますが、事業計画については今後の経済環境の変化による影響を受ける等により、計画どおりに推移しない可能性があり、この場合当社の財務状況や資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。したがって現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。