四半期報告書-第25期第3四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)

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2017/11/13 13:28
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判
断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界経済の緩やかな回復を背景に、製造業においては大企業を中心に大幅な回復傾向にありました。「日銀短観」9月調査における企業の業況判断DIでも、大企業製造業が前回の6月調査から5ポイント上昇のプラス22となり、4四半期連続で改善、2008年秋のリーマンショック後で最も高い水準となりました。特に半導体や自動車向け部品の生産が好調で企業の景況感を押し上げました。
一方、雇用の需給はますます逼迫してきており、「日銀短観」雇用人員判断DIでも人手不足を表す数値が悪化し、特に中小企業の人手不足感が目立ちました。9月における有効求人倍率は1.52倍で、バブル期に最も高かった1.46倍を超え、43年ぶりの高い水準で推移しており、人手不足感はより一層高まりました。
このような状況下、当社グループの基幹事業である人材・教育ビジネスにおきましては、労働人口の減少と労働者派遣法をはじめとする関係法令改正によって企業における外部活用が大手人材サービス企業に集中する中、上期に立ち上げた大型案件を安定的に運営することで売上高の基盤を作り、グループ全体の業績をけん引いたしました。また、今後、大型化・高度化する案件への対応が増加していくことを見据え、インフラ整備・組織の見直し・コンプライアンス体制の強化を図り、これまで以上に加速する業界再編に向け準備を行いました。
不動産ビジネスにおきましては、不動産事業の特性を見極めた経営を進め、デベロップメント関連を中心とした事業構造に加え、事業サイクルの短いリノベーション・戸建住宅関連に更に注力することで、市況の変動に柔軟に対応できるバランスのとれたポートフォリオの構築を推し進めました。特に大都市圏を中心に建築コストや地価の上昇が進み、より正確な市況の見極めが重要となっている中、安定した事業構造への転換を図りました。
情報通信ビジネスにおきましては、市場のマーケットが飽和する一方で、従来から進めてきた携帯電話ショップのスクラップが一巡したことから、ドミナント戦略に基づく拡大準備を進めながら店舗を増強し、九州における存在感を更に高めることができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は83,718百万円(前年同期比20.2%増)、営業利益は3,399百万円(前年同期比47.8%減)、経常利益は3,375百万円(前年同期比47.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,256百万円(前年同期比38.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(ファクトリー事業)
ファクトリー事業は、好調に推移する中、特に半導体分野・機械分野においては、これまで構築してきた人材採用・育成・管理体制で大型案件を柔軟に運営し、強い収益基盤を形成することができました。圧倒的な強みである物流分野においても、請負の高度化が進み、生産性向上・組織階層化・リーダー層の人材育成が進んでいることから、柔軟な横展開が可能となり大幅な増収に寄与いたしました。
採用面については、案件を機動的に立ち上げられる組織の進化・定着に加え、これまで様々な施策を積み上げ、より機能性を高めた当社独自Webサイト「JOB PAPER」の登録者数が4万7千名を超え、より一層安定的な採用が可能となり採用数が大幅に向上いたしました。
福島県における被災者雇用の受託事業は、震災復興とともに売上規模は減少しておりますが、震災から7年目となる今期までに延べ15,000名超の被災求職者に対して継続的に雇用を創出しております。
以上の結果、売上高は29,342百万円(前年同期比35.7%増)、セグメント利益は2,044百万円(前年同期比32.8%増)となりました。
(テクノ事業)
テクノ事業は、これまで蓄積した育成人材の実績を強みに、好条件での受注を拡大させることで、売上高、利益ともに順調に推移いたしました。
今後確実に不足するエンジニアを育成・輩出するために設置したデザインセンターでは、独自の研修プログラムにより多くの未経験者を自動車や装置の機械設計エンジニアとして輩出することができ、配属人数の底上げに寄与いたしました。また、グループ会社の㈱アドバンと連携し、ニーズの高い専門技術(サーバー仮想化・JAVAプログラミング・組込み制御)の研修カリキュラムを拡充させることでITエンジニアの更なるスキル向上を図りました。
AV機器及び家電等の修理を行うリペア部門では、対象商品の見直しや、商流を量販店向けサービス等の成長領域へシフトさせるという構造改革により収益力を高めました。
建設技術者に特化したコンストラクション部門では、来期の業績拡大に向け組織の強化・再構築を図りました。
以上の結果、売上高は9,028百万円(前年同期比21.4%増)、セグメント利益は959百万円(前年同期比24.1%増)となりました。
(R&D事業)
R&D事業は、化学・バイオ系を中心とした研究開発分野におけるアウトソーシング業界で確固たるマーケットリーダーのポジションを確立するため、研究者としてのスキルアップだけでなく、明確化したセグメントのビジョンを定期的な研修会等で共有することによって、帰属意識の高い人間性豊かな社員の醸成に努めてきました。それにより、戦略的なチャージの適正化を進め、利益の向上に繋げることができました。
また、国立大学法人京都大学化学研究所・寺西研究室及び公立大学法人大阪府立大学生命科学研究科・乾研究室と共同研究契約を締結し、高度専門技術を有した研究員の育成体制を構築いたしました。
臨床試験受託事業(CRO)を行っているDOTワールド㈱は、案件の大型化が進む中、戦略的な採用手法の変更や管理システム導入等の効率的な業務遂行の仕組みづくりを行いました。
以上の結果、売上高は4,703百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は437百万円(前年同期比21.0%増)となりました。
(セールス&マーケティング事業)
セールス&マーケティング事業は、これまで拡大してきた規模をベースに、取り扱い職種・事業領域の再整備や拠点の再配置・管理部門の強化等の環境改善を図り、強固な基盤づくりを行いました。
以上の結果、売上高は4,450百万円(前年同期比10.7%増)、セグメント利益は195百万円(前年同期比17.4%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業における業界環境としては、首都圏においてのマンション価格が高騰する中、当第3四半期連結累計期間における新規供給戸数は前年同期0.3%増の23,235戸とほぼ横ばいとなっておりますが、売れ行きを示す指標である契約率の平均は67.8%で、好調ラインの70%を下回り需給は弱含みに推移いたしました。一方、近畿圏の新規供給戸数は前年同期比5.9%増の14,254戸となり、契約率平均も76.3%と好調に推移いたしました。
このような環境の中、当社グループでは、引渡し時期による変動が大きい不動産事業の特性を正確に捉え、グループの安定基盤を活用し、市況を見極めながら事業領域や地域ごとの戦略をより一層明確化させ、安定且つバランスのとれたポートフォリオの構築を進めました。
デベロップメント関連においては、昨年度は第3四半期会計期間に大きな引渡しがありましたが、今年度は引渡しが第4四半期以降に集中していることから、予算に対して確実な売上高の確保を進め、今後引渡しとなる物件の販売を順調に推移させました。また、地域ごとに市況が大きく異なる仕入については、地域特性に応じ慎重に進めました。自社開発物件におきましては「レジデンシャル杜せきのした」の完売を含めた分譲マンション13戸の引渡しと、事業用地7物件の引渡しにより、売上高11,805百万円を計上いたしました。また、当期の第4四半期以降に引渡しとなる「ONE PARK RESIDENTIAL TOWERS」の販売が計画を上回るペースで順調に推移いたしました。
リノベーション関連においては、仕入・販売をそれぞれ強い地域に集中することで、昨年を上回る363戸を引渡し、売上高7,139百万円を計上、今後の拡大に向け各地域での強固な基盤形成を図りました。
本年子会社化した豊栄建設㈱を中心とする戸建住宅関連では、注文住宅等において216戸を引渡し、売上高5,069百万円を計上いたしました。また、新たに販売開始した札幌市の新発寒(しんはっさむ)での大規模分譲地(143区画)が好調な上、東北エリア拡大のために現地の既存事業会社(㈱ワールドアイシティ)と連携し、来期に向けた準備を進めました。
販売受託等におきましては、売上高1,973百万円を計上いたしました。
ユニットハウス関連におきましては、戦略的にエリア拡大を図った九州地区が活況な上、レンタル事業の他、中古ユニットハウスの販売が好調で、売上高1,363百万円を計上いたしました。また、新たに開発したトイレハウスがNPO法人日本トイレ研究所の快適トイレ認定を受けるなど高い評価を得ています。
以上の結果、売上高は27,349百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は1,198百万円(前年同期比76.0%減)となりました。
(情報通信事業)
情報通信事業は、より効率的な店舗運営を目指し推し進めてきた携帯電話ショップのスクラップが一巡したことから、かねてより行ってきた近隣のエリアマーケティングとM&A戦略に基づき、直営店舗を新たに16店舗加えることで総計49店舗となり、九州におけるトップシェアに向け更に前進いたしました。また、新規店舗オープンと共により優良な店舗網の構築を目指し、既存店舗の移転・大型化等の環境改善への投資を行いました。
また、中小企業に向けたコスト削減ソリューションを展開する法人向けサービスにおいては、LED照明販売等の環境事業に注力いたしました。
以上の結果、売上高は6,618百万円(前年同期比14.2%増)、セグメント利益は86百万円(前年同期比47.5%減)となりました。
(その他)
PCスクール運営を行う㈱アドバンは、スクール運営やクリエイティブ部門でのWeb制作やオンライン販売等が昨年を上回り順調に推移いたしました。また、グループ内でのシナジーを発揮し社内での各種研修制度の体系をより拡充させることで、人材・教育セグメントのエンジニアのスキルアップに寄与いたしました。
本年子会社化した農業公園事業を行っている㈱ファーム及びその子会社は、人員体制の再整備・意識改革による運営基礎力の強化等の土台整備を行いました。また、早期再生のための綿密な調査をし、施設の再整備等、来期に向けた投資の準備を行いました。
以上の結果、売上高は2,226百万円(前年同期比534.7%増)、セグメント損失は42百万円(前年はセグメント利益12百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は84,138百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,746百万円の増加となりました。これは主に販売用不動産の増加額2,207百万円及び子会社取得に伴う有形固定資産の増加額2,488百万円等によるものであります。
負債につきましては、負債合計が67,433百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,504百万円の増加となりました。これは主に販売用不動産の購入資金及び子会社株式取得資金として調達した短期借入金の増加額4,900百万円等によるものであります。
純資産につきましては、純資産合計が16,705百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,241百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加額980百万円等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。